小川洋子のレビュー一覧

  • ボタンちゃん

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    細かいレースのついた丸襟のブラウス。
    その一番上についているまぁるいボタン。
    表紙の絵を見たとたん、あまりの可愛らしさに本を抱きしめたくなりました。
    小川洋子さん初の童話。
    だけれど、失われて戻ることのない幸せだった時間や
    失われることのない大切な思い出の記憶、
    書かれていることの根底に流れているものは
    大人の本と同じこと。
    子どもの頃にこの本と出会える子たちがうらやましいです。
    物語と同じくらい絵が素敵。
    何度も繰り返し手にとって読みたくなる本でした。

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    2016年01月22日
  • いつも彼らはどこかに

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    一話目の『帯同馬』とてもよかった。

    飛行機や列車を使って、遠くに行くことの恐怖。
    このまま帰れないのではないか、
    自分の部屋に戻ることはもうないのではないか、
    そんな感情がとても共感できる。
    飛行機に乗るときは、一種の覚悟のようなものを携える。このまま死んでしまうかもれない、という可能性と不安に対しての。
    レースのため海外へ行くディープインパクトのストレスを減らすための帯同馬として、一緒に連れて行かれるピカレスクコート。その哀れみを感じるのは私だけかという問いかけも、心に響く。

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    2017年11月02日
  • 刺繍する少女

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    著者の作品はいくつかのジャンルに分かれると思うのですが、これは色んなタイプの話がバランスよく収録された短編集。
    ちょっと不思議な感じのもの、グロテスクで残酷なもの、きれいで悲しいもの、感動的なものなど色々。
    個人的には「地道な作業にひたすら専念する人の話」と「妄想癖があって少しヤバイ感じの人」の話が好きなのですがそういうのも入っています。

    小川洋子さんの魅力を多角度から見ることが出来る、初めての方にもおすすめの一冊。
    逆にこれを読んで好きな話が一つもなかったら、小川さんは合わないと言えるかも?

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    2015年07月20日
  • 犬のしっぽを撫でながら

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    『博士の愛した数式』の著者によるエッセイ。自身の執筆活動についてや、日常生活でのエピソード、また、アンネ・フランクへの想いもつづられている。

    どんなことにインスパイアされて作品を生みだすのか、その礎となるものは何か…作家の裏話を聞いているようで、興味深かった。筆者のこれまでの作品の誕生秘話についても言及されるので、まだ読んでいない作品も読みたくなる。筆者のあたたかい人柄が感じられる1冊。

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    2015年06月28日
  • 原稿零枚日記

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    小川洋子版、洋子in wonderland.
    赤ん坊にまつわる描写が、まるで赤ん坊のむっちりした太ももを触っているかのようにリアルで生々しく、思わず傍らの我が子を見直してしまった。

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    2015年05月11日
  • 沈黙博物館

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    幻想的な長編小説。「博士の愛した数式」以来、小川洋子の長編はあまり読んでこなかったのだけれど、すごく良かった。

    博物館技師の「僕」が訪れた幻想的な村。そこで「僕」は形見を陳列する「沈黙博物館」を作ることになる。形見を収集してきた「老婆」と、その娘だという「少女」、屋敷に代々仕えている「庭師」と「家政婦」とともに…。

    相変わらず身体の表現、触感の鋭さが際立つ。老婆の皺とそこにたまる垢、昔一部を切除された歪な耳。少女のまつ毛や指先。体のパーツ一つ一つを慈しむように丁寧に表現する。
    村の伝統や仕来り、不思議な涙祭りや、沈黙の伝道師、卵細工、森や屋敷の様子も、目の前に浮かんできそうなほど繊細。

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    2015年04月23日
  • 心と響き合う読書案内

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    ネタバレ

    好きな作家さんの一人、小川洋子さんのラジオからの
    読書案内本。ラジオ、聴きたかった。。

    まだ読んでいない本も読んだことのある本も載っていました。
    読んでいない本は読みたくなるしすでに読んでいる本は
    小川さんはこんなことを考えるんだなぁと思ったり…。

    読みたくなった本は複数あるけれど、川端康成「片腕」がダントツです。

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    2015年03月14日
  • とにかく散歩いたしましょう

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    上手い、の一言。
    元々新聞の連載だったと言うこともあり、一つ一つがほど良い長さで、シンプルな表現が多く、それでいて濃度が高い。
    日常の些細な出来事や作家活動の一環としてのあれこれ、愛犬の話。ふとした出来事を深く、でも、深過ぎて読み手が迷子になることがない程度に掘り下げて書いてくれているので、心にすんなり入り込み、心地いい。
    こうやって本を書くのだな。こうやってアイディアを紡いで行くのだなと、一作家の裏側を垣間見れた作品。作家を志す人が読むのにもいいと思う。
    本としてまとめられているので、立て続けに読んだけれど、新聞掲載と言う形は正解で、一つ一つエッセイをゆっくり味わうのに適している。
    小川さん

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    2015年04月29日
  • カラーひよことコーヒー豆

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    犬好きでタイガースの熱狂的なファン、どこにでもいそうなどちらかといえば垢抜けないおばさん。
    レジに並ぶときはもたもたして後ろの人に舌打ちされないように万全と小銭の準備をし友達と食事した後に喋りすぎたのでは?と不安になる。
    なるべく世間の端っこで生きるよう努力しながらおこがましい気持ちで小説を書いている。
    でもね小川さん、神様はあなたの小説の才能に特別な計らいをされているのですよ、多くの人が感動するカレンの歌声のようにあなたの本を読むことは私たちにとって至福の喜びなのです。
    いつか阪急電車でお会いしたらお礼を言おうと密かに思ったりしています

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    2014年10月04日
  • カラーひよことコーヒー豆

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    毎日の中でスルリと零れてしまいそうなひとコマを
    大切に丁寧に書かれたエッセイたち。

    不平不満をこぼさず、たくさんのことを
    じっと我慢して超えてこられたお料理の先生の
    謙虚な笑顔と誠実な人柄のお話。

    大好きな須賀敦子さん、堀江敏幸さん、
    柴田元幸さんの話もうれしく、
    「枕草子」に対する想いに、そうそう!と
    うれしくなったり。

    人を結びつける本の話もとても素敵だった。
    同じ本を読んでいるだけで、とても話が弾んだり
    言葉にできない深い繋がりを感じたりする。
    読書ツールでの出会いも然り。
    たかが1冊、されど。

    人との縁、結びつき、大切にすること、
    丁寧に続けていくこと、楽しむこと。
    たくさんの

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    2014年06月09日
  • 世にも美しい数学入門

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    ホント、美しい!!

    学校教育としての算数&数学と、数学者たちを魅了する数学との齟齬はなんだろう。
    本来、そっちへ進むべき人たちが、学校の数学で多く淘汰されてしまってる気がしてならない(><)

    あきゅFBで、どなたかがオススメしてた本。
    すっごい!すっごい!面白かった♪

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    2014年05月24日
  • 刺繍する少女

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    酒井駒子さんの装画が素敵すぎて衝動買い。写真と実物は異なります。奥付の日付が今年の1月だったので、どうやら新装版になったようだ。

    冷たい気配が漂う短編集。
    あまりにも美しいものが、時に近寄りがたい雰囲気を纏っているのと同じような感覚だろうか。
    ページを捲るたびに、行間に漂っている「死」の気配がぽろぽろと零れ落ちてくる。
    淡々として端正な描写の奥で、「ああ、でも最後には、きっと恐ろしい裏切りが待っているに違いない」という予感に息が詰まる。
    なんだかもう、「恐ろしいものを見てしまった」、という読後感だ。

    短編集だけどちびちび拾い読みをしないで、ぜひ全篇をとおして読んでほしい一冊。
    このただなら

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    2014年03月10日
  • アンネ・フランクの記憶

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    小川洋子さんが、ものを書くということの力を見出す源となった、アンネ・フランクの日記。そのアンネの足跡を辿ってゆく旅の記録。小川洋子さんの視線から、アンネを捉え直すことができて、とても興味深い。日記をもう一度読み直そうと思う。

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    2014年02月06日
  • とにかく散歩いたしましょう

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    最初は、なんとなぁく好みじゃないなぁと生意気な感想を抱いて読んでいたのに、
    気がつけば夢中になっていた。
    静かでなエッセイで突拍子もないエピソードで読者を驚かせるということは一度もなかった。
    それなのに中毒になったように読み続けたくなるのは、
    ひとえに文章そのものの魅力なんだろうと思った。
    文体や選びとられた言葉、それと知性。
    小説という自分の仕事に向き合う真摯な姿勢。
    これがすべて。

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    2014年02月12日
  • 言葉の誕生を科学する

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    ネタバレ

    ・無駄な行動が生物学的な強さであり、異性の評価を受ける。発展して美的評価に。独立して芸術に。
    ・言語の歌起源説。
    ・歌から言葉へは「一瞬」。
    ・ミラーニューロン。
    ・天才は刺激の過剰さ。子孫は残せないが芸術を残す。
    ・赤ん坊が泣くのは人間が天敵から身を護れるから。
    ・母と子供の言葉のコールアンドレスポンスによる、相互カテゴリー化仮説。
    ・言葉は情動を動かせない道具として進化した。
    ・フェルミのパラドックス……エイリアンが来ないのはなぜか……言語をもってしまうと文明は滅びるから。
    ・「つながる」こと自体の快感が独り歩きして、空疎なメールなどの言葉。
    ・統合失調症患者の「死にたい」……言い換えてい

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    2014年01月23日
  • 心と響き合う読書案内

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    小説家の小川洋子さんによる読書案内。1作品あたり5~6ページで、52作品が紹介されている。
    ミヒャエル・エンデの「モモ」、カズオ・イシグロの「日の名残」、ボリス・ヴィアンの「うたかたの日々」などなど。読みたい本が一気に増えた。
    ですます調の優しく語りかけるような文章が良い。自分は本を読んで泣くことが多いほうだけど、本書のような紹介本で泣いたのは初めてかも。

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    2013年12月24日
  • とにかく散歩いたしましょう

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    なんで小川洋子はこんなに自分に自信がないんだろーとそこが面白い。
    でもすごく共感してしまうからきっとわたしも自分に自信がないんだろうな。
    面白かった^^

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    2013年12月11日
  • 言葉の誕生を科学する

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    作家と、小鳥のさえずりやハダカデバネズミの歌から人間の言葉の起源に迫ろうとする研究者の対談。
    言葉について突き詰めてゆきながら社会や文明、時間、自分、人間の意識の問題に迫る。鳥やネズミなどの音楽についての研究ひとつひとつが驚きに満ちて興味深く、人がなぜ言葉を持つようになたのか、言葉を持つことで何を得て何を失ったのか・・・全編目からうろこのわくわくする話ばかりだった。

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    2013年12月02日
  • 言葉の誕生を科学する

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    ずっと読みたかった本。文庫になったと知って即買い。
    おもしろい。鳥のさえずりから歌になり文節になり言葉になるって。ざっくりしてるから、間違ってたらごめんなさい。言葉のすごさみたいなのを思い直すことができた。やっぱり言葉で生きて行きたい。
    2013.11

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    2013年12月07日
  • 言葉の誕生を科学する

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    『博士の愛した数式』の小川洋子さんと、脳科学者の岡ノ谷教授の対談本(文庫)

    言葉の起源についての説や考察を、岡ノ谷教授の研究や近接領域の話題で盛り上げる。
    唐突に繰り出される作家小川洋子さんのアイデアが、岡ノ谷教授を触発する様子が読み取れて面白かった。

    やはり、言葉の探求は興味深い。
    本書では、岡ノ谷教授の言葉の発生には”歌"が起源になっているという内容が、なんとも興味深かった。
    言葉ってなんだろう?歌ってなんだろう?と想いを廻らせながら読んだ。

    本書はもともと2011年4月に発刊されたもの。
    対談は、東北の震災前に行われていて、震災後に発刊となった。

    今回の文庫版の出版に当

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    2013年11月14日