小川洋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
かつて幼稚園だった場所に暮らし、亡くなった子供たちを弔う小箱を管理する「私」と亡くした子供を想い続ける人々の交差。
『妊娠カレンダー』や『ハウス・クリーニング の世界』に比べ、ぐっと温度が高い。『口笛の上手な白雪姫』よりももっと。子供を自分とは全く関係のない世界の存在に感じている今の私は、読み進めるほどその温度の高さに戸惑いを感じ、登場人物たちの子供に対する特別な慈しみを、ガラスケースで守ろうとしている願いを、自分は本当に心の奥底からは理解できていないのだということが苦しかった。子供を望む人、子供のいる人、子供がいた人はこの本を読んでどう感じるのだろう。 -
Posted by ブクログ
小川洋子(1962年~)氏は、岡山市生まれ、早大第一文学部卒の小説家。『妊娠カレンダー』で芥川賞(1991年)、『博士の愛した数式』で本屋大賞(2004年)、そのほか谷崎潤一郎賞、野間文芸賞などを受賞している。
本書は、2008年に出版され、2011年に文庫化された。
本書は、「子供の頃から、新聞で一番好きなのは科学の記事でした」という著者が、科学の7分野の研究者に対して行ったインタビューをまとめたものである。
章立て及び対談相手は以下である。
1章:宇宙を知ることは自分を知ること/国立天文台教授 渡部潤一
2章:鉱物は大地の芸術家/鉱物科学研究所所長 堀秀道
3章:命の源“サムシング・グレー -
Posted by ブクログ
妄想、ホラー、人間ドラマ、官能、フェティシズム等など、様々なジャンルを持ちながらも、共通しているのは、風変わりながらも、愛すべき人たち。
たとえ、風変わりすぎて、周りから疎んじられたり、存在すら意識されなくても、たった一人の愛があるだけで、その人の生き様が報われたかのように思われたことには、読んでいて共感を覚えたが、哀愁も感じた。永久という言葉は、一見、素敵に思えるが、あくまで捉え方次第であるし、私だったら、相手の心の中ではなくて、せめて自分の心で報われたという実感が欲しい。まあ、たった一人の愛に出会えただけで、充分だと思えるのもありますがね。そのたった一人が、実はすごく難しい。