山田詠美のレビュー一覧
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タイトルからしてインモラルな感じが漂っている短編集。
自分の予想を軽く超える卑猥さに動揺した。
特に『○○天国』という題名が衝撃的で思わず二度見してしまったほど。
だけど不思議と嫌な感じはしない。
明け透けな物語を隠れて読むのも悪くない。
ああでも『ぼくねんじん』は結構好きだったな。Posted by ブクログ -
不倫というドロリとした三角関係のはずなのに、軽快で、なんておもしろい人たちなの。
平和な不倫関係ではあるけれど、それが事を余計にややこしくさせていて、だから更におもしろい。Posted by ブクログ -
高校生の時に初めて読み、挫折。
当時は女にモテることをひけらかし、先生たちに歯向かう生意気な主人公をバカにしていた。
同世代だが、先生の側に立って読んでいたように思う。
しかし三十路を超えて再読すると、あら不思議。
主人公の言い分がとても分かるのだ。
世の中のおかしな部分を容赦なく糾弾し、なぜ?の...続きを読むPosted by ブクログ -
「私の愛するブッタイ」が子どもを今育て生かすのに必死な私には刺さった。気持ち悪いし、一歩間違えたらこうなってしまうかもしれない様子が恐ろしくて。
デビュー作からほとんど全て読んでるけど変わらないなー。読めばすぐ山田詠美の作品だってわかる感じがPosted by ブクログ -
のっけから仕舞いまで詠美節が炸裂しまくりで、読んでいて大変楽しい小説である。この前に、私が手にした彼女の作品はネグレクトを扱った「つみびと」だったが、それとこれとでは雰囲気が全く異なり、改めてその振り幅の大きさには感心させられるばかりだ。私にとって、軽妙洒脱な文章を書ける人は羨望の的でしかないが、な...続きを読むPosted by ブクログ
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佐野洋子さんの『100万回生きたねこ』をオマージュして名だたる作家さん達が紡ぐ短編集。
私は多分、来世もあると思っている。前世もそして。
それは決して愛する人がいなかったからではないけれど。
それぞれの物語も勿論面白かったけど、そこまでの想像力や価値観の広がりを与えてくれた原作の素晴らしさに改めて...続きを読むPosted by ブクログ -
著名な作家さんが「100万回生きたねこ」にオマージュした物語を創作。
頭の中に、あのねこのお顔が浮かぶような、そんな物語が多く綴られていた。
ねこの気持ちに寄り添ったり、ねこの方が何倍も人間より理解していたり。
読後、ねこがより一層可愛く見えてしまった。
かわいい。とってもかわいい。Posted by ブクログ -
まずタイトルに惹かれた。『血も涙もある』どういうことだろう?加えて意味深なカバー。よく見ると不気味なのだがそれよりもあらすじが気になり手に取った。そして、主人公が同世代の35歳の女性。これは読みたい!
山田詠美さんってどんな作風だっけ?というほど私にとってご無沙汰の作家さん。
登場人物は、料理研究家...続きを読むPosted by ブクログ -
独特の言葉遣いのモノローグに最初は嫌気がさし、久しぶりに山田詠美の作品を読んだけどこんな感じだったっけ?という印象。
慣れてしまえば読み進められた。
桃子のモノローグ部分はイライラもしたけど共感するところも少しあって、喜久江のモノローグ部分は仕事も家庭も完璧な料理研究家、という自分が作り上げたイメ...続きを読むPosted by ブクログ -
不倫の真っ只中にいる3人の男女の視点切り替え方式が、なんだか法廷に立ったような感じで色々と自分なりの論理や言い分を遠回しにこちらに投げかけてくるようなものを感じて面白かった。
ドロドロしていて、辛い。
同じ女としては、奥さんである料理研究家の先生がどうか報われて欲しいと1ページ1ページずつ捲ってい...続きを読むPosted by ブクログ -
久しぶりの詠美さん。
久しぶり過ぎてイメージとは違う感じ、エッセイだし。私はゴシップあんまり興味ないけど、そういうのに対する意見や細かいあれこれ、そこからの想像力は実際大事な部分もあるよなぁ。
吉祥寺は身近だし、何だか勝手に親近感湧いて楽しめた。
そして試したい事や読みたい本もまた増えた。詠美さんの...続きを読むPosted by ブクログ -
中々感情移入出来なくて
読むのに時間がかかりましたが
読み進めるうちに
こういう夫婦の形もありなのかもと思いはじめて
モトサヤになって
旦那さんが最後
一番喜んでいる感じ
何だか微笑ましい終わり方でした。。Posted by ブクログ