山田詠美のレビュー一覧
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『そうか。不幸とは、他の人が決めることなのか。それじゃあ、幸福とは、まるで別物だ。それは、いつだって、自分の言葉でしか姿を表わさない。』
『女のオーガズムの表情は、まるで天国で罰を受けているみたいだ。』
『人に必要とされてしまったら、死ぬ自由する手に入れることが出来ないのを教えてくれた。そして、ある人間を必要としてしまったら、その人の自由を奪ってしまうことも。』
『自分を差し置いてひとりの人間を愛せるのは、そのために、他のすべての人々を破棄出来る奴だけだ。』
『解ってた。解ってたけど抵抗出来なかった』
『なんで? 気持良かった?』
『良かった』
『じゃ、仕方ねえな。気持良いこと止めるの -
Posted by ブクログ
読み終わって一言………すげぇ……山田詠美ってこういう人だったのか。この人が昔随分話題になったのは知っていたけどそれでもまだ僕がまだ小さかった頃の話なので実際どんな人かというのはこの本を読んで初めて知った。なんというか、生活や人間関係も含めて全然日本人らしくない人なんだな。文書読んでても考え方だとか物事の捉え方、恋愛観、好み、どれも日本人の典型とは全くかけ離れてる。
あともう一つ驚いたのは前に読んだ山田詠美の小説の一部分とこのエッセイにのっていた作者の幼少期の話が丸々同じ部分があったこと。なんとなくそんな感じはしてたけどやっぱりこの人の小説はこの人がそれまで生きてきた経験、特に幼少期から学生に -
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久しぶりに大好きな山田詠美さんの本を手に取った。5編の短編集。
●MENU
5歳で母が自殺した時紀
伯母に伯父、その息子聖一、娘聖子。
時紀の仲良しの女麻子
山田詠美さんらしい毒々しい恋愛模様に鳥肌たつ。すごくすき。
●検温
――恋は何故自分を変音動物に変えるのか
山田詠美さんらしい表現。
愛を語らせるのは山田詠美さんがいちばん美しくそして恐ろしいと想わせる短編
●フィエスタ
――キスが濡れたものであることを。ロマンスの頂点ではなく、セックスの準備体操であることを。
●姫君
表題作であるこの作品は素晴らしい。姫子という原始名。ホステスも風俗もやっていない、世界の -
Posted by ブクログ
20年以上前の作品だからか、何かこそばゆいわ…と思いながら読み進めたらビックリ、すごい面白いじゃないの…!
こんなに読みやすい恋愛短編集は初めてです。随所に出てくるスラングや古めかしい言い回しがムズムズするのですが←、文章のリズムが良いので慣れてくると逆にクセになりそうでした^^
大人の駆け引きを描いた話が多めですが、私は十代の男の子達がキレイなお姉さんに翻弄される話のが好きでした^^
まったく違うタイプの人間を、似たようなテーマでここまで表現できるってすごいな…
ある時、街ですれ違った男の上着の中の匂いを嗅いで、私は昔の男を思い出して道の真ん中で泣きたくなる。
ある時、バーで流れる