小川洋子のレビュー一覧

  • 人質の朗読会

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    ネタバレ

    あ〜〜好みぶっ刺さり小説。江國さんのひとりでカラカサさしてゆくに読後感が似てる。冒頭で、凄惨な最期を迎えた人々が残した物語であることが明かされるので、言いようのない切なさが全編漂う。わたしが好きだった話は、

    •大家の偏屈おばあさんとビスケット並べる話
    •公民館で細々と行われている集会や会合に参加する男性の話
    •おじいさんが作るヤマネのぬいぐるみをお守りにしている男性の話

    自分で書いててなんだそりゃと思ったけど本当にそういう話なんです笑
    どんな最期を迎えた人にも、きっとその人の心にずっと残り続ける大切な記憶や思い出があったんだなと、そう思って泣きたくなる宝物みたいなお話たちだった。

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    2026年05月06日
  • 薬指の標本

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    静かで、官能的で、狂気すらも感じる不思議な物語。
    「わたし」が「弟子丸氏」に靴をプレゼントされるシーンからどんどん不穏な空気が流れてくる。
    読後の余韻が好きでした。宝物。

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    2026年05月04日
  • 遠慮深いうたた寝

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    いちいち良い。作品にも滲み出ている気がするけど、物事の良い面を見つけてあげるのがとても上手な人なんだなとしみじみ思う。
    新米ママだった作者が、『紙おむつで育てると子供の情緒に影響する』という根拠のない噂を信じて、洗濯が大変な布おむつにこだわっていたというエピソード。「楽をするとそのツケが全部子供に回りそうで、怖かったのだ。」ってつづられていて、すごく愛だった。作者がすきな本もぜんぶ読んでみたくなった。やっぱり、小川洋子は言葉を扱うのがすごく上手だよね。

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    2026年05月03日
  • 密やかな結晶 新装版

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    失う事が怖い人は間違いなくしんどくなる。
    でも、普段から私たちは常に何かを失っていることに気付く。
    だけどそれでも次の日が来る。

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    2026年05月02日
  • 人質の朗読会

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    反政府ゲリラの襲撃を受けて人質として捕らえられた8人。
    捕らえられてる時に語られた8人の過去の忘れられない物語と人質救出作戦通信班の政府軍兵士の過去の忘れられない物語を描いた作品です。

    ただの日常の中でも、心に残ることはあり、それを言葉にすることで、日常が面白くなるのかなと感じました。
    印象に残った話はやまびこビスケットでした

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    2026年04月29日
  • 劇場という名の星座

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    日常にある非日常の劇場。彼岸と此岸の境目で織りなす人の営み。誰もが主人公であり、誰もが闇の中から自分の道標を見つけ人生劇場を歩む。朝が来ない闇はなく、太陽はいつか沈む。そして新たな劇場の現れを待つ。

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    2026年04月29日
  • 密やかな結晶 新装版

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    個人的に、小川洋子先生を読むならこの本を読んでくれ、と言いたくなる作品。
    世界観がしっかりと描かれており、すぐに没入することが出来る。大人向けのおとぎ話のようで、ひっそりと静かに、それでいて美しい文章に惚れ惚れしてしまう。
    世の中のあるものが消滅していく人と、消滅していかない人。それぞれの想いがきちんと描写されていて、胸が苦しくなる。苦しくなるのにどこか心地よい読後感がたまらない。

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    2026年04月25日
  • 劇場という名の星座

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    帝国劇場を巡る人の心の機微を丁寧に掬い取って、はたからは伺い知れないその人だけが持つ大切な何かを描くのと同時に、それらの話が星のように瞬いて、物語と物語が交差する瞬間静かに煌めきを放つ。とても好きな感じの本でした。

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    2026年04月26日
  • 耳に棲むもの

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    補聴器の営業マンを主軸にした連作。どんな生活をしていたらこんな話を思い浮かぶのだろうと思う。初期のグロさも感じられて面白かった。

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    2026年04月25日
  • 世にも美しい数学入門

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    藤原正彦の「数字を弄ぶ」という表現がとても気に入りました。
    自分も多少は弄んだとは思うのですが、数学者のそれには足元にも及ばないことが、よくわかりました。

    藤原正彦は、数学史にも造詣が深いようで、その点でも面白く読めました。

    『博士の愛した数式』の背景が垣間見れる本でもあるので、興味がある人は読んでみてはどうでしょうか。
    肩肘張らずに読めるので、数学の苦手な人にもオススメします。

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    2026年04月23日
  • ブラフマンの埋葬

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    切なく美しい物語。
    家族にペットがいる人ならきっと胸を締め付ける切なさと、そばに居てくれるありがたさに共感できると思います。
    それだけでなく、一文一文が詩のように美しいです。こんなに綺麗なリズムと描写はこの作家さんならではの持ち味。
    ラストがとても切ないですが、綺麗にまとまり、それでいてそっと余韻を残すような終わり方でした。
    ずっと本棚に入れておいて、読み返したく小説でした。

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    2026年04月22日
  • 劇場という名の星座

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    帝国劇場が“主人公”の短編集。本を読みながら、初めて帝劇に行った時に見た風景や一緒に行った亡き母との思い出のあれこれが、それこそ走馬灯のようにぐるぐると脳内を駆け巡り、最初の話から完全にノックアウト。
    舞台関係者は勿論だけれど、一度でも観劇体験がある人にはきっと、登場人物の誰かに自分を重ね合わせたり、どこかの台詞に心慰められたりするはず。
    2030年。新しい帝国劇場で観劇できるように精進しないと!

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    2026年04月16日
  • 博士の愛した数式

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    子供の頃に何度も何度も読んだ本。人生で1番読んだ回数が多い本かもしれない。当時はこれが「名著」であることなんて分かっていなかった。

    受験勉強やら、就職やらで読書から離れた期間があり、それでも教師という私の職業柄、本の素晴らしさに再度気付くことができた。そんなこんなで、最近になっては色んな本を読み漁っていた。しかし、法律上大人になって以降、この本を一度も読んだことはなかった。ここまで生きてきて、自分も成長(?)しているはずだし、なぜ昔の自分があんなに魅了されていたのか分析くらいできるようになっているだろうと思って、現在に至る。

    読んでみた。

    魅了されすぎて分析する余地もなかった。

    なぜこ

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    2026年05月27日
  • ことり

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    初小川洋子作品。

    吉本ばななと同様に自分に合っていると感じた。

    この作品は寂しい作品だと思った。

    鳥を通して、小父さんの人生を語った作品で小父さんという鳥を鳥籠にいれて、様子をみているような感覚。

    余韻の寂寥感がすごいため、元気のあるときに読むことをおすすめします。

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    2026年04月15日
  • 劇場という名の星座

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    帝国劇場を思い出しながら読んだ。
    フィクションだけど、この作品の中に書かれている人物や椅子が実在していたら…と想像しながら読むととても楽しかった。
    初めて帝劇に行ったのは子供の頃母に連れられて『レ・ミゼラブル』を観に行った時。最後に帝劇に行ったのも母と『レ・ミゼラブル』を観に行った時。
    私にとって帝劇は母と行く場所で、『レ・ミゼラブル』を観に行く場所だったんだなぁと改めて思った。
    でももっと他の作品を観たかったし、もっともっと通いたかった…
    新しい劇場はどんな感じになるのだろう。
    ステンドグラスの裏に住んでる少年がまた住める場所があるといいな。

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    2026年04月11日
  • ブラフマンの埋葬

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    ネタバレ

    久々に小川洋子の小説を読んで、こんなにも暖かくて悲しい手触りだったのかと思い、感動した。ブラフマンという言葉の響きと、謎のまま「娘」によってはねられ、埋葬された生物。タイトルを思い出すたびに、「創作者の家」の噴水に入り込んだような気持ちになる。

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    2026年04月11日
  • 人質の朗読会

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    ネタバレ

    最初にこの本を書店で手に取った時、表紙の白い小鹿が人質となった人物の悲しさや絶望感を象徴しているのだろうか、と思いました。しかし、作品を読み終わると、白い小鹿の目が人質一人ひとりの大切な過去を見つめているような気がしました。人質の絶望感というよりも、物語の温かさが胸に残る小説でした。

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    2026年04月09日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    与えられた環境を受け入れて自由を手に入れる。人間の欲と切り離された慎ましく優しい綺麗なお話。肯定も否定もしない人間愛。心の傷がすーっと溶けて頭の中がクリアになるような気持ちになりました。

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    2026年04月08日
  • 人質の朗読会

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    「人質たちが暇つぶしに、何か一つ思い出を文に書き出して朗読し合おうとする。今必要なのは、じっと考えることと耳を澄ませることだ。」冒頭のこの文を読んで、
    小川洋子さんが「物語の役割」で、辛い現実を乗り切るための手段として物語がある、と語られていたのを思い出した。

    杖 子供の頃足を怪我した太った下っぱ工員さんに、のこぎりで切った枝を渡して助けてあげた。十数年後、交通事故で意識を失っていたわたしの頭の中に、工員さんがバーナーと立派なお面を持って現れて、足を治してくれた。目覚めたら、切断寸前だったらしい足は、どうにか持ち堪えてくれていた。バーナーとお面は、世界を壊すのではなく創り出すものだったと気付

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    2026年04月06日
  • 続 遠慮深いうたた寝

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    前作が好きだったので本作も手に取った。
    著者の人柄や姿勢が滲み出ているエッセイ集。
    特に読書や執筆に関するエッセイがとても心に響く。色々な情報が溢れた現代で、やはり小説が好きで、その世界を鑑賞し追体験し思索することの幸せ。小川さんが紹介した本も読みたくなった。

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    2026年03月28日