山田詠美のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
94年2月。発売日に買った。
私が読んだ山田詠美で、時々思い出すのはこの話かな。
ダメDV男とそんなダメ男を愛する・・・ココ?
NYの話だよ。
ほんとに上手くいかなくって、なのになんで?別れられないの?なぜ愛してしまうの?という女性っぽい話、だったはず。
そいいう人間の悲しさ?軽薄で軽く、衝動的なことを裏返してクールに悲しんでるけど、そんなダメな遺伝子や本能を愛してるって話だっけ?
なんか恥ずかしいね。恋愛小説なんだよ。
当時は、村上龍や山田詠美、刺激の多いセックスがいっぱい出てくる小説がほんと流行ってた。
今もかな。
この話、虫みたいな人間とそのいとなみがいとおしいって、そ -
Posted by ブクログ
「比喩表現が甘やかでロマンティック」――山田詠美さんの小説を読むといつも感じることです。この人はほんとの小説家なんだな、と、短編集を読むとますます思います。
とりわけドラマチックでもない些細な日常のなかにあるドラマ。そういうことこそが、本当はいちばんドラマチックなのかもしれない。様々なシチュエーションのなかで、人を愛したり別れたり…。
短編がたくさん収められている小説ですが、私のなかでいちばん印象に残ったのは、一番目の『唇から蝶』。非現実的でファンタジーな世界なのに、まったく違和感がなかった。こういうお話、大好き。
こういう小説集を読むと、自分もいろいろ経験すべきなんだな、と思わされます。とり -
Posted by ブクログ
ソウル・ミュージックに詳しくないので、タイトルに使われているのが
全て実存する曲のタイトルであるとか、そういうことは全然知らない。
が、前編にたゆたうゆったりとした他の流れ、心の動き、それに従わざるを得ない体
えもいわれぬ雰囲気があった。
よしもとばななさんがよく、エロい文章と表現していたけど、
まったくそのとおりだなと思う。そういう意味が、よく分かってきた。
なんだろう。単純に、恋っていいかもって思えるような。
下世話な意味でなく、恋とセックスは切り離せないものだと
普通に思えてしまう。
解説がまた、趣向が面白かった。翻訳家ならではの視点である。 -
Posted by ブクログ
実はコレ、川上弘美『センセイの鞄』の直後に読み始めた。
のだけど、あまりの凄さに読み進められず・・・中断して多和田葉子『犬婿入り』、野中柊『ヨモギ・アイス』、江國香織『ホリー・ガーデン』、さらに桐野夏生『OUT』の上巻(この本のレビューは下巻を読んでから書きます)まで挟んで、女性作家の作品のストックが切れてしまったので仕方なく戻って、やっと読み終えた、感じ。
山田詠美って中高生向けのお話を書く人じゃなかったの!?
イヤWikipediaにも‘作品は主に「大人の男女の恋愛・性愛」を描くものと、「子供や思春期の少年少女」を描くものと二系統あり[・・・]’とあったし、それを踏まえて初・山田詠美とし -
Posted by ブクログ
スプーンは私をかわいがるのがとてもうまい。ただし、それは私の体を、であって、心では決して、ない。
この本のレビューはよくメイクラブと「純愛」って書かれてるけど、そうじゃないと思う。っていうかそんな愛は探してるうちは見つからんと思う。
キムとスプーンは、ひたすら、堕落、ふぁっく、退廃、の繰り返し。体だけ。そこがいい。
その繰り返しが最高に芸術的で、個人的にはキムが最後スプーンのことを心から「好き」になってしまっていたのがちょっと個人的には物足りなかったくらい。
入り込み、体内に飛び火し、やがて沈着し、ゆっくり溶けて甘く染み込んで行く。
2 sweet + 2 be = 4 gotte