小川洋子のレビュー一覧

  • 犬のしっぽを撫でながら
    エッセイ集。数学のこと、アンネ・フランクのこと、犬のこと、阪神タイガースのこと、そして小説を書くということについて述べられています。小説に対する真摯な姿勢が胸を打ちます。読むこちら側も背筋が伸びる思いです。しかしかと言って堅苦しくないのは、作者の持つ人柄と清楚な文章のおかげでしょうか。やはり小説を読...続きを読む
  • 博士の愛した数式
    よかった!!ずっと気なっていたものの小説やビデオは時間がかかると思っていたら、漫画ででていたので読んでみたら思いのほかよかったです。
    数式も本当に美しく見えてくるし。
    とにかくハッピーエンドが一番いいですね☆
  • アンネ・フランクの記憶
    「アンネの日記」には感傷的な少女のアンソロジーというイメージがあり、実は読んだことがない。でも最近出た≪完全版≫をぜひ読みたくなった。いまだ読んだことのない私にも、圧倒的なパワーでアンネ・フランクの記憶をイメージさせる小川洋子さんの手腕は、凄いと思う。
  • 犬のしっぽを撫でながら
    ゆっくりとした本が読みたくなってチョイスしました。
    ずっと積読していたのですが。

    アンネフランクにまつわるエッセイは
    『アンネ・フランクの記憶』が蘇ってきて
    涙腺がゆるみました。
    とにかく静かで、壊れ物を扱うように
    大切なものを取り出してくれるような文章であって、
    その文体と相まって「失われたもの...続きを読む
  • 妖精が舞い下りる夜
    小説家のエッセイはその人の小説に対する想いが伝わり面白い。小川洋子の小説を書くという行為に対しての真摯な想いをひしと感じました。芥川賞の候補に選ばれてから、実際に受賞するまでのエピソードが面白いです。また阪神タイガースファンである筆者の「阪神カレンダー」に、小説とは別の側面を見ることが出来ました。
  • 犬のしっぽを撫でながら
    この人の書く、文章の表わすもののうつくしさには毎回頭が下がります。
    日常の何気ない一瞬を、ほんとうにうつくしくうつくしく表現してあって、うつくしすぎて読みながら何度も涙ぐんでしまいました。
    次は小説を読みたいです。
  • 犬のしっぽを撫でながら
    本や雑誌の山をずっと見て見ぬふりをしている。という一文を小川洋子は、「増殖する乱雑さを、見ないことによって許容する能力は、人よりずっとすぐれている自信がある。」なんて表現する。

    言葉をつなぎ合わせる能力、その表現力は圧倒的。彼女は言葉の魔法使いだ。

    温かく美しい言葉たちがここにある。
  • アンネ・フランクの記憶
    私は恥ずかしながら、アンネの日記を全て読んだ事がありません。今まで読んでこなかった自分を本当にはったおしてやりたい。
    薄氷の上を歩くかのように、慎重に選び抜かれ、抑制された言葉で、語られるアンネ。こちらも思わず息を潜めて読み耽った。
    あえて語弊を恐れずに言うのなら、これは、ナチスとは、戦争とはなんだ...続きを読む
  • 心と響き合う読書案内
    心と響き合う読書案内 (PHP新書)
    (和書) 2009年09月19日 08:28
    小川洋子さんがラジオ番組で本を紹介ものをエッセイ風にまとめたものです。
    50冊ほどの本が取り上げられています。
    このうち私が読んでいるもの、知識があるものを羅列してみました。

    教科書的な作品。
    「山月...続きを読む
  • 心と響き合う読書案内
    2009.07.13. とても良質な読書案内。読みたい本がどんどん増えること間違いなし、でした。好きな人の好きな本を追いかけることに、幸せを感じるので。読んでみての合う・合わないは横に置いといて。
  • 心と響き合う読書案内
    FMラジオ番組の書籍化とのこと。春夏秋冬の本の案内と巻末に放送時のBGM掲載。小川さん独特の読み方、感性がステキ。これを読むと名作にも手が出そう。20090526
  • 犬のしっぽを撫でながら
     一冊の本を読んで、この人の書いた本をもう一度読み返したい、それもすべて、なんて思える小説家は少ないのではないだろうか。やっぱり好きだなぁ、ぐらいで本を閉じることはあっても、そうそうこのかんじ、もっと味わっていたいのにもう終わってしまったものだから、別のあの世界にも飛び込みたい、と思えるような。小川...続きを読む
  • アンネ・フランクの記憶
    アンネ・フランクという女の子が少し前、この空の続きの中で生きていた。小川洋子さんはひそかな心の友人でありつづけたアンネの、彼女の息づかいをしっているひとたちを訪ねていく。

    アンネは片方の髪がいつもうまくいかなくて気にしてた。
    隠れ家の階段をマルゴーと足音をしのばせて登る。
    幼い女の子がこっそり生き...続きを読む
  • アンネ・フランクの記憶
    途中で読むのを止めようかなと思ったのですが、この本を読んで、一度アンネの足跡を訪ねてみたいなと思いました。
  • アンネ・フランクの記憶
    小川さんの目を通してアンネが本当に精一杯自分の「生きた証」を残した感覚も伝わったし,悲惨な歴史に観念的に理解しただけの自分の弱い精神が,歴史の重みを受け止めるのを拒んでいることに対し,少し前向きに取り組もうと思ったし,アンネに関わった人たちの信念に触れた小川さんたちの興奮や感動にも共感できた。
  • 博士の愛した数式
    BE LOVEで連載されてて読んでました。原作:小野洋子、絵:くりた陸
    記憶が80分しか持たない博士と家政婦、そしてその息子がほのぼのと描かれています。
    また数学の美しさが溢れてます。
  • 猫を抱いて象と泳ぐ
    チェスの才能に恵まれた少年の生涯の記録。

    彼の指すチェスは勝敗の次元を超え、芸術と称されるほどにまで昇華される域に達します。

    そんな彼が歩んだ道のりは、喜びや悲しみで彩られ、人によってはその濃淡の感じ方に差が出てくると思いますが、それとは別に温かさも感じてました。

    私は本を読むようになって15...続きを読む
  • ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)
    昔、立花隆の「サル学の現在」を読んで、人類の先祖がチンパンジーのように残忍ではなく、ゴリラのように穏やかな性格だったら我々はもっと平和な歴史を刻んだだろうなと思っていた。どうやら、僕の考え違いだったようだ。山際先生は集団間の暴力の理由を言葉、死者の利用、共感性としている。ユヴァル・ノア・ハラリ「サン...続きを読む
  • 博士の愛した数式
    小川先生の表現力。綺麗で心にスっと入ってきます。
    友愛数なんて知らなかったけど、ここまで数字にときめくなんて…笑
    博士の人間味のある感じも、ルートへの愛情も全てが美しかったです。
  • 完璧な病室
    最初期の四篇。文中の言葉にあった「秘密めいた心地よさ」を含む「残酷な気持ち」‥‥小川洋子作品を言い表している言葉だと思う。