山田詠美のレビュー一覧

  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち

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    死んでしまった長男の余韻を、良いにせよ悪いにせよ味わいながら日々を過ごす家族の物語です。ずっと死を負のものと捉えていた人たちが、結末で前向きに捉えることができてお話は終わります。
    でも作者の「死んでかわいそうなままの人」って言う言葉の中には当然死は負のものだという大きな前提が感じられます。

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    2019年07月23日
  • ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨

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    中編3つ。「ジェシーの背中」母親の愛に触れられなかった11歳の少年の屈折した心と、どう対処したらよいか悩む主人公の葛藤がよく表現されている。2019.7.2

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    2019年07月02日
  • 賢者の愛

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    痴人の愛の逆パターンで女性が年下の男性を自分流好みに育てるが。やはり、痴人の愛のほうが小説としては好きかな。

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    2019年06月10日
  • 珠玉の短編

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    個人的には山田詠美さんの本は昔ののほうが好き。ベッドタイムアイズや風葬の教室など。
    この短編にも山田詠美さんならでのお茶目さが出ているけれど、以前の本のように「あー読んで良かった」という気持ちにはなれなかった。

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    2018年11月02日
  • 珠玉の短編

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    甘美なのか、退廃なのか、滑稽なのか、残酷なのか。人が持つさまざまな「毒」を飲むような11編の短編物語集。
    短編に収めるためか、掲載誌の傾向だったのか、ひとつひとつの物語の収束がやや急激な印象でしたが、久しぶりに山田詠美の毒に触れました。「サヴァラン夫人」と「蛍雪時代」がお気に入り。

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    2018年09月21日
  • 賢者の愛

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    ネタバレ

    急転直下、“ちょうだいお化け”なんて可愛いらしい呼び名を遥かに凌ぐ、百合の怪物級のもの凄い存在感に呑み込まれる。最終章に仄かに漂う幸福感。それは真由子の幸せなのか、直巳の幸せなのか…。それさえも百合という怪物の腹の中で消化された後に残ったスカスカの残骸でしかない気がしてしまう。持たざる者のハングリーさにタジタジ。
    グーパンチをくらったような後味だけど、夢中で読むほどおもしろかったのは確か。
    脇役で登場のあの「彼」が嬉しいサプライズだった。

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    2018年03月17日
  • 晩年の子供

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    この作家は太宰が好きなのかな?太宰に近い匂いがする、そして題材に合わせて文体等を滑らかに変化させることのできる力量も相当なもの。
    それでも本作はあんまり当方の好みじゃないかな、やっぱり山田詠美には若干の無理があろうと「吠えまくっている」テイストを求めてしまう。
    そして本作は技巧的な感じが強すぎるかなと。子供本人の視点のようでいて、結局は万能者たる作家の思考・動きが透けて見えるんですよ、この辺りが太宰的で当方あんまり好みじゃないいんですよね。
    まぁ無いものねだりです、まさに読者の勝手そのものです。

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    2017年12月07日
  • ジェントルマン

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    ネタバレ

    言葉を失うほど焦がれている相手を、殺すことで、永遠に結ばれると信じて疑わない夢生こそ罪の意識がなく、傲慢だ。
    自分ではない他の男を抱いたという事実に腹を立てたのか。それにしてもラストの夢生の行動がとても飛躍しすぎている気がして、冷めてしまった。血の海が小説の最後にふさわしいとは思えなかったからだ。

    主人公の誰にも感情移入ができなかったけれど、夢生や漱太郎の名前はしばらく頭から消えないだろう。そこがやはり山田詠美の凄いところだなと思う。

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    2017年11月06日
  • A2Z

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    「たった二十六文字で、関係のすべてを描ける言語がある。」の書き出しで始まる大人の恋愛小説。26章にキーワードの単語がちりばめられつつ、物語が進行します。編集者の夫婦がそれぞれ恋人を作るという話ですが...恋愛が綺麗すぎ。旦那のビンタを受ける、その後、二人で並んで座って話し合う...普通に修羅場になるでしょ!? と突っ込みたくなりまし た。

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    2025年12月21日
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち

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    ネタバレ

    血の繋がりとか、幸せとか不幸とか絆とか、家族ってなに?ということを考えた。
    子連れ同士で再婚し、新たに子供も生まれ、男女男女の四人兄弟になったのに、長男が雷に打たれて亡くなってから家族が壊れ始める。もともと『義理の』という枕詞がつくからか、気を使って必死に幸せに、家族になろうとしてたのに、お互いを思うが故に崩れていくのが、もどかしいし、愛おしかった。
    かわいそうというのは、言われる側に、言う側を選ぶ権利がある、っていうの、分かるなぁ!

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    2017年04月20日
  • ぼくは勉強ができない

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    時田仁子の「後で苦労したっていいじゃない。痛い目に合わなきゃ学べないこと、沢山あるわ。」にすごく共感しました。
    人生って本当にそうだなーと、逆に痛い目にあって苦労したことのほうが、自分を後から守ってくれる教養につながるし、自分の軸になるものになると思うから。

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    2017年01月29日
  • 晩年の子供

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    ネタバレ

    ひよこの眼が読みたくて読んだ。何度か読んだことがあったが、何度読んでも最後の一文の余韻がすごい。「私は、こう尋ねてみたい衝動に駆られてしまい、慌てる。もしや、あなたは、死というものを見詰めているのではありませんか、と。」確かに、「うれしい悲鳴をげてくれ」の「顔色」に似ている。死相というものは本当に出ているのか、だとすればとても恐ろしい。でも、死相の存在を恋と勘違いしてしまい、最後の最後に気づいてしまう切なさが、ひよこの眼にはあって、それがとてもよかった。正確な文章は思い出せないが、最後の一文の余韻が印象的な小説でよかったのは、これ以外だとサガンの「悲しみよ、こんにちは」と江國香織の「デューク」

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    2017年01月10日
  • 熱帯安楽椅子

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    うーん、よく分かりませんでした!

    性的描写がとても芸術的で美しかったという意外は、うーん、という感じです。

    結局どういうことなんだろう。

    恋愛に疲れた女性が、熱帯の国で遊んで、それで帰ってくる話?

    まあよく分からないのが芸術だったりしますからね。

    私は、嫌いじゃ無いです。よく分からなかったというのも、立派な感想だと思うので!

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    2017年01月01日
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち

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    父と母が再婚して作られた新しい家庭。
    そこから作り出される幸せと不幸。
    長男の死をきっかけに、その不幸の色が濃くなってゆく。
    しかし、そこには血の繋がりを感じさせない結び付きも生み出した。
    本来、強いイメージを持つ母親という存在の脆さが際立つ作品に、心に寂しさを誘う。

    2016.10.30

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    2016年10月30日
  • セイフティボックス

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    なんと30年も前に書かれたものでした!1988年が30年近く前のことになるなんて…。

    話題になっていることはちっとも相容れないのに読んでしまうのはやっぱり文章が上手だから?ところどころ芯のところでそうだそうだと思うようなところが度々出てくるのだけれども、またすぐ何処かに離れていってしまう、きっと近くにいても友達にはならなかっただろうなと思うけれど、4年後本人がすでに「かわいかったなぁ、あたし」なんて言っているくらいだから、これが若気の至りというやつか。

    村上春樹がディスコで踊っているかも…なんて想像して顔がにやけてしまう。

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    2016年08月15日
  • ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨

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    山田詠美のデビュー作。
    なんだろうこの見てはいけないものを見てしまった感(笑)
    山田詠美ってこういう話でデビューしたんだなぁ。
    3編収録されていて、そのどれも黒人との情事の話です。
    作品間で似たり寄ったりの人物とストーリーなのに、こうも味わい深いのはなぜだろう。
    下品な言葉やベッドシーンがつづくのに、そこにいやらしさは無く、ある種チャーミングで気怠げなエロティシズムを感じさせます。そしてその世界観を織り成す比喩や言いまわしが素敵だった。
    この一冊で、すっかり山田詠美ワールドに魅了されてしまいました。

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    2016年06月18日
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち

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    ネタバレ

    家族の話。家族って、血がつながってることじゃないって思う。一緒に暮らしてると家族になるよ、きっと。でも努力は必要なんだろうな。

    久しぶりに山田詠美の最近の作品を読んで、こんなに文章の上手い人だったっけ?と驚く。説得力というか、心にすーっと言葉が入っていく。

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    2016年02月17日
  • タイニーストーリーズ

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    歯切れよく、話数が多いのに中弛みしない、読みやすい短編集です。
    テーマを絞らずあえて色んなテイストの話を詰め込んだと書かれていました。
    どの話もとても読ませるエネルギーがあり、「短編」のためのキリッと張り詰めた文体が矢のように刺さります。特に、各話ラスト一文は音楽のように鮮やかで、この一文のためにここまで読んだ、と思わされるくらいの力があります。
    読みやすく、一話一話も短いので、通勤通学や寝る前の読書におすすめです。

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    2015年12月15日
  • 色彩の息子

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    私は、あなたのものにされるの、大好きだったけれど、それは、私が、そんなことでは束縛されないという事実を知っていたからよ。解らない?
    (P.22)

    ぼくの好んだ人間関係は、本当は理不尽なものであることに気付いた時、ぼくは、綺麗な心を持った奴隷として、彼の前に、おのずと跪いたのです。
    (P.130)

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    2015年09月16日
  • 晩年の子供

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    子供ながらに死期を悟り、晩年を迎えてしまった、と思い込む少女のお話が表題作の短編集。

    何よりもまず、晩年の子供という言葉のチョイスが素晴らしいと思う。まるでMr.Childrenのような、正反対の言葉同士を掛け合わせたことで生まれる不思議な魅力を持った言葉に感じられてならない。

    表題作は表題作で好きだけれども、『海の方の子』が1番好きだと思った。これは高校生の頃、授業でもやった記憶がある。その頃からこの主人公・久美子の気持ちがよくわかると思っていた。偽善というものは、自分に酔っている人間がする行いでしかない。見抜ける人には見抜かれているものなんだよ、と、突き付けられる感じが、痛くて、だけど

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    2015年08月07日