山田詠美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【本の内容】
たとえ、自分が生と死の境に立っていようとも、人は恋をする。
なぜなら…。
傷を傷というふうにも表せない男女が魅かれあう姿を通して、人が人を求める気持ち、言葉にできない寂しさを描いた五篇を収録。
人を愛することで初めて生ずる恐怖、“聖なる残酷”に彩られた、最高に贅沢な愛と死のシミュレーション。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
半年ほど前に、バリ島に旅行が決まりバリ島が舞台の小説とあって手に取りました。
今回、再び手にとったのは、巻末に収録された綿矢りささんと村田沙耶香さんの対談が読みたかったのと、バリ島から帰ってきてあのなんとも言えない気怠い熱さの国を山田詠美の手に寄ってどのようにエロティックに描かれてたのか、再び読みたくなったから。
あの島を知らないで読むのと、知って読むのとではだいぶ違う。知ってるとより近づける。詠美さんのあの世界に。時代は違うにしろ、かなり鮮烈。
始まりは肉体である。そしてなりゆきは心である。簡単に要約すれば失恋したビッチの南国での傷心物語でしかないのかもしれないけれど、とにかく丁寧で繊細。美しいからたまんない。
憧れちゃうなぁ。こうなれたらいかにいいだろうか、と。いまでも、憧れちゃうなぁ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ姫君、の摩周と姫子の二人がかわいかった。特に石投げ云々と「ばかもの。」可愛いなーかわいいなーと思いながら読んだ。個人的にはあのまま戻って欲しかった、と思う。
『そうか。不幸とは、他の人が決めることなのか。それじゃあ、幸福とは、まるで別物だ。それは、いつだって、自分の言葉でしか姿を現さない。』
『ただのノイズのご馳走だ。』
「この人のために、強烈に何かしてあげたいって思うのって、恥しいじゃない?身の程を知れとか、自分に突っ込んだりしなきゃやってらんない。」
『情熱が死んだことが、つくづく嬉しかった。』
「私は、死を隠し持ってますの」
『あのさあ、信じて何年になる?その間じゅう、私は、あの男にかまけなくてはならない。』
『けっ、プライドプライドプライド、天敵なんだよ、プライド。』
「じゃあ、自信を持ちなさい」
「そ、それは、何もするなということですね」
「お願いですお願いですお願いですってお願いしてんじゃねえか」
『うい奴。可愛がって、可愛がって、可愛がり過ぎて、粉々にしてしまいたい。』
『愛と思いやりが一緒になって自分に向けられると後ずさりしてしまいたくなるのだ。恐怖を感じると言っても良い。』
「石、投げたいのなら、おれになげればいいでしょう?怒りなら、おれにぶつければいいでしょう?」
「だって、あんたのこと怒ったわけじゃないもん。あんたに石投げたいわけじゃないもん」
「いえ、良い人だなあ、とか思って。あ、割った皿、弁償しますから、すいませんでした」
『こういう良い人のために、少なくとも皿洗いぐらいは、しっかりとやろう。』
『声に出さないで尋ねてごらん。彼女は、かつて、こう言った筈だ。それなら、おれは、あなたに、これをあげる。』
『彼女は、今、おれを猛烈に寂しくさせている。それは、いい。けれども、自分が彼女を寂しくさせているのだとしたら?耐えられない。』
『自分をジャンクと呼ぶなんて、頭がどうかしてしまったんじゃないのか。でも、あそこにあったごみたち、どれも皆、丁寧に手入れされていた。結局、わたくしもそうされたくてうずうずしていたくせに。』
『馬鹿になれる程人を好きになれるのは素晴らしい。』
『妻も妻なら、夫も夫だ。つまり、ある時期、この二人は同類だったのだ。私の両親は、私を作成したとき、二人共、馬鹿だったのである。』
「人生狂わせる人間は希少価値。」
「と、いうか、あらかじめ狂った人生を空にプレゼントした。感謝するように」
『人生なんか最初から狂ってる、そう思うと、この先、あらゆることを受け止めるのが容易になる。』 -
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内田春菊先生の解説で山田詠美さんを発見して、春菊さんが尊敬してるって言ってたので気になってました。
初 山田詠美先生です。
文章の書き方がかなり壷ったので、他の作品も読み漁りたいと思います。
短編なんですが、(MENU)(姫君)が良かったぁ~~(姫君)は最初読んでて・・うーん微妙~と思ったんだけどラストは切なくてよかった、短編で語り手が2人って新鮮だし。
基本的に主人公に美人臭や特別臭が感じる類いの話があんまり好きじゃないんだけど、まったくうぜぇと感じさせないのがよいわ~~。
危うげで繊細でセツナイ。まったりお酒飲みながら読むと自分に酔えると思います。 -
Posted by ブクログ
表紙の絵さながらに色とりどりの飴玉のような21話からなる短編集。安定の「GIと遊んだ話」は(一)が印象的。羅紗緬、勉強になりました。あとは「百年生になったら」が面白かった。私もあれくらいエネルギッシュに生きていきたい。「モンブラン、ブルーブラック」は先が読めてしまうけど万年筆好きにはたまらない作品。「クリトリスにバターを」は村上龍の「限りなく透明に近いブルー」の第一稿タイトルを許可を得て使用したとのこと。そちらも再読したくなる。何にせよ、相変わらず山田詠美の小説は読んだ後に米語を勉強したくなってしまうよ。
p198
だいたい自覚した知性なんて、知性ではない。そして、他者にそれとすぐ解るようなものも知性ではない。きみの欲しがっているものは、凡庸から身を守るための鎧なのだと思います。 -
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ネタバレ文庫になるのをずっと待ってました!!!
以前のように文章が美しい!と感動することは出来なかった。
それでもやっぱり特別だけど。
解説の方の、詠美作品は最後の一行が怖い、というのに私も同感だけども、同じ意味でではない。
ほのぼのしていても、最後に裏切られるんだろうなーと予感しながら読んでしまうのです。
詠美さんの(小説の)正義が確固としたものだと分かっているから逆に予測出来てしまう。
「にゃんにゃじじい」の始めの数ページで次郎さんが大好きになると同時に、ラストでこのほのぼの感は打ち砕かれるに違いないと思った。
そして案の定です。
様々な作品を集める中に、始終“ほのぼの”のみの作品が2つくらいあってもいいのではないでしょうか。
もし詠美さんが瀬尾まいこみたいな小説を書いたら、詠美さんの作品の方が全っ然面白いだろうなぁ…読んでみたいなー。
山田詠美の新境地!てなりますよ。
(年取って丸くなったとも言われるでしょう)
それにしても、こんなにビッチばかり出て来たら他の人の作品なら呆れて読むのをやめちゃうかもしれませんが、
詠美作品だと全く何とも思いませんね、むしろこれだよこれ!て感じで 笑
あと、詠美さんはリリー・フランキーの「東京タワー」にご立腹だったみたいですね 笑
私もあれを読んだ時は何で流行ってるのか全然分からなかった…
GIと遊んだ話、百年生になったら、ガラスはわれるものです が気に入りました。
蝶々の纏足、みたいな話が2つくらいありました。 -
Posted by ブクログ
【経緯】
山田詠美のが読みたい気分で
【感想】
●電信柱さん
山田詠美が擬人化小説書いた…!
何されても耐えるしか無い電信柱さん。ファックとも言いたくなるよねー
女の子用のガンダムブリーフ、そんなとこで男受け狙うなていうの笑った。
●百年生になったら
本気だしたオカン、恐るべし。
「あんたいると便利だもん」
ま だ 言 う か !
●宿り木
これ、好き。
わたしの大好きな山田詠美の「蝶々の纏足」の強かな怖さがあった。
タブーを逆手にとって攻撃に使うという痛快さよ。
●モンブラン、ブルーブラック
人生の卑屈な部分を華麗な文体で愛すべき甘美な哀愁に置き換えれたら。
夢想するのは楽しいけど、それが他人の手が介入して改竄されるのは気持ち悪いことです。
●積分微分
勉強が出来ることと、社会でうまくやれることはイコールではない。
兄にホームレスを重ねて奮い立つ弟の歪み。
●ガラスは割れるものです
ガラスのハートとはよく言うものだけど、「わたしってガラスのハートの持ち主だから…」と酔いしれて哀愁とろりと垂らされたらぶん殴りたくなるわけで。
ふたりの世界でよろしく浸るのは好きにしたらいいけど、第三者が見たら滑稽で腹がたつものですね。
彼の両親が息子の自立心(?!)を褒めるところがユーモラス。
●紙魚的一生
紙魚(しみ)って何?と画像検索して後悔した。
本食い虫ってあんな愛せない格好の虫なのか…!
知的な生活=読書量では無い。
得た知識をじぶんの生活に落とし込むところまで出来る人がカッコイイ。
●にゃんにゃじじい
猫のふりした女はダメだとにゃんにゃじじいは言うけれど、好きな男の前で猫になれない、ましてや猫被りを歪んだ顔で否定する女のほうが可愛くないじゃない?と。
●涙腺転換
泣きたくないから涙腺が尿意に代わったらというくだらなくてかわいい話。笑
彼女との初夜、感極まると本来の役目が果たせないのではというIfが面白い。た、確かに。
●予習復讐
復讐に勤勉になるって難しい。
エネルギーを大量に消耗するのは勿論、とことんじぶんの立場を正当化して、相手を可哀想だなんて思う隙をじぶんに与えてはならない。
【共感】
•下着なんて言わば自己満足だし好きにしたらいいけど、女の子のブリーフはやっぱり好きになれない。
•女のこが好きなひとの前で可愛くあろうとするのは避難されるようなことではない。少なくともそれを指摘して醜く笑っているひとよりは、幸せになれると思う。
【発見】
外人を恋人にもつ女の子。
白人が好きなコと黒人が好きなコで性質も異なるということ。
恋の色味を帯びた音楽とそのものの音楽を好むことの違い。 -
Posted by ブクログ
■愛すること(愛することを受け入れること)で永遠に戻れないところに行ったり、何かを永久に喪ったりすることは、確かにある。それが怖くて仕方がなかったり、やみつきになってしまったり、受け入れたいのに受け入れがたかったりする。かように人間のこころは矛盾に満ちているが、しかしそれでももがいたり目をそむけたりする不器用な登場人物たちが妙にかわいく、いとおしく思えてきてしまう。
■「姫君」はすごい作品だと思った。映画にしたらすごくまとまりがよく、映える作品になると思ったけれども、なってなかった…。
摩周が、わたしの知っているひとによく似ていて、読み進めていて集中できない箇所が多々あった。涙も出たりした。
■「フィエスタ」は、わかるわかる!!と思わず大笑いしながら読めた。全体的に重苦しい短篇ばかりのなか、食休み的なライトなあかるさがあったと思う。
ひとから好かれたい、愛されたいと熱望する人間ほど、その対象から働きかけてもらうことしか考えないというのは正論だと思う。そして自分から動きださずにいつまでも満たされず、そうすると今度は悲劇の主人公に自分を仕立てあげる。……自戒も込めての皮肉。
■「シャンプー」が一番最後というのは構成の妙。最後にやわらかい筆致とかすかにこれからの未来展望がみえてくるところで終わっているので、「姫君」のヘヴィな読後感が緩和されている。