小川洋子のレビュー一覧

  • 猫を抱いて象と泳ぐ
    言葉、文章、物語、世界観、全てが大好きな作品です。
    ゆっくり静かに物語が展開していき、幸せな何かがあるわけじゃないんだけど、じんわり心が温かくなります。
    手元において何度も読みたいなと思っています。
  • 博士の愛した数式
    相手に対する親しみと敬愛の気持ちを示し、相手の不運をともに悲しみ幸運をともに祝う。そんな友情?や絆は同年代でなくとも同性でなくとも体や心の不自由を持っていてもあるんだな、というより自分にない特性を持っている相手との方が強い絆になるのかもしれないなと思った。
    そして、子どもの純粋さとかひたむきさとか素...続きを読む
  • 凍りついた香り
    何が面白かったかとか、
    どこが良かったのかとか、
    言葉にするのはとても難しいけど、
    読んでいてただただ心地良かったです。
    敢えて言うなら文章が心地良い。言葉選びとかリズムが好きです。

    最愛の人を突然失った女性のお話。
    調香師の彼からオリジナルの香水をプレゼントされた翌日に彼は自殺…
    それだけでもか...続きを読む
  • 薬指の標本

    孤独と不思議な他者

    自然に滑らかに読めてしまうけれど、いろんな細かいところまで神経が
    行き届いている描写が好きです。どちらの語り手も孤独な女性で、内面
    や身体的な感覚の一部まで読んでいるとこちらが同化一体化してしまって
    いるよう。傷ついた自分がもしかするともっと危ない世界に引き込まれる
    ような感覚、逆に自分の中にある悪...続きを読む
  • 博士の愛した数式
    数学に対する言語化できないような手触り、肌感覚が美しい言葉で表現されている。その繊細な数学の対極にあるような阪神タイガース。にもかかわらずうまくマッチしている不思議な世界。
  • 最果てアーケード
    小川洋子はいつ読んでも小川洋子を感じられて安心する
    会いに行った先で幸せに過ごしていることを願います
  • 密やかな結晶 新装版
    小川洋子さんのユニークで素敵な世界観が詰まっている本!

    この島に生きる人々はある朝「何か」を失くしてしまう。
    例えば香水、宝石、鳥…それに纏わる思い出や、愛情や感情が全て薄れてゆき、数日もたてば忘れてしまったことも忘れてしまう。
    そんな「消滅」が少しずつ進み、人々の心の空白が増えていく世界の話。
    ...続きを読む
  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか
    辛かった時期に読みたかった。言葉にすることで人はこんなにも救われるのだということを、希望が持てるのだということを、もっと早く知りたかった。
  • 博士の愛した数式
    再読。とは言っても、前に読んだのは中学生のときかな。その頃よりも、この本を好きだなぁと感じられた。
    なんてせつなくて温かい物語だろう。
    また10年後とかに読み直したい。
  • 博士の愛した数式
    私も元々素数が好きで、自分が生まれた年が素数なのが自慢(人に言っても羨ましがられないと思うけど)。この本を読んで完全数という存在も教えてもらい、自分の子どもの生まれた日が28日なので、なんか褒められた気分になった。ルートは全てを包むとか、虚数は心の中にあるとか、数学に愛が溢れていた。博士が子どもを大...続きを読む
  • 博士の愛した数式
    名作だと聞き続けて、やっと読んだ。
    120分で失われる記憶。気の毒と思っても
    向き合い続けたら、いつのまにか自分に必要な存在になっていく。
    関係性が変わっていく描写がすごく丁寧で名作と言われる所以がわかった気がする。
    また時間が経てば読みたくなるだろうな。
  • 博士の愛した数式
    数学や数式を面白いと感じられたのは初めてです。数式を美しいと表現できる感性が素晴らしい。全ては視点次第なんだと思いました。
  • 博士の愛した数式
    とても温かく、なのに何故か泣きたくなるような、不思議な気持ちになる物語でした。
    80分しか記憶がもたない数学の博士と、博士の元で働く家政婦と、その息子の何気ない日々のお話し。
    博士は記憶が80分でなくなり、毎日が「はじめまして」の状態になるにも関わらず、3人の絆は日々深まっていくような、家政婦やその...続きを読む
  • 偶然の祝福
    「盗作」でおやと思った。水泳をしていて片腕を下げられなくなった弟の話を前に確かに読んだことが有る。読み進めると『ホテル・アイリス』だと思われる小説や『貴婦人Aの蘇生』の登場人物だと思われる女性が出てくる。もしかして小説でなく著者がどのように小説を書いてきたかの裏話を読んでいるのだろうか。「エーデルワ...続きを読む
  • 博士の愛した数式
    面白かった!博士と√と私との短い生活が垣間見れた。数学の面白さと登場人物のやり取りに魅力されていくうちにすぐに読み終わった。
  • 博士の愛した数式
    切ないのに、心が温かくなる。
    博士は変わった人だけど、とても優しくて愛ある人。私も博士のように素直な気持ちを忘れずに生きていきたい。
  • 博士の愛した数式
    2024/3/17
    中学生の時に初めて読んで、とても心を揺さぶられた記憶。
    この本はずっと売りに出さずに持っている。
    数学は元々好きだったけど、この本を読んでから少し数字が綺麗に見えて、もっと数学が好きになったのを思い出した。
    また読み返してちゃんと感想を書きたい。
  • 博士の愛した数式
    心がキュッとなるほど悲しいのに、じんわり温かくもあり、ラストには幸せを感じられる素敵なお話。

    難しい数学と記憶がもたないという博士という重くなりそうな組み合わせの中に、阪神タイガースという絶妙なスパイス。
    タイガースファンとしてもうれしい。
  • 猫を抱いて象と泳ぐ
    初めて読んだ時、独特な世界観と作者の豊かな表現力に衝撃を受けました。私にとってこの作品は凄い!の一言につきます。
    唇がくっついて生まれてきた少年に神様は並み外れた集中力とチェスの偉大な才能の仕掛けを施して下さった。しかも少年しか出来ない独特なチェスの指し方で。恵まれない環境の中でも、愛情に満ちた人々...続きを読む
  • 博士の愛した数式
    数学の博士があるとき、記憶が80分しか保てなくなる。そのため、忘れないように体中にいろんな付箋紙を貼りまくっている。家政婦さんも毎朝はじめまして。でも博士はその家政婦さんの息子に無償の愛情を注ぐ。江夏豊のプロ野球カードの件や、ラストの大人になった家政婦さんの息子との邂逅など思い出に残る感動作。