山田詠美のレビュー一覧

  • 血も涙もある(新潮文庫)

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    「私の趣味は人の夫を寝盗ることです」

    引き込まれる文頭。
    3者の視点で書かれており、文の感じは好きでした。

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    2024年02月25日
  • ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー

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    第97回直木賞受賞作品。アメリカの黒人らの恋愛模様をR&Bのように甘美なグルーヴィーな文章に乗せて描く。あとがきを読むと自分自身を「日本語が一番うまいSister」と称する山田詠美氏の私小説に近いのかもしれない。全体に流れる何処か投げやりで何処か哲学的な雰囲気は山田詠美氏ならでは。ただ、終始男女関係を基にした恋愛事情を描いた内容にやや食傷気味。

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    2024年02月19日
  • 血も涙もある(新潮文庫)

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    ネタバレ

    料理研究家の妻とイラストレーターの夫、夫の不倫相手は妻の有能な助手。設定だけ見るとドロドロの三角関係を想像してしまうが、1人の男を取り合う妻と愛人の話では決してない。

    桃子は、不倫相手の妻である喜久江を敬愛してやまないし、喜久江も桃子の有能さを認めている。夫とのことを知って心は揺れるが信頼関係は揺るがない。桃子も罪悪感に苛まれる様子はない。

    不倫ものでありながら終始軽妙洒脱だし、3人が交互に語る構成は、山田詠美が声色を変えながらしゃべってるように感じるくらい、作者が全面に出ていて、そこも楽しかった。

    そして最終的には二人に去られた夫、沢口が実は自分は弱虫なんだと嘆く情けなさ。逆に喜久江に

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    2024年02月11日
  • 血も涙もある(新潮文庫)

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    久しぶりに山田詠美を読んだ。
    この、3人とも憎めない不倫を描けるのは彼女だけかもしれない。

    男と女は鍵と鍵穴の関係と言ってたけど、
    その表現が好きだなと思った。

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    2024年02月09日
  • 風味絶佳

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    今回も瑞々しくきらめいた言葉がたくさん跳ねていた
    三浦しをんのきみはポラリスのような読み味がした、アトリエだけちょっとわからなかった
    綺麗な文字を書く

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    2024年02月02日
  • 肌馬の系譜

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    タイトルからしてインモラルな感じが漂っている短編集。
    自分の予想を軽く超える卑猥さに動揺した。
    特に『○○天国』という題名が衝撃的で思わず二度見してしまったほど。
    だけど不思議と嫌な感じはしない。
    明け透けな物語を隠れて読むのも悪くない。
    ああでも『ぼくねんじん』は結構好きだったな。

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    2024年01月28日
  • 肌馬の系譜

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    大きな声では聞こえすぎて、小さな声では聞こえない。
    誰かに共有したいけれど、誰にでも共有したいわけじゃない。
    世の中の普通と、自分の中の普通。

    ***

    読み進めていくうちに「これは山田詠美のエッセイなのでは」と錯覚させる(あとがきが余計にそうさせる)。
    あとがきにもある通り、ずっとこの調子ではなく箸休めになるような物語も挟まれているので、重苦しい雰囲気のまま読み進める…ということはなかった。途中途中自身が触れたことのないカルチャー(一定昔の音楽や映画)については調べながら読み進めた。
    ずっと手元には残さない本かもしれないけれど、山田詠美の本を手に取るたびこの本のことは思い出すだろう。

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    2024年01月21日
  • 血も涙もある(新潮文庫)

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    不倫というドロリとした三角関係のはずなのに、軽快で、なんておもしろい人たちなの。
    平和な不倫関係ではあるけれど、それが事を余計にややこしくさせていて、だから更におもしろい。

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    2024年01月20日
  • ぼくは勉強ができない

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    高校生の時に初めて読み、挫折。
    当時は女にモテることをひけらかし、先生たちに歯向かう生意気な主人公をバカにしていた。
    同世代だが、先生の側に立って読んでいたように思う。

    しかし三十路を超えて再読すると、あら不思議。
    主人公の言い分がとても分かるのだ。
    世の中のおかしな部分を容赦なく糾弾し、なぜ?のマシンガンを撃ちまくる主人公。時に過激な言動でも、いまは鼻白むことなくむしろ狼狽える先生たちの姿を見るのが痛快だった。
    おまけに勉強ができないと言っているのに、最後のタイトルは 勉強ができる、って・・・。
    結局できるんかい!と言いたくなった。
    異性にモテるということは秀でている箇所があることを示唆し

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    2024年01月09日
  • 肌馬の系譜

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    「私の愛するブッタイ」が子どもを今育て生かすのに必死な私には刺さった。気持ち悪いし、一歩間違えたらこうなってしまうかもしれない様子が恐ろしくて。
    デビュー作からほとんど全て読んでるけど変わらないなー。読めばすぐ山田詠美の作品だってわかる感じが

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    2024年01月06日
  • A2Z

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    なぜ今更山田詠美?と思ったけれど、好きな芸能人がお勧めしていたので読んでみました。

    ダブル不倫のお話なのですが、夫婦が壊れていく様、ではなく、それによって夫婦の絆が浮かび上がってくるという・・・ある意味幸せな恋愛小説でした。
    こんなに変わった価値観を共有できる彼らは特異かもしれないけれど、価値観が同じであれば究極にはここまでOKなのね、と面白く読みました。

    ただ、30代女性の、「いい女っぷり」が押しつけがましくて、ちょっと辟易しました。
    古い本を読んでいるので織り込み済みなのだけど、この時代ってこういう女性がトレンディドラマでも主人公だったな、と苦笑気味に読み終えました。。

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    2024年01月01日
  • 100万分の1回のねこ

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    佐野洋子さんの『100万回生きたねこ』をオマージュして名だたる作家さん達が紡ぐ短編集。
    私は多分、来世もあると思っている。前世もそして。
    それは決して愛する人がいなかったからではないけれど。

    それぞれの物語も勿論面白かったけど、そこまでの想像力や価値観の広がりを与えてくれた原作の素晴らしさに改めて気付いた。
    姪っ子への誕生日プレゼントに決定。

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    2023年12月23日
  • 肌馬の系譜

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    赤裸々且つ滑稽な十三篇収録。あとがきを読むことで、一篇一篇に深さを為す。ねっとりした嫌らしさを感じさせない筆致が心憎い。

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    2023年12月12日
  • 100万分の1回のねこ

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    著名な作家さんが「100万回生きたねこ」にオマージュした物語を創作。
    頭の中に、あのねこのお顔が浮かぶような、そんな物語が多く綴られていた。
    ねこの気持ちに寄り添ったり、ねこの方が何倍も人間より理解していたり。
    読後、ねこがより一層可愛く見えてしまった。
    かわいい。とってもかわいい。

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    2023年12月05日
  • 肌馬の系譜

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    短編集。表題作はじめ性にまつわる問題や昨今のポリコレ事情との相性の悪さを語る短編があるかと思いきや、想像力を膨らませてくれるエロ短編もある。
    私はエロの方が好きで、面白おかしく読ませてもらった。

    『陰茎天国』は女性たちだけの村にびっしりと生えている陰茎の姿を想像すると、それだけで楽しい。しかも女性たちは自分のお気に入りの陰茎を見つけるため、いろいろな陰茎を試し、これと決めたら陰茎を自分好みにアレンジしたりしているのだ。映像化したらとんでもないだろうな。笑
    男が村を訪ねた時点で結末は見えてくるが、一捻りあって面白かった。

    『F××K PC』はもう分かったよというぐらいポリコレ全盛期である社会

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    2023年11月10日
  • 血も涙もある(新潮文庫)

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    まずタイトルに惹かれた。『血も涙もある』どういうことだろう?加えて意味深なカバー。よく見ると不気味なのだがそれよりもあらすじが気になり手に取った。そして、主人公が同世代の35歳の女性。これは読みたい!
    山田詠美さんってどんな作風だっけ?というほど私にとってご無沙汰の作家さん。
    登場人物は、料理研究家の沢口喜久江、夫の太郎、その不倫相手で沢口の助手を務める和泉桃子。章ごとに語り手が変わる。喜久江を尊敬し、太郎と不倫関係にあることとそれとは別次元の話であると考える桃子、夫の不倫を知りながら受け入れる喜久江、不倫をしながら妻を愛していると語る太郎。思考や言葉遣いが独特だが、ある種現代風で、読みやすい

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    2023年11月05日
  • 血も涙もある(新潮文庫)

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    独特の言葉遣いのモノローグに最初は嫌気がさし、久しぶりに山田詠美の作品を読んだけどこんな感じだったっけ?という印象。
    慣れてしまえば読み進められた。

    桃子のモノローグ部分はイライラもしたけど共感するところも少しあって、喜久江のモノローグ部分は仕事も家庭も完璧な料理研究家、という自分が作り上げたイメージとは裏腹の心情に共感と哀しみを感じ、太郎のモノローグ部分は腹立つことばかりだった。

    結末というより、過程を楽しむ作品なのかも。

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    2023年11月01日
  • つみびと

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    実際にあった悲しい事件をもとにしたものなので、分かってはいたけれど一切救いはなくて読後感は辛い思いになった。

    地獄の歯車には抗えないものなのかな、人間って。大小なりとも皆あるんじゃないかな、負の歯車が。どこかしら錆びてたり、軋んでたり。でもきっとこの人たちの歯車はもうどうしようもなく壊れ切っていて回るたびに阿鼻叫喚を轟かせてたはずなのに。色々と深く考えてしまう、否応なしに考えさせられてしまう。

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    2023年09月19日
  • ファースト クラッシュ

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    直接的な心的描写が面白かった。
    でも、本当にこんな考えする人いる?という気持ちが強く、感情移入が一切出来ず、あまり引き込まれなかった。

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    2023年09月18日
  • 血も涙もある(新潮文庫)

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    不倫の真っ只中にいる3人の男女の視点切り替え方式が、なんだか法廷に立ったような感じで色々と自分なりの論理や言い分を遠回しにこちらに投げかけてくるようなものを感じて面白かった。
    ドロドロしていて、辛い。

    同じ女としては、奥さんである料理研究家の先生がどうか報われて欲しいと1ページ1ページずつ捲っていた。悲劇ではない不倫、だとしても、夫である男性はなんとも罪深いとも思える。桃子にしたって。立派な共犯関係であるのだから。
    そしてきっと桃子ちゃんはこれからも人の男を何食わぬ顔して掻っ攫って食い尽くすと思うな。誰と居ても。知らんけど。

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    2023年09月10日