小川洋子のレビュー一覧

  • 薬指の標本

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    この話に一切恐怖心が湧かず、親愛感すら湧いてくる事が怖い。いつの間にかそちら側に取り込まれている感じがする。

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    2025年10月10日
  • ミーナの行進

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    主人公の朋子が従妹・ミーナとその家族とカバ・ポチ子と過ごした1年間。裕福でおばあさんがドイツ人で、少し変わった家族たちとカバのポチ子。何が起きるわけでもない家族たちの日常ひとつひとつが宝物のように大切に描かれていてなんだか懐かしい気持ちになる。歪んだ心の持ち主などが一切でてこない本当に美しい物語。読んでよかった。

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    2025年10月10日
  • 掌に眠る舞台

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    とても良かった。一つ一つの短編に、それぞれ異なる美しい世界が広がっていた。装丁も美しい。装画はヒグチユウコさん。

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    2025年10月09日
  • 不時着する流星たち

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    ネタバレ

    ヘンリー・ダーガー他、過去の人たちのエピソードから
    インスパイアされ書かれた10の作品。
    とても小川さんらしさに溢れた短編集。

    母乳ババロアをこんなにさらっとそこに自然にむしろ必然的に
    あるように書けるのは小川さん以外いない、と思います。

    過去の人たちのエピソード自体も面白く
    装丁もとても良かったです。断然文庫派なので
    文庫待ちですが違う絵になってしまってたら
    ハードカバーを買うかも。。

    2025年10月7日再読
    結局文庫を購入しました。

    1度目のときに書いた「母乳ババロア」が書かれた作品で
    「再読だわ…」と思い出しました。

    誘拐の女王
    主人公よりお姉さんのその後が気になります

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    2025年10月07日
  • ミーナの行進

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    朋子が過ごした立派なお屋敷ではないけれど、子どものころ、一時期祖母の家で過ごした日々が、今でも色濃い思い出となっていることを、改めて感じました。

    朋子にもミーナにも、伯父や伯母、ローザおばあさん、米田さんに小林さんにも、朋子の母にも、そしてポチ子にも心のどこかに影はあって、それでも、温かく過ごした日々を想像すると涙が滲みます。

    そして、いつか来るお別れも、すべてが消え去ってしまうわけではなくて形をかえるだけなのだと思うと、私自身にも必ずいつかは訪れる様々な人との別れ、自分自身との別れ(本作を読んだあとでは、別れという表現は違う気がしますが)が、恐ろしいものではないのかも知れないなと思うこと

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    2025年10月07日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    敬愛する御二方の対談は、読めども読めども、自分自身の未熟さばかりを思い知らされるものだった。どのように生きれば、人とこのような対話を交わせるようになるのか。。。10年後の自分よ、その片鱗でも分かるようになっていて欲しい...!

    とりわけ小川洋子先生のあとがきからは、小川先生のお人柄が文章からこれでもかと伝わり、随所でうっとりとしてしまう。
    内容もさることながら、まるで水面にしとしとと降る静かな雨のように、優しく、美しく、やわらかな日本語が、体に染み渡っていく。

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    2025年09月29日
  • 人質の朗読会

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    ネタバレ

    何かの比喩かな?と思った「人質の朗読会」というタイトル、そのまま「人質の朗読会」の話でした。

    その人質は全員亡くなったことが明かされ、複雑な気持ちで読み始めることになります。

    人質となってから時間も過ぎ、少し周りを見る余裕ができる頃。囚われの身である8人もだんだん打ち解けてきたのかな。
    殺伐とした状況の中で、せめて穏やかな時間を過ごすためにできる事。
    未来がどうなるわからない今、絶対に確かな過去の記憶を思い出し、したため、語る事。そしてそれに耳を傾ける事。
    それで自分を、お互いを支えていたのかな。生きるための朗読会であることは間違いなく、だから切ない。

    他人からしたらなんて事ない出来事だ

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    2025年09月24日
  • 博士の愛した数式

    購入済み

    心温まる

    言わずと知れた名作。
    不器用ながら愛に溢れた博士と親子の交流に、心が温かくなります。
    博士の過去などを詳しく描かず、匂わせる程度なのも良かったです。

    #ほのぼの #切ない #癒やされる

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    2025年09月21日
  • 掌に眠る舞台

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    文章を読むだけで浮かんでくる情景。作者の言葉の選び方と紡ぎ方に絡め取られていく。
    指紋についた羽の少女との文通。いつのまにか自分がそこに居るかのように感じる。
    ストーリーはややホラーのようでどこか暖かい。人が生きていく中での静かで強い感情を思い出させられた。

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    2025年09月21日
  • 科学の扉をノックする

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    科学のスペシャリスト7人のお話は、平凡な暮らしをしている私には到底聞き及ぶ事のない分野のお話ばかりで、時に難解なものがあるのは当然のこととして、とても興味深く貴重なお話の数々、感動しながら読みました。
    そもそも科学の扉をノックする小川洋子さんが流石だな〜というのと、それを読みやすくまとめてあるのがまたすごい。

    村上和雄先生のサムシンググレート。
    アポロ宇宙飛行士もその言葉を発したのではなかったでしょうか。
    偉大なる何ものか。先生の本も読んでみたい。

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    2025年09月21日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    『小川洋子のつくり方』の中の全作品紹介を読んで興味を持った一冊。
    大学で心理学を専攻した身として、河合隼雄はもちろん知っていたけれども、なぜかどうしても著書を読む気持ちにならず、当時周りがみんな読んでいたのに、何となく話を合わせて読まなかったわたし。
    今この本に出会えて良かった。

    ''人間は矛盾しているから生きている、整合性のあるものは生き物ではなく機械です''
    矛盾を意識し、折り合いをつける。その折り合いの付け方が個性であり、物語だ、と。2人がそこで共感していて、共感し合えることが素晴らしいと思った。

    その物語を小説にして見せてくれる小川洋子さんの

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    2025年09月15日
  • そこに工場があるかぎり

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    すごく面白くて1時間半ほどで一気読み。見学する工場に基準はなく、とにかく著者の気になる工場に行ったそう。

    出てくる工場は、
    ·エストロラボ(細穴屋)
    ·グリコピア神戸
    ·桑野造船(ボート)
    ·五十畑工業(サンポカー)
    ·山口硝子製作所(ガスクロマトグラフィーの部品)
    ·北星鉛筆

    時々出てくる著者の妄想劇が面白くてクスッとする。作家さんってやはり想像力が豊かなのだろうか。

    また、工場見学のレポは細やかで温かな視点で書かれており、これまた笑ったり、なるほどと唸ったりと読んでいてとても楽しかった。

    同著者の『科学の扉をノックする』も読んでみたくなった。

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    2025年09月14日
  • 密やかな結晶 新装版

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    記憶が少しずつ消滅していく島の話。
    読み終わった後には何とも言えないような、心の深い空洞に身を包まれたような喪失感に浸ってしまう。「消滅」の物語によって「消滅できないもの」の物語を描く。人々の中にひっそりとある声に出せないおもいを掬いとる、私たちの中にあるそんなおもいを改めてこの物語はすくいとって肯定してくれるものだと思った。「消滅」という失う物語の静かでその確かなことばの数々に作者の筆の虜にならないはずがない。

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    2025年09月12日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    最後まで読み終わるのが本当に嫌だった。この優しくて静かな物語が終わってしまうのが寂しくて寂しくて、残り数ページを捲るのが躊躇われた。

    私はチェスのルールなんてこれっぽっちも知らなかったけれど、だからこそチェスの宇宙をその広さを存分に味わえたのかもしれない。
    カツカツと音を立てながら敵陣に攻め入っていくチェスというゲームはただただかっこいいものだと思っていた。こんなに優しさに満ちているなんて知らなかった。

    物語に出てくる彼らが特別に不幸とか幸せ者だとかではない。なのに満ち足りた気持ちとまだ何か物足りなさと、二つの空気が一緒にあって今までにない読書体験でした。

    特にエチュードでS氏とみんなで

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    2025年09月09日
  • 人質の朗読会

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    やっぱり小川洋子作品にはハズレがない。夢の中にいるような、原風景を見ているような、生きているけどすぐ側には常に死があるような。この本の中で特に好きだったのは「やまびこビスケット」「B談話室」「槍投げの青年」「花束」かなー。解説で紹介されている小川さんの言葉「物語として残しておきたいと願うような何かを誰でも一つくらいは持っている」「それらを見つけ、言葉ですくいあげてゆくときのわくわくする気持ちが好き」。自分には出来ない言語化をしてもらってる感じ。

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    2025年09月07日
  • ホテル・アイリス

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    ネタバレ

    かなり食らった
    官能小説だと聞いて読んだが官能的なものもエッセンスにありつつも穏やかで脆く儚い小川ワールドが広がっていて、それに加えていつもよりも激しさを増した表現が響いた
    主人公の気持ちに入り込みやすかった 心情表現の奥ゆかさも凄い

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    2025年09月07日
  • ブラフマンの埋葬

    「ブラフマンの埋葬」

    この小説は、人にも場所にも名前がないおとぎ話だ。年代不詳、どこかの国の、山と海と川と沼に囲まれた村。

    芸術家の桃源郷「創作者の家」で管理人を務める若者の僕は、森で親とはぐれた小動物を「ブラフマン」と名付けて飼い始める。
    よそ者の男とつきあう雑貨屋の娘への僕の恋心。

    ひと夏が過ぎ、季節風が死の気配を運んでくる。
    この得も言われず愛らしい生き物がなんという動物なのか書かれていないが、そこが限りない夢想を誘って効果的だ。

    読み手に具体像を思い描かせない力があり、それがこの小説をファンタジー以上のものにしているのだ。
    映像文化に押されている小説だが、この小説を読むと、今もって言葉だけに成し得る魔

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    2025年09月02日
  • ブラフマンの埋葬

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    静謐なものがたりだった。死は、特別なものではなく当然なものとして生活に溶け込んでいた。印象に残ったのが、アレルギーだからとあれほどブラフマンを毛嫌いしていたレース編み作家が、一晩でブラフマンのおくるみを編み上げたこと。黙祷を捧げたこと。そして、ブラフマンを轢き殺した娘にも、きっと悪意はなかったこと。だって、ブラフマンが飛び出してきたとき、きつくブレーキを踏み続けていたから。

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    2025年08月31日
  • 密やかな結晶 新装版

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    あらゆるものが失われていく世界だからこそ、誰にも触れられない確かなものの重要性、美しさをまざまざと感じるお話だった。

    「消滅」とは姿かたちがそのまま消えていくことだけではなくそれに付随した記憶や思い出まで消えてしまうこと。物質の消滅に伴い主人公たちも徐々に人間味を失っていく様子が印象的だった。
    また、例え形がなくなっても記憶として覚えておけばそこに存在することだってできるのだと主張しているようにも思えた。
    心の奥底の誰にも触れられないところに閉じ込めておく確かな思いが、消滅のしない"密やかな結晶"なのであろう。

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    2025年08月26日
  • 人質の朗読会

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    ひとまとまりのお話だけれど、短編集のような構成。一人ひとりの静かなコアな地味な物語が、心に染み入ります。小川洋子さんの世界観は人であることでしか味わえない心理描写をいつも描いてくれて、それがたまらなく大好きです

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    2025年08月22日