山田詠美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ本書にある短編『ひつじの眼』が、今月の読書会の課題。
著者は、小説作品としては読まず嫌い(デビュー作を手にして、すぐに下品! と手放した)。
でも、近年はエッセイは読んでいる(地元だからという理由が大半)。それと、芥川賞の選考委員としてのコメントは、他の選者と一線を画していて、時に痛快。
そんな思いで読んでみたもの。
読書会でも、「嫌い派」の先陣に立って論を張ったが、それはそれで面白かった。
構成から分かるように、本作は回顧録だ。31歳の女性(本作を著したころの著者年齢だそうだ)が、中学生の頃の思い出を語るしつらえ。
ゆえにだろうか、中学生らしからぬ述懐、感情、記述が目立つ。時折作者が顔を出すところが、イタタマレナいのだった。
そう思う人も参加者の中に多かったようで、「本当の、ひよこの眼をしらない」と言い切る意見も面白かった。参加者のYさん曰く、主人公亜紀の妹が飼いたがっているウサギと、ひよこを比べて、ひよこの生命力の弱さを語るが、うさぎの仔のほうがよほど生命として弱いのだそうだ。
31歳の著者は、はたして中学生に戻れていただろうか。村上春樹は10代の若者にも、80代の老人にもなれるというそうだ(映像ディレクターのISさん)。それが作家の才能のひとつだと。
冒頭4行、そして末尾の4行で現在の亜紀が、過去を回想するが、結局、31歳の亜紀に成長がなく、学びというものが感じられない。ひよこの目に出会うと
「私は、困ってしまうのだった」
と書いてしまう、オチの付け方に賛否両論だった。
要は、本作は恋物語ではなく、生と死の物語。死といかに向き合うか。死をどのように見るか、あるいは死に見つめられるということはどういうことかを考えさせられるもの。
31歳当時の著者の死生観は、この程度というものを露呈している。ある意味、作品を残すというのは残酷なことでもあると、思わされた。 -
Posted by ブクログ
平成初期生まれの人間で、この年代の小説を最近読んでいます。時代を超えても変わらない本質みたいなものを見つけたいなと。
この本の内容は、いつになっても変わらない普遍的な大人の恋愛っていう気がした。生き物なので、結婚していたって恋に落ちることはあるわけです。
しかも、大人になると、まあ割とどこにでもありそうな話と思う。結婚して5-10年すると、意外とそれぞれ別で相手見つけてる(言わないだけで)というのはあります。
そんな日常を丁寧に書いているなと思いました。
以下引用ですが、これは人間同士でなく本にも言えること。僕がこの本が発売されたばかりの子供の時に読んでいたら、全然共感することも、理解することもできなかったと思う。
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会うことは偶然けれども必然が出会いを作る。若い頃の私が今のなるおに出会っても、特別な人として見詰めることなどなかっただろう。