山田詠美のレビュー一覧

  • 風味絶佳

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    本棚にあったからなんとなく読んでみた。

    6つの短編小説にそれぞれ登場する男たちは順番に、鳶職、ゴミ収集車の作業員、ガソスタのバイト、引越し作業員、汚染水清掃員、火葬場の職員、とどれもビジネスっぽい頭脳系というよりは肉体労働を強いられるものでそういう職業には無頓着だったから新鮮だった。どの短編も個性があって読んでいて飽きない。
    風味絶佳と春眠は特に印象的だった、いや海の庭もかも。どれもよかった。

    今回この小説は旅先とかいろんな場所で読んでいたので、内容を思い出すと同時に読んでた周りの空気や景色も取り戻せるような気がしてなつき度が上がった。本はどこでも読めるから旅先で本を読むのは今まで少し抵抗

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    2020年10月04日
  • 風味絶佳

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    表題作を含めた甘かったり切なかったりな6作品の恋愛小説短編集。2005年の谷崎潤一郎賞受賞作。
    収録されている作品は恋愛小説ではあるが、主人公もしくは相手の男性の職業が、鳶職、清掃作業員、ガソリンスタンド店員、汚水槽洗浄員、引越し作業員、火葬場勤務と、作業服の似合うワークマン系。そして作品には必ず食べ物が絶妙に絡む。一筋縄ではいかないのが人生、特に恋愛は。

    表題作は、70歳にして真っ赤なカマロに乗り孫には必ずグランマと呼ばせる祖母をもつ志郎。彼はガスステイション(ガソリンスタンド)で働き、職場には気になる同僚の女の子がいる。そんな恋愛にちょっと面倒なグランマがいい感じで絡んでくる。グランマの

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    2020年09月12日
  • 晩年の子供

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    昔「ひよこの眼」を読んで、胸が苦しくなるこの本を散々迷って買った。どの話も凄く考えさせられ、時に死について考えてしまう本だった。

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    2020年07月07日
  • ぼくは勉強ができない

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    普段全く読書をしない、してこなかった私だけど
    あるとても魅力的なポッドキャスターがこの本について話していたのをきっかけに読書を始めた。

    「あなたの高尚な悩み」の植草くんのお話は笑えたし
    「番外編・眠れる分度器」の三角定規の話はとても良い言葉だった。

    これから色々な本を読んで、またもう一度読み直してみたいな。

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    2020年06月23日
  • 愛してるよ、愛してるぜ

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    ネタバレ

    読者の悩み相談に山田詠美と安部譲二が答えるという風を装った対談集。(悩みにはほぼ答えてない)お二人の一風変わった結婚生活がのぞき見える。お二人の仲の良さと自由奔放さにうらやましくなる。安部さんの逝去と詠美さんの喪失感に悲しくなる。解説の宇垣美里さんが山田詠美さんの小説で形作られていると知って、よく知らない人だったけどなんだか腑に落ちた。

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    2020年05月30日
  • ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨

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    言葉や世間体では表せない愛の物語もあるんだなだと思った。山田詠美さんのデビュー作ってこんなんなったんだ!驚いたー。

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    2020年04月22日
  • 賢者の愛

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     一章ごとに読み進めていったが、直巳と真由子の関係、真由子と百合の関係がどうなって行くのかが気になり、物語に入り込めた。
     父とSEXをし自殺に追いやり、大好きな人を奪った百合に対する憎しみは相当なものだと思うが、そんなことがあっても真由子が育てた直巳はある意味ではいびつに、ある意味では純粋に育ったように思う。最終的に百合の策略(百合は真由子の幸せのため直巳を差し出した場面は嫌な女というよりただただ可哀想な女性なんだと感じられた)により、真由子は身体が不自由になってしまい、ずっと直巳に介護されて過ごすのだろうが、真由子がどういう気持ちなのか、賢く尊い女性であるから、察するのが難しい。

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    2020年02月09日
  • 風味絶佳

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    2012年に読んだものを再読。

    こんなに味わいのある話だったなんて…。
    あの頃は映画のイメージに引っ張られてしまって、
    本当の意味が見えていなかったんだな…。

    やはり山田詠美先生の小説は素敵です。

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    2020年01月24日
  • 風味絶佳

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    何回読んでもまた読みたくなる。
    簡単に感想なんて書けないから、
    いつもそのままにしてる。
    表紙を見るたびに甘い香りが漂っている気がしてしまいます。

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    2019年12月09日
  • 風味絶佳

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    映画は柳楽優弥と沢尻エリカの共演。君の心がわかるよなんていう男についていく女を、黙って見守って、俺が幸せにしてやろうとか考えてることは、錯覚か、酔ってるしかない。恋なんて、上書き保存。次から次へと移り変わっていくのが人生だ。沢尻エリカは、松田翔太や高城剛、そのほかにもデザイナーなど、いくつもの恋を重ねてきた女性だから、風味絶佳に描かれる艶やかでキュートなイメージにぴったりなのだと思う。そういう恋ができる、もしくはそんな女と付き合うってことは、自由を失う覚悟がいるし、恋と愛の間を彷徨い続ける苦しみに耐えなければならない。幼さと大人、甘さと苦さ、いろんな想いを感じさせてくれる。

    シュガー&

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    2019年11月27日
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち

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    夫との離婚、妻との死別、それぞれの事情を抱えた二組の親子が家族となるべく東京郊外のアンティークな一軒家に移り住む。澄生と真澄の兄妹に創太が弟として加わり、その後千絵が生まれる。誰もがうらやむ素敵な家、凡庸で平和でそれ故にかけがえのない家族6人の幸せは、澄生が落雷に遭い亡くなった時に終わりを告げる。澄生を溺愛した母がアルコール依存症になり、家族の姿は一変した・・・

    長女真澄、次男創太、次女千絵、それぞれの語りで描かれる家族の姿が辛く切ない。家族をまとめようと努力しいっぱいいっぱいの真澄、血がつながらないゆえに母の愛を痛いほど求める創太、唯一父母の血を引きながらどこか冷めた目で家族を見つめる千絵

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    2019年11月14日
  • 24・7(トウェンティフォー・セブン)

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    山田詠美さんの著者曰く大人の男と女の不慮の事故を描いた恋愛短編集ですね。本書に描かれる男女の愛は自由恋愛という感じでオンリーユーではなく不貞行為も含んでいますが、でもそれ程に自堕落ではなく筋は通っていてエロティックでもイヤらしくもなく心理描写が中心ですので艶っぽい性愛描写を期待された方にはやや物足りなかったかもしれませんね。私のベストは年上女の去り際の苦悩と奇跡の愛の復活を描いた「ピンプオイル」ですね。本書を読んで私も情熱を枯らす事なく一生現役バリバリでいたいなと思いましたが但し皆様不倫だけは駄目ですよ。

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    2019年09月28日
  • 賢者の愛

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    ネタバレ

    愛や幸せは与えられるもの?
    奪うもの?作り上げるもの?
    .
    生まれた時から
    その人の本質というものは
    基本的に変わらない。
    きっとそう。
    育ちや環境や人間関係など
    いろんな事がその人生に影響を与えたとしても。
    .
    「ちょうだいお化け」いるよね。
    あと「マネっこお化け」も。
    こーゆーのって
    女の子特有のものなのかな?
    .
    怖いよね、強いよね、女の子って。
    でも、
    関わらなければ、
    そっちに引っ張られなければ、
    見てる分には面白い生き物だよね。
    って思うのも、女だからかな。笑
    .
    帯に書かれていた
    “もう減点方式で 冷めてしまう恋など したくない”
    …ちょっとわからない。
    私の感性と合わなかったみ

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    2019年08月27日
  • 風味絶佳

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    ネタバレ

     「4U」に比べて、暗いアンハッピーエンドな小説が多いようだ。
     「アトリエ」では、ゆんちゃん(裕二)あーちゃん(麻子)と睦み合う夫婦が、妊娠と共に妻の神経症に夫も巻き込まれてゆく。
     「風味絶佳」では、アメリカかぶれの祖母に見守られながら、青年が見事に恋人に振られる。
     「間食」では、年上の加代に世話される雄太が、恋人の花の妊娠を知った途端、花との連絡を切る、後味の悪さが残る。
     「春眠」では、想いを寄せた女性を実父に奪われる。
     男性主人公は、肉体労働者からみばかりだ。現場出身の僕として、本質を衝いていると言えない。

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    2019年08月16日
  • 賢者の愛

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    大好きな部類。
    気の毒なマユちゃんの復讐は成功したとも言える。
    ドラマverで百合を高岡早紀が演じていて凄いはまり役だったのを覚えている。
    強烈で印象的なお話し。凄い。
    たまにまた読みたくなると思うからまだ捨てれそうにない一冊。
    ハマりすぎて谷崎さんの‹痴人の愛›も購入しました(´∀`)

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    2019年06月26日
  • 風味絶佳

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    山田詠美さんの作品はこれが初めてです。テーマは職人。はじめはハネもハライもトメもなくスッとした終わり方がなんだか心細くしっくりしませんでしたが、中ごろには読み入ってしまっていました。
    ほんとうに素直な心の素直な気持ちをまっすぐに表現していると思います。特にここが良いというところはありません。でも、読み入らせる力を持っている作品でした。

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    2019年05月09日
  • 4U ヨンユー

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    熟れた果実のような恋愛短編小説集。人物や場所の描写が不明瞭なときがある。ただそれが気にならないくらい、筆者独自の考えのインパクトがすごい。ねっとりした描写と反転して考える独特の思想。人生や恋愛や幸福やセックスについて酒を片手に語りたい、人生が熟れはじめてきた40代女子におすすめ。

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    2019年03月21日
  • 24・7(トウェンティフォー・セブン)

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    ・太陽があり、星があり、花が咲き、風はいつでも思いやり深い。そのこと以外に、いったい何が必要なんです。その中で、好きな女を見詰めている。昔からある絶対的な価値とは、そのことですよ。
    ・年齢や経歴など、人間にとって付加価値に過ぎないではないか。

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    2018年10月27日
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち

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    ネタバレ

    家族は血が繋がった他人だということ。
    血が繋がっているから感じる温かさと
    血が繋がっているから感じる残酷さ。

    血が繋がっていないから努力する儚さ。

    夫婦は他人が家族になること。
    他人というは、変わらない事実。

    同居する2つの家族。
    壊れたものを直そうとする様、温かく苦しい。

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    2018年09月30日
  • 4 Unique Girls 人生の主役になるための63のルール

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    しばらく前に読んだやつなんだけど…

    あ、これ私と同じ、と思って記憶に残ってるのが、
    たまに出てくる滝波さんが、

    「美しい暮らしを紹介している本をカンフル剤として読む」 
    とおっしゃっていた内容の件。


    なんか、気分落ち込んでたり、気分転換したかったりって気持ちが自分の中にあると思うんだけど、本屋で思わず手に取って買ってしまい、読んでしまう「美しい暮らし推奨本」。
    決してそれメインで本を買いに行くということはないんだけど、「その他の一冊」の中に含まれている本。

    無性に読みたくなる時があるのよ。読むと「うっしゃー!今の生活リセットー!やるぜい!」って気持ちになるのよ。



    なるほど「カン

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    2018年08月26日