山田詠美のレビュー一覧

  • もの想う時、ものを書く Amy’s essay collection since 2000

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    いやこれものすごく良かった。真面目な山田詠美さいこうです。ある時点から山田詠美の書くものにはどれにでも死そのものや死の雰囲気が漂うようになり、ここではついに両親の死が語られる。抑制されてるのに(抑制されているから?)パーソナルな死のエピソードは普遍化して、読む人に迫ってくる。後半の文学賞の講評も周辺事情のゴシップを含めておもしろくい。落ちた人に恨まれたり脅迫されたりたいへんなのね、、、、

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    2025年02月16日
  • 晩年の子供

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    ネタバレ

    面白かった…。切なかった。
    好きだったのは「堤防」「花火」「桔梗」「ひよこの眼」など。何人もの私がいて、何人ものあの人がいて。

    「堤防」
    「じゃ、おまえは、欲望のエネルギーが、運命の方向を変えるという事実をどう考える?」(p.44)
    どう考えればいいのだろう、ある種類の瞬発力がこの世の中にはあるということを。そして何故か発揮できる時と、発揮できない時があるということを。

    「私、ある男に夢中なのよ」
    「へえ、いいじゃん。なんで、それで、投げやりになるわけ?」
    「だって、奥さんも、子供もいる人なんだもの」
    「まずいよ、それは」
    「そんなの解ってるよ。解ってるから、腹立つんじゃない。どうして、あ

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    2025年02月09日
  • もの想う時、ものを書く Amy’s essay collection since 2000

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    単行本になってないエッセイや解説などをまとめた一冊。
    山田詠美が生きた時代を一緒に駆け抜けたような気持ちに。
    たくさんの人々と交流し、たくさんの出会いと別れを経験して今日まできたのだなぁ。
    芥川賞の選評で、鋭い目線で候補者たちをぶった斬ったかと思えば、夫や友人たちとのチャーミングなエピソードでふふっと笑えたりする。
    貴重な本だと思う。

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    2025年01月20日
  • 4 Unique Girls 特別なあなたへの招待状

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    ずっと大好き山田詠美のエッセイ集。
    笑ったり、確かにとうなずいたり、
    ちゃんとしなきゃと反省したり。
    軽やかでチャーミングな語り口に、
    山田詠美と女子会してる気分になる。
    あー、ずーっと読んでたい。

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    2024年12月27日
  • 100万分の1回のねこ

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    100万回生きたねこは、読んだのですが、(割と最近)登録してません。

    そしてこの短編をそれぞれの作家さんが書いています。
    とても面白かったです。せつなかったり、かなしかったり、ひどかったり・・・・

    もういちど100万回…を読まねば…

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    2024年12月04日
  • 24・7(トウェンティフォー・セブン)

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    男性の身からしても好きすぎた。語彙を無視して簡単に表すならエロスの上位互換の様な感じ。
    大人だけに許される不慮の事故...いや妖艶過ぎるわ!よくこんな短い文字数でこんな話が書けるな!アダルト版星新一!個人的には”口と手“
    “24.7””ピンプオイル“辺りが大好きだった。
    素敵な小説!脱帽!

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    2024年11月13日
  • 血も涙もある(新潮文庫)

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    そもそも。今から〇十年前、絵のない物語の醍醐味を知るきっかけになったのも、こちらの著者でしたから。
    いや~。流石っす‼ポンちゃん‼
    あれから、年月が経ち。
    これまで読んできた彼女の小説に登場した女性たちが綴っていた想いも、多少なりとも経験した上で、今この本を読んで良かったと思えた一冊でした。

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    2024年02月23日
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち

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    まるで登場人物の回想を直接覗くような文章が大好きです。

    澄川家の面々が幸せな家族を作ろうと励む姿に、家族とは?幸せとは?と考えさせられる内容で、ちょうど人生の岐路に立つ自分にとって、必要な時に出逢った必要な本でした。

    この本は、私の人生のバイブル。

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    2024年02月07日
  • つみびと

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    辛い時、周りを見渡せば助けてくれる人はたくさんいるのに、
    当の本人はそれに気付かない。気付けない。
    何とか自分の心を保とうと、妄想や逃避してしまう。
    とても身に覚えのある状況で苦しくなった。

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    2024年01月21日
  • つみびと

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    お正月に読む本ではありませんでした。
    どこからがフィクションなのか分かりませんが、これが現実の話だとしたら救いがありません。母も子も、余りにも可哀想すぎます。不幸な生い立ちがまた不幸を呼ぶだけではないのは母の兄を見れば分かりますが、そこから抜け出すのは相当の覚悟と運も必要。そして、一旦落ち始めると止められるのは最初のうちだけ、直ぐに勢いが付きそうなると這い上がるのはもう難しい。このような境遇から救うために社会保障や福祉とかってあるのではないのでしょうか。

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    2024年01月03日
  • 血も涙もある(新潮文庫)

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    久しぶりに小説を一気読み。
    高校生の時から山田詠美大好き。
    そして40を超えたからこそ読み応えがあったこの小説。登場人物の3人ともに、わかるよその気持ち、となった。

    若い頃はモモのような女性に憧れたけど、今は喜久江のような女性に惹かれる。そしてそんな2人に心底愛されている太郎はうだつが上がらなくて、小心者で、自分は何者でもないのに喜久江からもモモからも愛されることをなんの疑いもなく享受している図々しい男!でも言い表せないオスとしての魅力があるんだろう、詠美先生の作品の中の登場人物だから。

    これを映画化したらだれが太郎を演じてくれるのかなー、と頭をよぎった。
    大泉洋がもう少しだらしない体にな

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    2023年11月30日
  • A2Z

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    高校生の時に読んで、なんて大人っぽい本!って思いました。

    現実世界では不倫は良くないし、
    私自身は不倫されたら、許せないし、。
    自分自身も不倫したいとも思わないのですが。

    この本の登場人物は、お互いに不倫をしながらも2人の絆は強く、軽やかで、いいなと思いました。

    お互いに傷つき、傷つけながらもまた帰ってくる。
    特別な関係性がいいです。
    そして、自立して男に頼っていない夏美がとてもカッコよくて憧れました。

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    2023年11月11日
  • 風味絶佳

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    悲しくなったりくるしくなったりしたい人なんて誰もいなくて、楽しい嬉しいことだけなぞって生きてたい。
    つらいことはしたくないし嫌なことはみたくない。
    日々の幸せなところだけを享受していたい。

    でも、そんなことは不可能で、いっぱい上手くいかないことがあって、少し上手くいってもまたすぐにだめになっちゃって、全然ままならない。

    でも、だから愛しい。
    明るいばかりじゃない人生が少し愛しくなる6つの短編

    (あと、帰り道に、キャラメルを買って帰りたくなる。)

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    2023年10月21日
  • 血も涙もある(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「私のことだま漂流記」を読んで、
    これまで読んだことのなかった山田詠美作品を読みたくなった。

    個人的には表紙が好き。タイトルも。
    料理と恋愛(不倫?)という、似てないようで似ているところがある。上手いなぁ。
    不倫に興味はないし、否定派だけど、
    3人とも応援したくなる。
    みんなそれぞれの本音があるよね。当人にしかわからない。幸せになってほしいと思いながら読む。

    月が綺麗ですね。なんて、ベタだけど、好き。
    似合ってる。

    他の作品も読みたくなった。

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    2023年10月04日
  • 120%COOOL

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    唇から蝶
    非現実的だけどそそられた
    心と口は反していることの表現みたい
    黒いコートの衿に赤い口紅!

    newspaper 新しいニュースを知らない言葉で知る
    一緒にいる時間の空気の色 恍惚

    目に見えるものの価値は自分で決める

    DIETCokeの女性 素敵

    大きさを越えた時にクールは人間を支配する

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    2023年10月01日
  • 血も涙もある(新潮文庫)

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    普段小説を読む時は情景が映像として頭の中に想像できるけど、本書は文章のスピード感が早過ぎて、、、言葉そのものとしてスッと入ってきました。恋人、妻、夫の3人から話をそれぞれ聞いているような錯覚に陥るくらい。

    山田詠美さんは人生において“たいせつなもの”を教えてくれる。さすが、山田詠美さんな一冊でした!

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    2023年09月22日
  • 血も涙もある(新潮文庫)

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    久しぶりに読んだ山田詠美氏の作品。
    言葉の表現の端々から、独特な響きが溢れて来る。
    やはり私は作者の作品が好きだと思った。

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    2023年09月14日
  • 晩年の子供

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    すっごく好き。軽々しく感想を書きたくないくらい。自分の人生のどこかに、登場する主人公のような気持ちになった瞬間があったような気がする。子どもはまだそれを表す言葉を知らなかったとしても、子どもなりに色々感じ、考えている。そんな儚い瞬間をこんな風に表現し、物語にするなんて凄まじい才能。
    子どもの頃は夢と現実の境が曖昧だったり、些細な出来事が大きな勘違いに発展したりもするんだけれど、それを「馬鹿らしい」とか一蹴するんじゃなくて、『堤防』に出てくる父や『桔梗』の美代さんのように、敬意を持って対等な目線で向き合える大人になりたいと思った。何度も読み返したい一冊。

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    2023年09月02日
  • つみびと

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    大阪二児餓死事件を元にした小説。マンションに残された子供達のパートは読んでいてなんともたまらない気持ちになった。母親を鬼母と責めるだけではこの事件から何の教訓も得られないと思い知らされる。

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    2023年08月16日
  • 晩年の子供

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    普通夏と言われると明るく爽やかなイメージを抱きがちだけど、この本は夏の気だるい部分とかなぜか秋とか冬よりも少し寂しくなる雰囲気とか存分に感じた。死とか性っていう人間が抗うにはあまりにも漠然としてて当たり前で遠いことが少し斜めから切り取られててすき。夏休みもう一回読みたいー

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    2023年06月23日