山田詠美のレビュー一覧

  • 晩年の子供
    「ひよこの目」の男の子は、周りの子よりも早く大人になってしまった。それはどうしようもない事情のせい。
    こどもでいられる時間って本当に貴重なのだなと思いました。
  • 姫君
    ■愛すること(愛することを受け入れること)で永遠に戻れないところに行ったり、何かを永久に喪ったりすることは、確かにある。それが怖くて仕方がなかったり、やみつきになってしまったり、受け入れたいのに受け入れがたかったりする。かように人間のこころは矛盾に満ちているが、しかしそれでももがいたり目をそむけたり...続きを読む
  • セイフティボックス
    読み出し早々、私の言いたいことが書いてあって
    まさに同意見で読んでてスカッとさせてくれる~。
    考え方が同じなんだよね~。

    昔、OLしてた頃、読んだけど結構忘れてるもんね~。
    でも今読み返すと、昔よりも彼女の言ってることがわかる。
    私も年なのかしら~(苦笑)

    彼女のエッセイはパワーを貰いたいとき
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  • ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー
    山田詠美が直木賞。
    いったいどんな作品なんだろう。
    と思って読んだのよ。
    読むのは二回目なんだけどね、私も大人になったのか
    すっごくしみじみと読むことが出来たわ。

    この人の本で必ず出てくるのがメイクラブ。
    同じ作家でも渡辺淳一なんかはすっごく官能的で厭らしい感じがするのに
    この人の作品ってすっごく...続きを読む
  • 24・7(トウェンティフォー・セブン)
    歳をとったんだと思う。
    学生時代に読んだときは、大人っぽくって憧れを覚えた。
    今は、もっと近い感覚で読める。
    ピンプオイルは、題材的にか、サガンを思い出した。
    前夜祭は、ちょっと異色だと感じてしまった。
    粗い感じがした。
    24・7は、ホラーだ。
    どの話も、すごく楽しく読めた。
    やっぱ、大人って、楽し...続きを読む
  • 姫君
    5つの作品のうち、いまいちばんぐわんとつかまれたのは、『検温』。
    どの作品をとっても、生温かい息づかいで周りがくぐもり、真綿で首を絞められるような、やるせない気分になったのだけど(絞められる、はさすがに言い過ぎか…)、中でもこの主人公(そういえば名前がない)のなんともいやらしい感覚に近いものを感じて...続きを読む
  • ファッション ファッショ
    面白かったー!!もう一気読み。
    対談自体は今から10年前ぐらいに行われたものだけど、今読んでも頷ける部分が多く、古臭さがない。

    流行は移り変わっても、黄金律というか、「コレにコレ合わせるのは絶対アカン」「こういうラインが美しい」といった不変の原則みたいなものは確かにあるよなあと。お二人はそれをきち...続きを読む
  • 快楽の動詞
    性と文学が知りたければこの本を読むしかない

    特に快楽の動詞,ベッドの創作は考え深い。
    そっち知識がついてくると普段使っている会話や言葉の中にもなんとまあ卑猥な別の意味があるのだろうと思うがそれをエッセイとして考察した本なんて他にあるだろうか。

    私は前から官能小説と官能的なシーンが多く書かれている...続きを読む
  • ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨
    濃厚で本能的な恋愛小説が読みたいならこれ!

    最初の文から2人の濃密な大人の雰囲気の漂う世界観に引き込まれます。
    黒人の男との恋なんてあんまり現実味のない設定なのに,物語の途中途中に自分が恋愛しているときに思ったような事が書かれていて共感できます。
    ラストもせつない!
  • 晩年の子供
    10歳くらいの少女たちを描いた短編集。
    死だとか性だとか、もしくは愛だとか、そういったものを知る瞬間を描かれていたように思う。子供だからこそ直線距離でつかまえて自分なりに寄り添って、共存してる。
    ちょっと「風葬の教室」みたいな感じ。


    「海の方の子」が好きだったな。死を知るより愛を知る瞬間の...続きを読む
  • 晩年の子供
    私って変な子どもだったなと思っていたけれど、この小説を読んで「子どもの考えることって、みんな結構ナーバスだったりするのかな」と思った。
  • ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー
    たしかこれで直木賞受賞しはったんだったなと。

    粋でせつない短編集。たぶん自分は一生こんな恋愛は出来ない気がするくらい、大人の匂い。。。

    下手に書くと下品になっちゃいそうな設定も多いのに、この人が書くと神聖なことのように思えるのも不思議なところ。
  • 4U ヨンユー
    山田詠美の作品を読み始めた最初の一冊。終わり方がとてもうまい。
    解らない切なさを抱えた登場人物たち。
    4U(ヨンユー)の意味がわかったときは少し愛しい気持ちになりました。
  • 姫君
    『そうか。不幸とは、他の人が決めることなのか。それじゃあ、幸福とは、まるで別物だ。それは、いつだって、自分の言葉でしか姿を表わさない。』

    『女のオーガズムの表情は、まるで天国で罰を受けているみたいだ。』

    『人に必要とされてしまったら、死ぬ自由する手に入れることが出来ないのを教えてくれた。そして、...続きを読む
  • 晩年の子供
    ちょっと賢い子供の心理を客観的に描いたらこうなるのかな。表題作が良かった。

    中高の教科書に良く載るけど、これを味わえるのは大人になってからでしょ。
    江國香織に似てるけど、そこまでやるせない終わり方も反感を覚えちゃう事もなくて、前向きな感じがする(「迷子」とか)。
  • ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー
    誰だこれをポルノと言ったヤツは。
    エロい、は芸術です。
    20代で読んだのと、30過ぎてから読むのでは、やっぱり全く違うなー。
  • 120%COOOL
    80年代のロマンス映画を古びた映画館で見ているかのような複数の短編集物語。

    恋に恋い焦がれているような甘酸っぱさなんて微塵もない。
    あるのは、相手が好きだという感情だけ。
    sexはただの手段であり、僕みたいなまだまだガキんちょの愛やら恋やらそんなものがどんなに型通りで退屈なものかを教えてくれた。
    ...続きを読む
  • 私は変温動物
    読み終わって一言………すげぇ……山田詠美ってこういう人だったのか。この人が昔随分話題になったのは知っていたけどそれでもまだ僕がまだ小さかった頃の話なので実際どんな人かというのはこの本を読んで初めて知った。なんというか、生活や人間関係も含めて全然日本人らしくない人なんだな。文書読んでても考え方だとか物...続きを読む
  • 姫君
    恋愛もの短編5編。高貴という言葉が似合う。
    「フィエスタ」が一番好き 。視点がおもしろく、変わり種。
  • ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨
    相変わらず黒人大好きやな~この人w
    ジェシーの背骨が個人的にはなかなかの傑作、将来子どもを欲しがる気持ちは確実に削がれるけど・・・w
    時たま出てくる鋭い指摘・斬新な表現がクセになる。