山田詠美のレビュー一覧
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出版社で働く35歳の森下夏美。ある時同業者の夫から浮気を告白されてしまう。そんな夫に対し嫌悪感を抱く夏美だが、自分自身も10も年下の男と浮気をしてしまい...
ただ単に「不倫」をテーマにしたものではなく、根本的にはもちろんあるのだが、同業者の夫婦であるためお互いをさらにライバル視したり、不倫はしたが結局一番失いたくないのは結構相手など新たに気付くこともある。一夫多妻制やその逆もまたしかり、最近よく聞くがこういう夫婦もあるんだなと多少一夫多妻などに理解ができた。個人的には「不倫」に対し、不倫字体が悪いのではなく、これだけでなくパートナーにこそこそ隠しながらするのがすごくダサくて嫌悪感がある。「不倫」に対し斬新な設定で面白かった。もちろん自分自身はしたくないのだが。
タイトル通りAからZの26個の小タイトルで構成されている。しかし、それぞれのタイトルの頭文字を取る形ではなく小タイトルはそのまま「a」や「c」など。文中に「encounter」や「うuntitled」など特徴のある単語を太字で記載している。今まで体験したことのないアプローチ方法で面白かった。 -
Posted by ブクログ
身を置く環境は大事だと思った
琴音も蓮音も、音吉や笹谷も、
それぞれ育った環境が分岐点になっているのだろうが、
みんな素直で真面目な人という印象を受けた
蓮音だけが鬼と呼ばれ非難され重い刑を受けたが、
「つみびと」は決して蓮音だけじゃないよね、と思った
育児放棄や赤ちゃんの遺体遺棄事件で逮捕される女性達が頭をよぎった
「逃げる」と「放り出す」は似て非なるものだと気付いた
色々な視点から糸を撚り合わせるように話が進んでいき、とても惹き込まれた
山田詠美って後味の悪い気持ちになると思ってばかりいたけど、
それと同時に読みやすいんだなと思った
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Posted by ブクログ
愛の話。
アイノカタチ、愛の味、愛の種類はひとつではない。それこそが人類を人類をたらしめ、動物と一線を画す要因であるといっても過言ではない。「あのね、大好きだよ」と伝えるのもひとつの愛、君だけを傷つけないのも愛、見つめあうと素直におしゃべりできないのも愛かもしれない。
愛し方や愛され方が定まったものでなかったり、人によって違うから苦しみが生まれる。自分と違うから惹きつけられたのに、自分と違うことで遠ざけるようになる。
古今東西遍く愛の衝突や諍いは絶えない。絶えることはないし、耐えられない。しかし、この営みが消えたら人類史はおしまいなのかもしれない。
この本は、二人の男と女のおしまいがはなから明示されているが、その過程に500ページ(この本が続編なのでそれ以上)も描かれている。破局という過程に対して注ぎ込まれた感情葛藤愛情友情心情が多過ぎる。愛のバクダン。 -
Posted by ブクログ
極上の読書体験。
自分が経験できない体験を、なんの代償も無しに味わえるのが読書の醍醐味なのだとしたら、最上級。
しかし、面白かったといえば、否。
内容にあまりにも救いが無い。どう足掻いても。
〈小さきものたち〉の段が丁寧語で表現されているのは、子供が自分の感情を言語化出来ない様子を第三者視点で語らせてるようでもあり、あどけなさやいたいけなさを表しているようであり、健気。
田舎の嫌な部分を濾し出したような、『少年のアビス』にも通ずる絶望感。閉鎖環境での救いの無さ。情報の秘匿など不可能。外に出たがる者と内に留まる者。
境遇・環境・教養・教育。学歴の違いが生み出した悲劇と、そう簡単に片付けてはいけないが、登場する人物に圧倒的に足りないのは、他人に対する想像力。持ってるのは森永さんくらい。
私も、想像力を養い続ける為に本を読む。
幸も不幸も自分次第。 -
Posted by ブクログ
読後の後味は甘すぎるチョコレートやキャラメルを嚥下した後、喉に絡みついたり、ひりひりする感覚に似ている。
どれだけ甘くて楽しい生活や恋をしていてもどろりとしたそういう感覚にふと陥ることは小説の中だけではなく、現実世界で恋愛に囚われずともあると思った。
肉体労働に日々勤しむ男性に愛されるため、隠しごとをしたり独自の考えを持つ女性たちが強かでありながらも、相手がいなかったら崩れてしまうのではないかと疑う程の脆さも兼ね備えてるように感じた。
一日に一度は寂しいって思うことって人を愛するこつ。
表題にもなってる風味絶佳が一番好き。
グランマ(不二子さん)チャーミングでとっても素敵。