小川洋子のレビュー一覧

  • 劇場という名の星座

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    去年建て替えのために休館した帝国劇場。
    劇場を愛するさまざまな人たちの8つの物語。

    私も以前ミュージカルにはまって帝劇に通っていたことがあって、その頃のことを懐かしく思い出した。
    名前こそ出てはないけど、私の好きな井上芳雄さんが出てくるエピソードもあって、何だかとても胸が熱くなった。
    いま私は東京から遠く離れた地方に住んでいて、観劇することもなくなり、かつての熱をすっかり忘れてしまっていたけれど、ああ、そうだこんなふうに劇場って、観劇するってものすごく特別でワクワクすることだったなあと思い出した。

    そういえば、帝劇の地下にあった東京會舘のお料理教室にも通っていた。日比谷のあの辺り、ほかの劇

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    2026年04月05日
  • 博士の愛した数式

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    数学に詳しくないけれど、数学って素敵だな、学び直してみたいなと思った。
    記憶喪失ってどんな感じなのだろうか?と想像してみたがわからない。
    主人公よりも、博士に一番身近にいた人が一番苦しかったのではないかと思う。

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    2026年04月05日
  • 博士の愛した数式

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    80分しか記憶が持たない博士と母子家庭の母親、息子とのささやかな心の交流が静かに心に染み渡る名作。特に意外性のある展開や事件が起きるわけではないので安心して読めるのも良い。
    自分の弱さに向き合いながらも他者に貢献することで生まれる幸せがあることを実感させてくれた。

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    2026年04月05日
  • 博士の愛した数式

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    ルート、良い子だな。数学に関してはよくわからないけど、友愛数とか完全数とか、めちゃ面白いなぁと興味が湧いた。28、特別だな。

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    2026年04月04日
  • 劇場という名の星座

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    ネタバレ

    今回も小川洋子さん節が炸裂していて、最高だった笑笑

    劇場なんて、小川さんの世界観を広げるにはなんてうってつけだろうと思った。中でも、最初の「ホタルさんへの手紙」が良かった。案内係を蛍の光のように表現し、やり取りが父の形見になっていることに感動した。

    劇場に詳しくない私も、すごく行きたくなる素晴らしい空間ということが伝わってきたし、些細な役割、場所に未知の世界が広がるのを表現するのがすばらしかった。それも、フィクションではあるけど、それに近い事がほんとうに隣り合わせで起きているように感じた。

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    2026年04月03日
  • 博士の愛した数式

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    数学と文学って結びつくイメージがありませんでした。

    数学って答えがある。文学って答えが無い。だから何となく相反するイメージがありました。

    ところが数学を美しいもの、美術的な観点から捉えると単なる数学としての回答ではなく各々の解釈で色々な答えが産まれる。

    そんな不器用なのか器用なのか分からないコミュニケーションによってうみだされる本物の絆や愛。

    小説って良いなと思わされる一冊でした。

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    2026年04月03日
  • 最果てアーケード

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    読むごとに頭の中でアーケードのお店がどんどん充実していって楽しかった。時系列で話が進んでいかず、時が行ったり来たりする構成が読んでいて不思議だった。その行ったり来たりの中で出来事の点と点が線で繋がってくるのが面白かった。

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    2026年04月02日
  • 妊娠カレンダー

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    ネタバレ

    妊娠カレンダー。姉と義兄と一緒に暮らす私。
    妊娠した姉の要求に、文句も言わずに答えている。
    いつも料理に文句をつけられたり、つわりが酷くて
    キッチンで料理ができないからと、庭に調理器具を
    持ち出して地面にござを敷いて食べる。
    (庭でご飯というのはとても楽しそうだけど)
    つわり後、食欲が増した姉にグレープフルーツジャムを
    毎日作るようになった。店員にわざわざアメリカ産かどうか確認して、防カビ剤が塗布されたものを買ってくる。
    発がん性があり、染色体を破壊する、という話を知りつつ皮を刻んでジャムにする。姉が食べたいというから?
    悪意とも親切とも取れる行動だけど、やっぱり悪意が
    勝っていると思う。最後

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    2026年04月04日
  • 妊娠カレンダー

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    第104回芥川賞受賞作、ということで。

    受賞作と、他2篇。
    91年に受賞、この文庫が94年に1刷ということで、35年の時を経ているというのは不思議に思えた。所々にその時代性は少しだけ顔を出すものの、全く古びていない。

    3篇の短編集の共通して根底にあるものは、何とも言いがたい淡々とした不穏、不気味さと、観察者としての「わたし」、そして高く一貫した描写力だと思った。

    個人的には「ドミトリイ」と、著者の文庫版あとがきの中の、新鮮な玉ねぎと猫の死体の話が一番面白かった。

    「ドミトリイ」は特に途中からミステリーのような急展開になり、真の小説が生まれるのはそういうところにあるものかと、短いあとがき

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    2026年04月01日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    小川洋子さんのかく文章は本当に読んでて心地良いです。静かだけどその静かかさの中には深淵が広がっているような。とてもいろんな色の絵の具を幾重にも重ねて描いた絵画のようです。パッと見は青に見える。でも近寄って覗き込むようによーく見るとその中には黄色も緑も灰色も茶色もあらゆる色が隠れていてびっくりする、そんな感じです。(←我ながらわかりにくい 笑)

    全体的に感じる空気感はファンタジーのような神秘的な夢物語のような印象を受けますが、実は窮屈な生きにくさを描いたダークファンタジーでした。リトル・アリョーヒンにとってチェス盤の下以外の世界は何と生きにくかったことか。リトル・アリョーヒンが悪いわけじゃない

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    2026年04月01日
  • 密やかな結晶 新装版

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    読みながら読んだ文字がポロポロと落ちていく感覚
    まさしく物語の中どおりの消滅のような感じがして面白かった
    主人公の名前も、おじいさんも、結局名前が出てるはずのR氏もはっきりとした名前が分からずにこの物語は進んでいってこうやって文章って書けるんだ…と圧倒された
    天然石や鉱石を見ているような透明なでも角度を変えると見方が変わるようなそんな物語だった

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    2026年03月31日
  • そこに工場があるかぎり

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    小川洋子さんの工場を見学してきたお話。

    小川さんは岡山県出身。
    幼い頃から近くに工場があり、ずっと興味を抱いていた。
    小川さんの工場愛がにじみ出ている一冊。
    文章がとてもきれい。
    読んでよかった。。。
    この本を読んで、鉛筆を購入。
    しばらく使ってみようっと。。

    メモ
    細穴の奥は深い (エストロラボ<細穴屋>)
    お菓子と秘密。その魅惑的な世界 (グリコピア神戸)
    丘の上でボートを作る (桑野造船)
    手の体温を伝える (五十畑工業)サンポカー
    瞬間の想像力 (山口硝子製作所)ガスクロマトグラフィー
    身を削り奉仕する (北星鉛筆)

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    2026年03月31日
  • カラーひよことコーヒー豆

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    言葉一つ一つがきれい

    私にだってちゃんと若い頃はあった。疲れを知らず、恐れを知らず、時間に限りが

    あるなどと考えもせず、今目の前を行くあの子のようにずんずん突き進んでいた。愛してくれない人を恨み、自分より愛されている人をねたみ、いつも、自分自身を哀れむために泣いていた。それでも思う存分泣けば案外とすっきりし、むくみも食欲不振も目の下の隈も、一晩で解消した。そんな時代があったはずなのに、ちょっと油断し

    ている隙に、すべてが遠くなってしまった。なぜだろう。あの日々は一体、どこへ消

    えてしまったのだろう。

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    2026年03月29日
  • 博士の愛した数式

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    ネタバレ

    すごく丁寧に感情などが例えられて描かれていて、良かった。優しい気持ちになる。
    愛情深い人だからこそ、80分しか記憶が持たない事実に胸が痛くなる。号泣という感じではないが、じわじわくる。

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    2026年03月29日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    何の話?と思わせるこのタイトル。マスターから教えてもらったチェスに魅入られた男性の物語。独特の世界観で、いつの時代の話なのかもよくわかりませんが、一人の男性の生涯に思いを馳せながらの余韻の残る読書体験でした。チェスと将棋ってすごく似てるんだなぁと思ったり、最後はミイラと再会させたかったなぁと思ったり、この話ってノンフィクションなの?と思ったり、これはこれで一つの幸せな人生だっただろうなぁとか、いろんなことを思いながら楽しく読めました!

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    2026年03月29日
  • ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)

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    人間とゴリラまた他の動物たちとの様々な比較をしている本書はとても面白かった。言葉があることによって文学が生まれたりして文化的に豊かになった部分もあるけれど、本能を超えた残虐性が生まれたり、曖昧さが許容されなくなってきたり言葉以外の手段が弱くなったりということもある。使い方を考えていきたいし言葉だけを絶対視しないようにしたい。

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    2026年03月28日
  • 博士の愛した数式

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    数学の知識がもっとあれば、きっともっと面白かった!!!あまりにも悔しい。数学の知識がなくったって楽しみながら読めるけど、数学の知識があったらもっと数式であったり定理、証明の美しさを理解できたんだと思う。この世のものは意外と数字で示されているものが多くて、特に作中にも出てくるけど野球は数字があってこそ凄さが分かる表記の仕方だし、数字のみでプレーの内容を彷彿とさせるものであると実感した。名前だけは知っていたものの長らく手に取らずにいた小説のひとつ。春休みを利用して読めて良かった!!
    物語中盤ぐらいで、母親が息子に謝罪するシーンが印象に残った。目上の人から下の人に向けての謝罪(特にそれが家族、親子で

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    2026年03月28日
  • 博士の愛した数式

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    主人公、博士、ルートの何気ない日常に心温まる。
    側からみるとそれぞれが不幸な境遇であるのに3人の関係は温かく、特にルートは博士との出会いによって人生まで変わったと同時に見てくれなどではなくその人の本質を理解できる人に成長できたように思う。

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    2026年03月27日
  • 博士の愛した数式

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    ネタバレ

    映画が好きなので、原作を読んでみました。とても優しい温かな文体で、すらすらと自然に読み進められ、初めての感覚に驚きました。主人公は博士に父親を見ていたのか、男性を見ていたのか、興味深い。博士を信用しなかった主人公に対してルートが怒り、項垂れる博士のくだりが切ないです。小川洋子さんの作品を今後も読んでみたいと思いました。

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    2026年03月26日
  • 沈黙博物館

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    ネタバレ

    青年を主人公に据えて青年を支える少女と気難しい老婆がいる。
    この設定だけで「小川洋子」であれば、話が面白いのは決まっている。

    地域の人々の形見を集めた博物館を建てるための準備をしに来た主人公。
    形見はもっぱら遺族からの寄贈などではなく、青年や老婆による盗難。されど、それに気づく者はいない。

    爆発事件、女性の刺殺事件、兄への手紙などミステリーな要素が存分に入り込んでいて不穏な雰囲気。
    切り取られる乳首と庭師が研ぐジャックナイフの関連。

    不穏な中から急に陽が差し込む。どういった理屈だろうか??なぞは謎のままで物語は終わっていく

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    2026年03月25日