山田詠美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
半年ほど前に、バリ島に旅行が決まりバリ島が舞台の小説とあって手に取りました。
今回、再び手にとったのは、巻末に収録された綿矢りささんと村田沙耶香さんの対談が読みたかったのと、バリ島から帰ってきてあのなんとも言えない気怠い熱さの国を山田詠美の手に寄ってどのようにエロティックに描かれてたのか、再び読みたくなったから。
あの島を知らないで読むのと、知って読むのとではだいぶ違う。知ってるとより近づける。詠美さんのあの世界に。時代は違うにしろ、かなり鮮烈。
始まりは肉体である。そしてなりゆきは心である。簡単に要約すれば失恋したビッチの南国での傷心物語でしかないのかもしれないけれど、とにかく丁寧で繊細。美 -
Posted by ブクログ
ネタバレ姫君、の摩周と姫子の二人がかわいかった。特に石投げ云々と「ばかもの。」可愛いなーかわいいなーと思いながら読んだ。個人的にはあのまま戻って欲しかった、と思う。
『そうか。不幸とは、他の人が決めることなのか。それじゃあ、幸福とは、まるで別物だ。それは、いつだって、自分の言葉でしか姿を現さない。』
『ただのノイズのご馳走だ。』
「この人のために、強烈に何かしてあげたいって思うのって、恥しいじゃない?身の程を知れとか、自分に突っ込んだりしなきゃやってらんない。」
『情熱が死んだことが、つくづく嬉しかった。』
「私は、死を隠し持ってますの」
『あのさあ、信じて何年になる?その間じゅう、私は、あの男 -
Posted by ブクログ
内田春菊先生の解説で山田詠美さんを発見して、春菊さんが尊敬してるって言ってたので気になってました。
初 山田詠美先生です。
文章の書き方がかなり壷ったので、他の作品も読み漁りたいと思います。
短編なんですが、(MENU)(姫君)が良かったぁ~~(姫君)は最初読んでて・・うーん微妙~と思ったんだけどラストは切なくてよかった、短編で語り手が2人って新鮮だし。
基本的に主人公に美人臭や特別臭が感じる類いの話があんまり好きじゃないんだけど、まったくうぜぇと感じさせないのがよいわ~~。
危うげで繊細でセツナイ。まったりお酒飲みながら読むと自分に酔えると思います。 -
Posted by ブクログ
表紙の絵さながらに色とりどりの飴玉のような21話からなる短編集。安定の「GIと遊んだ話」は(一)が印象的。羅紗緬、勉強になりました。あとは「百年生になったら」が面白かった。私もあれくらいエネルギッシュに生きていきたい。「モンブラン、ブルーブラック」は先が読めてしまうけど万年筆好きにはたまらない作品。「クリトリスにバターを」は村上龍の「限りなく透明に近いブルー」の第一稿タイトルを許可を得て使用したとのこと。そちらも再読したくなる。何にせよ、相変わらず山田詠美の小説は読んだ後に米語を勉強したくなってしまうよ。
p198
だいたい自覚した知性なんて、知性ではない。そして、他者にそれとすぐ解るような -
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ネタバレ文庫になるのをずっと待ってました!!!
以前のように文章が美しい!と感動することは出来なかった。
それでもやっぱり特別だけど。
解説の方の、詠美作品は最後の一行が怖い、というのに私も同感だけども、同じ意味でではない。
ほのぼのしていても、最後に裏切られるんだろうなーと予感しながら読んでしまうのです。
詠美さんの(小説の)正義が確固としたものだと分かっているから逆に予測出来てしまう。
「にゃんにゃじじい」の始めの数ページで次郎さんが大好きになると同時に、ラストでこのほのぼの感は打ち砕かれるに違いないと思った。
そして案の定です。
様々な作品を集める中に、始終“ほのぼの”のみの作品が2つく -
Posted by ブクログ
【経緯】
山田詠美のが読みたい気分で
【感想】
●電信柱さん
山田詠美が擬人化小説書いた…!
何されても耐えるしか無い電信柱さん。ファックとも言いたくなるよねー
女の子用のガンダムブリーフ、そんなとこで男受け狙うなていうの笑った。
●百年生になったら
本気だしたオカン、恐るべし。
「あんたいると便利だもん」
ま だ 言 う か !
●宿り木
これ、好き。
わたしの大好きな山田詠美の「蝶々の纏足」の強かな怖さがあった。
タブーを逆手にとって攻撃に使うという痛快さよ。
●モンブラン、ブルーブラック
人生の卑屈な部分を華麗な文体で愛すべき甘美な哀愁に置き換えれたら。
夢想するのは楽