無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
趣味の良い、身の丈に合った欲望に忠実な登場人物たち。
精神のつながりよりも肉体同士のつながりを真実として、血のつながりよりも共に過ごした時間の密度を重要視する山田詠美が描く9編。
どれも味わいが異なったけど、どれも好きだった。
特に好きなのは匂いや生活感が浮かび上がる「熱いジャズの焼き菓子」、ほとんどが主人公の脳内で繰り広げられる「アイロン」、実話に基づいた「最後の資料」
恋愛関係では無く友人でもない義弟との名前の無い関係性が描かれる「最後の資料」は印象的。
山田詠美的な流麗な文章を素人が真似すると、どうも自分語り臭い、読んでいて恥ずかしいものが仕上がるけど山田詠美の文章はミニマムで常に客観的かつ諦観する雰囲気をまとっていてかっこいい。
身体に纏わる生々しい表現は多かれど、欲しているから書いている、ただそれだけのことで身の丈に合わない、必要のないことは書かない潔さを感じる。
清貧とは全く違う一種の潔癖さ。
あとがきがとても良かった。
たとえば芸能人の不倫報道が出て、ネットニュースで叩かれているのを見る度に(叩いてる人は絶対に自分が不倫をしないと言い切れるのか)と疑問に感じる。
愛は輪郭を持つものじゃないし、理性で押さえつけることは不可能だと思うから。
自分が罪を背負うことは無いと信じて疑わないようなメディアに飛び交う言葉たちを見て驚く。
生きている限り私は誰かにとっての罪人だから、せめて1日1日毎分毎秒を正確に生きていきたいと思った。
Posted by ブクログ
9つのお話が入った短編集。
「おれ、今日人を殺してきちゃった」
もし、自分の愛する人にそう告げられたら。
自分の愛する人は、ださくてもボロボロでも、どんな状態でも愛しくて、
例え彼が人を殺したとしても、その事も女心をつかむのかもしれない。
愛する人に愛を囁かれるように、そう告げられた黒木。
彼は、自分の彼女を名字で呼ぶ。それが彼の(ちっぽけな)主義。
「順子に悪かったな。」
愛する人から出てきたこの言葉が全てを終わらせた。
だって私の名前は、黒木みどり。
人を殺したこと、ずっと外に出ずお風呂の無い部屋で二人で過ごすこと、愛する人をかくまうこと、全て許せたはずなのに。。。
愛する人が他の女のためにちっぽけな主義を曲げたことは許せなかった。
男の人には分からないかもしれない。でも、私にはよく分かる。泣きたいのに泣けない、みどりの気持ちが。
「体には、誰でも性的な匂いがまとわり付いている。」
でも、それに気づいているか、いないかでは大きな差がでる。
性的な匂いって人によって違う。
自分の性的な匂いを知ってる人と知らない人。
自分をどれだけ魅力的にみせれるかが、ここだと思う。
そして、その自分の匂いをかがせることで、その匂いにひきつけられ離れられなくなる人がいる。
マグネットのように。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸