山田詠美のレビュー一覧

  • 姫君

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    変温動物であること。熱がさめ気付く。
    情熱の最中の意見の一致、ベッドにもぐり込む前の前戯に過ぎない。
    倦怠が忍び込む。
    この繰返し。あーあ、つまんない。

    検温が良かったかな。

    姫君も、良かった。そういう愛の形として。
    でも、卓袱台ひっくり返されるか読んでてヒヤヒヤでした。

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    2014年08月24日
  • 熱帯安楽椅子

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    半年ほど前に、バリ島に旅行が決まりバリ島が舞台の小説とあって手に取りました。
    今回、再び手にとったのは、巻末に収録された綿矢りささんと村田沙耶香さんの対談が読みたかったのと、バリ島から帰ってきてあのなんとも言えない気怠い熱さの国を山田詠美の手に寄ってどのようにエロティックに描かれてたのか、再び読みたくなったから。
    あの島を知らないで読むのと、知って読むのとではだいぶ違う。知ってるとより近づける。詠美さんのあの世界に。時代は違うにしろ、かなり鮮烈。
    始まりは肉体である。そしてなりゆきは心である。簡単に要約すれば失恋したビッチの南国での傷心物語でしかないのかもしれないけれど、とにかく丁寧で繊細。美

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    2014年07月29日
  • 姫君

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    ネタバレ

    姫君、の摩周と姫子の二人がかわいかった。特に石投げ云々と「ばかもの。」可愛いなーかわいいなーと思いながら読んだ。個人的にはあのまま戻って欲しかった、と思う。

    『そうか。不幸とは、他の人が決めることなのか。それじゃあ、幸福とは、まるで別物だ。それは、いつだって、自分の言葉でしか姿を現さない。』
    『ただのノイズのご馳走だ。』
    「この人のために、強烈に何かしてあげたいって思うのって、恥しいじゃない?身の程を知れとか、自分に突っ込んだりしなきゃやってらんない。」

    『情熱が死んだことが、つくづく嬉しかった。』
    「私は、死を隠し持ってますの」

    『あのさあ、信じて何年になる?その間じゅう、私は、あの男

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    2014年07月03日
  • 晩年の子供

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    そういえば私も子供の頃は、私はどうして今ここにいて、ここにいる私を私と自覚して生きているんだろう?なんて、当時はそんな言葉では考えなかったけど、そのように言葉になかなかできない疑問を抱きつつ生きてきたなぁ、ということを思い出した。山田詠美さんのこの少女達を主人公にした短編集は、少女が抱く生と死に対する疑問とか恐れ、愛や性についての戸惑いなど、繊細に豊かに書き出していて共感と好感を抱くことができた。少女時代というのはすぐに過ぎ去ってしまうものだけれど、少女のような感性は一生なくしたくない、と思えた。

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    2014年06月15日
  • ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨

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    場面転換にぎこちなさを感じるものの、
    力の漲った張りのある文章。

    "スプーンは私をかわいがるのがとてもうまい。
    ただし、それは私の体を、であって、心では決して、ない。"

    スプーンとは、なんてことない黒人のニックネームなのですがこのインパクト。
    確固たる才能。

    下品な言葉が続くものの、その奥にあるのは根源的な切なさだった。

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    2014年03月12日
  • 姫君

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    内田春菊先生の解説で山田詠美さんを発見して、春菊さんが尊敬してるって言ってたので気になってました。
    初 山田詠美先生です。
    文章の書き方がかなり壷ったので、他の作品も読み漁りたいと思います。
    短編なんですが、(MENU)(姫君)が良かったぁ~~(姫君)は最初読んでて・・うーん微妙~と思ったんだけどラストは切なくてよかった、短編で語り手が2人って新鮮だし。
    基本的に主人公に美人臭や特別臭が感じる類いの話があんまり好きじゃないんだけど、まったくうぜぇと感じさせないのがよいわ~~。
    危うげで繊細でセツナイ。まったりお酒飲みながら読むと自分に酔えると思います。

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    2014年03月01日
  • マグネット

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    10年前の作品と思えないぐらい、今の時代の若者にマッチしてると思う。
    罪を犯さない人っていうのは、現実問題いないような気がする。
    日常生活の中で、罪は日常と非日常の間にあるような気がして、私も日常を生きるのに疲れたとき、日常を憎んでしまったとき、罪にぶつかってしまうんではないかっていうのはある。
    罪についての短編集と最後のお話は義理の弟さんが病で死んでしまったことで描かれた短編集です。
    あとがきもハッとさせられました。
    大満足です。

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    2014年03月01日
  • ファッション ファッショ マインド編

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    大好きな作家の山田詠美さんとテレビでよく見るけどイマイチ実態が謎だったピーコさんの対談
    内容は様々だけど、テーマはやっぱり美しさ
    ダサいマダムにならない、醜い若者にならないために必要なことが詰まってます
    応用の効く本で、私はバイトや対人関係に悩んだ時に読んでます
    これを読んでピーコさんが好きになりました
    過激な意見が多いから反発する人も居るでしょうが、それはそれで得るものがあるかと思います

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    2014年02月12日
  • ファッション ファッショ

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    山田詠美さんとピーコさんの対談
    二人のファッション談義ときっつい批判もいいんだけど、個人的には詠美さんを甘やかすピーコさんの構図が好きです笑

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    2014年02月12日
  • 晩年の子供

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    ネタバレ

    一人称だからか、主人公の思考の海を共に渡って往く感覚が心地よい。特に「晩年の子供」は思考回路にシンクロしすぎて、主人公が悟った時は、神の啓示にも思えた。
    また「蝉」が印象的で、子供のときにしか味わえない罪の意識や、まったくの被保護者であったときのあの幸福感が甦って切なくなった。

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    2013年12月28日
  • ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨

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    ジェシーの背骨が好きです。どの作品も恋愛が絡んできますが、爽やかで幸せなだけの恋愛ではありません。人と人との激しい気持ちのぶつかり合いが描かれています。結構大胆なシーンや女性としては痛々しい場面もあるかもしれません。しかし、それだけではない何かがある作品です。

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    2013年12月05日
  • ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨

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    脱走兵と娼婦の愛の物語。外国の人の愛し方ってきっと自分には受け止めきれないと思った。
    指の戯れ。奴隷のようにぞんざいに扱われた男が有名なピアニストとしてもう一度女の前に現れる。男は女のことを好きで好きでたまらなかったんだろうな、きっと最後まで好きだったんだと思う。愛の形や色は些細なことで多く変わってしまう。何かに似てるけど思い出せない。
    ジェシーの背骨。ココとジェシーの攻防。ジェシーのアンバランスさ、ひどいマムでも大好きなこと、気持ちを吐き出して成長した瞬間。素晴らしかった。

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    2013年07月31日
  • 姫君

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    言葉の一つ一つを反芻したくなる。短編集だけど内容はずっしりで得した気分。また解説の金原ひとみさんの文章がいいんだよなあ…。何回も読み直したい本!

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    2013年06月28日
  • タイニーストーリーズ

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    表紙の絵さながらに色とりどりの飴玉のような21話からなる短編集。安定の「GIと遊んだ話」は(一)が印象的。羅紗緬、勉強になりました。あとは「百年生になったら」が面白かった。私もあれくらいエネルギッシュに生きていきたい。「モンブラン、ブルーブラック」は先が読めてしまうけど万年筆好きにはたまらない作品。「クリトリスにバターを」は村上龍の「限りなく透明に近いブルー」の第一稿タイトルを許可を得て使用したとのこと。そちらも再読したくなる。何にせよ、相変わらず山田詠美の小説は読んだ後に米語を勉強したくなってしまうよ。

    p198
    だいたい自覚した知性なんて、知性ではない。そして、他者にそれとすぐ解るような

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    2013年06月06日
  • 快楽の動詞

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    ベッドの上の描写について、真面目に、メタ的に、エッセイ風に、しかも的確に論じていて結構面白かった。
    普通に山田さんの小説を読みたい人には合わないかも。

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    2013年06月04日
  • タイニーストーリーズ

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    お守りみたいなものだと思う。
    Amy saysな小説は。
    ことばのお守り。

    『彼の体のどこかしらに触れていれば、私は、この世でたったひとりにとっての大事なひとになれる』

    ということを、ガンガン代弁してくれるから。

    タイニーなストーリーだと、恋愛もさらりと読めて、心地良いですね。

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    2013年05月27日
  • タイニーストーリーズ

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    ネタバレ

    文庫になるのをずっと待ってました!!!

    以前のように文章が美しい!と感動することは出来なかった。
    それでもやっぱり特別だけど。

    解説の方の、詠美作品は最後の一行が怖い、というのに私も同感だけども、同じ意味でではない。
    ほのぼのしていても、最後に裏切られるんだろうなーと予感しながら読んでしまうのです。
    詠美さんの(小説の)正義が確固としたものだと分かっているから逆に予測出来てしまう。

    「にゃんにゃじじい」の始めの数ページで次郎さんが大好きになると同時に、ラストでこのほのぼの感は打ち砕かれるに違いないと思った。
    そして案の定です。

    様々な作品を集める中に、始終“ほのぼの”のみの作品が2つく

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    2014年08月06日
  • 晩年の子供

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    山田詠美さんの本は、放課後の音符に続きこれで二冊目。

    どちらも、大人になってすっかり忘れてた、中学、高校生時代の何となく不安定だった自分を思い出す。子供でもなく、大人でもなく、早く大人になりたくて、でも何だか大人になるのは恐いような、そんな気持ちだった。

    最後の「ひよこの眼」は、朝読み終えるには辛かった。夜、寝る前に読み終えるのがおすすめです。

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    2013年04月28日
  • タイニーストーリーズ

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    【経緯】
    山田詠美のが読みたい気分で

    【感想】
    ●電信柱さん
    山田詠美が擬人化小説書いた…!
    何されても耐えるしか無い電信柱さん。ファックとも言いたくなるよねー
    女の子用のガンダムブリーフ、そんなとこで男受け狙うなていうの笑った。

    ●百年生になったら
    本気だしたオカン、恐るべし。
    「あんたいると便利だもん」
    ま だ 言 う か !

    ●宿り木
    これ、好き。
    わたしの大好きな山田詠美の「蝶々の纏足」の強かな怖さがあった。
    タブーを逆手にとって攻撃に使うという痛快さよ。

    ●モンブラン、ブルーブラック
    人生の卑屈な部分を華麗な文体で愛すべき甘美な哀愁に置き換えれたら。
    夢想するのは楽

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    2013年04月23日
  • 晩年の子供

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    色んなお話が入ってるんだけど、
    ひよこの眼がとてもすき。
    高校の時に授業で取り扱ったんだけど、
    なんていうか、 切ないし とても綺麗な鮮明な世界観。
    澄み切ってる。

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    2013年02月24日