小川洋子のレビュー一覧
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『密やかな結晶』のあの雰囲気が凄く好きで、そういえば氏の本を積んでいたのを思い出し。期待に違わずとても好みだった。
亡くした子供の成長を祝い続ける大人しかいない街。産院は潰され、幼稚園ももう本来の使われ方はしていない。ゆるやかな崩壊を予感させるそんな世界で、人々はただ静かに彼らの名残を慈しむ。骨や爪で作られた小さな楽器で一人だけの音楽を奏でたり、ささやかな誕生会を開いたり。時には、首にかけたおしゃぶりを吸ったり、乳首が露わになるのも構わず子供用の水着に身を包み夏のプールで泳いだり。それぞれの方法で弔う姿は、あまりにも幸せそうで、憐憫の情どころかかすかな嫉妬すら感じさせる。愛しい人の大切な小箱 -
Posted by ブクログ
小川洋子さんが新聞に月一連載していたエッセイを一冊にまとめた本
表紙にもいるラブラドールのラブとのお話が印象的な一冊です
・本の模様替え
一度読んだ本でも中身をきちんと覚えていないことはもちろん、何なら内容を改変して覚えてしまっていることもあるよね、というお話
『走れメロス』のストーリーを180度反対に覚えていたお話がおもしろかった。
・キャベツ共有の和
家庭菜園を始めた小川さんが作物につく虫やナメクジを観察して気づいたことを書かれたお話
自分のことを思い返すと子供の頃は虫が平気だったのに、大きくなるにつれて苦手になり、最近また平気になりつつある。じっくりと虫たちの動きを観察する余裕が自分 -
Posted by ブクログ
「物語」は今年少し強めに関心を持ってみようかなと考えているテーマの一つ。まずは導入ということでこちらの本から。何の気なしに手に取りましたが河合隼雄さんの最後の対談本で、しかも途中で終わってしまっていたものだったのですね。『ブラフマンの埋葬』を題材にした会話はぜひ読んでみたかったので残念ですね。
物語というものが持つポジティブなパワーについては既に学んでいたり実感している部分もあるのでそういう意味では心理師としての河合さんのいう物語の効用についてはまぁそうだよね、という感じで、むしろ小川さんの物語ることに対しての使命感のような感覚や創作についての感覚が面白かった。今後探っていきたいのはむしろ物語