小川洋子のレビュー一覧

  • ミーナの行進

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    思い出は色褪せないことを教えてくれる 
    芦屋の洋館、伯父さんの家で1年暮らすことになった朋子の日記のようなお話。読んでいるときに、脳裏に描き出される人物や景色や出来事が、なんていうか自分もそこにいたい!と嫉妬させられるほど生き生きとして素晴らしい。
    そして、時々「あれから何十年たっても」みたいな描写が入ると、そうかこの出来事は遠い昔のことか、と思いながらも、私にとっても決して忘れたくない色褪せてほしくない大切な思い出になる。読み終わりたくなかったが、読み終わったあとすごく前向きになれた。大好きな作品に仲間入り。

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    2025年12月05日
  • 科学の扉をノックする

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    これは面白い!一気読み。しばしば感涙しそうになる。「1.宇宙」「2.鉱物」「3.DNA」「4.スプリングエイト」「5.粘菌」「6.遺体科学」「7.トレーナー」という科学のスペシャリスト7人へのインタビューなんだけど、この感動はなんだろう?どの方も素晴らしいのは確かなんだけど、お話を聴き受け止める小川さんの感性に共感するところが大きいのかなぁ。

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    2025年07月05日
  • そこに工場があるかぎり

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    ものを作ることは人間にしかできないこと。
    それは人間に想像力があることとイコール。

    穴を開ける、お菓子、乳母車、ボート、ガラス、鉛筆。
    派手ではないけれど、なくてはならないものを作る人々。
    それを見て、文章を書く小川さんの視点がよい。
    小川さんの工場のチョイスもいいし、大変楽しい工場についての本でした

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    2025年06月16日
  • ミーナの行進

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    ほっこりしました。誰でも子どもの時にあるような家族の経験なのに、小川さんの手にかかればまるで詩のような美しい物語になってしまう。素晴らしい話だった。ミーナがきちんと大人になれるかハラハラしたが、ドイツまで行進できて、無事に仕事にも就けて安心した。いつまでも仲の良い2人でいて欲しい。

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    2025年06月01日
  • 耳に棲むもの

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    小説と並んで、装幀、装画・挿絵もすばらしい。群像に掲載された短編を集めた作品集です。なかでも『骨壷のカルテット』の世界観と描写は、これぞ小川洋子さんというもので、これから私は何かにつけて「耳に棲むもの」に思いを馳せることになりそうです。

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    2025年05月31日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    対談の柔らかくあたたかい雰囲気が良い。
    カウンセリングと物語の話もとても興味深いが、個人的には、河合隼雄さんの著書や対談を通して小川洋子さんが「なぜ小説を書くのか」という、若い頃には答えるのが苦痛だった問いに対して、「誰もが物語を作っているのだ」という気づきを得て答えを見つけていった、というあとがきの文章がとても素敵だった。

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    2025年05月22日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    タイトルに惹かれて。金言だらけだった。人間はつらいときにその人なりの物語として落とし込んでいる。「個」は自分の知ってる範囲内。人間は矛盾しているから生きている。

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    2025年05月17日
  • 口笛の上手な白雪姫

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    8つの短編の中で『亡き王女のための刺繍』は小川洋子さんならではの妖しい毒っ気が美しかった。『かわいそうなこと』も良かったなあ。敏感なアンテナを大人になっても持ち続けている作者は日々の中で辛くなることはないのだろうかと心配になると同時に羨ましい。
    でも、一番好きだったのは『一つの歌を分け合う』。同じ時代を生きる人たちは大縄跳びみたいに次々この世を抜けていく。だけどそれはおしまいじゃなくて、帰れる、焦がれた人たちに合流できるという優しい気持ちで越えられる一線。レミゼラブルから受け取れるうちのそんなひとつを、たった二十数ページで表せられるのがすごい。

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    2025年05月17日
  • 博士の愛した数式

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    博士の愛した数式

    何度読み返ししても、博士と家政婦さんとルートの絆に温かい感情が湧いてきます。映画もこの作品の品格を損なわない素晴らしいものでした。

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    2025年05月15日
  • アンネ・フランクの記憶

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    今度オランダ旅行へ行くので、『アンネの日記』を読み始めました。
    そこからアンネに興味が出て調べていたところ、こちらの本を発見。
    アンネの足跡を辿るエッセイという事で、旅行前にピッタリだと思い読んでみました。
    実際にアンネの日記に登場する方にお会いしていて驚き。小川さんの繊細な言葉遣い、描写に涙が出そうになる場面もありました。
    旅行関係なく、すごく好きなエッセイになりました。

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    2025年05月05日
  • 遠慮深いうたた寝

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    エッセイを久しぶりに読んでいます。昔好きだったのは、向田邦子さん、伊集院静さんのエッセイ。小川洋子さんのエッセイも面白い。一つのお話から得るものがいくつもある。

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    2025年04月27日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    「ああ、これは書きながらさぞかし興奮しただろうな。」と思わされる調った美しい1冊。

    枝葉末節まで拘られた緻密さ/読んでいて夢の海を泳いでいるような雄大さ。静謐で/力強い。嬉しくて/悲しい。希望的で/絶望的。理性的で/感情的。モノトーンで/カラフル。そのバランスたるや!完璧としか言いようがなかった。

    読み手も大分エネルギーを求められる分、なんだかキョウソウ(共創/協奏/競争)してるなあと思わされる。旅か漂流か、読んでいてどこか遠くへ連れて行かれる。

    彼らはずっと「そこ」にいるのに。

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    2025年04月13日
  • 遠慮深いうたた寝

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    小川洋子の目を通したら、日常はもう少しコミカルでユニークに映るだろうか。うたた寝、というのは内田百聞の短編「件」から来ているらしい。

    慣れない子育てをしながら家事をこなし、忙殺される中だったからこそ、彼女は小説を書かざるを得ない状況だったと言った。読むだけで満足できない、書きたいという創作の衝動は私もそういうものだと思う。ペンを握れば、今ここではない場所へと翔び立てる。本書では小説を書くネタのはじまりも書かれているのだが、物事一つの受け止め方にしろ、なんて感性が豊かさなんだろうと思った。私も、もっと自分の妄想を歓迎したいと思う。

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    2025年03月08日
  • 最果てアーケード

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    最初は大人のための童話・おとぎ話を読んでいるような気持ちだったけど、
    だんだん主人公の輪郭がぼやけていくような不穏な感覚が高まっていく。

    外国のようで、昭和の日本のようで
    本当に不思議な世界観。
    不穏さ、奇妙な売り物。
    全部好きです。

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    2025年02月19日
  • 博士の愛した数式

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    最高の出会い

    主人公とルートにとって、博士はかけがえのない存在になっていく過程にほのぼのした気持ちにさせられました。毎日、会うたびに博士は二人のことは覚えていなかったけれど、丁寧に接する博士は温かい心の持ち主なんだなあ。ルートはのびのびと成長したことが窺われ、安心しました。博士と出会っていなかったら、別の人生を歩んでいたでしょう。博士に会えて良かったね。

    #ほのぼの #切ない

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    2025年02月18日
  • 約束された移動

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    装丁の美しさ、短編一つひとつの美しさ。
    「寄生」という題の奇跡のお話。何かをし終えたときに「ちゃんと果たせた?」と訊いてくれる人がいて、それに頷けることの幸せ。利他の心と誠実さを持つ人だけが得られる幸せ。そして私には、その物語を読める幸せ。

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    2025年02月05日
  • 最果てアーケード

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    不思議なアーケードの片隅で起こる「死」を弔う話。異国の童話のような不思議な世界観だった。「死」を美しく拾い集めた話の数々は、読後に喪失感を感じながらも、どこか心の傷を埋めてくれるような不思議な気持ちになった。ライオンのドアノブの奥の窪みのような場所はどんな人にもあるのだろうか。きっと誰にでもそんな場所はあって、見つけたいような見つけたくないような不思議な場所だと思った。

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    2025年02月01日
  • 沈黙博物館

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    読んでいるうちにだんだんと怖くて不安で後ろも振り向けなくなっていって読むのもやめられない

    文章の力をすごく感じた作品

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    2025年01月30日
  • 博士の愛した数式

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    数学が1番好きなのですごく刺さりした。
    数学を入れ込むとどうしても論理的で冷たくなりがちですがこの作品は心が温まる作品です。引き続き数学を勉強したいと思います笑

    #感動する

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    2025年01月30日
  • 最果てアーケード

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    ささやかな物品や情景から垣間見える人柄など
    目にうかぶお話。
    今は無き、故郷の昔馴染んだ店々が思い浮かぶ。
    八角形のラーメン屋、祖母と行ったおやきとかき氷、手芸屋のおじさん先生、甘茶の匂いのお茶屋、飴色の喫茶店のコーラフロート、乾物屋のじいちゃん、母の財布を盗んで行った駄菓子屋、犬と散歩に行った時可愛がってくれた、食パンがとにかくおいしいパンやさん、やさしいお姉さんの肉屋さん、

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    2025年01月14日