山田詠美のレビュー一覧

  • ぼくは勉強ができない

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    時田仁子の「後で苦労したっていいじゃない。痛い目に合わなきゃ学べないこと、沢山あるわ。」にすごく共感しました。
    人生って本当にそうだなーと、逆に痛い目にあって苦労したことのほうが、自分を後から守ってくれる教養につながるし、自分の軸になるものになると思うから。

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    2017年01月29日
  • 晩年の子供

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    ひよこの眼が読みたくて読んだ。何度か読んだことがあったが、何度読んでも最後の一文の余韻がすごい。「私は、こう尋ねてみたい衝動に駆られてしまい、慌てる。もしや、あなたは、死というものを見詰めているのではありませんか、と。」確かに、「うれしい悲鳴をげてくれ」の「顔色」に似ている。死相というものは本当に出ているのか、だとすればとても恐ろしい。でも、死相の存在を恋と勘違いしてしまい、最後の最後に気づいてしまう切なさが、ひよこの眼にはあって、それがとてもよかった。正確な文章は思い出せないが、最後の一文の余韻が印象的な小説でよかったのは、これ以外だとサガンの「悲しみよ、こんにちは」と江國香織の「デューク」

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    2017年01月10日
  • 熱帯安楽椅子

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    うーん、よく分かりませんでした!

    性的描写がとても芸術的で美しかったという意外は、うーん、という感じです。

    結局どういうことなんだろう。

    恋愛に疲れた女性が、熱帯の国で遊んで、それで帰ってくる話?

    まあよく分からないのが芸術だったりしますからね。

    私は、嫌いじゃ無いです。よく分からなかったというのも、立派な感想だと思うので!

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    2017年01月01日
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち

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    父と母が再婚して作られた新しい家庭。
    そこから作り出される幸せと不幸。
    長男の死をきっかけに、その不幸の色が濃くなってゆく。
    しかし、そこには血の繋がりを感じさせない結び付きも生み出した。
    本来、強いイメージを持つ母親という存在の脆さが際立つ作品に、心に寂しさを誘う。

    2016.10.30

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    2016年10月30日
  • セイフティボックス

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    なんと30年も前に書かれたものでした!1988年が30年近く前のことになるなんて…。

    話題になっていることはちっとも相容れないのに読んでしまうのはやっぱり文章が上手だから?ところどころ芯のところでそうだそうだと思うようなところが度々出てくるのだけれども、またすぐ何処かに離れていってしまう、きっと近くにいても友達にはならなかっただろうなと思うけれど、4年後本人がすでに「かわいかったなぁ、あたし」なんて言っているくらいだから、これが若気の至りというやつか。

    村上春樹がディスコで踊っているかも…なんて想像して顔がにやけてしまう。

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    2016年08月15日
  • ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨

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    山田詠美のデビュー作。
    なんだろうこの見てはいけないものを見てしまった感(笑)
    山田詠美ってこういう話でデビューしたんだなぁ。
    3編収録されていて、そのどれも黒人との情事の話です。
    作品間で似たり寄ったりの人物とストーリーなのに、こうも味わい深いのはなぜだろう。
    下品な言葉やベッドシーンがつづくのに、そこにいやらしさは無く、ある種チャーミングで気怠げなエロティシズムを感じさせます。そしてその世界観を織り成す比喩や言いまわしが素敵だった。
    この一冊で、すっかり山田詠美ワールドに魅了されてしまいました。

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    2016年06月18日
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち

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    ネタバレ

    家族の話。家族って、血がつながってることじゃないって思う。一緒に暮らしてると家族になるよ、きっと。でも努力は必要なんだろうな。

    久しぶりに山田詠美の最近の作品を読んで、こんなに文章の上手い人だったっけ?と驚く。説得力というか、心にすーっと言葉が入っていく。

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    2016年02月17日
  • タイニーストーリーズ

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    歯切れよく、話数が多いのに中弛みしない、読みやすい短編集です。
    テーマを絞らずあえて色んなテイストの話を詰め込んだと書かれていました。
    どの話もとても読ませるエネルギーがあり、「短編」のためのキリッと張り詰めた文体が矢のように刺さります。特に、各話ラスト一文は音楽のように鮮やかで、この一文のためにここまで読んだ、と思わされるくらいの力があります。
    読みやすく、一話一話も短いので、通勤通学や寝る前の読書におすすめです。

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    2015年12月15日
  • 色彩の息子

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    私は、あなたのものにされるの、大好きだったけれど、それは、私が、そんなことでは束縛されないという事実を知っていたからよ。解らない?
    (P.22)

    ぼくの好んだ人間関係は、本当は理不尽なものであることに気付いた時、ぼくは、綺麗な心を持った奴隷として、彼の前に、おのずと跪いたのです。
    (P.130)

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    2015年09月16日
  • ぼくは勉強ができない

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    (15.08.23)

    主人公、時田秀美は母親と祖父と3人で暮らす生徒。風変わりな母親の教えもあり、秀美自身も変わっている。そんな秀美と、教師やクラスメートと、年上の恋人とのやり取りを描いた作品。興味深くて、そしてふっと笑ってしまうようで…じんわり心が、温まるような一冊だった。

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    2015年08月23日
  • 晩年の子供

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    子供ながらに死期を悟り、晩年を迎えてしまった、と思い込む少女のお話が表題作の短編集。

    何よりもまず、晩年の子供という言葉のチョイスが素晴らしいと思う。まるでMr.Childrenのような、正反対の言葉同士を掛け合わせたことで生まれる不思議な魅力を持った言葉に感じられてならない。

    表題作は表題作で好きだけれども、『海の方の子』が1番好きだと思った。これは高校生の頃、授業でもやった記憶がある。その頃からこの主人公・久美子の気持ちがよくわかると思っていた。偽善というものは、自分に酔っている人間がする行いでしかない。見抜ける人には見抜かれているものなんだよ、と、突き付けられる感じが、痛くて、だけど

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    2015年08月07日
  • 姫君

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    表題作を含む短編集。この中では、『MENU』が1番山田詠美さんっぽくて好きです。

    『MENU』は親の自殺で人生を斜に構えた姿勢でしか捉えられなくなった青年と、彼の血の繋がらない妹を軸にした話なんだけど、この妹がとにかくエイミーワールドな女性!笑

    「地球を失くす方法知ってる?抱き合って目を閉じるの」

    という妹の言葉にグッときた。というのも、これはT.M.Revolutionの『AQUA LOVERS~DEEP into the night』という曲の世界観によく似ていると思ったから。私はいわゆる西オタ(西川貴教ファン)であり、かつ浅倉大介&井上秋緒という彼の楽曲の多くを作曲・作詞している2

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    2015年08月07日
  • ラビット病

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    ネタバレ

    初読。バカップルなんだけど、誰もがうらやましいなあと思う部分が核にあって、だからこそなんだかんだ言いながら周りが許して見守ってしまう、でもやっぱりバカップル。山田詠美さんの勇気あるバカップル描写がお見事です。

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    2015年06月09日
  • 姫君

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    MENUが凄く良かったなあ。最低なはずなんだけど、なんか引き込まれるような。聖子が切ない。
    山田詠美さんもなかなかいいなと思って来た今日この頃。

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    2015年05月04日
  • 女性作家が選ぶ太宰治

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    「男性作家が選ぶ太宰治」は、どの話も小説の王道のごとく、
    シンプルにストレートに面白かった。
    対してこちらは、エッセイ風だったり、入れ子構造になっていたりと、
    やたらと技巧に凝っているのが目立つ。
    他人と同じものを選びたくないという女性心理だろうか?
    私の頭が単純なのか男性寄りなのか、「男性作家」の方が断然良かった。

    本書でいちばん気に入ったのは、角田光代さん選の「恥」
    「自分を暴かれる傷みが、読む快楽になることを知った」というコメントに膝を打つ。

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    2015年06月05日
  • 色彩の息子

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    一時期、山田詠美ばかり読んでた。思えば早熟な子どもだったのかもしれない。子ども心に山田詠美の世界の登場人物はお兄さんお姉さんで。漠然とこんな大人になるのかと思ったが、思いの外子どもな事実に驚く。のさておき。「色」をテーマにした短編集。一癖も二癖もある登場人物たちは山田詠美にしか書けないトリッキーさとスノビッシュな匂いを漂わせている。今の、この現代の流行りじゃないかもしれないが、ただライトでエンターテナーで「面白い」読み物が溢れる中で、不可解な感情を消化しきれない重さと、スタイリッシュな世界観が心地よい。

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    2015年04月13日
  • 女性作家が選ぶ太宰治

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    改めて読み返し、未読なもの、既読なものまちまちだなと思った。
    わたしも江國さんと同じで太宰作品ですきだとはじめに感じたのは女生徒です。
    そして角田さんの言うように太宰作品は読み手が、私自身が書かれていると思い込むなにかがあること。
    もっと広い世代に読んでもらいたいですね。

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    2015年03月12日
  • セイフティボックス

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    20年ぶりに再読。
    山田詠美のエネルギーに圧倒されて、ドキドキしながら読んだ記憶がよみがえる。当時は、きわめて個人的な日々を綴る贅沢を思ったが、今や有名人となった編集者(見城徹・石原正康・小林加津子)との信頼関係を垣間見られて、読者の贅沢を改めて実感。

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    2015年03月08日
  • 色彩の息子

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    いつか、どこかで出合ったような感情。
    きっと、これからまたどこかで出合うであろう感情。

    でも例え、出合ったとしても、私はそっちにはいかない。
    感情は理解できるけど、彼らの行動は、今の私には理解できない。


    美しい文章に、美しい言葉たち。
    私は、もっとみずみずしい山田詠美が読みたい。

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    2015年02月15日
  • ラビット病

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    文章が腹立つ星1!
    …と思っていたのに、なんだか好きになってしまった。何故だろうと思ったら、ゆりちゃんがすごく好きだった。
    悔しい星5!
    間をとって、3で。

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    2015年01月30日