小川洋子のレビュー一覧
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一つずつ消えていく記憶
けれど、人間の心や感情まで、誰も奪うことは出来ない。
素晴らしい本です。一気に読んでしまいました。
全ての言葉に無駄がなく、完成されていると感じました。
生きる事、誰かを想い大切にすること、今の時代にこそ読むべき本だと思います。Posted by ブクログ -
話を全て理解できるわけではない。
でも、小川洋子さんの静謐な世界観が強烈に心に残る。
消滅する世界に順応していく人。
消滅せずに狭い部屋に潜む人。
この奇妙な世界に、秘密警察の存在が輪をかけて恐怖心を煽る。
ところで消滅がやってきたら、記憶も消える。そして残された世界で生活する。となると、私にもこれ...続きを読むPosted by ブクログ -
この作品の読書感想文を書くには、私の文章力はとても足りない。
それくらい圧倒されるのです。
小川洋子さんの紡ぐ言葉たちは小川さんが作り出す物語同様、優しくて繊細で儚い。
一文字も逃したくない洗練された文章。
この物語の世界はとても寒くて淋しくて不安で切ないけれど、そんな状況下で蝋燭の火をぽっと灯し...続きを読むPosted by ブクログ -
物語とは、自分自身に現実にあるものを受け入れるもの。小説は現実に即した物語として、読み手や書き手に、そこにあるものを感じさせる。規則から生まれる合理性だけで世界は成り立っているわけではなく、そこにある偶然も含めて、その現実や矛盾をどう取り込むか、大きな流れの中で個性が現れる。(大樹)Posted by ブクログ
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物語とは、自分自身に現実にあるものを受け入れるもの。小説は現実に即した物語として、読み手や書き手に、そこにあるものを感じさせる。規則から生まれる合理性だけで世界は成り立っているわけではなく、そこにある偶然も含めて、その現実や矛盾をどう取り込むか、大きな流れの中で個性が現れる。Posted by ブクログ
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温かくて優しいのに、冷たくて寂しくて残酷。
消滅を強要されることも、それを平気で受け入れるのも寂しくて、怖しい。
そして、私にとっての「密やかな結晶」とは何だろうかと考えてみる。Posted by ブクログ -
かなり前から存在は知っていたのですが、なるほどこういうお話だったんですね。
博士と、男の子とそのお母さんと、3人が共に関わり合い成長していく姿に感動しました。
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今1番好きな本。淡々と存在が消えていく事を受け入れながら生きる人、いつまでも存在が消えない人の想い。じわじわと涙が溢れる。大事にしたい一冊。Posted by ブクログ