山田詠美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ最初の前半だけの感想。
【晩年の子供】
主人公の私が可愛すぎる。撫でてあげたくなるぐらい、純粋で可愛い。人って変われるって改めて思えた。生死観って、人それぞれあるよね〜。生きるより、死ぬことにフォーカスを当てて生きる。っていう考えは私にはなかった。それも大切なのかもしれない。
【堤防】
堤防好き〜!運命に則ってふわふわ生きる運命論者の主人公。友達の自殺未遂によって、人生観が変わる。友達の京子がいい奴なんだよ〜。家庭を持つ男との間に、子どもを身篭るんだけど、妊娠しちゃったのにタバコ吸っちゃってるところも好きだよ〜!産めない、悲壮感が滲み出てて、いい。
主人公の運命と、人生に対しての考えが素 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ息つく暇もなく一気に読んでしまった。途中でやめることがなぜか出来なかった。
漱太郎は人の姿をした悪魔だ。究極のエゴイスト。無邪気に残酷なことをする。けれども普段は世間体を身につけて、眉目秀麗、文武両道、誰にでも優しく親切なのだ。
そんなある時、彼の悪事を目の当たりにしたゲイの夢生は恋に落ちる。彼に惹かれ共犯者となり、圧倒的な支配下に身を置くことになる。
何十年も恋心を残酷に扱われていた夢生も気の毒(でもそれは自らそうしているので)だけど、シゲのことがほんとうに可哀想でショックで。
今は、すごい小説読んでしまったと改めて思っている。 -
Posted by ブクログ
短編5編を収録しています。
冒頭の「MENU」は、5歳で両親を亡くし、矢野家に引き取られた20歳の時紀(ときのり)の物語です。友人の麻子が、彼の義兄である聖一と交際を開始し、すこしずつ時紀の知っていた彼女から変わっていくのを見ることになります。その一方で、「自分が一番好き」という彼の考えに共感する義妹の聖子と濃密な関係がえがかれています。
表題作の「姫君」は、山本摩周というアーティスト志望の青年のもとに身を寄せることになった、姫子という誇り高い女性の物語。コミカルなテイストではじまりますが、しだいに摩周がカッコよく感じるようになっていきます。
テイストの異なる作品がたのしめる短編集ですが