小川洋子のレビュー一覧

  • ボタンちゃん

    Posted by ブクログ

    ボタンちゃんは、アンナちゃんのたいせつなブラウスのいちばん上。
    ある日、なかよしのボタンホールちゃんとはなれて、たびに出ることになって・・・・。
    ++++++++++++++
    食べ物の話ではないのですが、絵がとても素敵で、思わず購入しました。
    少し大きくなって、自分で読めるようになった子どもたちに、読んでほしい。

    0
    2019年05月05日
  • やさしい訴え

    Posted by ブクログ

    こんなにも徹頭徹尾「苦手かもこの人」と思う主人公がかつていたかしら。
    という感想を主人公の女性・瑠璃子にもった。

    とにかく視野が狭くて、自分のことしか考えていないのだ。
    好きな人とセックスに持ち込むことをねらい、持ち込めたら
    それを恋敵にチラつかせてマウンティングする。
    形成が不利になってきたら飼い犬を殺すと脅す。

    結構な感じにリアルにいやな女性なのである。
    小川洋子さんの文章力、すごい。
    ぐいぐい読んでしまった。

    きれいに振られるところが素敵な小説だと思った。
    人を書くって、きっとこういうことなんだろうなあ

    0
    2019年04月09日
  • 心と響き合う読書案内

    Posted by ブクログ

    数冊読んだことがあって、基本的には好きな小説家の手による書評集。とはいえ、最初から書評という形を取られていたものではなく、ラジオで話したものの字起こしってことだから、ちょっとニュアンスが異なる。ラジオで流れるってことは、読書家ってよりはもう少し一般寄りの相手が対象となる訳で、それもあってか、選ばれている作品も有名どころが占めることになっている。ブックガイド好きで、それらをよく読む目からすれば、既知・既読作品の割合が高い。かといって、刺激のない退屈な読み物となっていないのは、本書のリーダビリティの高さによるところも大きい。ラジオで話している内容だけに、伝わりにくい言葉は含まれないし、時間制限のある中で魅力を伝えなければいけない分、直達的な表現も多くなっている。回りくどい書評をあまり好まない自分としては、かなり高感度の高い書評集でした。敢えて言うなら、新たな発見は少なかったけど。

    0
    2019年01月21日
  • まぶた

    Posted by ブクログ

    一見、日常的な風景なのに、いつのまにか非現実な世界に入っていることに気づいた。
    小川洋子さんが描く静謐な雰囲気は変わらず。

    0
    2019年01月03日
  • いつも彼らはどこかに

    Posted by ブクログ

    何度読んでも好きです。
    癒し系ではない動物の短編集ですが、仄暗い世界に癒されました。
    「帯同馬」と「ビーバーの小枝」が好きです。
    「帯同馬」で、ディープインパクトとピカレスクコートという固有名詞が出てくるのが小川作品では珍しい感じがしました。あ、でも数式の江夏もそうか…。帯同馬、という関係性も密やかで好きです。
    この作品は日本でしたが、他の作品は国がわからなかったです。
    江國香織さんの解説もとても素敵でした。

    0
    2018年12月12日
  • いつも彼らはどこかに

    Posted by ブクログ

    世の中の片隅でひっそりと暮らしているひと。静かに寄り添う動物、または動物のかたちをしたもの。かなしみと小さなよろこび、現実かからそうでない場所に広がっていく、静謐な、著者ならではの世界。
    ディープインパクトとともに海を渡ったピカレスクコートに自らを重ねる冒頭の「帯同馬」、亡くなった弟を心の片隅におき身代わり旅人を請け負う巻末の「竜の子幼稚園」が特によかった。

    0
    2018年10月18日
  • 原稿零枚日記

    Posted by ブクログ

    日記風の小説ですが面白かったです。
    作家の「私」の奇妙な日々と、ひたすら原稿が進まないのがかわいいです。
    再読なのですが、今回は、好きなエピソードの、現代アートの祭典を見に行くお話が、西岡兄妹さんの作品のように脳内再生されて、更に好きになりました。ガイドさんのしわしわぶりが千晶さんの独特な老人で表れた、と思うとそのまま、あの世界に。楽しかったです。
    眠れない夜に図鑑を写すお話も好きです。「光の射さない深海で、少しずつ自分を失ってゆくのはどんな気分だろうかと考える。」

    0
    2018年08月08日
  • 科学の扉をノックする

    Posted by ブクログ

    理系の知識を付けたいと思い、色々読んでたけど、文系の私に一番しっくりきたのがこの作品。数式や原理原則がつらつらと書かれているのではなく、物語的に宇宙とか鉱物などの自然科学のことが語られています。ロマンティックです。

    0
    2018年03月02日
  • ホテル・アイリス

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    何気なく幾度となく読み返した作品。ふと読みたくなる。小川洋子さんの描くこの質感が好きなんだと思う。
    最初に読んだときは高校生だった。翻訳家の老人とおとなしい女子高生の関係はいわゆるSMというものなんだろうけど、高校生のわたしになにかが引っかかった。最近の再読で、ああ、それはその裏にひそむ二人にしかわからない究極の純愛なのかもしれないと感じた。

    0
    2018年01月23日
  • いつも彼らはどこかに

    Posted by ブクログ

    時間を忘れて一気に読破したくなるサスペンスフルな小説もいいけど、
    不思議でシュールでユーモラスな1つの短編の世界に
    1日の終わりにじっくりと浸るのも読書の醍醐味だ。

    本書はまさに寝る前に1話ずつ
    ゆっくりと読んで欲しい短編集。


    たちまち非日常にさらってゆく魔力と甘美な陶酔。
    残り香のように漂う異国情緒。
    小川作品に顕著な、
    物語の中、息を潜めた死の匂いとうっすらとした狂気。

    どの話も様々な動物たちをモチーフに、
    そこにしか居場所のない
    小さな場所に生きている人を描いている。


    スーパーマーケットで試食品のデモンストレーションガールをする女性は
    狭いモノレール沿線から抜け出せない自分の心情を、
    フランスの凱旋門賞に向かうディープインパクトの帯同馬ピカレスクコートに重ねて彼の無事を祈る
    『帯同馬』、

    交流のあった異国に住む翻訳家の死を機に
    彼の息子とその恋人に会いに行く小説家の「私」。
    ビーバーの小枝を登場人物に見立てて翻訳作業にかかるシーンが詩情に溢れ心に残った
    『ビーバーの小枝』、

    ドールハウスを作ることに没頭する引きこもりの妹と
    それを支え手助けする兄と祖父。
    まるでラッセ・ハルストレム監督の「ギルバート・グレイプ」や
    クレイグ・ギレスピー監督の「ラースと、その彼女」、
    若きジョニー・デップとメアリー・スチュアート・マスターソンの「妹の恋人」などを彷彿とさせる
    微笑ましく暖かな世界観がかなりツボだった
    『愛犬ベネディクト』、

    何かしらの理由で旅ができない人のため、身代わりとなる品をガラス瓶に入れ、依頼主に成り代わって指定のルートを巡る仕事をしている女性。
    幼くして亡くなった弟への美しい思い出を胸に旅をする彼女がどこか哀しい
    『竜の子幼稚園』

    などが特に印象的だった。


    それにしても小川洋子の物語る腕力、恐るべし!

    試食品を食べに毎日スーパーマーケットに現れる嘘つきな小母さんや
    仕事の帰り道にアイスクリームを買って食べることを唯一の楽しみにしている売店のおばさんの孤独に胸を打たれ、

    「ハモニカ兎」で野球というスポーツを初めて見た人たちの反応に笑い、

    落丁本だけを扱う「落丁図書室」に心ときめき、

    自分の誕生日と同じ日付の賞味期限が記された食品を宝箱にコレクションする男の子にシンパシーを感じ、

    寄生虫に侵された蝸牛が床中を這い回るシーンのホラー的展開に戦慄を覚え、

    旅ができない依頼人の身代わりをガラス壜に詰め、各地を旅する仕事には
    果てしない浪漫を感じて、
    しばし僕自身、この物語の奇妙な登場人物たちと
    一緒に旅をした気分に浸ってしまった。


    そして、なんと巧みな想像力なのだろう!
    ページをめくるたびに
    異国の御伽噺を読んでいるかのような錯覚に陥ること必至の極上の心地良さ。


    メールや電話なんか無視してベッドに潜り込み、
    1日の終わりに本書を慈しむようにめくる幸せは
    何ものにも代え難い至福の時を約束してくれる。

    0
    2018年01月13日
  • 沈黙博物館

    Posted by ブクログ

    すごくしんとした気持ちになりました。
    爆弾事件と殺人事件のくだりは忘れていたので、こんなにミステリな作品だったっけ…と思いましたが好きです。
    沈黙の伝道師も好き。わたしもかれらにひっそりと語りたいです。
    遺品を展示する沈黙博物館、訪れてみたいです。
    わたしなら一体何を展示されるのだろう…。
    解説が、気になる堀江敏幸さんだったのも良かったです。この村はすでに命の無い人が住む場所、という視点は無かったので興味深く読みました。次に読むときは、このことを心に置いて読もうと思います。

    0
    2018年01月11日
  • 偶然の祝福

    Posted by ブクログ

    何度読んでもひっそりとしたお話たちが好きです。
    小説家が主人公で、彼女の書くお話が小川洋子さんが書かれてきたお話なので、私小説のような空気です。
    「時計工場」の最後の一文に、今回は目が留まりました。素敵な一文です。
    小川洋子さんと同じくらい大好きな川上弘美さんの解説も良かったです。川上弘美さんも、小川洋子さんの新刊が出たら必ず買うのか…わたしもです。

    0
    2018年01月06日
  • 刺繍する少女

    Posted by ブクログ

    何度目かの再読ですが、今回も面白かったです。小川洋子さんは長編も短編も大好きです。奇妙さや狂気が、どのお話からも静かに漂ってきます。時に残酷な描写でも、ひっそりと感じられます。これまで書いてこなかっただけで、「ケーキのかけら」が大好きなのを発見しました。「森の奥で燃えるもの」の、時間から離れた不思議な世界観も好きでした。「キリンの解剖」「トランジット」も好きです。最近、本格的に喘息を発症したので「第三火曜日の発作」を身近に感じます。こんなに密やかな時間は過ごしませんが…。

    0
    2017年12月09日
  • 妖精が舞い下りる夜

    Posted by ブクログ

    再読です。小川さんの「書きたい」という思いをあらためてしみじみと強く感じるエッセイでした。初期の頃のエッセイなので、あの小説はこんな思いで書かれたのだ、というところが興味深いです。出産と子育て、阪神タイガース…阪神タイガースの応援日記が、なんだか小川さんを身近に感じました。日々の切り取り方が、エッセイという形でも、小川さんだなと思わされます。面白かったです。小川さんはやっぱり、物語を紡ぐために生まれてきたのだなと思いました。これからも読みます。

    0
    2017年10月22日
  • ホテル・アイリス

    Posted by ブクログ

    年老いた翻訳家と少女の倒錯愛の物語
    冒頭の娼婦と翻訳家が揉めるシーンの
    ホテルの娘がマリ
    乱れた姿で逃げるように部屋から這い出て口汚く罵る娼婦に「黙れ、売女」と明瞭な言葉で圧した翻訳家に心が惹かれたマリ

    二人は再開するが彼はあの時の威圧はなく貧相で力なく弱々しかった
    彼女に送ってきた手紙の
    翻訳家の文字は異常なまでに乱れがなく
    綴る言葉は知的で美しくとても紳士的
    これから何度も書かれる手紙のシーンは大好きでした


    しかし、彼の島ではあの時の高圧的で異常な支配者だった

    ここまでのシーンに振り回される心地良さ
    ギャップの描き方が見事でマリが快楽へ没入していく様は圧巻

    醜く老いた翻訳家に瑞々しい肉体の若い自分が蹂躙される屈辱
    二人しか存在しない世界で自分でも想像できない痴態をさらす心細さ羞恥の極み
    肉体的苦痛
    全てが快楽へと繋がりマリを恍惚へと導く

    翻訳家の滑らかな動作
    乱れのない美しい緊縛
    突如暴発する暴力

    自分だけを圧倒的に支配する
    ここにマゾヒズムの快楽の極みがあると思いました
    誰もが何か別の事を考え気を散らしてしまう
    でも、あの密閉した空間では翻訳家はマリしか見ない考えない触れない

    翻訳家の全が自分だけに注がれる

    ある意味で最上級の愛情表現かもしれない

    卑屈で凶暴、インテリジェンスで老いている翻訳家と少女の組み合わせしか成り立たない愛でした

    そしてあの終わりが二人の世界を誰にも触れないところに閉じ込めたと思う

    愛の形、快楽とは、と想像できないところから投げかけられたボールをうっかりキャッチし嵌ってしまったそんな素晴らしい物語でした

    0
    2017年08月24日
  • 沈黙博物館

    Posted by ブクログ

    久しぶりに胸を打つ話を読んだ。老婆の描き方が素晴らしく、魅力的だった。自分だったら形見は何になるのだろう、と想像するのも楽しめるというか。言葉にならない思いがたくさん溢れてきた作品です。読み終わった時、この本に出会えてよかったと思った。

    0
    2021年10月09日
  • 最果てアーケード(1)

    Posted by ブクログ

    小川洋子氏原作の漫画。小説も出ており、内容は概ね同じ。
    ただ、漫画では小説でぼかしていた所をはっきりと描いているので、両方読むとしたら先に小説を読むのがお勧めです。

    0
    2017年04月21日
  • とにかく散歩いたしましょう

    Posted by ブクログ

    エッセイでした。
    たくさんありすぎて、9割ほどは良かったのですが、ちょっとだけ普通な話が混じってて、ちょっと残念でした。

    0
    2017年03月17日
  • 沈黙博物館

    Posted by ブクログ

    象徴に満ち溢れている。

    沈黙。形見。博物館。冬。
    身寄りのないことが、逃げ場のないことが分かった主人公。高齢の老婆。バイソン。
    解説でホロコーストとの関連に触れているが、その文脈で行くと多くのことがなにかにあてはまる。

    そして、圧倒的で静謐な世界観。
    特に沈黙の伝道師の存在が不可思議で考えさせられた。
    死の象徴か。冷たくも温かくもない。常に意識すれば寄り添っているもの。あちらから語ってくることはない。

    0
    2017年01月31日
  • ホテル・アイリス

    Posted by ブクログ

    感動作ではない。ただ、息が詰まるような、それでいて生きている実感に乏しい場面が続く。SMも含め倒錯とはそういうものなのかもしれない。

    これからマリはどうなるのだろうか。
    物語は閉じたが、希望は見えない。

    これは少女のエゴの物語なのだろうか。思索は尽きない。

    0
    2017年01月20日