山田詠美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
はやく読める本がいい本だ、という決まりはない。実際、わたしはこの本を読みながら何度も立ち止まったし、何度もページを閉じた。つまり、それだけ感情の動きに耐えられなかったのだ。決して悪い意味ではないけれど、正直にいうといまのわたしには刺激的過ぎた。どの作品も過去の傷をえぐるし、いまの恋心をいっそう深くさせるからだ。
中高生のころのわたしは、ある一部の作品を抜かして山田詠美が好きではなかった。今回読んで見て、その理由がよくわかった。山田詠美の書く恋愛は、学生のころのどこか守られた位置にいてする恋愛ではなくて、大人になって自分の孤独を思い知った者がする恋愛なのだ。思い知る。あのころの恋愛といまの -
Posted by ブクログ
重松清の解説がいい!どうして自分が山田詠美の小説好きなのか分からなかったけれど、この解説を読んで納得。
「わからなさに安易な答えを与えることなく、わからなさが生じる関係を誰かと持つこと、たとえば誰かを愛するということの素晴らしさをー恋愛論や人生論のように声高に語るのではなく、ほんの少しお行儀悪く、フォーマルないでたちをお洒落に着崩すように、読者に見せてくれる。(解説)」
「4U」のマルときり、「眠りの材料」のめぐみと賢一とふう子、「血止め草式の」桃ちゃんと浩、「男に向かない職業」の岩男とあつ子、「高貴な腐蝕」の幹生と私、(他4編)9つのケミストリー☆