小川洋子のレビュー一覧

  • ミーナの行進

    Posted by ブクログ

    芦屋の洋館で育まれたふたりの少女と家族の物語。
    自叙伝とファンタジーが融合したような不思議な感覚。
    心温まる話の中で伯父さんや伯母さんなど謎めいた人たちが良いアクセントになっている。
    大好きな映画「ドライビング MISS デイジー」を彷彿させる。

    0
    2025年03月27日
  • 遠慮深いうたた寝

    Posted by ブクログ

    小川洋子の目を通したら、日常はもう少しコミカルでユニークに映るだろうか。うたた寝、というのは内田百聞の短編「件」から来ているらしい。

    慣れない子育てをしながら家事をこなし、忙殺される中だったからこそ、彼女は小説を書かざるを得ない状況だったと言った。読むだけで満足できない、書きたいという創作の衝動は私もそういうものだと思う。ペンを握れば、今ここではない場所へと翔び立てる。本書では小説を書くネタのはじまりも書かれているのだが、物事一つの受け止め方にしろ、なんて感性が豊かさなんだろうと思った。私も、もっと自分の妄想を歓迎したいと思う。

    0
    2025年03月08日
  • 密やかな結晶 新装版

    Posted by ブクログ

    次々と何かが消失していく架空の島、という設定に小川先生の美しい文体が合わさってまさに大人ファンタジー。記憶を持った人々が秘密警察に迫害される様はアンネの日記のオマージュらしい。消失を描くことによりこの世に存在する物の美しさが際立つ画期的な小説。

    0
    2025年03月02日
  • 最果てアーケード

    Posted by ブクログ

    最初は大人のための童話・おとぎ話を読んでいるような気持ちだったけど、
    だんだん主人公の輪郭がぼやけていくような不穏な感覚が高まっていく。

    外国のようで、昭和の日本のようで
    本当に不思議な世界観。
    不穏さ、奇妙な売り物。
    全部好きです。

    0
    2025年02月19日
  • 博士の愛した数式

    購入済み

    最高の出会い

    主人公とルートにとって、博士はかけがえのない存在になっていく過程にほのぼのした気持ちにさせられました。毎日、会うたびに博士は二人のことは覚えていなかったけれど、丁寧に接する博士は温かい心の持ち主なんだなあ。ルートはのびのびと成長したことが窺われ、安心しました。博士と出会っていなかったら、別の人生を歩んでいたでしょう。博士に会えて良かったね。

    #切ない #ほのぼの

    0
    2025年02月18日
  • 約束された移動

    Posted by ブクログ

    装丁の美しさ、短編一つひとつの美しさ。
    「寄生」という題の奇跡のお話。何かをし終えたときに「ちゃんと果たせた?」と訊いてくれる人がいて、それに頷けることの幸せ。利他の心と誠実さを持つ人だけが得られる幸せ。そして私には、その物語を読める幸せ。

    0
    2025年02月05日
  • 最果てアーケード

    Posted by ブクログ

    不思議なアーケードの片隅で起こる「死」を弔う話。異国の童話のような不思議な世界観だった。「死」を美しく拾い集めた話の数々は、読後に喪失感を感じながらも、どこか心の傷を埋めてくれるような不思議な気持ちになった。ライオンのドアノブの奥の窪みのような場所はどんな人にもあるのだろうか。きっと誰にでもそんな場所はあって、見つけたいような見つけたくないような不思議な場所だと思った。

    0
    2025年02月01日
  • 沈黙博物館

    Posted by ブクログ

    読んでいるうちにだんだんと怖くて不安で後ろも振り向けなくなっていって読むのもやめられない

    文章の力をすごく感じた作品

    0
    2025年01月30日
  • 博士の愛した数式

    購入済み

    数学が1番好きなのですごく刺さりした。
    数学を入れ込むとどうしても論理的で冷たくなりがちですがこの作品は心が温まる作品です。引き続き数学を勉強したいと思います笑

    #感動する

    0
    2025年01月30日
  • 最果てアーケード

    Posted by ブクログ

    ささやかな物品や情景から垣間見える人柄など
    目にうかぶお話。
    今は無き、故郷の昔馴染んだ店々が思い浮かぶ。
    八角形のラーメン屋、祖母と行ったおやきとかき氷、手芸屋のおじさん先生、甘茶の匂いのお茶屋、飴色の喫茶店のコーラフロート、乾物屋のじいちゃん、母の財布を盗んで行った駄菓子屋、犬と散歩に行った時可愛がってくれた、食パンがとにかくおいしいパンやさん、やさしいお姉さんの肉屋さん、

    0
    2025年01月14日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

    Posted by ブクログ

    内容を全く予想していなかったが、とんでもなく良き出会いとなった一冊。どのページをとっても河合隼雄先生の温かさ、目の前の一人の人間にぶつかる真剣さ、そしてプロフェッショナルに触れる事ができた。


    0
    2025年01月11日
  • ブラフマンの埋葬

    Posted by ブクログ

     この人の文章、多分特に自分のツボなんだろうけど本当に魅力的。

     小説の面白さの一つは、読み進めながら自分なりに想像を膨らませて着色していくところにあると思うけど、この作品ほど読者に想像のゆとりを設けてるものは無いように思う。

     建物ひとつとっても、動物ひとつとっても、読む人によってまったく違った色形で記憶になっているような気がする。

     小川洋子さんにしか書けないこの尊さというか、儚さというか、整いきった危うさはなんなんだろう。
     沈むみたいに、縋るみたいに、飲み込まれるみたいに、ずうっと文章を読んでいたくなって、不思議。

     今作においては、人物などの固有名詞が出てこないという世界観も

    0
    2024年12月31日
  • からだの美

    Posted by ブクログ

    細部に宿った魂について書いたエッセイ。バレエダンサーの爪先、力士の膝、シロナガスクジラの骨……それぞれに細部に込められた魂や芸術がある。

    0
    2024年12月09日
  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか

    Posted by ブクログ

    100分de名著をたくさん読む。を目標にしました。記念すべき一冊目。
    原書は有名だけど読んだことないし、けっこうネガティブな評判を聞いていたこともあり、読もうという気持ちもなく。。

    泣きました。号泣。
    いろいろ考えさせられたけど、感銘を特に受けたのは、迫害を受けている中でもユダヤ人たちがなにかを学ぼうとする、その尊い力。
    大人から子供まで、未来があると信じて学ぶ意味を見出し外の世界とつながろうとする。
    ユダヤ人が優秀で成功者が多いその一端を見た気がしました。

    0
    2024年11月30日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

    Posted by ブクログ

    チェスなんて知らないし難しそうだな、と思いつつ読み始めたらスルスル読める。すーっと入ってくる。最後は泣かずには読めない。

    0
    2026年01月08日
  • からだの美

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    スポーツ選手、将棋の棋士、俳優、文楽の人形遣い、赤ちゃんなどの体の一部に焦点を当てたエッセイ。他にもレース編みをする人の指先、とか、動物の体に着目したものも。「ハダカデバネズミの皮膚」っていうのが面白かった。それぞれ写真が添えてあり、「外野手の肩」のエッセイではイチロー選手が遠投しているときの写真が載っている。本当に、美しい。「力士のふくらはぎ」では、もうほぼ、後ろに倒されているのに、それでも相手より持ちこたえようと、ひざから下の力だけで自分の全身を支えているありえない写真が。
    「その時」体の一部がどうなっているのか、なぜこんなにも美しいのかと、小川洋子さんにしか綴れない言葉で綴っている。本当

    0
    2024年11月20日
  • やさしい訴え

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    小川洋子さんの静かで芯があって冷たい印象なのにどこか温かい文章が好き。
    薫さんと新田氏の不思議な関係、惹かれました。
    そこに隙間を探し、入り込もうと躍起になる主人公の気持ちにも共感できる。
    別荘の時間の流れ、現実から切り離された雰囲気。

    0
    2024年11月20日
  • 琥珀のまたたき

    Posted by ブクログ

    母親から与えられた壁の内側の生活は色んな愛溢れた暖かい生活だと思いながら読んでいましたが、後から恐ろしい内容だったなとじわじわ気づかされました。それくらい言葉が優しく美しいです。

    オパール、琥珀、瑪瑙が成長するにつれて隠し事が増えていく度に、母親に愛されていたい、母親が好きなこどもでいたいという想いを感じてしまい切なくなりました。

    小川洋子さんは私の知らない感情を引き出して満たしてくれます。とても大好きな作家さんです。

    1
    2024年11月14日
  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか

    Posted by ブクログ

    すばらしかった

    「紙は人間よりも辛抱強い」
    言葉は心を外に放つ通路

    ことばは、希望あり光であり宝

    0
    2024年10月31日
  • ブラフマンの埋葬

    Posted by ブクログ

     小川洋子さんの作品を読んでいると、やはり他の作家の方々とは一味違う、静けさのようなものを感じずにはいられない。あとがきにもあったが、まるで夢のようである。
     小川洋子作品の特徴として、登場人物の素性がわからないという点は誰もが知る所だろう。この点があるために、登場人物の感情に入り込みすぎず、夢を見ているように、俯瞰的に作品と向き合えるのかも知れない。

    0
    2024年10月21日