小川洋子のレビュー一覧

  • 博士の愛した数式

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    これも何度読んだかわからない本だが、改めて再読した。これ以上好きな本に出会ったことはない。
    最近大学で、なぜ自分が理系を選び、必死に勉強しているのかわからなくなってきていた。だがこの本を数年ぶりに読み、もしかするとこの本があったから私は今理系の道を選んだのかもしれないと思い、今までの漠然とした不安感が完全に払拭され、この選択に誇りを持てるようになった。
    博士は本当に素晴らしい人格であり、私も見習いたいと思う。たくさん学び、自分がその成果を得られなかったとしてもこの学びをもっと若い子たちに伝えることができたらそれ以上の幸せはないだろうと思った。この本に出会うことができて幸せだった。皆んなに紹介し

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    2024年12月10日
  • 博士の愛した数式

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    高校生の時からの愛読書。
    何度も何度も読み返してしまう。
    家政婦として務めた先の主人は記憶が持たない数学博士。
    家政婦の1日の始まりは博士との自己紹介だった。靴のサイズの話。
    博士と知り合ってから日常生活には数字が色んな所に転がっている。
    頭の形がルートに似てるからと家政婦の息子は「ルート」と呼ばれるようになった。
    いつの間にか博士と家政婦と家政婦の息子はどんどん仲良くなって、
    ルートにとって博士は特別な存在に。

    とても暖かくて、読んでいて幸せなるお話。
    また時間があったら読み返したい。

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    2024年12月09日
  • からだの美

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    細部に宿った魂について書いたエッセイ。バレエダンサーの爪先、力士の膝、シロナガスクジラの骨……それぞれに細部に込められた魂や芸術がある。

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    2024年12月09日
  • 密やかな結晶 新装版

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    不定期に身近な物が消滅していく島を描いた作品。
    美しい文体で静かに語られる哀しみや儚さの数々。まるで雪がすべてを吸収していくかのような喪失と恐ろしさ。
    何かが消滅するということは、それに伴う思い出も消えるということ。
    とても鮮烈な物語です。

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    2024年12月04日
  • 耳に棲むもの

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    パラレルワールドのような、
    ファンタジーとリアルの狭間、みたいな短編集。

    人間の複雑さやグロテスクな部分を
    ここまで品良く仕立てることができるのは小川さんだけなのでは?

    これは芸術だ、、とひしひしと感じながら読み進めた。

    「今日は小鳥の日」が物議を醸しているようだが、
    人の説明し難い部分が形容されているようで
    私は嫌いじゃないけどな、人によったらグロいのかな。まあこれも人間な気がするけど。

    おそらく通常の本より字間が広く設定されており、
    噛み締めるようにゆっくり読んだ。
    美術館に行ったような気分になる。

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    2024年12月01日
  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか

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    100分de名著をたくさん読む。を目標にしました。記念すべき一冊目。
    原書は有名だけど読んだことないし、けっこうネガティブな評判を聞いていたこともあり、読もうという気持ちもなく。。

    泣きました。号泣。
    いろいろ考えさせられたけど、感銘を特に受けたのは、迫害を受けている中でもユダヤ人たちがなにかを学ぼうとする、その尊い力。
    大人から子供まで、未来があると信じて学ぶ意味を見出し外の世界とつながろうとする。
    ユダヤ人が優秀で成功者が多いその一端を見た気がしました。

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    2024年11月30日
  • 博士の愛した数式

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    ネタバレ

    博士は不器用で記憶も80分しかもたないけれど、誰よりも優しい心の持ち主だった。彼の愛している数学で人を癒すことができる。彼のおかげで、数字が意味を持つ。
    ただ、博士の記憶がもつ時間がどんどん短くなったときには、こんなに優しい博士が何でこんな目に遭わなければならないんだ、もっと幸せになってほしいのにと悲しくて泣いた。

    人に優しくしたいな、優しくされいなと思った本だった。

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    2024年11月29日
  • 博士の愛した数式

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    220、284、28、11、
    私にとっては何の変哲もないただの数の羅列も
    数学者の博士にとっては奇跡みたいな存在で、誰かにとっては意味のあるものなんだと思うと突然、ページの中の数字が輝いて見えました。

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    2024年11月29日
  • 博士の愛した数式

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    ネタバレ

    第1回本屋大賞受賞以来新潮文庫がものすごく売り出している作品ということは以前から知っていて、何かの折に購入したきり本棚に眠らせていました。数日前にこの作品に触れているメディアを目にする機会があり、読み始めた次第です。

    「ママが博士を信用しなかったからだよ。博士に僕の世話は任せられないんじゃないかって、少しでも疑ったことが許せないんだ」
    というルートの言葉が強く心に残っています。本文を通して、純粋で思慮深く、思いやりに満ちた少年だと感じました。

    もちろん博士の記憶が80分しか持たないことが話のメインとなりますが、「私」と博士とルート、それぞれの関係性や言葉の掛け合い、また阪神タイガースのアク

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    2024年11月28日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    チェスなんて知らないし難しそうだな、と思いつつ読み始めたらスルスル読める。すーっと入ってくる。最後は泣きました。

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    2024年11月28日
  • 博士の愛した数式

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    実におもしろい、ほのぼのとしたストーリーだった❗️
    76歳でなくなった数学者は、良い終末を迎えれたのだと。
    義理のお姉さんも、穏やかに息を引き取るのを見守ったのだろう。
    ただ、どうして義理のお姉さんは、義弟の世話ができなかったのか⁉️
    読者のかたは、どう思いますか⁉️

    『司馬曰く、人は皆、頭にスクリーンを持っていて、そこに様々な光景を映し出します。
    耳から入った「言葉」という情報も、頭の中で映像やイメージに変換され、このスクリーンに投映されます。
    落語や読書が好きな人は言葉を聞きながら、あるいは読みながら、このスクリーンに様々な光景を映しだして楽しんでいるわけです。
    言葉や文字というものは単

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    2024年11月28日
  • 耳に棲むもの

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    表紙のキラキラに惹かれて購入。小川さんワールド満載。不思議な物語。美しい言葉がそこかしこに散らばっていて、お腹の底にズンッと響いてくる感じがする。

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    2024年11月26日
  • からだの美

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    ネタバレ

    スポーツ選手、将棋の棋士、俳優、文楽の人形遣い、赤ちゃんなどの体の一部に焦点を当てたエッセイ。他にもレース編みをする人の指先、とか、動物の体に着目したものも。「ハダカデバネズミの皮膚」っていうのが面白かった。それぞれ写真が添えてあり、「外野手の肩」のエッセイではイチロー選手が遠投しているときの写真が載っている。本当に、美しい。「力士のふくらはぎ」では、もうほぼ、後ろに倒されているのに、それでも相手より持ちこたえようと、ひざから下の力だけで自分の全身を支えているありえない写真が。
    「その時」体の一部がどうなっているのか、なぜこんなにも美しいのかと、小川洋子さんにしか綴れない言葉で綴っている。本当

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    2024年11月20日
  • やさしい訴え

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    ネタバレ

    小川洋子さんの静かで芯があって冷たい印象なのにどこか温かい文章が好き。
    薫さんと新田氏の不思議な関係、惹かれました。
    そこに隙間を探し、入り込もうと躍起になる主人公の気持ちにも共感できる。
    別荘の時間の流れ、現実から切り離された雰囲気。

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    2024年11月20日
  • 博士の愛した数式

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    数学全然わからんけど、とても面白く読めました。

    特殊な高校に通っていて、本に出てくる数学の内容はほとんど初見でしたが楽しめました。

    こころ温まる物語。

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    2024年11月14日
  • 琥珀のまたたき

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    母親から与えられた壁の内側の生活は色んな愛溢れた暖かい生活だと思いながら読んでいましたが、後から恐ろしい内容だったなとじわじわ気づかされました。それくらい言葉が優しく美しいです。

    オパール、琥珀、瑪瑙が成長するにつれて隠し事が増えていく度に、母親に愛されていたい、母親が好きなこどもでいたいという想いを感じてしまい切なくなりました。

    小川洋子さんは私の知らない感情を引き出して満たしてくれます。とても大好きな作家さんです。

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    2024年11月14日
  • 人質の朗読会

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    特殊な状況下にありながら(あるからこそ)静かに語られていく何気ないけれど印象的な出来事たち。すごく特別ではないかもしれないけれど、少し風変わりで、確実にその人の中に残り、ほのかに息づいてる物語が良い。

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    2024年11月13日
  • 耳に棲むもの

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    夢を見ているような感じになった。
    理想的な耳の人と、音を共有する部分は素敵でした。

    私の耳の中には何がいるのかな、、、

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    2024年11月11日
  • 密やかな結晶 新装版

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    ネタバレ

    寂しい小説だった。

    この島では記憶の中から少しずつ消えていく。切手だったりカレンダーだったり。主人公は小説家だったのにあるとき小説もなくなってしまう。でも消えたものに対し、大方の人はなにも思わずない世界に順応してしまう。
    全員が忘れてしまうのであればよかったけれど、一部には記憶がなくならない人もいる。記憶がなくならない人がいると、記憶からなくしてしまう人にどうにかできないものかと思ってしまう。主人公はどうにかしようとするけれどどうにもできなくて、記憶をどんどんなくしていく。

    悲しみもなく、記憶からなくなってしまうことが悲しかった。

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    2024年11月09日
  • 博士の愛した数式

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    3人の絆が、お互いに思いやる心が読んでいてとても暖かかった。
    3人は一緒にいる時はもちろん、離れてからもこの時を思い出せば優しく暖かくなれたのではないでしょうか。
    そして未亡人。彼女もまた、博士を想っていた。だからこそ博士と一緒にいたかったのだが、記憶障害の件が直視できなかった。だからこそ家政婦をお願いした。だけど必要以上に親しくはなって欲しくなかった。葛藤が分かります。あの数式を見て3人がどのような関係なのか理解できるのだから、それなりに数学に造詣があるか、博士に説明されていたのでしょう。
    最後に4人でいる風景を描写してくれたのは良かった。
    いちいち知らない単語が出てくると調べないといられな

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    2024年11月09日