山田詠美のレビュー一覧
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限りなく5に近い4ね。
今は亡き文豪たちとの交流が著者独特のユーモアとセンスで描かれていて何度でも読みたい。(水上勉、田辺聖子、森瑤子、安部譲二、河野多恵子、野坂昭如)
これから出てくる新人作家さんたちは到底逢えないんだものね。
その意味では銀座の文壇バーで交流なんて最後の年代なのかもね。
いいなぁ。もっといっぱいいっぱい書き残してほしい。
著者が20代で生意気盛りだった頃の作家さんたちとのエピソード。そんな著者を温かく本気で付き合ってくれた度量の深い先輩小説家。
芥川賞の評価の文も好き。
著者が褒める小説は無条件で読みたくなる。
井上荒野の「切羽へ」これは読んでみなくては。
書かないことで表 -
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Posted by ブクログ
出版社で働く35歳の森下夏美。ある時同業者の夫から浮気を告白されてしまう。そんな夫に対し嫌悪感を抱く夏美だが、自分自身も10も年下の男と浮気をしてしまい...
ただ単に「不倫」をテーマにしたものではなく、根本的にはもちろんあるのだが、同業者の夫婦であるためお互いをさらにライバル視したり、不倫はしたが結局一番失いたくないのは結構相手など新たに気付くこともある。一夫多妻制やその逆もまたしかり、最近よく聞くがこういう夫婦もあるんだなと多少一夫多妻などに理解ができた。個人的には「不倫」に対し、不倫字体が悪いのではなく、これだけでなくパートナーにこそこそ隠しながらするのがすごくダサくて嫌悪感がある -
Posted by ブクログ
身を置く環境は大事だと思った
琴音も蓮音も、音吉や笹谷も、
それぞれ育った環境が分岐点になっているのだろうが、
みんな素直で真面目な人という印象を受けた
蓮音だけが鬼と呼ばれ非難され重い刑を受けたが、
「つみびと」は決して蓮音だけじゃないよね、と思った
育児放棄や赤ちゃんの遺体遺棄事件で逮捕される女性達が頭をよぎった
「逃げる」と「放り出す」は似て非なるものだと気付いた
色々な視点から糸を撚り合わせるように話が進んでいき、とても惹き込まれた
山田詠美って後味の悪い気持ちになると思ってばかりいたけど、
それと同時に読みやすいんだなと思った
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Posted by ブクログ
愛の話。
アイノカタチ、愛の味、愛の種類はひとつではない。それこそが人類を人類をたらしめ、動物と一線を画す要因であるといっても過言ではない。「あのね、大好きだよ」と伝えるのもひとつの愛、君だけを傷つけないのも愛、見つめあうと素直におしゃべりできないのも愛かもしれない。
愛し方や愛され方が定まったものでなかったり、人によって違うから苦しみが生まれる。自分と違うから惹きつけられたのに、自分と違うことで遠ざけるようになる。
古今東西遍く愛の衝突や諍いは絶えない。絶えることはないし、耐えられない。しかし、この営みが消えたら人類史はおしまいなのかもしれない。
この本は、二人の男と女のおしまいがはな -
Posted by ブクログ
極上の読書体験。
自分が経験できない体験を、なんの代償も無しに味わえるのが読書の醍醐味なのだとしたら、最上級。
しかし、面白かったといえば、否。
内容にあまりにも救いが無い。どう足掻いても。
〈小さきものたち〉の段が丁寧語で表現されているのは、子供が自分の感情を言語化出来ない様子を第三者視点で語らせてるようでもあり、あどけなさやいたいけなさを表しているようであり、健気。
田舎の嫌な部分を濾し出したような、『少年のアビス』にも通ずる絶望感。閉鎖環境での救いの無さ。情報の秘匿など不可能。外に出たがる者と内に留まる者。
境遇・環境・教養・教育。学歴の違いが生み出した悲劇と、そう簡単に片付け