小川洋子のレビュー一覧

  • 最果てアーケード
    アーケードを中心とした短編小説。
    時系列がバラバラで1遍1遍は不思議な世界観だが、最後まで読んだ時にこの本の仕掛けがわかるちょっと切ないお話です。
  • 博士の本棚
    「博士の本棚」エッセー
    小川洋子さんはエッセーもおもしろい。
    短編集なので、ちょっと空いた時間にサラッと読める。

    「博士の愛した数式」を執筆するエピソード(ちょっとだけ抜粋)
    「完全数を背負う投手」
    『28は完全数。この一行を眺めてひらめいた。江夏の背番号じゃないか、と。ここから江夏豊を愛する数学...続きを読む
  • 最果てアーケード
    とにかく頭に映像が思い浮かぶ。読んだ人と一緒に同じような映像を想像してるのか絵に描いて突き合わせたりしたい。
  • 不時着する流星たち
    ぞくぞく。不穏。そわそわ。ざらり。
    もしかしたらどこかにいるかもしれない不思議な人たちのお話。実在した人をモチーフに着想された短編集。発想力に脱帽です。再読。
  • 最果てアーケード
    1日に客が一人も来ないようなマニアックな店が並ぶ、古い商店街。その商店街の大家をしている父と、老犬べべと暮らす主人公は、商店街で買われた商品を客の家まで届ける仕事をしている。古着から取ったレースばかりを扱っているレース屋に訪れた老女は、家で誰にも着られない舞台衣装を作っているという…。

    同一主人公...続きを読む
  • そこに工場があるかぎり
    小川洋子さんのものの見方とその表現が、本当にわたしは好きなんだな、と再認識させてくれた一冊。工場という未知の世界への誘いとしてもとても面白かった。
  • やさしい訴え
    空気感が素晴らしいです。
    はっきりと書かれていないけれど、みんな、ほんとうに全員が置かれている状況を理解しています。
    わかったうえで、どうすべきか、行動しています。
    でも、人も動物です。
    したい、触れたい、という気持ちは抑えられない。
    それが限りあるものであり、失う危険もあるものだから、だからなおの...続きを読む
  • そこに工場があるかぎり
    この作品を読みながら、亡くなった祖父を思い出しました。
    私の祖父は、戦後の何もないところから小さな町工場を立ち上げた人でした。
    その祖父が亡くなった時、葬儀場へ向かう前「最後に寄りたい場所がありますか?」と葬儀屋さんが一言。私達家族は迷わず祖父が必死に守ってきた工場を選びました。

    紹介されていた工...続きを読む
  • そこに工場があるかぎり
    ものづくりの魅力。筆者の原体験から始まった大人の工場見学。瑞々しい感性と表現力はさすが。

    筆者の生まれ育った岡山。近所のお菓子工場、溶接火花の飛び交う鉄工場、子供には謎だったお酢工場など。

    そんな原体験からの工場への深い思い入れから始まった企画。6つの工場、それぞれの下調べから訪問、執筆までおよ...続きを読む
  • とにかく散歩いたしましょう
    小川洋子さんは、それほどたくさん読んでいるわけじゃないが、文章が詩的で美しいと思う。
    これは小説ではなくエッセイなのだが、毎日の暮らしを描写するだけでも、例え方とかが、まるで音楽のよう。
    私は綺麗なものには綺麗とか美しいとかしか言えないんだが、
    小川さんにかかると、そこにひとつの物語が現れるような気...続きを読む
  • とにかく散歩いたしましょう
    小川洋子さんは、それほどたくさん読んでいるわけじゃないが、文章が詩的で美しいと思う。
    これは小説ではなくエッセイなのだが、毎日の暮らしを描写するだけでも、例え方とかが、まるで音楽のよう。
    私は綺麗なものには綺麗とか美しいとかしか言えないんだが、
    小川さんにかかると、そこにひとつの物語が現れるような気...続きを読む
  • 口笛の上手な白雪姫
    小川洋子さんの短篇集。

    「先回りローバ」
    「亡き王女のための刺繍」
    「かわいそうなこと」
    「一つの歌を分け合う」
    「乳歯」
    「仮名の作家」
    「盲腸線の秘密」
    「口笛の上手な白雪姫」


    「先回りローバ」
    「亡き王女のための刺繍」
    「盲腸線の秘密」
    個人的には、この短篇が好きだった。

    なにか静かな...続きを読む
  • 生きるとは、自分の物語をつくること
    私の人生の教科書がまたひとつ増えました。
    大切な、大切な本になると思います。
    あとがきで泣いてしまったのは初めてです。
  • 口笛の上手な白雪姫
    静かで不思議、そしてなんとなく寂しさが伴う短編集。主人公たちは自分だけの秘密の世界を孤独に、でも毎日しっかりと生きている。そんな感じがしました。

    特に好きな作品は、「かわいそうなこと」と「仮名の作家」。思わず泣いてしまったのは「一つの歌を分け合う」。

    「かわいそうなこと」は「かわいそう」と思った...続きを読む
  • 余白の愛
    耳を病んだわたしは、ある座談会で速記者Yと出会い、彼の指に惹かれる。

    F耳鼻咽喉科病院と、病室の窓からマロニエ越しに見えるホテル。離れにあるささやかな美術館。
    まるで絵に描いたような美しい風景が、目の前に広がっていく。
    静かな物語にもかかわらず、終始ドキドキしていた。
    記憶の引き出しの中に、もう一...続きを読む
  • 妊娠カレンダー

    妊娠カレンダー

    なにか怖いと思うシーンが何回かあり、思わぬ方向に話が進んでいくのではという冷静な興奮を与えてくれるストーリーだった。
  • 偶然の祝福
    また好きな本に出会ってしまった。
    悲しみや寂しさ、影が通奏低音として流れている文章が好きだな。
    お手伝いのキリコさんの話が好きです。
  • 余白の愛
    地球っこさんに教えていただいた本。

    小川洋子さんのすばらしい世界観。
    とても文学的で物語の中に引き込まれました。
    静かに流れる物語が、読み終えるのが惜しいと思いました。
    これは手元に置いておいて、何度も読み返したいと思います。

    ありがとうございました。。。
  • 口笛の上手な白雪姫
    8つの短編小説。
    どれも出てくるひとが愛らしい。
    悪い人はいないし、一生懸命に"こだわり"をもって生きている。
    その"こだわり"をなんとなく理解できるから、不思議だ。
    きっと、真の人間心理を理解している作者の手腕だと思う。
    個人的には『仮名の作家』と『口笛上手な白雪姫』が好き。
    どちらも、うまく生き...続きを読む
  • 博士の愛した数式

    やさしい

    数字を、数式を、数学を美しいと初めて感じられた。私は終始ゆったりとした空気感を感じながら読みすすみましたが、読み終わるのはあっという間でした。