山田詠美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
パーティーフリークにしてラブフリークの男女の物語。
日本人同士の恋の話もあるけれど殆どがジャパニーズとブラックの恋愛話。
毎晩あの店ではパーティーみたいな夜が繰り広げられ、パーティーみたいに恋が始まる。
パーティーは華やかで自分は酒と空気に酔って浮かれて地に足が着かない。
パーティーはいつのまにか終わって酔いは醒め、重い足を引きずって日常に戻っていく。
でも、週末になればまたパーティーに飛び込みたくなる。
そんなどこか刹那的な状況を楽しめる男女のかっこいい粋な本。
短編集なんだけれど、前の話の登場人物が次の話の主人公になってるようなちょっと小洒落た構成。
かかる音楽や飲んでる酒も決して新し -
Posted by ブクログ
支配する事で支配されるという真実。
支配されていることで、実は相手を支配している。
姫子は摩周を支配していたけど、そうすることで摩周に支配されてた。
摩周は姫子に支配されてたけど、それは同時に姫子を支配することになってた。
二人の関係はこのことに気づかない時はうまくいってた。
だけど、ある日気づいてしまった。
自分の立場がすこしずつ変わっていくことを。
怖くなった姫子は摩周の元を去った。
立場を変えるきっかけを作ってしまった摩周は後悔した。
離れてみて、相手の存在の大きさに気づく。
自分の立場や存在が変わってしまっても、姫子には摩周が必要だったし、摩周には姫子が必要だ -
Posted by ブクログ
9つのお話が入った短編集。
「おれ、今日人を殺してきちゃった」
もし、自分の愛する人にそう告げられたら。
自分の愛する人は、ださくてもボロボロでも、どんな状態でも愛しくて、
例え彼が人を殺したとしても、その事も女心をつかむのかもしれない。
愛する人に愛を囁かれるように、そう告げられた黒木。
彼は、自分の彼女を名字で呼ぶ。それが彼の(ちっぽけな)主義。
「順子に悪かったな。」
愛する人から出てきたこの言葉が全てを終わらせた。
だって私の名前は、黒木みどり。
人を殺したこと、ずっと外に出ずお風呂の無い部屋で二人で過ごすこと、愛する人をかくまうこと、全て許せたはずなのに。。。