小川洋子のレビュー一覧

  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか

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    小川洋子さんといえばアンネの日記。
    時代背景も踏まえて日記の記述を紐解きながら、アンネ・フランクという一人の才能ある少女が生きた軌跡を丁寧に追う作品。
    久しぶりにアンネの日記の文章に触れたけど、大人になってから読むと確かに印象が違うなあと感じたので改めて読み返したくなったし、ホロコースト文学にも興味を抱いた。
    当時の時代背景についても平易なことばで簡潔に分かりやすく説明されており、小川洋子さんのさすがの文章力を感じる。
    これ、NHKの番組として放送されてたということ?観たかった………!!

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    2022年12月18日
  • 約束された移動

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    小川ワールド全開。
    不思議で残酷で懐かしくて愛おしくて切なくて。
    絵本を読んでいるような小説。
    素晴らしすぎです。

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    2022年11月07日
  • まぶた

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    「飛行機で眠るのは難しい」を初めて読んだのは高校の授業。教科書に載っていた。
    静かな雰囲気、淡々と描かれる死、生々しい人間の見栄、人生、さみしいような、切ないような、
    ずっと忘れられなくて、本を買った。

    この話が小説の中で一番好きな私のたからもの。

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    2022年10月30日
  • 琥珀のまたたき

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    埃被っていて薄暗くて好きな世界観。御伽噺ってやっぱりどこか怖いよなと思った。飛蚊症からここまで世界を創ることができるなんて素敵すぎる。

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    2022年09月21日
  • 沈黙博物館

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    スリルのある小説です。見事に感情がぶつかり合い、不思議なパズルを完成させます。主人公が戸惑い、躓いたりして沈黙と戦います。謎めいた小説の好きな方におすすめです。何か返事があるかもしれません。

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    2022年08月31日
  • 夜明けの縁をさ迷う人々

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    丸い部屋で眠るのって、どんな気分なのかしら。 きっと深い安らぎに包まれて、小さな心配事なんて全部消え去ってゆくんでしょうね。
    だって丸い部屋で眠る時の自分は、円の直径になるのよ。

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    2022年05月30日
  • ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)

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    生まれた時から、言葉が当たり前にある環境だから、言葉ですべての物事を定義してしまうこと自体の意味や、不可解さについて考えたことなかったな
    言葉遣いなど、言葉に達者な人でありたいなあとは思っていたけれど、そのマイナス面についてもあるのね、やっぱり物事って全て両面性がある。。当たり前って危険ね

    普段よく人間で(笑)話題になる恋愛、結婚、親子関係その他、人間も動物の一種と考えるとなんだか単純化された

    今は特に戦争について考えさせられることが多いから、争いのテーマの部分も納得しながら読みました

    共存、想像力は私にとって永遠のテーマ!

    戦争が存在する理由:言葉 死者 共感性 (トーテム 農耕社会 科学 アイデンティティ 宗教)

    ーそれがなぜ本性のように語られるかというと、人間が言葉によって比喩の能力を手に入れたから。
    ーその簡単さが不気味です。簡単であればあるほど、こちらの都合によっていくらでも操作できる。誇張もできるし、嘘もつける。

    ーA=B.B=A コップという言葉とコップそのもの、テロリストとイスラム教徒
    本来間違っている理論をすんなり通してしまう通路
    ーもともと違うものを、同じ価値基準でまとめ上げる〜言葉を使うというのは、世界を切り取って、当てはめて、非常に効率的に自分の都合のいいように整理しなおすってこと

    ー現代の人間は、その一体感が進むあまり、集団の中に自分を没入させて尽くすような意識に行きついてしまいました。他者のためとは違う、集団のため。これは動物には絶対にない心の在り方です。


    言葉の網ですくい切れないものが溢れている世界に、つい最近まで人間は他の動物と一緒に暮らしていた。言葉に頼れば頼るほど、僕たちの世界はそれ以前に獲得した豊かな世界から離れていく。それは生物としての人間にとってあまりにももったいない損失なのではないか。〜長い進化の歴史を通じて鍛え上げてきた感性の中に言葉を調和させることで、より幸福な世界を手にすることができるのではないか〜
    それぞれの生物に与えられた時間があり、それをあるがままに生きるのが生命の営みというものだ。それぞれの生物は持って生まれた能力に従って世界を構築している。〜

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    2022年03月14日
  • とにかく散歩いたしましょう

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    ・ハンカチは持ったかい
    ・本の模様替え
    ・散歩ばかりしている
    ・がんばれ、がんばれ
    ・オクナイサマが手伝ってくれる
    ・機嫌よく黙る
    ・自らの気配を消す
    ・夕食におよばれしてみたい人

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    2022年02月12日
  • ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)

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    タイトルや表紙からは、ゴリラの生態やコミュニケーションに関する本のように見えるかもしれないが、それに留まるものではない。

    言葉を使わないコミュニケーションを実践してきた山極氏。言葉で表せないものを言葉で伝えるという難題に常に取り組む小川氏。霊長類学者と小説家が、言葉という接点を通じて、人類の来し方行く末を考える対談である。

    人間はどういうわけで自然界から逸脱してきたのか。特に、人間が言葉を得たことの功罪について考えさせられる。

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    2022年01月10日
  • まぶた

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    不思議な空間。良かった。
    堀江敏幸さんの解説が完璧なので、ほかに書くことがない。

    どれも印象的だけど、『まぶた』『お料理教室』が特に。

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    2021年11月20日
  • 博士の本棚

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    日常的なことや些細なことでも、深く考えると、そこから面白いこと、新しい発見を見出せるということを、この本は教えてくれました。

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    2021年11月13日
  • ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)

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    非常に面白かった。
    ゴリラや他の霊長類との比較でヒトを知る、と要約してしまうとつまらないのだが、いろいろ考えさせられながら、ユーモアもありつつ叙情的な対談。

    言葉というのは、長い進化の歴史の中ではまだ新しいからどこか安っぽいんだとか

    樹上生活の哺乳類がコウモリとサルに分かれ、飛ぶ方を選ばなかったサルは、鳥になりたかったという思いがあり、同じ祖先から分かれた我々は、その思いを受け継いで、今も飛ぶことに憧れるのではないかとか

    家族、社会、性、様々なことについて。
    お二人の語り口も実にいい。

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    2021年11月10日
  • カラーひよことコーヒー豆

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    エッセイとは知らずに手に取った。
    とても、とても素敵だった。小説もすごく好きだけど、小川洋子さんのあたたかな人柄がにじみ出た本当に素敵な1冊でした。
    なんだか知らずに抱えていたやるせなさとかかなしみとか、いろんな思いをふっと軽くしてくれるような、そんな本だった。素直に心の奥まで染み込んだ。今の私に絶対に必要だった気がする。出会えてよかったなぁとしみじみ。

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    2021年10月12日
  • 余白の愛

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    ネタバレ

    「わたしの耳のために、あなたの指を貸してもらえませんか」
    耳を病んだわたしの前にある日現れた速記者Y。その特別な指に惹かれ、わたしは歩み出す。入院中の病室で夫との離婚が成立した。最後まで優しかった夫がわたしに残したのは、耳の治療に十分なお金と甥のヒロだった。ある座談会をきっかけにYとの交流は深まり……
    十三歳の少年、マロニエ越しに見えるホテル、ヴァイオリンの耳鳴り、博物館の補聴器。

    不思議な作品だった。結末を読んで、題名の意味を考えた。「余白の愛」。余白とは、Yが速記した紙の余白ということだろうか。それとも、Yの指を包み込んで眠ったあとの空間だろうか。何を比喩しているのか分からないけど、確かに存在していたYとの時間ーー記憶ーーを心に留めておきながら、「わたし」と気持ちを重ねたいと思う。

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    2021年09月30日
  • 博士の本棚

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    「博士の本棚」エッセー
    小川洋子さんはエッセーもおもしろい。
    短編集なので、ちょっと空いた時間にサラッと読める。

    「博士の愛した数式」を執筆するエピソード(ちょっとだけ抜粋)
    「完全数を背負う投手」
    『28は完全数。この一行を眺めてひらめいた。江夏の背番号じゃないか、と。ここから江夏豊を愛する数学者を主人公にした小説がスタートした。(中略)28が持つ永遠の完全さに比べ、人間とは何とはかなく、不完全な存在であろうか』といった具合に...。
    「読書は楽しい」

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    2021年07月10日
  • 不時着する流星たち

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    ぞくぞく。不穏。そわそわ。ざらり。
    もしかしたらどこかにいるかもしれない不思議な人たちのお話。実在した人をモチーフに着想された短編集。発想力に脱帽です。再読。

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    2021年06月28日
  • やさしい訴え

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    空気感が素晴らしいです。
    はっきりと書かれていないけれど、みんな、ほんとうに全員が置かれている状況を理解しています。
    わかったうえで、どうすべきか、行動しています。
    でも、人も動物です。
    したい、触れたい、という気持ちは抑えられない。
    それが限りあるものであり、失う危険もあるものだから、だからなおのこと感情が高まっていきます。

    札幌行きをやめさせるための咄嗟の行動(言動)には少なからず驚きました。
    でも、それは、行けばそうなる、ということがわかるから。もしも自分ならそうするだろう、そうなるだろう、ということの裏返しですね。

    結論としては敢えて言わない大人の対応で新しい道を踏み出すのですが、少し寂しいです。まあ、そうなるよな、という違和感のないストーリー展開。

    +++

    とてもこだわりを持って作品を作られているのに、鍵盤の色が近代タイプ。別の意味があるのかしらん。。。

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    2021年05月27日
  • とにかく散歩いたしましょう

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    小川洋子さんは、それほどたくさん読んでいるわけじゃないが、文章が詩的で美しいと思う。
    これは小説ではなくエッセイなのだが、毎日の暮らしを描写するだけでも、例え方とかが、まるで音楽のよう。
    私は綺麗なものには綺麗とか美しいとかしか言えないんだが、
    小川さんにかかると、そこにひとつの物語が現れるような気がする。
    ラジオで本の紹介の番組をもってらして、そこでの語り口もゆったりとしていて好きだ。
    小説家ってのは深く深く、いろんなものを視る、んだろうなあ。
    語りかける相手がいることの、救いを想う。

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    2021年04月13日
  • 余白の愛

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    耳を病んだわたしは、ある座談会で速記者Yと出会い、彼の指に惹かれる。

    F耳鼻咽喉科病院と、病室の窓からマロニエ越しに見えるホテル。離れにあるささやかな美術館。
    まるで絵に描いたような美しい風景が、目の前に広がっていく。
    静かな物語にもかかわらず、終始ドキドキしていた。
    記憶の引き出しの中に、もう一つの世界があるようで、想像力をかき立てられる。

    ずっとわたしの傍らにいてくれた、甥っ子のヒロの優しさと、幻想的でとてつもなく美しい世界を存分に堪能することができた。

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    2020年12月12日
  • 妊娠カレンダー

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    妊娠カレンダー

    なにか怖いと思うシーンが何回かあり、思わぬ方向に話が進んでいくのではという冷静な興奮を与えてくれるストーリーだった。

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    2020年11月11日