小川洋子のレビュー一覧
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静かで奇妙な7つの短編。
他の作品同様小さな世界や特殊な人たちの描き方が独特。
知らない世界でも実は既に知っていたんじゃないかと思うほど目に浮かんでくる。
著者へのインタビューも充実。
過去の作品の話も知ることができうれしい。Posted by ブクログ -
「移動する」物語6篇。
それぞれ主人公の秘密をこっそり教えてくれているような感覚になる。
秘密という言葉は尊厳という言葉に置き換えてもいいという解説も印象深い。
そして毎回作者の人や動物の表現が緻密で驚かされる。Posted by ブクログ -
「彼ら」とは動物。
8篇とも人の傍に寄り添い重要な役割をする。
静かで温かい。
中年女性が主人公の「帯同馬」と「竜の子幼稚園」が特に良い。
自然と小川洋子本人が主人公のように想像してしまい不思議な感覚になる。Posted by ブクログ -
特殊で個性的な店が集まる世界で一番小さなアーケード。
配達係の女の子の視点でアーケードの出来事が語られる。
お客さんも個性的で面白く引き込まれる。
微笑ましさと物哀しさが同居した著者ならではの世界を堪能する。Posted by ブクログ -
作者の動物の描写には脱帽。ワールド全開。
章の終わりのブラフマンの取説が微笑ましい。
ラストは唐突でありながら埋葬品の中身で救われる。
いつまでも読んでいたいと思わせてくれる作品。
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短編集。人間らしいというか、人間も一つのただの生き物として生々しく描かれるお話と、
一つの生き物としてとにかく美しくこの世のものでは無いくらい神秘的に描かれるお話もあり、
それらが小さな箱にぎゅっと詰まっている、感覚。
この感覚何かに似てると思いながら、なかなか思い出せなかった。とにかく繊細に微細に...続きを読むPosted by ブクログ -
小川洋子さんの拠り所のような本である「アンネの日記」
「アンネの日記」はまだ人生で完読してないので、こちらを読んでみた。アンネが日記を書くことを通して自分を客観的に捉えていたり、過酷な状況下でもユーモアを交えて文章を書いている早熟さを感じた。Posted by ブクログ -
何とも表し難い読後感であった。収録作はどれも、日常ありそうな風景の中に一抹のファンタジー要素を含んでおり、不穏な気配を漂わせている。
普段小川洋子さんの作品にはしっとりとして柔らかな静けさを感じるのだが、本書ではそれがあまり感じられず、ストーリーの運びは紛れもなく小川洋子作品であると思えるのだがどこ...続きを読むPosted by ブクログ -
小川洋子さんの綺麗な文章で世界的有名なアンネの日記について文学的な視点から説明していて非常にためになる解説本であった。Posted by ブクログ
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小川洋子の文章は、基本的にクールに硬質に淡々と続く(解説 藤森照信)
その小川洋子の文章が素敵。
結末は「博士の愛した数式」とか「ことり」とか読んでいるとそうなるなーと思うけれど、どの作品も悲しみよりも優しさが残る感じが好き。Posted by ブクログ -
失われていく物語。失われていくことをただ受け入れるしかない恐ろしさ。おじいさんの死さえもあのタイミングで死ねてまだ幸せだったと思えるくらい最後は虚しく辛い。全てが消えてやっと安心できたと思う。何も疑問に思わない人は楽だなと思う、色々考え気づいてしまうと人生辛いPosted by ブクログ
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うまく理由を言語化できないけれど、
とにかく空気感や文章が好き。
人生の中の出来事が、
職業選択に繋がっていて、そうか〜と感慨を受けたり。
でもただ明るいというよりは
静かに生と死が流れている感じ。
やまびこビスケットと花束が特に好きかな。Posted by ブクログ -
ときどき私にとって理解と想像がむずかしい場面もありましたが、文章ひとつひとつが繊細で美しく、小川洋子さんの描く世界観に引き込まれ、時が静まりかえったかのように読んでいました。Posted by ブクログ
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安定の小川洋子さん。読み終わったあとでも、印象に残ったシーンが絵画のように残る感じがすごく好き!
物語全体は切ない、重い雰囲気だが不思議と嫌な気持ちにはならずに最後まで読める。Posted by ブクログ -
人生の中で誰しもひとつは持つ大事な出来事、自分を変えた出来事を朗読していくもの。人質たちの置かれている状況自体はそこまで関係がないように感じて、実はお互いがそれを共有するという意味で重要となり悲しいような美しいようなそんな作品だった。Posted by ブクログ