小川洋子のレビュー一覧

  • 琥珀のまたたき

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    異様な状況なのに、どこか温かみのある不思議な雰囲気。本の中に確かに彼らの生活があって、壁の中のママ、オパール、琥珀、瑪瑙の密やかな生活をそっと静かに覗きたくて本を開いていた。
    家族の絆というと安い表現だけど、家族だから成せた温かい日々だと思う。家族って不思議。
    ママが”図鑑のモデル”でいるために、毎月スターに扮するシーンが印象的。たった数時間、ほんの一瞬の高揚感で1ヶ月じっと個性を押し殺して生活するなんて、私にはできない。家族を守りたいという母親の底深い執念を感じた。それとも父親からの愛を忘れられずに図鑑のモデルを演じ続けていたのかな。
    後半ちょっと読みつかれちゃったので、星3

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    2025年04月12日
  • 耳に棲むもの

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    奇妙でダーク、なのに何故か神秘的にも感じれる言葉
    不気味な描写なのに何故か心を掴まれる
    はまってはいけない沼にひきずりこまれるような

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    2025年03月31日
  • 耳に棲むもの

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    父の4つの耳の骨から、父の辿った人生を垣間見る。不気味でありながら、カルテット(4つの骨がぶつかり合ってこだました)の美しい音の調べが漂ってくる。最後の編は父の生い立ちのようで、それが各編の父の足跡に繋がっている。父が関わった人達はまるで内耳のなかでひっそり生きてきた、そんな感じの人達だ。

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    2025年03月30日
  • 耳に棲むもの

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    ちょっと難しかったかも。

    小川洋子さんは昔から大好きで、期待していたのもある。

    物語の展開ではなくて、場面をいかに読者と距離を近くするかに焦点をあてたかのような
    こと細かい背景の描写と動きが特徴的に感じた。

    とはいえあまり起承転結って感じじゃないから、夢遊病とか白昼夢みたいな、ふわふわした感覚で逆に読書の新体験だった。

    読み終わった後は、幼少期の強烈な、謎の記憶が1つ増えた感覚。

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    2025年03月30日
  • 耳に棲むもの

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    不思議な話だった。
    各地を旅する補聴器のセールスマンが亡くなったところから話は始まります。
    この主人公は、耳の中には、不思議なカルテットが棲み、耳の中で踊るドウケツエビを飼っている。
    そして、各地で出会った人との話がまた少し薄気味悪かったり、グロテスクだったり、官能的?だったり…よくわからなかった。

    挿絵は、素敵でした。

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    2025年03月23日
  • 耳に棲むもの

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    補聴器の調整、販売をする主人公を軸にいろんな時代をつづった物語。どの話も味わいがありじんわりと響く内容だった。

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    2025年03月18日
  • 遠慮深いうたた寝

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    作家ってやはり想像力豊かなんだと再認識。そして作家でなくても、人間にとって「想像力」って大切なのではないかと気付かされました。仕事をする際にも相手の気持ちを想像することは大事だし、家族や友人との関係においても気持ちを察することが必要ですよね、

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    2025年03月17日
  • 耳に棲むもの

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    なんとも不思議で不気味な読後感。
    万人におすすめはできないけど、
    お腹の底にずっしりと残る作品。

    5つの短編のちょうど真ん中、
    「今日は小鳥の日」
    野鳥好きなわたしはそのタイトルに大いに期待したのだけど、結果は…ああ。。

    久しぶりの小川洋子。
    やっぱり「猫を抱いて象と泳ぐ」が一番好きかな。

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    2025年03月13日
  • 最果てアーケード

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    先日読んだ博士の愛した数式が面白かったので、同じ著者さんの本を買ってみました。

    街の中にひっそりとあるアーケード内にまつわる短編。
    コンビニたそがれ堂や、あずかりやさんみたいな、短編が繋がってる話すっごく好きなんだよなあ。こういうお話の書き方って名前あるんだろうか。

    相変わらず文章がとても綺麗で頭にスッと入ってくる。瞬時に情景が浮かぶような小説を読むと心の底から没頭できて良い時間を過ごせたなあと感じます。
    悲しかったり、少し怖かったり、心温まるような、アーケード内の人にまつわるお話が「私」の目線で淡々と書かれている。
    いまいちグッと感じなかったのはあまりにも「私」が淡々としていたからかもし

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    2025年02月25日
  • 耳に棲むもの

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    [こんな人におすすめ]
    *上質な物語に身も心もゆだねてしまいたい人
     没入できます。著名なオーケストラの生演奏を聴いている時のように、睡魔も日常のモヤモヤも全部忘れて幸せな気分に浸れます。
     なお、5篇に分かれているので少しずつ読み進めることも可能です。

    [こんな人は次の機会に]
    *動物を愛している人
     思い出そうとするたびに「脳内で再生してはいけないよ。世の中には忘れてしまった方が良いこともある。」と脳内が優しく語りかけてくるほど気持ち悪い描写があります。困ったことに、該当部分を読んでいる時は文章の美しさに心を奪われているので恐ろしさに気づくのが遅れます。読む前にご注意ください。
     

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    2025年02月24日
  • 小箱

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    不思議な奇妙な、美しさに溢れた小さな世界。死が常に近くで佇む街は、知っていそうで未知の世界です。音楽会の描写が、読んでいて静かすぎて現実とは遠いところに連れて行ってくれます。
    亡くなった子どもの楽器は想像するだけであまりに儚いです。

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    2025年02月12日
  • 完璧な病室

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    昔外国人と話せる英会話アプリをやっていて、そこでダイヴィングプールを勧められたことがあり、ずっと気になっていた。あの外国人、センスが良いな……。
    どの短編もずっと暗くて陰鬱で神経質な感じだった。どれも読んでいると心がヒリついて落ち着かない。ぱちぱち続く静電気に顔を歪ませながら読み続けるみたいな、不思議な痛さのある読書体験だった。でも不愉快だったわけではない。10代の時に感じていた、かさぶたを剥がす気持ちよさみたいなもの、いちいち色んなことに積極的に傷ついてみたり不愉快に感じてみたり、そういう心って大人になると健やかな生活を妨げるから意識的に忘れていくもののような気がするけど、それを久しぶりに思

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    2025年02月06日
  • 琥珀のまたたき

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    静かで美しい文章がひたすらに続く。静かに静かに物語が進んでいく。とくに大きな展開はなく進んでいくため途中で気が狂いそうな感覚に陥った。
    この閉鎖的な世界の中でも子どもたちは楽しみを見つけて、でも確実に月日は流れ年齢を重ね成長している。少しずつ綻びを見せはじめる生活、気づいても気づかないふりをする。残酷だけど美しい物語。

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    2025年02月01日
  • 海

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    短編集。どの短編も生活との地続き感と小川ワールドのスパイス感が絶妙でどれも残る。活字管理人とか元詩人とか鳴鱗琴とか、どれも惹かれるワードじゃない??鳴鱗琴とか聞いてみたいしどんな音色か想像するの楽しい。私は活字管理人がしたい。

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    2025年01月31日
  • ブラフマンの埋葬

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    謎の生き物とのひと夏の暮らし。匂ってくるような自然。生と死を象徴するもの。石棺、古い家族写真、ブラフマン、肌の温もり。予感なく失う命。
    2025.1.25

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    2025年01月25日
  • 夜明けの縁をさ迷う人々

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    ネタバレ

    相変わらず良かった!

    「静謐」という言葉がぴったりくる小川氏。彼女の2007年の作品となります。

    短篇9編からなる本作、全般的に幻想的(シュール!?)、でも筆致はしっとり。

    そうしたギャップが、真面目な顔して冗談をいうかの如く、ユーモアを湛えた雰囲気すら醸成しています。

    あるいは、冗談だと思っていた話が実は本人は本気で、その本気が狂気・ホラーの世界につながっていくかのような小品もあります。それもそれで味わい深くありました。

    ・・・
    どれも良かったのですが、一番印象に深い作品を挙げます。

    私としては「イービーのかなわぬ望み」。

    エレベーターで生をうけ、そこで育ち、エレベーターボーイ

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    2025年01月18日
  • いつも彼らはどこかに

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    ネタバレ

    8編すべてに動物が登場する。
    読み終わって、人も動物もみんな孤独だという思いを抱いた。それは決して悪いことではなくて、孤独な存在がそれぞれ感じられることが小さな光のようだった。
    特に好みだったのは「愛犬ベネディクト」だった。祖父と孫ふたりの生活にはベネディクトという存在が必要なのは分かったけれど、ブロンズ製の犬を中心とした生活に、この家庭の喪失が浮き彫りになっている気がして胸が締め付けられた。手作りドッグフードを食べて病気にまでなっているのだ。この生活はいつまで続けられるだろう、と悲しくなった。
    ラストの「竜の子幼稚園」も悲しかったけれど、空っぽの心にじんわりと温かい余韻をくれるような物語だっ

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    2025年01月03日
  • ブラフマンの埋葬

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    特筆すべきテーマや表現、共感ポイントは私にはないのだけど、解説にあった、「言葉のイメージ」というのに頷ける。
    抽象画のように、淡く掴みにくいが、隣合う色同士が調和するように、人物の固有名詞が出てこない作品の中で、物の固有名詞が本の調和を奏でる。
    ブラフマンの愛らしさ…みたいなのがいまいち私には煩わしく感じ、これは私が猫好きだからかもしれない。犬のような従順さとおちゃめさ。それから飼い主への絶対的な信頼感。どれも私が犬に対して苦手に思うことの全てだ。犬好きだったら受け取り方が違ったかも。
    それにしても、間間にあるブラフマンの解説は何なのだろう。

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    2024年12月30日
  • 掌に眠る舞台

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    最初から最後まで何が何だかよく分からなかった。
    博士の愛した数式のイメージが強すぎて装丁が綺麗なこの本を選んでしまったことが失敗かな…
    すべて舞台にまつわる物語で「掌に眠る舞台」という題名も納得なのだがストーリーの終着点が見つけられず困惑。
    あまりにも非日常すぎて私はついていけなかった。
    年を経て価値観や感じ方が変わる頃にもう一度読みたい。

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    2024年12月22日
  • 口笛の上手な白雪姫

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    前は大好きだった、小川洋子の静謐で決して透き通っていない曇りガラスのような世界観。

    その世界観は全く変わってないのに、なぜか あまり引き込まれなかった。どうして?
    自分が今いる現実世界でなんとか 頑張って、高い税金や社会保険料を納めて、それでもいろいろため息のでることや悩みを抱えて生きていかなきゃいけない。

    その現実感に合わなかったのか…と思うと、なんか寂しくなる。

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    2024年12月15日