小川洋子のレビュー一覧

  • アンネ・フランクの記憶

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    アンネの日記に刺激されて日記を書くようになり、創作めいたようなものが現れるようになり、やがて小説になった。私はまだ読めていないけれど、歴史的な価値だけではなく、大変に文才のある人の日記なのだろう。実際に生き延びられた方々との面談の様子から、アンネやまわりの人達の人柄や聡明さが伝わってくる。今の著者と直接会って話ができるなんて、本当にあと少しだったのだ。あと少し密告が遅ければ、あと少し生き延びていたら解放されていた、そんな無念が無数にあることを、私たちは後世に伝えていく必要がある。

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    2021年11月06日
  • まぶた

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    どの作品も良かったけど、私が特に気に入ったのは、「リンデンバウム通りの双子」と「匂い収集」です。「匂いの収集」は素敵な恋の話かと思って読んでいたら・・・・。
    怖かったです。「リンデンバウム通りの双子」は最後の2行がいいですね。すごーく主人公の気持ちがわかりました。

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    2021年10月26日
  • とにかく散歩いたしましょう

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    小川洋子さんのエッセイ集。
    どの話にも過去の読書体験が紐づいていて、小川さんの引き出しの多さにびっくりします。
    表題作の「とにかく散歩いたしましょう」の愛犬ラブとのエピソードがラブとの散歩が小川さんにとってかけがえのない時間だったことを実感します。

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    2021年10月17日
  • まぶた

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    まぶた。
    ひらがな3文字だと、なんか間抜けな感じ。
    目蓋。目の蓋のような役割。
    その目で見えているものも、蓋をすれば見れなくなる。
    良いものも、悪いものも。
    蓋をされた目でも、観えるものは人それぞれだろう。
    闇をただ感じるのか、虚飾の世界に埋没するのか、過去失敗したオムレツのとんとんを思い返すのか、
    未来に待ってる壁一面の本棚に囲まれた部屋を作りたい夢なんかを。
    そう、考えると、目蓋って奥が深いな。

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    2021年09月21日
  • 不時着する流星たち

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    文庫版で再読。
    そこはかとない不気味さ、そわそわしたまま終わる短編たち。
    味わい深い。
    ちょうど出勤の片道で1編読み終わるボリュームで、通勤電車の幸せなお供になりました。
    小鳥を愛する私には辛い話もありましたが。。。

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    2021年08月21日
  • 世にも美しい数学入門

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    博士の愛した数式 の背景が記載されたような内容。現実は美しい。数学は神の隠した法則を導く、と言ったような内容。博士の愛した数式含めて中学の頃に読んでいたら何か変わったかも。子供はこれを読んで何を感じたか。

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    2021年08月11日
  • 不時着する流星たち

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    パトリシア・ハイスミスや、エリザベス・テイラーのような有名な人から、一般的にはあまり知られていない(というか少なくとも私は知らない)人物、さらにはチーム(バルセロナオリンピックの米国男子バレーボールチーム)やモノを題材にした小説集。
    文章はきれいだし、物語は想像力に満ちたものであるが、私には、物語に込められているであろう作者の意図が分かりにくく、楽しんで読めたとは言えない。

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    2021年08月07日
  • 科学の扉をノックする

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    小川洋子(1962年~)氏は、岡山市生まれ、早大第一文学部卒の小説家。『妊娠カレンダー』で芥川賞(1991年)、『博士の愛した数式』で本屋大賞(2004年)、そのほか谷崎潤一郎賞、野間文芸賞などを受賞している。
    本書は、2008年に出版され、2011年に文庫化された。
    本書は、「子供の頃から、新聞で一番好きなのは科学の記事でした」という著者が、科学の7分野の研究者に対して行ったインタビューをまとめたものである。
    章立て及び対談相手は以下である。
    1章:宇宙を知ることは自分を知ること/国立天文台教授 渡部潤一
    2章:鉱物は大地の芸術家/鉱物科学研究所所長 堀秀道
    3章:命の源“サムシング・グレート”/筑波大学名誉教授 村上和雄
    4章:微小な世界を映し出す巨大な目(SPring-8)/財団法人高輝度光科学研究センター特別研究員 古宮聰
    5章:人間味あふれる愛すべき生物、粘菌/京都大学名誉教授 竹内郁夫
    6章:平等に生命をいとおしむ学問“遺体科学”/東京大学総合研究博物館教授 遠藤秀紀
    7章:肉体と感覚、この矛盾に挑む/阪神タイガースファームトレーニングコーチ 続木敏之
    研究者や(科学)ジャーナリストが、特定の分野に関して、一般向けに網羅的にまとめた入門書や、最新の研究結果をレポートしたものとは異なるが、好奇心の塊のような著者と、研究愛に溢れた各研究者のやりとりから得られるものは少なくない。
    また、宇宙科学や生命科学のような注目される分野については、否応なく関心も向くし、知識・情報に触れる機会も多く、自ら関連する書籍を読むことも少なくないが、そのほかの、そうした機会の少ない分野(先生方には申し訳ないが)についても取り上げられており、そういう意味でも本書の価値は大きいと思われる。
    宇宙科学、生命科学から鉱物学、粘菌学まで、様々な科学の扉をたたき、興味を呼び起こしてくれる、作家と研究者の対談集である。
    (2021年6月了)

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    2021年06月30日
  • 夜明けの縁をさ迷う人々

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    今日は待ち時間が多いから活字読もうと本棚から取った本。昨晩開いて読んでない本だよな?と思ったら、読んだら過去にも一通り読んだものだった。

    現実と非現実、歪んだ世界なのに魂だけが透明でまるみを覚えている……そんな小川先生の世界を久しぶりに浸れて「私が好きなやつ~!」と思わず拍手。
    一枚フィルターがかかったような映像が次々と脳を刺激してくるから、すっかり湿度を忘れて冷えた鈴を触っている気分になった。

    イービーの話と最後の野球の話が好き。

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    2021年06月26日
  • 沈黙博物館

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    博物館技師として長閑な村を訪れた僕。
    荷物は兄から譲り受けたお古の顕微鏡と
    何度も読み返しているアンネの日記。
    依頼主である老婆の面接を受けるのだが
    そこは、形見の品々を展示する博物館だった・・・

    後半に入ってから、物語の様相が変化してくる。
    そういえば・・・
    という空気は最初の頃から感じていた。
    雰囲気に馴染んでスルーしておりました。
    色んなところに違和感という形で存在してました。
    最初の段階で僕が語っている博物館技師の仕事。
    なるほど・・・沈黙を守る博物館・・

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    2021年05月10日
  • 凍りついた香り

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    弘之が自殺して、彼女の涼子がなぜそうなったかを探す話。
    静かなんだけど、どこか息苦しさが隠れてる感じがする。

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    2021年05月03日
  • 沈黙博物館

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    どこか遠い小さな村にある沈黙博物館。そこには人が生きた形見を展示してあるという。不思議な博物館の誕生にまつわる寓話である。私の愛する人が死んだとき、その形見が人知れずその博物館に展示してあったらうれしいだろうか、嫌だろうか。もし私が死んだとき、その形見が人知れず展示してあったら、私はそれを望むだろうか、それとも望まないだろうか。

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    2021年04月22日
  • まぶた

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    8つの作品が収録された短篇集で、幻想的で奇妙な出来事を交えながらも、人間という愛らしい存在を感じられたのが、印象的でした。

    また、奇妙な出来事を体験した後で、自らの人生を見つめ直すような展開が多いことに、人生とは、何をきっかけにして突然変わるか、分からないものだなとも思えました。しかし、不自然さは感じずに共感できたのは、小川さんの、上品でいて飾らない文体にあるのかもしれません。

    こういった上品な奇妙さと、私の人生観には、精神的な距離を隔てているのを感じ、逆に、読んでいて気楽な心地良さがあって、何となく旅行時に持って行きたい本だなと思いました。

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    2022年12月02日
  • 言葉の誕生を科学する

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    鳥やクジラに見られるような、求愛の時に行われる歌のような声から言語が始まったという仮設は面白と思うし、納得感がある。
    しかし、それなりに長い対談の中で刺激的な話題が他にはあまりなかったのが残念。
    対談というのもは基本的にしゃべったままを記録するものなので、あまり内容が詰まったものにはなりにくいのかな。

    発声というのは本質的には呼吸を制御することであるというのは目から鱗が落ちる思いだった。鳥のように上空を飛んだり、クジラのように海に深く潜ったりするためには、意図的に呼吸を制御する必要があり、その副産物として多彩な歌を歌うことができる。他の動物は無意識的な呼吸のみを行っているのだろう。人間は呼吸を制御できる必要がなかったのに発声を学ぶことができたのが不思議だということ。(59ページあたり)

    あと、コミュニケーションには、コミュニケーションしたいという意図のコミュニケーションと、内容のコミュニケーションに分かれるということ。(99ページあたり)

    答えのない問いに対して考え続けるのは大切なことだと思う。

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    2021年01月23日
  • 不時着する流星たち

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    美しくて、そしてゾワゾワとくる、まさに小川洋子さんワールドでした。
    例えるなら、大人のための童話かな。

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    2021年01月20日
  • 余白の愛

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    冬生まれが冬に読みたい物語。誰もまだ踏んでいない真っ白な雪原は、いつだって静かだ。そこに足跡をつけるかなしみとよろこびを知っている。

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    2020年12月30日
  • 妖精が舞い下りる夜

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    あの「博士の愛した数式」を書いた作者の駆け出しのころのエッセイ。
    どんな風に言葉を紡いて小説を書くのだろうと思って読んでみました。
    真摯に言葉に向き合うひたむきな姿勢と、書くことが好きという想いが伝わってきた。
    印象に残ったのは「小説は言葉によってしか表現できないものだが、それだけですべてを表現しつくしてしまうことも、またできない。言葉が持っている目に見えない模様を見せたい」。そう、小説って言葉で表されているもの以上にその裏に感じる情景や思いや手触りといった諸々のものを感じさせる。私は一読者としてそれらを感じられる読書が好き。
    あと印象的だったのは、出産した時に感じた哀しさの話。産声に切ない哀しさを感じたって。人は哀しさを抱えて生まれてくる。手付かずの純粋な哀しさ。曰く「人の心を掘り起こしていって、一番奥の髄にある哀しさを表現することが、小説を書くということではないだろうか」。私が彼女の小説に心を動かされる訳がわかったような気がしました。
    読み飛ばしたところも多々あったけど、印象に残る箇所のあるエッセイでした。

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    2020年12月08日
  • 凍りついた香り

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    亡くなった彼の真実を探す旅。孔雀の羽根、記憶の泉、調香師、数学の問題…幾つかのキーワードから死者を訪ねる謎解きが始まる。
    小川洋子さんの作品は、五感を研ぎ澄まして読むとより一層楽しむことができる。全ての物に対して存在を認めることが、この世界の入り口のチケットでもある。だから体調不安の時は馴染めない。

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    2020年11月23日
  • 偶然の祝福

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    作家である「私」が、息子や愛犬のこと、昔の思い出などを描いた短編集で、「私」を中心に、それぞれの話はどこかで繋がっている。
    タイトルに"祝福"とあるわりには、どの話もわかりやすい幸せな感じはないため、個人的には少しモヤモヤが残ったが、一見不幸そうな中にわずかに温かさを感じる部分もあり、それが"偶然の祝福"なのかもしれない。

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    2020年10月30日
  • ホテル・アイリス

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    少女と老人のお話
    究極のエロティシズムに期待して読んでみました
    老人はただのエロじじいだし
    少女もなぜに彼に引き寄せられたのか・・・

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    2020年09月21日