小川洋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
そうそう、帝劇ってこういう場所だった。こんなふうに世界の全てを含んだ、最高に美しい劇場だった。新しくなるのは寂しいけど、あのころの帝劇がこんなふうに文字のかたちで残されていて嬉しい。この本があれば私たちは帝劇の色や匂いを忘れずにいられる。
【読んだ目的・理由】帝劇を舞台にした小説と聞いて読みたくなったから
【入手経路】買った
【詳細評価】☆4.6
【一番好きな表現】一枚のチケットを持ってさえいれば、ガラス扉で区切られた境界を踏み越え、今日一日、自分のためだけに用意された椅子に腰掛けることができる。誰もそれを邪魔できない。(本文から引用) -
Posted by ブクログ
あまりにも静かで言葉足らずな登場人物たちだけれど、ものすごくたくさん話をした気がする。大きな出来事なんてほんの数回しか起きなかったし、描写の一つ一つが繊細だけど発見に満ち溢れていている様が、読むほど疲れる。でも、読むほど癒される。
小川洋子さんの新作「サイレントシンガー」を読んだばかりなので、言葉や心ををチェスの一手に込められる主人公が、サイレントシンガーのあの子ともリンクする。
静かであること、言葉を尽くさないこと、言葉という枠組みで相手や世界を断じないことの尊さを、小川さんはずっと書いてるんだな。
それにしても私たちはおしゃべりすぎる。この本に出てくる人たちのように、言葉足らずだけれど -
Posted by ブクログ
小川洋子の作品はあまり読んだことがなかったが、本屋で装丁とあらすじに惹かれて購入。
最高傑作。読むことをお勧めしたい。
舞台はとある島(架空の島だが、描写的にかなり日本的だと思った)。この島では、鳥、香水、春(季節)、左足など記憶が少しずつ消滅していく(記憶の消滅というのが少しややこしく、概念自体が消失するわけではなく、それ自体を思い出せなくなり、またそれを見たとしても、それに関する思い出を想起したり、使用用途・目的、どのような物だったかを具体的に把握することができなくなるし、興味も湧かなくなるというのが近いかな、、、ちなみになぜ記憶が消滅するのかは描かれない。それは超常現象・災害にも近い