山田詠美のレビュー一覧

  • 100万分の1回のねこ

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    個人的には楽しめたけれど、予想以上に毒が利いていた(笑)。
    確かに絵本も毒は利いているんだけれどさ。
    何ていうか大人向け『100万回生きたねこ』。
    それぞれの小説はおもしろいんだけれどもさ。

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    2019年07月20日
  • マグネット

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     いきなりだが、性行為を中心とする、男女の性の有り様について、品格と機知を伴って、9編は描かれる。ただし1人称小説が多い。
     山田詠美を「短編小説の名手」と評価する、評論家が現れたことも肯ける。
     黒人男性との性行為を描いて出発したイメージの強い、山田詠美の作家としての成長を読む思いである。ネタバレを書いていられないので、関心を持つ方へはご1読を薦める。もっとも、もっと荒々しい世界を描き続ける作品を期待する、僕もいた。
     彼女を見直して、後期の小説をもっと読みたい思いがする。

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    2019年07月07日
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち

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    数年ぶりに読み返したらあらすじボヤッとしか覚えてなく新鮮に読めて、すごく良かった
    うまいの一言に尽きる。小説って技術が要るけど、これ見よがしだったり、奇をてらいすぎるものが技術と評価されるのでは無い。無駄のない適切な言葉のチョイス、感情の機微に敏感な描写こそがそうなのだ、と再認識させられる

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    2018年07月09日
  • ジェントルマン

    購入済み

    ため息がでた。

    失恋の真っ只中に読んだからか、美しい話だと思った。

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    2018年05月28日
  • マグネット

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    はじめて読んだ山田詠美さんの本。
    描かれているのは恋愛と罪の意識。
    どれも都会っぽいおしゃれさとロマンチックさが詰め込まれているかんじがして、なるほどこれが山田詠美かと思いました。笑
    歯が浮くようなセリフを堂々と言う登場人物にすこしドキドキしたり(外国っぽい!)泣きそうになる切ないお話もあったり。
    特に忘れられないのは「熱いジャズの焼き菓子」と「瞳の致死量」 ダントツで好きだった。

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    2018年03月06日
  • 晩年の子供

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    内容は作り物にしても、その中で情緒をこれほど豊かに表現できる著者の表現力に対して、惹かれた。幼い頃の情緒は、それが何ものなのかをまだ知らず表現も出来ない内に時間の経過を経て簡単に流れてしまう。大人になってからは意識したって立ち止まることさえできない類のもの。しかしそれは大人にとっては小さいが、子どもにとっては重大なもの。
    この本ではそれを文章で的確に表現しており、更に著者の高い感受性でより広げられていると感じた。子どもの目線ではあるが経験豊富な死に面したご老人の思考も感じさせる文章に、少し混乱させられる。

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    2018年03月04日
  • 賢者の愛

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    これでこそ、楽しみにしていた甲斐があるというものである。
    やっと文庫化された。やっと。WOWOWでドラマ化された際に見た、あの耽美的な世界に憧れて、もうこの何年も思い出すたびに文庫が出てはいやしないかとヤキモキしていたのだ。
    そして、その甲斐はあった。良作、名作である。そしてこの何かの理屈を掴みかけ、しかしそれを本当に掴んで読み解くことなどできないという無力感がかえって心地よい。

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    2018年03月03日
  • 晩年の子供

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    子供の目で森羅万象をしっかりと捉えている。痛々しくも確かな作品。自分の幼少時代を振り返らずにはいられない作品。

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    2017年09月24日
  • 女性作家が選ぶ太宰治

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    読んだことのある作品もそうでない作品もあったけれど全体を通して楽しかった。
    やっぱり太宰治が好きだなぁと。

    女生徒、恥は読んだことのあった作品。好きな作品は何度読んでも楽しめるし、何度だって読みたくなる。
    そのうちまた読みたい。

    古典風、秋風記。今回初めて読んだ作品の中ではこの2篇が私の中でベスト。2度、3度と読み込んでいきたい。

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    2017年07月13日
  • 色彩の息子

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    小さなお盆の上には、鍋焼きうどんが乗っていた。化粧の匂いをぷんぷんさせてね。
    この女ときたら、親父が戻るまで、まったく隙のない化粧をして、待ってるんだ。本当に好きもんだよ。
    冗談じゃねえ。
    死んじまえばいいんだ。
    (陽ざしの刺青/声の血/顔色の悪い魚/高貴なしみ/病室の皮/草木の笑い/白熱電球の嘘/ヴァセリンの記憶/雲の出産/埋葬のしあげ/黒子の刻印/蜘蛛の指輪)

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    2017年02月08日
  • 晩年の子供

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    きりっとしまった短篇集。
    あとがきによると、子どものころ過ごした地方都市で感じたことを書いているらしいが、こんな当時の切ない気持ちを書けるなんて・・・。
    「桔梗」「花火」にグッときました。

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    2016年11月23日
  • ジェントルマン

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    残酷なまでに美しい悪魔のような男と、その悪魔に魅せられて愛し従属した男の話。震えました。あの衝撃のラストは彼らにとったらメリーバッドエンドなのだろうか。漱太郎もユメなら仕方ないねって笑いそうな気もする。笑って犯した罪を告白する漱太郎と、それを許して受け入れるユメはある意味共犯者であり、そこで二人は唯一無二の相手として分かり合える、それは遥かに肉体関係を持つ事よりも深く結ばれている事なのだ。 殆どプラトニックでありながら、どんな関係よりも狂っていて歪んでいて背徳的。 これでおまえ、俺の奴隷だな、ユメ?という漱太郎の言葉が淫美な悪魔の囁きのようで恐ろしい(けど個人的に大好き)。

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    2016年05月02日
  • ぼくは勉強ができない

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    「勉強ができる=世間の常識を盲信する」と考えると、秀美の言動には耳の痛い思いをさせられたりもします。

    学校生活の場面が多いので、過去の自分を振り返って「アイタタタ…」と反省させられまくりでした。

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    2016年01月04日
  • ぼくは勉強ができない

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    いわた書店の選書で入っていた本。

    タイトルからとても興味深い感じだった。
    とても冷静な高校生のお話だが、実際にこういう友達がいるので、友達が高校生だったころはこんな感じだったんだろうなと思いながら読んだ。

    主役は男子高校生、彼は母親と同じ歳ぐらいの恋人を持ち、祖父と母親との三人暮らし。

    母親は息子のことを子供扱いしないからこそ、息子は年が離れた女性を身近に感じ恋人としたのか…?
    とにかく同じ高校のマドンナ的女子には見向きもしない主人公。

    恋愛には歳は関係ないというが、私はやはり疑問に感じることがある。
    凄い現実的な話になるが、私が高校生の頃、アラサーの男と付き合っている友達がいた。

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    2016年01月01日
  • ぼくは勉強ができない

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    秀美くんみたいな子が同じクラスにいたらきっと親しくはしないだろうけどなんだか楽しそうだなぁと思った。

    私としては共感する部分が多くてうれしい気持ちになりました 笑

    自分も学年で一番モテる女の子をみて「隙がないなぁ~」と感心してしまいます・・・


    私は真理が一番好きなんですが、再読してみるとお母さんもいい女性だなぁと実感しました。

    自分の子供に対して一人の人間として対等に接して、考えるなんて普通なかなかできることじゃありませんもんね・・・。

    調べてみると思っていたより古い本でしたが、そんなことを感じさせずいつ読んでも新鮮な一冊でした!

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    2015年10月28日
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち

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    それぞれが違う形で前のパートナーをなくした男女が再婚し、お互いの連れ子合わせて三人と、新しく出来た一人の子どもで、合計六人の家族が出来上がった。
    素敵な家に移り住み、家族仲も良好で、素晴らしいスタートを切る。それは幸せな人生づくりの完璧な再出発かと思われた。
    しかし落雷が原因の長男の死をきっかけに、長男を溺愛していた母がアルコール依存症となり、一家の姿は激変する。

    家族だからと言って何でも遠慮なしに振る舞って良いわけではなくて、むしろ家族だからこそお互いが少しずつ我慢をしたり役割を演じたりしてどうにか家族というものは形成されていく。
    この本を読む以前から思っていたことが、この本を読んでますま

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    2015年10月28日
  • 晩年の子供

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    何年も前に読みかけて放置してたのを手にとった。たまたま夏に。夏に読んで良かった。山田詠美の幼少期から思春期を主人公・テーマにした本はとてもいい。子供のダークな部分がピリッと入ってるのがいい。女の子はこうして男の子よりも早くオトナになってゆくんだなぁ。「花火」「桔梗」「海の方の子」「迷子」「ひよこの眼」が好きなお話し。

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    2015年09月07日
  • ジェントルマン

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    大好きな山田詠美。
    美しい文章。美しすぎて、溜め息が出る。

    なのに、こんな終わり方はいやだ。
    私は、このお話に出てくる人がきらい。圭子のことも、夢生のことも、路美のことも。
    漱太郎のことは、もっときらい。

    いやだ、いやだと思いつつ、私は多分、この本が好きだ。
    好きよりも嫌いの方が、人を強く惹き付けるのかもね。


    「欲しがれば欲しがるほど逃げて行くものが、この世の中にはたくさんある。」
    本当にその通りで。
    欲しがるのを辞めれたら、もっと簡単になるのに。
    私が欲しくて欲しくてたまらないものは、いつの間にか遠くに行ってて、もう絶対に手に入らない。

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    2014年12月09日
  • 晩年の子供

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    なんと評価したらよいか。
    いろんな場面で衝撃的な小説。
    少女から見た男と女の世界、死に対する思い、客観的に見る自分。
    その時代の少女時代の山田詠美の感性は、通常の人の何十倍も研ぎ澄まされていた。
    普通では見過し忘れていくものまでもが記憶されていた。
    全ての短編が心に残るが、「花火」は、特に記憶に残る物語。
    二十八で人を本当に愛し、終わりがこないように演技する、女としての能力(感性)。女性の謎。

    男と女、恋、愛、性について山田詠美は書き手として表現している。
    読んでいて飽きない。
    山田詠美、もっと読んでみたい。

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    2014年08月21日
  • 晩年の子供

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    詠美さんの子供の話はよいなぁ。ほとんどが同級生よりも大人びた子供が主人公だけど、感情の無秩序な動きやら特有の感覚やらが、やっぱり子供なんだと感じさせて
    記憶ではなく感覚でなつかしさ切なさを思い出す。

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    2014年06月12日