山田詠美のレビュー一覧

  • 吉祥寺ドリーミン ~てくてく散歩・おずおずコロナ~

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    久しぶりの著者のエッセイ。
    コロナ禍下(正しくはね)旦那さんと吉祥寺界隈を仲良く散歩したり、ランチしてるそーな。
    でも、相変わらず間違った言葉使いにはひと言物申す姿勢は作家故かいや、著者の美意識の高さ故だろう。
    いい年した大人が”お父さん””お母さん”、自分の仕事をお仕事、おうち、お魚、”させて頂く”の違和感。まさに我が意を得たり。
    それにしても、著者も還暦を過ぎたとは…。
    でもかっこよさは健在。
    超似てると本人も書いてた”浅川マキ”ググってみたらそくっりで笑った。
    どんな辛い状況下でも、やはり人間は”言葉”に救われるのね。(自筆の可愛い字!のあとがきを読んでしみじみ思ったよ)

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    2022年03月22日
  • 吉祥寺ドリーミン ~てくてく散歩・おずおずコロナ~

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    p198手書きの文字は気恥ずかしいです。でも、その恥を知ることが出来るからこそ、抑制が効く。書きたいことより書きたくないことの方が多い私という小説家を理解してくれる若手編集者が、ひとりでもいてくれる内はこのまま書き続けたいです。

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    2022年03月24日
  • ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨

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    BOOKOFFで購入。
    そういえば山田詠美って久しく読んでないなぁと思い手に取った。
    黒人の男性と日本人の女性の性愛の話書く人、というくらいの認識。実際、この本に関しては当たっているかも。
    書き出しから印象的でスッと入れる。文章がうまいなぁと思う。
    3編が収録されているが、1冊でお腹いっぱいという感じ。

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    2022年02月27日
  • 吉祥寺ドリーミン ~てくてく散歩・おずおずコロナ~

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    「吉祥寺デイズ」に続いて、週刊誌に連載した身辺雑記をまとめたもの。パートナーの「ヒロちゃん」(以前読んだ本でこう呼んでた。いろいろ衝撃的だったから覚えてるのだ)とは変わらず仲睦まじく、ほのぼのとした生活の様子が伝わってくる。うーん、「ほのぼの」…エイミーにこんな形容をする日が来るとは!「ベッドタイムアイズ」は遠くなりにけり。

    とは言え、エイミーの姐御ぶりは健在で、納得いかないことにむける舌鋒は鋭い。政治や世の中のあり方について、自分が経験したり目にしたりした具体的なことを取り上げて怒っている。繰り返し使われるのが「想像力がない」という言葉。自分とは違う境遇にいる人がどう感じるか、考えようとも

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    2022年02月14日
  • 風味絶佳

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    ネタバレ

    口に入れてる間はねっとり甘いんだけど
    後味はビターでずっと残り続ける
    キャラメルのような恋愛にまつわるお話

    肉体労働に携わる男性たちに
    すごく敬意を払って描写してあることが
    あとがきから分かって素敵

    食べ物の描写と人間の描写を
    比喩している部分はものすごく生々しくて
    鮮明にイメージさせられた

    それぞれの短編で感じたことたくさんあったけど
    読み直すとまたいろんな発見がありそう

    アトリエは最後何が起きたかわからないくらい
    衝撃的な展開ですぐに読み返してしまった

    どれも好きだった

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    2022年01月26日
  • 100万分の1回のねこ

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    その絵本の内容を忘れてしまったが、
    これだけの作家達に、これだけのお話を作らせるんだから、すごい絵本なんだな、と思う。

    大人になって楽しむ本があることに、幸せを感じる。

    挿絵を描いていたという方の話が、一番、絵本に近いんだろうな、という予感。

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    2021年12月26日
  • 100万分の1回のねこ

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    絵本「100万回生きたねこ」のアンソロジー本。途中、あれ?猫出てきたっけ?っていう作品もあったけど、基本、要所要所に猫が登場。でも、猫飼い的に胸が痛くなるような描かれ方もあって、さすが100万回生きたねこだな。
    そういえば、100万回生きたねこは幸せなのかどうかって論争もありましたね。きっと、そんな流れから出てきた本なんだろうけど。これ。

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    2021年12月10日
  • ぼくは勉強ができない

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    ネタバレ

    片親だから、可哀想とか、周りが決めつけてはいけないのだと学んだ。
    可哀想とか、もったいないとかもだけれど、他人が人に対して言っていいものじゃないのだと。
    主人公の先生に対する意見については、本当に本当のことを言っているのにそれに対して怒られてしまう。
    価値観とかは、やはり人それぞれだから、人の意見にもっと柔軟に聞き入れる態度が必要だと感じた。

    個性的なキャラクターや登場人物が出てきて、読んでいてとても面白かったです。

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    2021年11月28日
  • 4 Unique Girls 人生の主役になるための63のルール

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    全編エイミーって感じだった。
    山田詠美の世界から多大な影響を受けて育った思春期をなつかしく思い出した。いつまでも憧れのひと。

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    2021年11月26日
  • タイニーストーリーズ

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    最強タッグ笑。タイニーストーリーズ10年以上前に読んだから、覚えてなかったけど、あの毒々しいエロティックな世界を内田春菊の絵で描くとより、濃厚で甘美で。
    たまらん。。。私は好き

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    2021年10月28日
  • A2Z

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    26文字のアルファベットで表現するというから、細切れなコラム的なものが続くのかと思いきや、きちんと物語。
    夫婦としても、同業者としても、夏美と一浩が信頼し合っていることが節々から伝わってくる。
    お互い様だから丸く収まったのもあるのでは(^^)

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    2021年09月26日
  • A2Z

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    しゃれた構成で、まさか本当にAからZまでのワードで章を区切るとは思わなかった。しかも一つも思いつかなかったし。
    およそ読んでこなかったジャンルの小説なんだろうな。ジャンルじゃなくて作者に馴れていないだけかもしれないけど。こういう作品を読むと、自分が人の感情にいかに鈍感かが思い知らされる。やれやれだ。

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    2021年08月17日
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち

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    夫に捨てられた妻(ママ)と、その息子、娘。
    妻を病気で失った夫(マコパパ)と、幼い息子。
    ママとマコパパが結婚し、五人の新たな家族を作る。
    その時、四歳だった弟創太でさえ、家族を演じなくてはいけないことをわかっている。

    アメリカン・アンティークで飾られた大きな家。
    家の中を磨き、飾り、子どもたちには手作りの料理、おやつを食べさせる母親。
    やがて、両親のもとに新しい子ども、千絵が生まれる。
    子どもたちの必死な努力により、澄川家は美しい、完璧な家族に仕上がりつつあった。

    ママの「特別な存在」であった長男澄生の死と、父の事業の不調で、一家は暗転する。

    この小説は、構造的な面白さがある。

    私が

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    2021年08月09日
  • 賢者の愛

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    久しぶりのエイミー。谷崎潤一郎「痴人の愛」へのオマージュ作品ということで、主人公である真由子が直巳を自分好みの男に育てていく話だと思って読み始めましたが、ちょっと想像とは違ってました。タイトルからして痴人の愛と対比してつけられているのでしょうが、じゃあ登場人物たちは一体誰が“ナオミ”で、誰が“ジョージ”だったのでしょうか。
    当初はジョージ→真由子、ナオミ→直巳で読んでました。でもジョージとナオミの関係はこの二人にだけ当てはまるものではない。リョウ兄さまと百合、真由子父と百合、リョウ兄さまと真由子。そして最後まで読んで、真由子と百合もまたジョージとナオミだったのではないかと思いました。恐らく真由

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    2021年06月13日
  • 賢者の愛

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    父と諒一という2人の愛する男たちを百合に奪われた真由子は、百合の息子の直巳を自分好みの男に調教して復讐しようとします。
    山田詠美さんの作品も大好きでたくさん読んでいますが、
    山田さんの作品は官能的でセンセーショナルな魅力も持ちつつ、それだけにとどまらない、物語の巧妙さとか、人生哲学も持ち合わせているから面白くて大好きです。

    わたしが真由子だったらやっぱり百合に対して憎悪を持つと思う。
    谷崎潤一郎の「痴人の愛」をなぞって、「ナオミ」と名付けられた百合の息子を使い、復讐しようとする気持ちもよく理解できる。

    真由子は父と諒一と共にいた過去の自分はこの上なく幸せであったというけれど、
    その時はきっ

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    2021年06月11日
  • ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨

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    著者の初期の短編3作を収録しています。

    「ベッドタイムアイズ」は、黒人の脱走兵であるスプーンと、クラブの歌手である日本人女性キムの性愛をつづった作品です。二人が、引き離されることになるまでの時間を、身体を通じて溶けあっていく経過がえがかれています。

    「指の戯れ」は、ルイ子のもとに、かつて気まぐれで交際したリロイ・ジョーンズが、有名ジャズ・ピアニストとして帰ってくる話。二人の関係は以前とはまったく異なっていながらも、過去のつながりを二人が以前とはべつのしかたでたどって結びついていく過程がえがかれます。

    「ジェシーの背骨」は、リックを愛するココが、彼の一人息子であるジェシーの世話に振りまわさ

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    2021年04月11日
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち

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    大事な人の突然の死を受け止められるか、突然じゃなければ準備をできるの。失くして受け止められないくらい繋がりを育み大事な人となれるか。重いテーマだけど色々考えたい。

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    2021年03月14日
  • タイニーストーリーズ

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    ネタバレ

    裏表紙あらすじの「宝石箱のような」という表現がぴったりな一冊!まさに!ドキドキする言葉選びばかり。どれも違う輝きで、この話が好きと選べない。
    おもしろい長編を読み終えたときのおもしろかったー!という充足感とはまた違う満足感と、もう一度読みたいと思えるお話ばかりで、手元に置いておいて読み返したいなと思えた。

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    2021年03月12日
  • ぼくは勉強ができない

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     8編+番外編の連作小説集。とにかく登場人物のキャラクターが濃い。主人公の時田秀美君然り、そのお母さん然り、担任兼サッカー部顧問の桜井先生然り、とにかく会話の端々に面白さがついてくる。ぱっと見は面白いだけの小説なのかなと思っていたが、これがなんとも奥深い。思わず「うーん、なるほど」と思ってしまうことも多く、ある意味勉強になる。それぞれの短編がそれぞれの問題を投げかけてくるように思えるので、どの問題を自分なら一番真剣に考えるかというテーマで読み進めるのも面白いかもしれない。個人的には「雑音の順位」が印象に残っている。
     この小説の発表が1991年だから、今から約30年前になるが、内容は全く色褪せ

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    2021年03月12日
  • 風味絶佳

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    全部ちょっと後味が悪くてふわっとした終わり方をしていてて、最初のページに戻って「こういうことだったのかな」ともう一回考えて、料理して何かを作っているときに味を試してる作業に似ている気がした

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    2021年01月11日