小川洋子のレビュー一覧

  • 言葉の誕生を科学する
    ・無駄な行動が生物学的な強さであり、異性の評価を受ける。発展して美的評価に。独立して芸術に。
    ・言語の歌起源説。
    ・歌から言葉へは「一瞬」。
    ・ミラーニューロン。
    ・天才は刺激の過剰さ。子孫は残せないが芸術を残す。
    ・赤ん坊が泣くのは人間が天敵から身を護れるから。
    ・母と子供の言葉のコールアンドレス...続きを読む
  • 心と響き合う読書案内
    小説家の小川洋子さんによる読書案内。1作品あたり5~6ページで、52作品が紹介されている。
    ミヒャエル・エンデの「モモ」、カズオ・イシグロの「日の名残」、ボリス・ヴィアンの「うたかたの日々」などなど。読みたい本が一気に増えた。
    ですます調の優しく語りかけるような文章が良い。自分は本を読んで泣くことが...続きを読む
  • とにかく散歩いたしましょう
    なんで小川洋子はこんなに自分に自信がないんだろーとそこが面白い。
    でもすごく共感してしまうからきっとわたしも自分に自信がないんだろうな。
    面白かった^^
  • 言葉の誕生を科学する
    作家と、小鳥のさえずりやハダカデバネズミの歌から人間の言葉の起源に迫ろうとする研究者の対談。
    言葉について突き詰めてゆきながら社会や文明、時間、自分、人間の意識の問題に迫る。鳥やネズミなどの音楽についての研究ひとつひとつが驚きに満ちて興味深く、人がなぜ言葉を持つようになたのか、言葉を持つことで何を得...続きを読む
  • 言葉の誕生を科学する
    ずっと読みたかった本。文庫になったと知って即買い。
    おもしろい。鳥のさえずりから歌になり文節になり言葉になるって。ざっくりしてるから、間違ってたらごめんなさい。言葉のすごさみたいなのを思い直すことができた。やっぱり言葉で生きて行きたい。
    2013.11
  • 言葉の誕生を科学する
    『博士の愛した数式』の小川洋子さんと、脳科学者の岡ノ谷教授の対談本(文庫)

    言葉の起源についての説や考察を、岡ノ谷教授の研究や近接領域の話題で盛り上げる。
    唐突に繰り出される作家小川洋子さんのアイデアが、岡ノ谷教授を触発する様子が読み取れて面白かった。

    やはり、言葉の探求は興味深い。
    本書では、...続きを読む
  • 刺繍する少女
    小川洋子の真髄をみた作品でした。
    小川洋子作品に共通する、甘美なる残酷さ、人間の欲望がストレートにかつ、美しく描かれていました。
    1つ1つの物語はさほどページ数が無いものの見事に上記の点が表れていました。
    本当に美しく、残酷な物語。
    秋の夜長に一人ゆっくりと味わいたい作品でした。
  • 原稿零枚日記
    ああ、これは恐ろしく美しい。とても美しい、という意味でもあるし、恐ろしくて美しいという意味でもある。
    日常と異界と間にあるはずの境界がふと揺らいでなくなってしまい、頭では「逃げなくては」とわかっているのに目も足も動かない。美しさに釘付け。
    『博士の愛した数式』ではなく『薬指の標本』の方の、ファンタジ...続きを読む
  • 原稿零枚日記
    とある作家の日記。苔料理を食べ、小学校の運動会に忍び込み、あらすじを語り、生活改善課の職員はトランペットを吹き、現代アートの祭典では人が消えていく。
    夢と現の狭間をたゆたう小川洋子ならではの作品でした。幻想的でありながら肉体的である筆致に圧倒されます。こういう世界に浸れるのも小説の持つ魅力ですね。
  • カラーひよことコーヒー豆
    小川さんはとても気になる作家さんだった。なのに、まだ小説はひとつも読んでいない。とりあえずお近づきになりたくて、これを読んでみた。
    Domaniという女性誌の連載なので、職業について書かれているものが多く、働く女性にさわやかなエールを送っている。清少納言は千年前の職業婦人だが・・・枕草子をそう読み解...続きを読む
  • 沈黙博物館
    終始登場人物の名前が出ていないのにも関わらず、そのことに読み終わるまで気がつかないほど自然で美しい文体で描かれています。庭師と主人公との穏やかな交流と、その下に潜む秘密が徐々に明らかになっていくのをどきどきしながら読みました。
  • ホテル・アイリス
    なんて残酷で美しいのだろう…と初めて感じた作品です。
    小川さんの作品はどれも傑作ぞろいですが、ホテルアイリス特にオススメの作品。
    夏の暑い日に一人でひっそりと読みたい桜庭。
  • カラーひよことコーヒー豆
    作家・小川洋子さんのエッセイ。
    著者の人々に注ぐ暖かなまなざしが感じられ、優しい気持ちになれる本です。

    中心から少し視線をずらした時、世界の見方が変わることがある。

    心に沁みました。
  • とにかく散歩いたしましょう
    とても親しみやすいエッセイで、小川洋子さんを身近に感じられました。
    ご自身がパーソナリティをされているラジオ番組で紹介された本や、ちょっと不思議な生物や、小川さんの大好きなものが沢山詰まった作品です。
  • 科学の扉をノックする
    この本を楽しむのに、見ただけで頭が痛くなるような化学式や、小難しい物理法則といった知識の類は必要ありません。
    主役はあくまで、科学の根底にある美と、その神秘を日夜追い続けている科学者達の生き様であるからです。

    また彼等を描き出す小川洋子の清潔な文章からは、科学への強い憧れと静かな感動が溢れんばかり...続きを読む
  • 刺繍する少女
    イメージできる画がすごく鮮やかだった。
    やりすぎだろと思う作品もあったけど、そういう過剰さも結局は静かに締めくくられていて心地よかった。
    「ケーキのかけら」「ハウスクリーニングの世界」「トランジット」「第三火曜日の発作」が好きでした。
  • とにかく散歩いたしましょう
    小川洋子さんのエッセイ。

    ここに取り上げられているさまざまな本を読みたくなった。
    作家さんが読む本。
    とくに好きな作家さんが読む本を読みたくなる。
    魅力的に紹介する。

    もちろん、書評集ではなくて、ほとんどは、日常の出来事。

    どれもこれも、小川さんの味が出ていて、ほっこりした気分になる。
  • 沈黙博物館
    『猫を抱いて象と泳ぐ』を思い出しながら読んでました。
    チェスの世界と博物館の世界という違いはあれ、どこか似通った幻想的な雰囲気があります。そもそもどこの国の話なのかも判然としませんし。
    登場人物はそれなりに(と言うか結構活発に)動き回りますし、会話も豊富なのですが、どこか絵画的な静止状態と静けさを感...続きを読む
  • カラーひよことコーヒー豆
    もう見慣れた雨粒。

    水面に落ちて、波紋が広がろうとも
    特に気にする事もなく、さっと目を逸らしてしまう。

    小川さんは
    目を逸らさない人だな、と思った。
    ニコニコと面白そうに
    いつまでも波紋を見続ける事が出来る人。

    雨粒達は、ちょっと嬉しくなって
    本のなかから、思い出のなかから、言葉のなかから、日...続きを読む
  • とにかく散歩いたしましょう
    ひとつひとつの言葉に無駄がなく、静謐で堅実な文章で綴られるエッセイ。
    彼女の本は、ずっと読んでいたくなる。そんな気持ちにさせられます。