山田詠美のレビュー一覧

  • ぼくは勉強ができない

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    大学生くらいの時にこの本を読んでいたら、社会の見え方も変わっていたかもしれない。
    同調圧力の強い日本で、波風立てずに過ごすことが、いつしか当たり前で1番幸せなんだと思い込んでいる自分がいる。時田秀美のように生きられる人がどれくらいいるだろうか。素直にかっこいいな、と思う。

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    2026年03月29日
  • いただきますは、ふたりで。―恋と食のある10の風景―(新潮文庫nex)

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    料理×小説(エッセイ)というと、なんとなく心温まるイメージで読み始めたら、ちょっと違ってびっくりする。
    すべてのお話に美味しそうな料理が出てくるけれど、どれもこれも「ほっこり」した美味しさとは毛色が異なる。
    この読後感は、どんな「後味」と言ったらよいのだろうか。
    でも、悪くない。すっぱい、からい、ほろ苦い……それもまた料理であり、人生なのだ。

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    2026年03月17日
  • 三頭の蝶の道

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    もう亡くなられた、大好きな作家さんを想って、涙がでる。こんなにあたたかい涙がでたのは久しぶりだ。
    これはフィクションであって、フィクションでない。小説を通して、作家を見つめ、作家を好きになることがある。わたしは山田詠美が大好きだ。

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    2026年03月16日
  • 三頭の蝶の道

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    ネタバレ

    20代、山田詠美を読みあさった。久しぶりに同氏のことを思い出して、この作品を読んでみた。山田詠美自身がモデルとなる山下路美の語りが、当時読んでいた作品を思い起こさせ、懐かしい気持ちになった。私は純文学と大衆文学の違いも分からない文学素人だけれど、作家という人種がどのように作品を作っていくのか、その頭の中が垣間見えて楽しかった。高柳氏の章では、現実世界での(リアルな人間関係においての)言動と、小説で書き表わされる内容は、同じ人の思考から発生するにも関わらず、こんなにも違うのかということに驚いた。小説を書くときは神の視点になれるけど(いわゆるメタ認知が発動するけど)、現実世界ではそうもいかない、と

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    2026年03月09日
  • 血も涙もある(新潮文庫)

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    久しぶりの山田詠美さま

    柚木麻子「BUTTER」を読んだ後にこちら

    BUTTERの主人公は、料理と愛情は別物、手の込んだ料理を家族に提供できるかは愛情によるのではなく手間をかける時間があるかどうかという感じのことを言っていたけれど
    血も涙もあるに出てくる料理家先生はそれとは反対の家族への愛の形としての家庭料理、古きよきお母さん像の体現のような人。美味しいスープを作ったらいい嫁をもらったなと思ってもらえるんじゃない?と言う人。

    それぞれの人にとっての人の倫的なものがあってそこから逸れたら不倫。

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    2026年03月01日
  • つみびと

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    2代にわたり女性がネグレクトであり
    その子供が置き去りにされ命を失う
    その背景にあった物語を母、娘、その子供の
    視点で各章に描かれる
    どこにでもいる普通の人かもしれないが
    経験してきたことが普通かと言われれば
    YESともいえないかと
    幼い命をなんとか救えなかったのかと
    それ以前に母、娘をもまた救えなかったのかと
    実際にあった事件が元になっているということで
    さらに痛ましく感じました

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    2026年02月23日
  • 血も涙もある(新潮文庫)

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    面白かった。山田詠美節・痛快な言葉選びと中身のドロドロ感の対比がたまらない。不倫は性愛、プラトニックとも割り切れない、バカな恋愛してる人間も愛おしく思えたり。

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    2026年02月17日
  • ぼくは勉強ができない

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    仁子が素敵すぎる。

    社会から外れないように外れないように怯えて、自分自身の価値観をそこにゆだねてる男って、ちっとも魅力ないわ。

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    2026年01月11日
  • 三頭の蝶の道

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    小説でありながら、ノンフィクションのような手触りがある。
実際に、ああこれ瀬戸内寂聴だと思える設定があったり、これは山田詠美本人だなと思うような設定がある。

    物語として読むというより、実在の人生を覗き見ている感覚に近い。
    登場するのは、三人の女流作家たち。

彼女たちの女性作家としての生きづらさ、それでも折れずに生き抜く強かさが、描かれていく。
    特に印象的なのは、
彼女たちが抱えてきた言葉にならない深淵。
欲望、孤独、老い、創作への執着――
どれも美談にはならず、しかし否定もされない。

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    2025年12月31日
  • 晩年の子供

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    小学生の子どもが主役の短編集。全8編。

    全部好き。
    山田詠美氏は、言葉にするのは難しい感情の機微を、綺麗な文章に記すことに長けた天才だと思った。
    「堤防」「ひよこの眼」が特にお気に入り。

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    2025年12月28日
  • ぼくは勉強ができない

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    ネタバレ

    秀美くんは頭の良い子だなと思った。
    大人の言うことの前にひれ伏したり、スルーしたりする子も多いと思うけど、ちゃんと自分の中に問いや反論を持てるんだから。

    子供を育てる立場として、何となく一般的な価値観として正しいようにされているものでも、自分なりの解を持つようにと伝え続けようと思う。
    進学、就職、結婚。
    人生をより意味のあるものにするためにも必要なこと。

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    2025年12月20日
  • 三頭の蝶の道

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    山田詠美氏がオーディブル用に書かれた小説。
    確かに耳なじみが良いだろうなという語り口。
    女流と言われた作家たちのすさまじい創作姿勢は圧巻。
    それなのに、どうしてもモデルは誰?なんぞと考えてしまい、
    思うように入り込めなかったのは、こちらの問題。

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    2025年12月18日
  • つみびと

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    ひたすら苦しい読書体験だった。

    機能不全家族の中で育った人間が背負う傷が、どれほど深く、どれほど長く人生に影を落とすのか。
    心から信頼できる存在を知らないまま、癒されない過去を抱えて、むしろ自分を粗末に扱う道を選んでしまう不幸の連鎖に、何度も息が詰まった。

    幸福な瞬間にさえ、気づけばかすかな翳りが忍び寄ってきて
    「おまえは、そこにいて良い人間なのか」と囁く声がする。
    この本のテーマになっている兄妹を放置して死なせた事件のように、理解できない出来事の裏側にあるかもしれないこれまた想像もつかないような地獄の存在について、何度も考えさせられた。

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    2025年12月20日
  • ファースト クラッシュ

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    久々も久々に山田詠美さんの作品。
    10代に出会った頃の衝撃を思い出した。
    いつも衝撃と言葉と文学、そして恋という感情を教えてくれる。
    そう、恋愛のど真ん中なのに、けして恋愛だけではないのが山田詠美さんだった。
    かっこよくて大人な大人を教えてくれる。
    20代でも、もっと読んでおけば良かったなぁ。

    解説も良かったので、文庫で読んで良かった。

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    2025年12月04日
  • 三頭の蝶の道

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    山田詠美だからかけたというか、書くのを許されてる空気感というか、なんかそんな感じでその世代の人たちをよく知らなくても面白かった。いい意味でドラマみたいで。

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    2025年11月18日
  • いただきますは、ふたりで。―恋と食のある10の風景―(新潮文庫nex)

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    料理と恋愛にまつわる短編集。
    料理が絡むからか、どれも一定大人の恋愛ストーリー。

    一穂ミチのエピは不思議な色気を感じる作品。地味女かと思わせといてなかなかやりおる男女だわ。
    古内一絵作品はこの人の根底にあるものが伝わるので嫌いじゃない。
    君島彼方の作品は性的マイノリティの葛藤がいい具合に滲み出ていてこれも好き。
    奥田亜希子のズルい男とそれをわかってて演じた女の話も結構好き。転がされてるようで転がす女は勝ち組だな、って思う。

    ということでどれもなかなか思いを馳せることの出来る味わい深い短編集でした。

    カレー食べたくなるよ

    2025.11.11
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    2025年11月11日
  • 三頭の蝶の道

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    ネタバレ

    昭和の香りがするような…
    詠美先生の過ごしてきた当時の文壇と呼ばれる世界の生きづらさや人間関係などりあるすきて魔窟を恐るおそる覗き込んでいるようで落ち着かない。何に対してなのかわからず恥ずかしくなるほど。

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    2025年11月04日
  • ぼくは勉強ができない

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    曽根ちゃんのおすすめ
    全面的にずっとせっくすの話をしているのがなんかおもろい。別にエロいとか下品とかではない、当たり前のように出てくるのは好感だけど、頻度多め。
    私は勉強ができる人が好きだが、考えたうえで勉強より女にモテることのほうがいいと判断する、片親育ちで達観してる少年のキャラは好き。

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    2025年11月04日
  • いただきますは、ふたりで。―恋と食のある10の風景―(新潮文庫nex)

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    食卓を囲む恋人たちの物語。
    こう書くと、幸せな話のように感じるかもしれないけれど、そんなおめでたい話ばかりではない。
    食欲は人間の二大欲求の一つだから。その上に立つ物語はそれはそれは濃いものでなければ成り立たない。人間の生と欲が濃密に描かれた短編集。

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    2025年10月15日
  • 熱帯安楽椅子

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    愛しすぎてしまった男を吹っ切るために訪れたバリ島。自分を見つめる熱帯の男たちの視線や耳の聞こえない少年との出会いによって、いつの間にか失っていたものを自分の肉体に取り戻していく。

    好きな人と別れた時の、心臓が痛くて悲しい気持ちをこんなにも美しい言葉で表現して文学作品へと昇華させてしまう文才に惚れ惚れする。
    そして耳の聞こえない少年、トニの無垢な愛情のこもった瞳に傷が癒されていく様子にもうっとり。
    バリ島の熱気や雨や砂や波を肌に感じられる作品だった。

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    2025年10月09日