小川洋子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
彼女の死生観や、数学者と小説家に対する関係性の考え方は凄く好きです。あと、空間の捉え方。息づかい。不思議な空間の世界を描いているのにその中を生きる人物を包む現実感の秘密が、少し分かった様な気もします。この死生観については高校時代の模試で出て来た「欧米人と日本人の死生観の違い」といった内容の論文をすごくその考え方の綺麗さに感動しながら、文章を読んでいた事を思い出した。(また読みたいけど、何の論文だったか忘れてしまった。)もう一つ、この本の好きな所は解説です。一つ一つに対して解説している人が愛を持ってこの本を読んでいる事が分かって凄く好感が持てました。やっぱり大好きです。
-
Posted by ブクログ
孤独には二種類あるということを知ることができた。ロンリネスとソリチュード。前者は「見捨てられること」を意味し、苦痛であり人を損なうもの。一方でソリチュードは他者を忘れて、自分自身の声に耳を澄ます、自分自身であるために必要な孤独。
また、ソリチュードは安心な他者を得て初めて可能になる。帰るところがあるから、一人で旅ができるのと同じ。
自分が今感じている孤独は、ロンリネスだと思う。一人行動はこの数年でできるようになったけど、それを楽しめていないのは、居場所がないと思っているから。他者との繋がりがどんどんなくなっているから。居場所を作って初めて一人を楽しめるんだと、自分の孤独の正体がはっきりした。
「そういう救いようがない世界に私たちは生かされているんだと思うほうが、本を閉じたとき、劇場を出たとき、生の実感を得られるのかもしれません。」 -
Posted by ブクログ
作者の想像力に脱帽!
神田法子さんの解説によれば、ここ数年小川洋子さんはミュージカル観劇に夢中だそうです
そのインタビューでも
「人が言葉を生み出す前から音楽は存在したわけで、
(観劇することで)原初の感覚を揺さぶられるのです」
と言う名言もあったとか……
「指紋のついた羽」
では、バレエ「ラ、シルフィード」の舞台を観ての話
「ユニコーンを握らせる」
では、主人公が昔女優だった伯母さんの家に泊まった時の話
「ダブルフォルトの予言」
では、ミュージカル「レ、ミゼラブル」の全79公演のチケットを取り通う女性の話
全公演観られるなんて、夢のよう!
この頃は一枚のチケット取るのも難しいのに!!
その他も全て舞台に関した短編で、ちょっと不思議だったり、ちょっと不気味だったりする小川ワールド満載のものがたり8編でした