山田詠美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
スプーンは私をかわいがるのがとてもうまい。ただし、それは私の体を、であって、心では決して、ない。
この本のレビューはよくメイクラブと「純愛」って書かれてるけど、そうじゃないと思う。っていうかそんな愛は探してるうちは見つからんと思う。
キムとスプーンは、ひたすら、堕落、ふぁっく、退廃、の繰り返し。体だけ。そこがいい。
その繰り返しが最高に芸術的で、個人的にはキムが最後スプーンのことを心から「好き」になってしまっていたのがちょっと個人的には物足りなかったくらい。
入り込み、体内に飛び火し、やがて沈着し、ゆっくり溶けて甘く染み込んで行く。
2 sweet + 2 be = 4 gotten
TOO SWEET TO BE FORGOTTEN.
甘すぎて頭が痛くなるヌガーとか、
保存料着色料たっぷりのてかてかしたJUNK FOODとか
ジンのストレートで喉が焼ける、とか
そーいう味覚がお好みの方はぜひ。 -
Posted by ブクログ
はやく読める本がいい本だ、という決まりはない。実際、わたしはこの本を読みながら何度も立ち止まったし、何度もページを閉じた。つまり、それだけ感情の動きに耐えられなかったのだ。決して悪い意味ではないけれど、正直にいうといまのわたしには刺激的過ぎた。どの作品も過去の傷をえぐるし、いまの恋心をいっそう深くさせるからだ。
中高生のころのわたしは、ある一部の作品を抜かして山田詠美が好きではなかった。今回読んで見て、その理由がよくわかった。山田詠美の書く恋愛は、学生のころのどこか守られた位置にいてする恋愛ではなくて、大人になって自分の孤独を思い知った者がする恋愛なのだ。思い知る。あのころの恋愛といまの恋愛は、地続きにあるものだとしてもまったく異なるものなのだと。
というのも、わたしにはその孤独が、自分でお金を稼いで自分の暮らしを保ってゆく者にしか味わえないものに見えるからだ。自分しか自分を守れないシビアで当たり前の現実に身を置かねば、ここに書かれたような恋愛はできないと思うからだ。だから、いっそうに不思議である。当時、山田詠美を好きだといっていた少女たちは、背伸びでそういっていたのだろうか。それとも、本当にこんな気持ちを味わっていっていたのだろうかと。
なんにせよ、わたしは恋するあの人に逢いたくなった。かなわないけれど、いますぐに。