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人間が“言葉”を生み出した謎に、科学はどこまで迫れるのか?鳥のさえずり、クジラの鳴き声…言葉の原型をもとめて人類以前に遡り、小説家と気鋭の科学者が、言語誕生の瞬間を探る!
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Posted by ブクログ
言葉はどのようにして、うまれたのか。自分にとっても子供の頃からの疑問を、好きな作家さんが脳科学者の方と考察していく様子が、とても興味深かった。歌うのは、鳥とクジラと人間だけ!なんてロマンティックなんでしょう。科学なのに。科学だから? デバやジュウシマツに向けるお二人の優しい目線も、読み進めていて温か...続きを読むい気持ちにさせてくれる。
作家と、小鳥のさえずりやハダカデバネズミの歌から人間の言葉の起源に迫ろうとする研究者の対談。 言葉について突き詰めてゆきながら社会や文明、時間、自分、人間の意識の問題に迫る。鳥やネズミなどの音楽についての研究ひとつひとつが驚きに満ちて興味深く、人がなぜ言葉を持つようになたのか、言葉を持つことで何を得...続きを読むて何を失ったのか・・・全編目からうろこのわくわくする話ばかりだった。
ずっと読みたかった本。文庫になったと知って即買い。 おもしろい。鳥のさえずりから歌になり文節になり言葉になるって。ざっくりしてるから、間違ってたらごめんなさい。言葉のすごさみたいなのを思い直すことができた。やっぱり言葉で生きて行きたい。 2013.11
『博士の愛した数式』の小川洋子さんと、脳科学者の岡ノ谷教授の対談本(文庫) 言葉の起源についての説や考察を、岡ノ谷教授の研究や近接領域の話題で盛り上げる。 唐突に繰り出される作家小川洋子さんのアイデアが、岡ノ谷教授を触発する様子が読み取れて面白かった。 やはり、言葉の探求は興味深い。 本書では、...続きを読む岡ノ谷教授の言葉の発生には”歌"が起源になっているという内容が、なんとも興味深かった。 言葉ってなんだろう?歌ってなんだろう?と想いを廻らせながら読んだ。 本書はもともと2011年4月に発刊されたもの。 対談は、東北の震災前に行われていて、震災後に発刊となった。 今回の文庫版の出版に当たって、お二人とも文庫のまえがきとあとがきを書かれている。この部分でも、対談と震災の影響がうかがわれる。 やはり言葉と文明は切り離せないわけで、対談中にも、この文明にどう向き合うかが、奇しくも語られていた。フェルミのパラドックスとして語られる『言葉を持ってしまうと滅びる』、これにどう向き合うかを考え直さなければならない。 ---------------- 【内容(「BOOK」データベースより)】 人間が“言葉”を生み出した謎に、科学はどこまで迫れるのか?鳥のさえずり、クジラの鳴き声…言葉の原型をもとめて人類以前に遡り、小説家と気鋭の科学者が、言語誕生の瞬間を探る! ---------------- 【目次】 文庫の前書にかえて(小川洋子) はじめに ・言葉の秘密をさぐる遠い旅へ(小川洋子) ・言葉の起源をもとめて(岡ノ谷一夫) 第1部 言葉の誕生の秘密に迫る 第2部 言葉とコミュニケーションを考える 第3部 心の発生と言葉をめぐって おわりに ・人間が死ぬことは不条理だけれど(岡ノ谷一夫) ・鳥は自分たちの神を持っているか?(小川洋子) 文庫へのあとがき(岡ノ谷一夫) 解説 ・言葉によって伝えたい、という想い(大橋正健) ----------------
第1部 言葉はいかにして誕生したのか? 第2部 言葉は何を伝えるか? 第3部 心はどのように生まれるのか? 「はじめに」小川洋子さんが文鳥を飼うことになったキッカケの話から、岡ノ谷一夫先生が「言葉の起源をもとめて」に繋がって本編に進む流れの段階で既にワクワクが止まらない。それにしても、おふたりのや...続きを読むり取りする単語とそれから連想ゲーム的に発展するテーマの多彩なこと!見た目だけで敬遠していたハダカデバネズミにも断然興味が湧いてきた。
小説家・小川洋子さんと、動物行動学者の岡ノ谷一夫さんが言葉の誕生について語る対話本。 岡ノ谷一夫さんは鳥の歌の構造などから、人間の言語の起源について考える研究などで知られる方で、この本にも動物の行動などからたてた言葉やコミュニケーションの誕生についての仮説が数多く載っており興味深かったです。 特に...続きを読む、ひな鳥が餌をねだる声は餌をくれないと天敵を呼ぶと脅迫しているという「脅迫仮説」は今まで考えたこともなかったので驚きました。少し調べてみたら、鳥の鮮やかな色の卵も抱卵を促すための脅迫という説もあるそうで、よく出来ているものだなあと……。人間の子どももずいぶん大きな声で泣いたりしますが、起源としては鳥と同じなのかもしれないですね。証明は難しそうですが、想像が広がります。 小川洋子さんは小説だけではなく対談本などもたくさん出されていますが、相手から言葉を引き出すのが上手でいつも感心してしまいます。 エッセイなどとも違い、リアルタイムでの適切な反応を求められる分、考えのアウトプットがスムーズにできないと難しいかと思うのですが、自分の考えも、相手の言いたいこともスムーズに言語化できるのは本当に凄いですよね……。仕事柄人の話を聞く機会も多いですが、憧れてしまいます。 小川洋子さんの別の対談本、臨床心理学者・河合隼雄さんとの『生きるとは、自分の物語をつくること』なんかもおすすめです。
「言葉」を通して、コミュニケーションや自己意識、時間などについて考察する。 読みやすくてあっという間に読んでしまったけど、もう一度あれこれ考えながら時間をかけて読み直したいとも思う。 後半、小川さんが小説の意義について述べる部分が印象的だった。対談が進むにつれて小川さんの中で想いが広がっていく様子...続きを読むを感じた。「ことり」読み直したいなぁ。 「言葉を解きほぐす技術がないといけない」という言葉は胸に留めておきたい。何事も一言で片付けない。こうして読んだ本も、「これよかったな〜」とラベリングして終わらせない。
小説家の小川洋子と、岡ノ谷一夫教授の対談形式で、一気に読めました。 ジュウシマツやハダカネズミの歌の観察も面白く、歌や言葉を獲得した人間の不思議を思いました。 言葉ができたことにより、時間や死を認識し、神を生み出し、物語を紡ぎ出す…、当たり前だと思ってたことにスポットライトが当たり、正に目から鱗が落...続きを読むちる思いでした。
楽しい!小川洋子のように、言葉遣いに意識的で異分野異文化に好奇心をもつ作者だからこその「科学者に聞く言葉の起源」。 共著者の岡谷氏は、鳥(ジュウシマツ)やハダカデバネズミを使って研究している。オスメスの求愛や集団内の社会的なコミュニケーション手段としての言語が出発点。 本書の指摘で特に面白くヘェ〜と...続きを読む唸ったのは2点。 一つは、言葉が時間を生み出したということ。もう一つは、コミュニケーションが持つ"つながること"そのものの魅力。 私はそれを、「言葉の持つ再生機能が『今、ここ』ではない時間と空間を可能にした、その装置の名は『物語』と読んだ。そしてそれが死という時間の流れが止まってしまうイベントの克服あるいは受容だったのだ、と。 小川はその物語を書き留めるのが作家の仕事、と語っており、しびれた。格好イイ。 「パントマイムでは3日前って表現できないそうですよ」という発言にも唸らされた。 二つ目の「コミュニケーションって、情報の伝達(中身)よりもコミュニケーションをとっているということそのもののが快感で目的になってしまいがち」という点。知識としてはずっと前からの知っていたことではあるけれど、他人事だった。twitterおよびfacebookにどっぷり浸かるようになってからは「ありゃ、自分のことだ」と新鮮に感じたのでここに記す。 ただし、題名には感心しない。「科学する」って安っぽい。「野菜する」って言われてるのと同じ感覚。「哲学する」「科学する」という言い方には、「本気のハードコアではありません、お遊びでちょっとのぞいただけだから間違っても許してね。ほら、科学するって日本語として間違ってるし」という媚が見える。
面白かった。言葉の起源は「歌」ではないか?まさか小鳥と人間に共通点があるとは思わなかった。 文系の私でも分かりやすく書かれていてお二人の対談に引き込まれる。 赤ちゃんや雛の泣き声について、現代のコミュニケーションについてなど、興味深い話がいっぱいだった。
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言葉の誕生を科学する
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