山田詠美のレビュー一覧
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ネタバレ作られた家族と幸せが、長男の死により崩壊したお話。
趣味が悪いけど、家族がそれぞれにあがく中、ママの病状がどんどん悪くなっていくところが好き。でも、最後の場面は、ずっと見ていたなら分かるでしょ、死なせてあげてよ、と思ってしまった。今ここで終われるならママと子供たちはその方が絶対に幸せだよ。個人の感想です。
この家族にはきっとこれからも、やっぱり駄目だった、もう駄目なんじゃないか、そう思うことがたくさんあるだろうな。それでも家族は何度でも崩壊した上から新しい生活を積み重ねることしかできない、奇跡も魔法もない。愛とか呪縛と呼ぶのは違う気もするんだけど、そうした営みは尊いな、とは思う。 -
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ずっと読みたかった本。ようやく入手。
●江國香織「生きる気まんまんだった女の子の話」
……世界観がそのまんま。いいねえ。
生きる気まんまんだった女の子は、なんだかんだで幸せな人生を送ったのだろうな。
●岩瀬成子「竹」
……よく分からなかった。児童文学の作者なのに、やや難解。
●井上荒野「ある古本屋の妻の話」
……夫婦は仲良くありたいね。分かりやすく。誤解を招かずにすむくらいに。
●角田光代「おかあさんのところにやってきたねこ」
……いろいろ深読みしたくなってしまう短編。
飼い猫の幸せ?野生の幸せ?
親の子知らず、子の心親知らず。
人生の因果、幸福とは?
そして、元絵本でねこが、王様や船 -
Posted by ブクログ
「新装版 ハーレムワールド」
ふくざ〜つな感情。
気持ちいいセックスと美味しい食べ物どっちが好き?と聞かれたら後者を答えてはダメだ。これは前者です!女王様!サユリ様!と意気揚々と答える中坊の様な精力と性欲を備えている男達が、サユリの掌で気持ち良く転がされる話。
男の出来に、国や肌の色が関係してる訳ないだろーーーっ!!!
それを証明したくてこの小説が誕生したらしい。なるほどなるほど、di◯◯の大きさで優劣は決まらないのだ、、、きっと。そうだそうだ!と言わざるを得ない。だって、ジャパニーズだもの。
ざっくりなあらすじは前述通りである。ようはティレンやシンイチやスタンやクラウスやら国 -
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Posted by ブクログ
絵本「100万回生きたねこ」へのトリビュート短編集。作風も、絵本の活かし方もさまざまで、それぞれに味わい深かったです。
印象的だったのは川上弘美さんの「幕間」。RPGの主人公と、ねこを重ね合わせるとは……着想が面白く、また、皮肉に満ちて切なかった……。
小説の中に混ざる、くどうなおこさん「インタビューあんたねこ」の詩、好きだなぁ。リズムが良い。言葉選びのセンスが良い。普段なかなか詩に親しむ機会がないのですが、ことばのひとつひとつがキラキラしてる……。
短いながら優しい、谷川俊太郎さんの「虎白カップル譚」で締めくくられていて、後味が良くてほっとしました。