山田詠美のレビュー一覧
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読後の後味は甘すぎるチョコレートやキャラメルを嚥下した後、喉に絡みついたり、ひりひりする感覚に似ている。
どれだけ甘くて楽しい生活や恋をしていてもどろりとしたそういう感覚にふと陥ることは小説の中だけではなく、現実世界で恋愛に囚われずともあると思った。
肉体労働に日々勤しむ男性に愛されるため、隠しごとをしたり独自の考えを持つ女性たちが強かでありながらも、相手がいなかったら崩れてしまうのではないかと疑う程の脆さも兼ね備えてるように感じた。
一日に一度は寂しいって思うことって人を愛するこつ。
表題にもなってる風味絶佳が一番好き。
グランマ(不二子さん)チャーミングでとっても素敵。 -
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父の愛人の子に恋してしまった三姉妹の物語
父の愛人が亡くなって引き取られてきた男の子、新堂力(リキ)
裕福な家庭に暮らす高見澤家の三姉妹
長女の麗子は「お嬢様気質」
しかしその振る舞いは空回りしているように見える
次女の咲也は読書家で斜に構えるひねくれ者
三女の薫子は天真爛漫
力とは犬仲間のように思っている
そんな三姉妹の三者三様の恋模様とその表現
そして母親による力への攻撃
もの凄く歪んだ愛の形なのか?
三姉妹の誰もがそれぞれの方法で力に執着している
麗子が空回りしているのはわかる
これ系の物語の主人公として咲也が一番適切なんでしょうけど
色々と拗らせすぎてるからなぁ
で -
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ラストの方は、なんだかホラー小説
からのメリバ、、、。
とはいえ、巧みな文章で、ぐーーーっと引き込まれての一気読み。
実際にだれからもジェントルマンと言われる友人がいるが、そういう彼もどうしようもなく弱いところや、醜い部分がある。
『紳士と呼ばれる奴もどこかにシミがあるものさ』と自論を持っているが、漱太郎のイカれっぷりは衝撃。それに寄り添うように生きるユメもイカれてる。
その2人に関わる女性もやっぱり壊れてて、終盤は衝撃の人怖展開で驚愕した。
ユメが華道・フラワーアーティストをやっていたのは、ラストの展開で納得。
夢に生きるでユメ。名前も最後に納得。 -
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アマプラで深キョンが主演でドラマをやる、という予告を見て気になっていた話。
先にドラマを見て、何とも「小説的だな」と思ったことから、実際に小説を読みたくなり本を手にしてみた。
ドラマを先に見ていたからか、小説の内容がかなりスムーズに入ってくる。
もちろん登場人物は、深キョンはじめ他の俳優たちがドラマのまま頭の中に出てくる。
内容は世間を賑やかす『W不倫』だが、山田詠美の手法もあってか、ドラマを見ていると『小説的』と思ったのに、実際に活字で読むと意外にも『ドラマっぽい』書き方で
かなりサッパリとしたラブストーリーに思えて、面白く読み進めていける。
「こういう恋もあってもいいのかも」
「こう -
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1.著者;小説家で漫画家。高校で文芸部に所属、フランソワーズ・サガン等を愛読。大学の時に、漫画研究会に所属。在学中に漫画家デビュー。「ベッドタイムアイズ」で文芸賞、「ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー」で直木賞、「風葬の教室」で平林たい子文学賞他、多数受賞。福田和也氏が、山田氏の「4U」「MAGNET」等を短編小説の名手と評価。
2.本書;恋愛小説の名人と言われる、山田氏の短編集(6編)。①間食 ②夕餉【人妻が清掃局職員に惚れて、家出→同棲。男に料理を作り続ける話】③風味絶佳【70歳でも真っ赤なカマロを走らせる祖母を巡る話】➃海の庭【離婚した母親の中学の同級生で、いまだに母を慕う引越し屋 -
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あなたは、『仇討ち』をしたいと思ったことはあるでしょうか?
“主君や直接の尊属を殺害した者に対して私刑として復讐を行った日本の制度”とされる『仇討ち』。有名な忠臣蔵をはじめ、私たちの国には後世まで語り継がれる『仇討ち』の歴史があります。武士の時代には制度化もされていたというその事実は、そんな考え方がこの国の中で多くの人の間に認知されていたことがわかります。
しかし、そんな制度も時代の移り変わりに伴って、ついに明治6年に消滅しました。明治初期まで認められていたことに驚きもしますが、いずれにしても今やそんな行為は犯罪以外の何ものでもありません。しかし、殺人というような究極の『仇討ち』は別にして