山田詠美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ひたすら苦しい読書体験だった。
機能不全家族の中で育った人間が背負う傷が、どれほど深く、どれほど長く人生に影を落とすのか。
心から信頼できる存在を知らないまま、癒されない過去を抱えて、むしろ自分を粗末に扱う道を選んでしまう不幸の連鎖に、何度も息が詰まった。
幸福な瞬間にさえ、気づけばかすかな翳りが忍び寄ってきて
「おまえは、そこにいて良い人間なのか」と囁く声がする。
この本のテーマになっている兄妹を放置して死なせた事件のように、理解できない出来事の裏側にあるかもしれないこれまた想像もつかないような地獄の存在について、何度も考えさせられた。
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Posted by ブクログ
ネタバレある家族の話
作品としての設定は、少しありがちかなと感じた部分もあった。母親が愛する息子を失い、精神疾患に罹り酒に溺れたり、そんな母親が子供に癇癪を起こして激昂したりなど、崩壊しつつある家庭の描写をするから仕様がないことだと思うが、にしてもありがちだと思ってしまった。
そして澄川澄生(すみかわすみお)という名前や雷に打たれ死んだという、死者の斬新な設定に少し疑念が残ったのもある。
ただ、ほか残された家族の一人称視点の話や、節々に現れる山田詠美さんの綴る文章には心打たれるものがあった。大切な人が亡くなった人、大切じゃない人が亡くなった人、それを俯瞰する人、人の死が与える影響は計り知れない。
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Posted by ブクログ
料理と恋愛にまつわる短編集。
料理が絡むからか、どれも一定大人の恋愛ストーリー。
一穂ミチのエピは不思議な色気を感じる作品。地味女かと思わせといてなかなかやりおる男女だわ。
古内一絵作品はこの人の根底にあるものが伝わるので嫌いじゃない。
君島彼方の作品は性的マイノリティの葛藤がいい具合に滲み出ていてこれも好き。
奥田亜希子のズルい男とそれをわかってて演じた女の話も結構好き。転がされてるようで転がす女は勝ち組だな、って思う。
ということでどれもなかなか思いを馳せることの出来る味わい深い短編集でした。
カレー食べたくなるよ
2025.11.11
204 -
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Posted by ブクログ
一穂ミチ目当てで手にとる。あと巻末の山田詠美のエッセイ 「恩讐の彼方のトマトサラダ」も。
さすが山田詠美!この短い短いエッセイの中にユーモアの中にちゃんと彼女らしい美学が語られている。
今まで振られたことはないって、「男と別れるのは、相手が逮捕されるか、強制送還されるか、死ぬか、のどれかなんで」ってすごい。
原田ひ香の小説、(夏のカレー)初めて読んだけどこの60歳過ぎたしーちゃんと冴子の好き同士だったのに結婚には至らず40年にも渡る出会いから邂逅を経て別れまで(冴子の死)せつないラブストーリーだった。
恋、片思い、両思い、愛、婚約、浮気、裏切り、不倫、
恋愛に関することは”結婚”以外全部(冴子 -
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