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男が長いことつかっていたバスタブの湯は、はたして、スープか――? 毒きのこを食べに長野に出かけたマル、彼への桐子の暖かな想いを綴る「4U」。死んだ風変わりな少女の記憶を辿り、デビュー前の自らを思い起こす「眠りの材料」。右手のない渚子、彼女の義兄への激しい想いと、熾烈な自己愛を描く傑作「天国の右の手」ほか、9つの恋のケミストリーを収録した珠玉の作品集。
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Posted by ブクログ
「何だかよく分からないけれど哀しく、切なくなる」9つの短編集。
チャラ男との恋、SM女王様との恋、マンションの隣人との不倫…普通に見えない恋愛は、その実至るところに転がっている。特殊に見える立場の人間だって、普通に食事や排泄もすれば、普通に恋愛だってするのだということ。
そんな中、小さな頃事故で右手を失った渚子が姉の夫に恋をする「天国の右の手」と、性的に変わった抑圧を自分に課している友人の男がその抑圧によって失敗する様を見ている「高貴な腐食」がとくに好きだった。
人間はどうしようもない。表面を良く見せても根底にあるものが不意に表に出てしまうことがある。
そして似たような傷を感じで惹かれ合ってしまう、理屈ではない感情。
昔一度読んだ本だけど、当時よりも大人になった今、このよく分からないけれど哀しく切ない余韻が心に残った。乾いていて、淋しい感じ。
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小説・文芸
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