小川洋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
多分小さな子供、胎児ないし大人の生殖能力に感染する病かなにかが流行って残された大人だけが未来が閉ざされた世界で細々と暮らし続ける話、なのかしら。もう子供が育たない産まれないとなれば物理破壊の災害がなくても社会は廃れていくのでしょう。犯罪も大して無さそうで、昔は荒れたこともあったけど今はやったところで...という諦観が乾いた砂のように降り積もる世界。その中で唯一の未来の拠り所がガラスの箱だった。
しんみりと読んでいたらいきなり(いきなりでもないが)えろいことが始まったので面食らったが、生殖を伴わない睦事とはこういうことか…という気持ちで読んだ。 -
Posted by ブクログ
小川洋子先生。今回も小川フレグランスが
まかれまくりです。オサレな読みモノ( ´ ▽ ` )
日常の世界にファンタジーのエッセンスが、
ほんの少し振りかかっているんです、ほんの少し、それがいい。不思議の国のアリスまでのファンタジーは私には楽しめない。装画を愉しめたらめっけもんくらいです。
本作の舞台は、モノづくりをする人が
ゆっくり創作できる「創作者の家」。
主人公はそこの管理人。
この舞台が海外のヴァカンスをイメージさせて、読み手からしたら非日常な空間。
極めつけは、登場人物に名前がない。
なのに、不思議と存在感があり
読みやすいし、魅力的。
そして謎の生き物「ブラフマン」。
犬、猫ぽ -
Posted by ブクログ
ネタバレ静寂の中で研ぎ澄まされる、記憶の断片
イヤホンを忘れ、電車の騒音の中でページをめくり始めた。しかし、読み進めるうちに周囲の音は消え、脳内には物語が持つ「ひんやりとした空気感」だけが満ちていった。音楽がないからこそ、一文一文が驚くほど滑らかに頭に入ってくる、贅沢な読書体験だった。
物語は、亡くなった調香師の記憶を辿る旅。劇的な恋愛に発展するわけでも、大きな事件が起きるわけでもない。ただ、人はこの世を去っても、誰かの中に「記憶」として残り続けるのだという事実を、小川洋子さんらしい静謐な筆致で描き出している。
特に印象的だったのは、西日がガラスに反射する温室の描写だ。土と葉と花が混じり合った、湿り気 -
Posted by ブクログ
ネタバレあ〜〜好みぶっ刺さり小説。江國さんのひとりでカラカサさしてゆくに読後感が似てる。冒頭で、凄惨な最期を迎えた人々が残した物語であることが明かされるので、言いようのない切なさが全編漂う。わたしが好きだった話は、
•大家の偏屈おばあさんとビスケット並べる話
•公民館で細々と行われている集会や会合に参加する男性の話
•おじいさんが作るヤマネのぬいぐるみをお守りにしている男性の話
自分で書いててなんだそりゃと思ったけど本当にそういう話なんです笑
どんな最期を迎えた人にも、きっとその人の心にずっと残り続ける大切な記憶や思い出があったんだなと、そう思って泣きたくなる宝物みたいなお話たちだった。