【感想・ネタバレ】色彩の息子のレビュー

あらすじ

一人きりで目覚めてしまう明け方。私は人の声に触れたくて、知らない誰かに電話をかける。冷たいシーツの上、澄み切った夜明けの青い空気の隙間で溺れてしまわないように――(「顔色の悪い魚」)。色彩が、もし息子たちを生むのなら、五感は、常に心を親にしている。金、赤、青、紫、白、緑、橙、黄、灰、茶、黒、銀。心の中のパレットから選びだした言葉で描きだされた、12色の短編集。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

エイミーはいい女も病んだ女もウブな男の子も病んだ男の子も書き分けるからすごい。わたしも仔羊の塊を焼きたくなったし、大丈夫な理由として、「だって、詩人だろ?」って言われたい。

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2020年06月18日

Posted by ブクログ

小さなお盆の上には、鍋焼きうどんが乗っていた。化粧の匂いをぷんぷんさせてね。
この女ときたら、親父が戻るまで、まったく隙のない化粧をして、待ってるんだ。本当に好きもんだよ。
冗談じゃねえ。
死んじまえばいいんだ。
(陽ざしの刺青/声の血/顔色の悪い魚/高貴なしみ/病室の皮/草木の笑い/白熱電球の嘘/ヴァセリンの記憶/雲の出産/埋葬のしあげ/黒子の刻印/蜘蛛の指輪)

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2017年02月08日

Posted by ブクログ

色をモチーフにした12の短編集。
(金、赤、青、紫、白、緑、橙、黄、灰、茶、黒、銀)

さすが山田詠美さん。
もう、心の中は「怖っ。」「えぐぅ。」「辛っ。」「痛い。痛い。」のオンパレードwww
残酷さの中に救いがあったり、なかったり。
自分の語彙力の乏しさが、もどかしい。
アタシの言いたいことは解説で加藤千恵さんが全部言ってくれてますwww

☆日差しの刺青
☆声の血
☆顔色の悪い魚
☆高貴なしみ
☆病室の皮
☆草木の笑い
☆白熱電球の嘘
☆ヴァセリンの記憶
☆雲の出産
☆埋葬のしあげ
☆黒子の刻印
☆蜘蛛の指輪

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2025年05月13日

Posted by ブクログ

山田詠美の小説にでてくる世界は今僕のいる空間とは別の世界である。
その世界は、とても魅力的で官能的な世界、すぐそこにある。踏み出せば簡単に行けるんだと思う。

行きたいけど行けない。
それ以上の悦びがあることもわかっているのに…。
そして又、心の内に棲んでいる何かを求めて彼女の本を読む。

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2015年01月13日

Posted by ブクログ

私は、あなたのものにされるの、大好きだったけれど、それは、私が、そんなことでは束縛されないという事実を知っていたからよ。解らない?
(P.22)

ぼくの好んだ人間関係は、本当は理不尽なものであることに気付いた時、ぼくは、綺麗な心を持った奴隷として、彼の前に、おのずと跪いたのです。
(P.130)

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2015年09月16日

Posted by ブクログ

一時期、山田詠美ばかり読んでた。思えば早熟な子どもだったのかもしれない。子ども心に山田詠美の世界の登場人物はお兄さんお姉さんで。漠然とこんな大人になるのかと思ったが、思いの外子どもな事実に驚く。のさておき。「色」をテーマにした短編集。一癖も二癖もある登場人物たちは山田詠美にしか書けないトリッキーさとスノビッシュな匂いを漂わせている。今の、この現代の流行りじゃないかもしれないが、ただライトでエンターテナーで「面白い」読み物が溢れる中で、不可解な感情を消化しきれない重さと、スタイリッシュな世界観が心地よい。

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2015年04月13日

Posted by ブクログ

いつか、どこかで出合ったような感情。
きっと、これからまたどこかで出合うであろう感情。

でも例え、出合ったとしても、私はそっちにはいかない。
感情は理解できるけど、彼らの行動は、今の私には理解できない。


美しい文章に、美しい言葉たち。
私は、もっとみずみずしい山田詠美が読みたい。

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2015年02月15日

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