山田詠美のレビュー一覧

  • 賢者の愛
    大好きな部類。
    気の毒なマユちゃんの復讐は成功したとも言える。
    ドラマverで百合を高岡早紀が演じていて凄いはまり役だったのを覚えている。
    強烈で印象的なお話し。凄い。
    たまにまた読みたくなると思うからまだ捨てれそうにない一冊。
    ハマりすぎて谷崎さんの‹痴人の愛›も購入しました(´∀`)
  • 風味絶佳
    山田詠美さんの作品はこれが初めてです。テーマは職人。はじめはハネもハライもトメもなくスッとした終わり方がなんだか心細くしっくりしませんでしたが、中ごろには読み入ってしまっていました。
    ほんとうに素直な心の素直な気持ちをまっすぐに表現していると思います。特にここが良いというところはありませ...続きを読む
  • 4U ヨンユー
    熟れた果実のような恋愛短編小説集。人物や場所の描写が不明瞭なときがある。ただそれが気にならないくらい、筆者独自の考えのインパクトがすごい。ねっとりした描写と反転して考える独特の思想。人生や恋愛や幸福やセックスについて酒を片手に語りたい、人生が熟れはじめてきた40代女子におすすめ。
  • 100万分の1回のねこ
    角田光代さんのやつがとても響いた。猫は好きでも嫌いでもないけど、文鳥をもっと大切にしようと思った。うちの文鳥が何考えてるか、こんな風にはっきり分かったらいいのにな。今の想像するかんじも好きだけど。
  • 24・7(トウェンティフォー・セブン)
    ・太陽があり、星があり、花が咲き、風はいつでも思いやり深い。そのこと以外に、いったい何が必要なんです。その中で、好きな女を見詰めている。昔からある絶対的な価値とは、そのことですよ。
    ・年齢や経歴など、人間にとって付加価値に過ぎないではないか。
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち
    家族は血が繋がった他人だということ。
    血が繋がっているから感じる温かさと
    血が繋がっているから感じる残酷さ。

    血が繋がっていないから努力する儚さ。

    夫婦は他人が家族になること。
    他人というは、変わらない事実。

    同居する2つの家族。
    壊れたものを直そうとする様、温かく苦しい。
  • 4 Unique Girls 人生の主役になるための63のルール
    しばらく前に読んだやつなんだけど…

    あ、これ私と同じ、と思って記憶に残ってるのが、
    たまに出てくる滝波さんが、

    「美しい暮らしを紹介している本をカンフル剤として読む」 
    とおっしゃっていた内容の件。


    なんか、気分落ち込んでたり、気分転換したかったりって気持ちが自分の中にあると思うんだけど、本...続きを読む
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち
    面白かった。長男が亡くなって、その喪失を埋めることが出来ない母や、それをフォローする家族たち。
    面白くて最後は一気読みをしてしまった。1人の死を他人事とみるか他人事と見るかで、受け取り方が違うんだけれど、絶妙に文章が書かれていて、引き込まれた。
  • 姫君
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    昼間に読んでよかったかもしれない。
    ずっしり重かった。

    麻子のトキを大切に想う故に聖一と結婚を選ぶのか。。
    トキは麻子を憎いって気持ちは愛情の裏返し。

    トキの心情を変化に苦しくなる作品。

    聖子との異様な関係がトキの拠り所なのかな。

    麻子を一番傷つける存在になれない事を知った

    ...続きを読む
  • 女性作家が選ぶ太宰治
    未読既読入り交じっていたけれど、男性作家が選ぶ作品とはやはり色が違って面白い。くすっと笑ってしまえるあたり、やはり太宰の魅力。
  • セイフティボックス
    1988年に『週刊現代』で連載されたエッセイをまとめた本です。

    じつは長い間、著者の作品がちょっと苦手だったのですが、最近になって林真理子や田中康夫、森瑤子といった1980年代という時代を映した小説をまとめて読むことになり、著者が彼らと同じ時代に対してどのように切り結んでいたのかということがよく見...続きを読む
  • 新装版 ハーレムワールド
    2年前のわたしなら、女王として生きているサユリをカッコいいと思ったかもしれないけど、いまはそうとは思えなかった。だからこそ、終盤の彼女には共感しっぱなしだったのだと思う。読むタイミングで感想が変わりそうな作品。

    わたしの腹心、いったい誰かなぁ。
  • ラビット病
    とあるコミュニティサイトの「小説に出てくる好きなカップル」というトピックで紹介されていた作品。
    エキセントリックな女の子・ゆりと、彼女に振り回されるアメリカ軍人・ロバートが織り成す日々を綴った物語♪

    とにかく行動が読めないゆりちゃんと、それに反応する純情なロバちゃん~という二人の掛け合いが面白かっ...続きを読む
  • セイフティボックス
    セイフティボックスのなかで
    「今は、色々物事が解って来て、でも、それと同時に、ずいぶん感動する要因が少なくなってきたみたいだ(中略)昔は、そういう感受性をちゃんと引き出してくれるような人々と住んでいたのだ。」
    というところがある。
    自分に重ねて考えてみてそうだよなと思い当たる。
    空を見上げたり、足元...続きを読む
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち
    ポートランド旅行中に読んでいた。旅先という非日常で読んでいたせいもあるかもしれないけど、わりと現実にありそうな小説を書く(と思っている)山田詠美のなかでは珍しく、現実っぽいんだけどどこか別世界の物語のようでもあり。
  • タイニーストーリーズ
    山田詠美は長編ばかり読んできたような気がする。でも、短編もよかった。著者の筆の巧みさがわかるさまざまな趣向の作品たち。
  • ぼくは勉強ができない
    ストーリーの最初の方の秀美の考え方や環境は、何か羨ましくなる。 もし、今同じ世代に彼がいたらどうしたら彼のようになれるのだろうかと考えてしまうだろう。 話を読み進めていくなかで、発覚していく周りと違う家庭環境や苦悩。それを乗り越えてきたからこその考え方なのだと思う。 自分と比較して考えてみてもとて...続きを読む
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち
    久々のエイミー作品。
    いつものエロティックさやカッコよさとは
    違う類の内容だったが、相変わらずの筆力。
    素敵なセンテンスがあちこちに散りばめられていて、
    共感したり反発したりしながらも引き込まれた。
    長男の死をきっかけに、家族それぞれの立ち位置が崩れかかったり保っていたり。
    物語は、兄を失った3人の...続きを読む
  • ジェントルマン
    美しく妖しかった。
    最初の写真の話がもうインパクトあるので、山田さん自らが挿絵をつけたような感じがした。
    倫理観も良心もないのに、表面上完璧に見えるなんて怖すぎる。怪物。
    殺したことは誤算だったのか、もしくは殺した結果殺されることまで含めて希望通りだったのか、どうだろう。
    いつかもう一度読もう。
  • 4U ヨンユー
    「何だかよく分からないけれど哀しく、切なくなる」9つの短編集。
    チャラ男との恋、SM女王様との恋、マンションの隣人との不倫…普通に見えない恋愛は、その実至るところに転がっている。特殊に見える立場の人間だって、普通に食事や排泄もすれば、普通に恋愛だってするのだということ。

    そんな中、小さな頃事故で右...続きを読む