小川洋子のレビュー一覧
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テレビの短編ドキュメンタリーを見ているかのようでした。
普段何気なく目にするものの工事見学もありましたが、私は全く未知の世界の工場見学に面白さを感じました。例えば、ただひたすら金属に細い穴をあける会社とか、競技用のボートを作る国内唯一のメーカーとか、複数人の保育児を運ぶサンポカーを作る会社とか。
今の時代は大量生産しているものが多いですが、本書で紹介される工場には、唯一無二のものを作り出す職人さんがたくさんいらっしゃいました。専門家とか職人さんってカッコいいなぁと思います。一つの事に精通している、誰にも負けない、スペシャリスト。もしかしたら時代に合わないのかもしれませんが、私は憧れます。
きっ -
Posted by ブクログ
帝国劇場愛に溢れた短編集。一つの演目を上演するのに役者だけでなく「思いも寄らない仕事に従事している人間が、大勢集まっている場所」で、一人一人が丁寧な手仕事で感動を巻き起こす。なのに、59年で壊す必要あるのか…。何百年も愛されて利用されてる欧米の劇場引き合いに出しても仕方ないけど、木造建築ならまだしも、欧米真似たコンクリート作りの“一丁倫敦”までも…。借金大国になるはずだ。百尺ラインで東京にも空があったんだと銀杏並木と共に、感動した日は遠くになりけり。「皇居を見下ろすのは不敬」はともかく、第一生命、明治生命、東京会館に続き帝国劇場まで…哀しい…。
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Posted by ブクログ
家政婦とその息子、80分間しか記憶が続かない博士の日常をのぞかせてもらった。ほとんどこの3人➕未亡人の4人しか登場人物が出てこない。未亡人との関係を考えると、私はなぜ家政婦を雇ってお世話をさせたんだろうと思う。時間超過を怒ったり、疑って首にしたり...。現実を受け入れてないにしても自分のことは忘れていないしなあ。とはいえ、家政婦さんもルートも多分未亡人も博士もみんな優しい人しか出てこなかった。記憶が持続しない博士に対しての接し方を攻略していく家政婦とルート、この2人の成長もみててとても安心した。ヒヤヒヤすることがあまりなく、ただ日常をみている。博士側の気持ちはこちらが想像するしかないけど、朝起
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Posted by ブクログ
ネタバレことりの小父さんと呼ばれるおじさんの人生。
小父さんにはポーポー語を話すお兄さんがいて、
両親がいた頃から
お兄さんとの生活を大切に守っていたし、
幼稚園の鳥小屋も大切にしてたし、
司書さんも大切にしたかったし、
仕事も丁寧にしてたし、
ブローチも宝物だったし…
全部を繰り返し繰り返し、
丁寧に丁寧に扱うことで、
それはそれは大切に守ってたし
守りたかったのに
なかなかそうはいかなくて、みんな結局は
小父さんのもとから離れていってしまって…
小父さんはただ守りたいだけなのに
(時にはひどい方法で)離れてしまうのが辛い。
とても静かな小説の世界の中で
何度も胸が締め付けられる、
いたたまれ -
Posted by ブクログ
ツアー中 異国で反政府ゲリラの襲撃を受け人質となった日本人たちが各人の思い出を語る─。
この先 起こることを自らの意思で選択できない状況下。
しかし個々の中にある思い出は何者にも踏みにじられることはない。
人質が8名に対し語られた物語は9話。
正直どんな気持ちで読んだらいいのかと思った。でも語られる話はどれも日常のささやかな思い出で、暫し状況を忘れてしまう…。
9話目があることによって冒頭のショッキングで血なまぐさい事件とは裏腹に終わりは静謐な余韻に満たされたんじゃないかと思った。
そして人には誰しも語れる物語があるということか…。
小川洋子さん。久しぶりのこの感じ。