山田詠美のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
愛の話。
アイノカタチ、愛の味、愛の種類はひとつではない。それこそが人類を人類をたらしめ、動物と一線を画す要因であるといっても過言ではない。「あのね、大好きだよ」と伝えるのもひとつの愛、君だけを傷つけないのも愛、見つめあうと素直におしゃべりできないのも愛かもしれない。
愛し方や愛され方が定まったものでなかったり、人によって違うから苦しみが生まれる。自分と違うから惹きつけられたのに、自分と違うことで遠ざけるようになる。
古今東西遍く愛の衝突や諍いは絶えない。絶えることはないし、耐えられない。しかし、この営みが消えたら人類史はおしまいなのかもしれない。
この本は、二人の男と女のおしまいがはな -
Posted by ブクログ
極上の読書体験。
自分が経験できない体験を、なんの代償も無しに味わえるのが読書の醍醐味なのだとしたら、最上級。
しかし、面白かったといえば、否。
内容にあまりにも救いが無い。どう足掻いても。
〈小さきものたち〉の段が丁寧語で表現されているのは、子供が自分の感情を言語化出来ない様子を第三者視点で語らせてるようでもあり、あどけなさやいたいけなさを表しているようであり、健気。
田舎の嫌な部分を濾し出したような、『少年のアビス』にも通ずる絶望感。閉鎖環境での救いの無さ。情報の秘匿など不可能。外に出たがる者と内に留まる者。
境遇・環境・教養・教育。学歴の違いが生み出した悲劇と、そう簡単に片付け -
Posted by ブクログ
読後の後味は甘すぎるチョコレートやキャラメルを嚥下した後、喉に絡みついたり、ひりひりする感覚に似ている。
どれだけ甘くて楽しい生活や恋をしていてもどろりとしたそういう感覚にふと陥ることは小説の中だけではなく、現実世界で恋愛に囚われずともあると思った。
肉体労働に日々勤しむ男性に愛されるため、隠しごとをしたり独自の考えを持つ女性たちが強かでありながらも、相手がいなかったら崩れてしまうのではないかと疑う程の脆さも兼ね備えてるように感じた。
一日に一度は寂しいって思うことって人を愛するこつ。
表題にもなってる風味絶佳が一番好き。
グランマ(不二子さん)チャーミングでとっても素敵。 -
Posted by ブクログ
父の愛人の子に恋してしまった三姉妹の物語
父の愛人が亡くなって引き取られてきた男の子、新堂力(リキ)
裕福な家庭に暮らす高見澤家の三姉妹
長女の麗子は「お嬢様気質」
しかしその振る舞いは空回りしているように見える
次女の咲也は読書家で斜に構えるひねくれ者
三女の薫子は天真爛漫
力とは犬仲間のように思っている
そんな三姉妹の三者三様の恋模様とその表現
そして母親による力への攻撃
もの凄く歪んだ愛の形なのか?
三姉妹の誰もがそれぞれの方法で力に執着している
麗子が空回りしているのはわかる
これ系の物語の主人公として咲也が一番適切なんでしょうけど
色々と拗らせすぎてるからなぁ
で