山田詠美のレビュー一覧

  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち

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    面白かった。長男が亡くなって、その喪失を埋めることが出来ない母や、それをフォローする家族たち。
    面白くて最後は一気読みをしてしまった。1人の死を他人事とみるか他人事と見るかで、受け取り方が違うんだけれど、絶妙に文章が書かれていて、引き込まれた。

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    2018年07月28日
  • 姫君

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    ネタバレ

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    昼間に読んでよかったかもしれない。
    ずっしり重かった。

    麻子のトキを大切に想う故に聖一と結婚を選ぶのか。。
    トキは麻子を憎いって気持ちは愛情の裏返し。

    トキの心情を変化に苦しくなる作品。

    聖子との異様な関係がトキの拠り所なのかな。

    麻子を一番傷つける存在になれない事を知った

    こういう感情よく文書にして表現できるよね、すごい。。

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    2018年04月29日
  • 女性作家が選ぶ太宰治

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    未読既読入り交じっていたけれど、男性作家が選ぶ作品とはやはり色が違って面白い。くすっと笑ってしまえるあたり、やはり太宰の魅力。

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    2018年02月11日
  • セイフティボックス

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    1988年に『週刊現代』で連載されたエッセイをまとめた本です。

    じつは長い間、著者の作品がちょっと苦手だったのですが、最近になって林真理子や田中康夫、森瑤子といった1980年代という時代を映した小説をまとめて読むことになり、著者が彼らと同じ時代に対してどのように切り結んでいたのかということがよく見えるようになったような気持ちになることができました。

    確かに本書で語られているような著者の生き方には、「消費による革命」が実現した80年代という時代の感性と響き合うところがあったのも事実だろうと思います。しかし今から振り返ってみると、著者がそうした時代に適応するような生き方をしているのではなかった

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    2017年04月26日
  • 新装版 ハーレムワールド

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    2年前のわたしなら、女王として生きているサユリをカッコいいと思ったかもしれないけど、いまはそうとは思えなかった。だからこそ、終盤の彼女には共感しっぱなしだったのだと思う。読むタイミングで感想が変わりそうな作品。

    わたしの腹心、いったい誰かなぁ。

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    2017年04月21日
  • ラビット病

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    とあるコミュニティサイトの「小説に出てくる好きなカップル」というトピックで紹介されていた作品。
    エキセントリックな女の子・ゆりと、彼女に振り回されるアメリカ軍人・ロバートが織り成す日々を綴った物語♪

    とにかく行動が読めないゆりちゃんと、それに反応する純情なロバちゃん~という二人の掛け合いが面白かった!
    正直ゆりちゃんの奇行は私の理解の範疇を越えることが多々あったけれども、それに付き合えるロバちゃんは度量が大きくて凄いなと思った。(゚∀゚;)ゞ
    普段は我儘でタフなゆりちゃんだけど、実は天涯孤独な身の上ゆえに、どこか赤ちゃんみたいな無垢さもあって…自分の感情をうまく処理できなかったり、ロバちゃん

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    2016年09月29日
  • セイフティボックス

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    セイフティボックスのなかで
    「今は、色々物事が解って来て、でも、それと同時に、ずいぶん感動する要因が少なくなってきたみたいだ(中略)昔は、そういう感受性をちゃんと引き出してくれるような人々と住んでいたのだ。」
    というところがある。
    自分に重ねて考えてみてそうだよなと思い当たる。
    空を見上げたり、足元の草花を見ることもほとんどない。
    月食とか彗星とか、すでにイベントだものね。
    動物や自然と戯れるのではなく、動物や自然に癒されるようになってしまっているよね。
    ちょっとさみしい。

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    2016年09月19日
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち

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    ポートランド旅行中に読んでいた。旅先という非日常で読んでいたせいもあるかもしれないけど、わりと現実にありそうな小説を書く(と思っている)山田詠美のなかでは珍しく、現実っぽいんだけどどこか別世界の物語のようでもあり。

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    2016年07月09日
  • タイニーストーリーズ

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    山田詠美は長編ばかり読んできたような気がする。でも、短編もよかった。著者の筆の巧みさがわかるさまざまな趣向の作品たち。

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    2016年07月09日
  • ぼくは勉強ができない

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    ストーリーの最初の方の秀美の考え方や環境は、何か羨ましくなる。 もし、今同じ世代に彼がいたらどうしたら彼のようになれるのだろうかと考えてしまうだろう。 話を読み進めていくなかで、発覚していく周りと違う家庭環境や苦悩。それを乗り越えてきたからこその考え方なのだと思う。 自分と比較して考えてみてもとてもリアルで、勉強になる一冊だった。

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    2016年05月16日
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち

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    久々のエイミー作品。
    いつものエロティックさやカッコよさとは
    違う類の内容だったが、相変わらずの筆力。
    素敵なセンテンスがあちこちに散りばめられていて、
    共感したり反発したりしながらも引き込まれた。
    長男の死をきっかけに、家族それぞれの立ち位置が崩れかかったり保っていたり。
    物語は、兄を失った3人の兄弟たちのそれぞれ1人称で
    進む連作。
    家族と一緒に居るとき以外の個人的サイドストーリーもあって、
    なかなか興味深かった。
    壊れゆく母親への3人3様の気の遣い方は、
    愛故なのかな?それとも・・・?

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    2016年04月26日
  • ジェントルマン

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    美しく妖しかった。
    最初の写真の話がもうインパクトあるので、山田さん自らが挿絵をつけたような感じがした。
    倫理観も良心もないのに、表面上完璧に見えるなんて怖すぎる。怪物。
    殺したことは誤算だったのか、もしくは殺した結果殺されることまで含めて希望通りだったのか、どうだろう。
    いつかもう一度読もう。

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    2016年02月19日
  • 4U ヨンユー

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    「何だかよく分からないけれど哀しく、切なくなる」9つの短編集。
    チャラ男との恋、SM女王様との恋、マンションの隣人との不倫…普通に見えない恋愛は、その実至るところに転がっている。特殊に見える立場の人間だって、普通に食事や排泄もすれば、普通に恋愛だってするのだということ。

    そんな中、小さな頃事故で右手を失った渚子が姉の夫に恋をする「天国の右の手」と、性的に変わった抑圧を自分に課している友人の男がその抑圧によって失敗する様を見ている「高貴な腐食」がとくに好きだった。
    人間はどうしようもない。表面を良く見せても根底にあるものが不意に表に出てしまうことがある。
    そして似たような傷を感じで惹かれ合って

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    2016年02月12日
  • 晩年の子供

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    ちょっと変わった女の子のちょっと変わったエピソードの短編集。
    自分は男だからよく分からないけど、女の子にはこういった視点があるのかな。女の子の方が早熟だっていうし。
    「花火」は好きだな。「桔梗」のはかなさもいい。

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    2016年01月05日
  • トラッシュ

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    何年も前に読んで、時々恋愛で考え事する時に部分的に読んでた。甘美でおしゃれな恋愛モノの中に、時にぐっさりくることがある。ゲイのバッキーの恋愛に対する考え方がすき。
    2015.12.13

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    2015年12月13日
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち

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    相変わらず、山田詠美が紡ぎ出す、一文一文にハッとさせられる。言葉を決して選び間違わない、しなやかな強さのある文章(と、書いている私の文章はとてもチープ)は、線を引いて読み返したいくらい。家族の一人が突然いなくなったことで、家族が重く背負わされたものの年月。やがて癒やされると約束されるわけでもない。死は残された者に対して、平等でもない。そう感じた一冊だった。

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    2015年09月09日
  • トラッシュ

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    恋人と同棲しながら、二人の冷え切った愛を見つめ直す日本人女性のココ。ただ見つめ合い、同じベッドで寝るだけでいいのに、決してココが望む愛を与えてくれない黒人男性である同棲相手のリックは、ココが与える愛を純粋に受け止められずに酒に逃げる毎日を送っていた。

    恋人同士の愛、同性愛、家族愛等の多様な恋愛観を、主人公1人の目線からだけでなく、ココを取り巻く様々な人々を交えて語られている。私は愛情を求めるココの気持ちがよく分かったが、それを拒むリックの心情がよく分からなかった。そのリックからの目線でもココに対する愛が語られており、その気持ちは、ただ愛を与える事を求められ疎ましいという気持ちだけでない、歪

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    2015年09月01日
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち

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    かなり久しぶりの山田詠美さんの本。
    ステップファミリーのはなし。
    血のつながり、親子、兄弟、恋愛、命、
    4人兄妹のそれぞれの視点でかかれている。
    母は弱い人で、ときどき腹立たしかったけど、ある意味一番リアルかも。

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    2015年08月30日
  • トラッシュ

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    リックの不器用な愛し方が凄く切なくて苦しい
    でも個人的に凄く好きな本◎
    読んでて途中で苦しくなってどうしようもなく悲しく泣きたくなるけどそれでも必死にもがいてぶつかっていく大人と子供達。
    切ないのにただ切ないだけでなく温かみのある本◎
    それぞれの登場人物に親近感が持てる^ ^

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    2015年06月19日
  • ラビット病

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    2人の会話や関係性が文句なしにかわいかった。
    現実離れしてるから実際に憧れたりはしないけど、軽く読めるし良い癒しになりました。

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    2015年06月11日