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Posted by ブクログ
『博士の愛した数式』の小川洋子さんと、脳科学者の岡ノ谷教授の対談本(文庫)
言葉の起源についての説や考察を、岡ノ谷教授の研究や近接領域の話題で盛り上げる。
唐突に繰り出される作家小川洋子さんのアイデアが、岡ノ谷教授を触発する様子が読み取れて面白かった。
やはり、言葉の探求は興味深い。
本書では、岡ノ谷教授の言葉の発生には”歌"が起源になっているという内容が、なんとも興味深かった。
言葉ってなんだろう?歌ってなんだろう?と想いを廻らせながら読んだ。
本書はもともと2011年4月に発刊されたもの。
対談は、東北の震災前に行われていて、震災後に発刊となった。
今回の文庫版の出版に当たって、お二人とも文庫のまえがきとあとがきを書かれている。この部分でも、対談と震災の影響がうかがわれる。
やはり言葉と文明は切り離せないわけで、対談中にも、この文明にどう向き合うかが、奇しくも語られていた。フェルミのパラドックスとして語られる『言葉を持ってしまうと滅びる』、これにどう向き合うかを考え直さなければならない。
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【内容(「BOOK」データベースより)】
人間が“言葉”を生み出した謎に、科学はどこまで迫れるのか?鳥のさえずり、クジラの鳴き声…言葉の原型をもとめて人類以前に遡り、小説家と気鋭の科学者が、言語誕生の瞬間を探る!
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【目次】
文庫の前書にかえて(小川洋子)
はじめに
・言葉の秘密をさぐる遠い旅へ(小川洋子)
・言葉の起源をもとめて(岡ノ谷一夫)
第1部 言葉の誕生の秘密に迫る
第2部 言葉とコミュニケーションを考える
第3部 心の発生と言葉をめぐって
おわりに
・人間が死ぬことは不条理だけれど(岡ノ谷一夫)
・鳥は自分たちの神を持っているか?(小川洋子)
文庫へのあとがき(岡ノ谷一夫)
解説
・言葉によって伝えたい、という想い(大橋正健)
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Posted by ブクログ
小説家・小川洋子さんと、動物行動学者の岡ノ谷一夫さんが言葉の誕生について語る対話本。
岡ノ谷一夫さんは鳥の歌の構造などから、人間の言語の起源について考える研究などで知られる方で、この本にも動物の行動などからたてた言葉やコミュニケーションの誕生についての仮説が数多く載っており興味深かったです。
特に、ひな鳥が餌をねだる声は餌をくれないと天敵を呼ぶと脅迫しているという「脅迫仮説」は今まで考えたこともなかったので驚きました。少し調べてみたら、鳥の鮮やかな色の卵も抱卵を促すための脅迫という説もあるそうで、よく出来ているものだなあと……。人間の子どももずいぶん大きな声で泣いたりしますが、起源としては鳥と同じなのかもしれないですね。証明は難しそうですが、想像が広がります。
小川洋子さんは小説だけではなく対談本などもたくさん出されていますが、相手から言葉を引き出すのが上手でいつも感心してしまいます。
エッセイなどとも違い、リアルタイムでの適切な反応を求められる分、考えのアウトプットがスムーズにできないと難しいかと思うのですが、自分の考えも、相手の言いたいこともスムーズに言語化できるのは本当に凄いですよね……。仕事柄人の話を聞く機会も多いですが、憧れてしまいます。
小川洋子さんの別の対談本、臨床心理学者・河合隼雄さんとの『生きるとは、自分の物語をつくること』なんかもおすすめです。
Posted by ブクログ
楽しい!小川洋子のように、言葉遣いに意識的で異分野異文化に好奇心をもつ作者だからこその「科学者に聞く言葉の起源」。
共著者の岡谷氏は、鳥(ジュウシマツ)やハダカデバネズミを使って研究している。オスメスの求愛や集団内の社会的なコミュニケーション手段としての言語が出発点。
本書の指摘で特に面白くヘェ〜と唸ったのは2点。
一つは、言葉が時間を生み出したということ。もう一つは、コミュニケーションが持つ"つながること"そのものの魅力。
私はそれを、「言葉の持つ再生機能が『今、ここ』ではない時間と空間を可能にした、その装置の名は『物語』と読んだ。そしてそれが死という時間の流れが止まってしまうイベントの克服あるいは受容だったのだ、と。
小川はその物語を書き留めるのが作家の仕事、と語っており、しびれた。格好イイ。
「パントマイムでは3日前って表現できないそうですよ」という発言にも唸らされた。
二つ目の「コミュニケーションって、情報の伝達(中身)よりもコミュニケーションをとっているということそのもののが快感で目的になってしまいがち」という点。知識としてはずっと前からの知っていたことではあるけれど、他人事だった。twitterおよびfacebookにどっぷり浸かるようになってからは「ありゃ、自分のことだ」と新鮮に感じたのでここに記す。
ただし、題名には感心しない。「科学する」って安っぽい。「野菜する」って言われてるのと同じ感覚。「哲学する」「科学する」という言い方には、「本気のハードコアではありません、お遊びでちょっとのぞいただけだから間違っても許してね。ほら、科学するって日本語として間違ってるし」という媚が見える。
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