小川洋子のレビュー一覧
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2025年2月、建て替え工事のために長期休館した「帝国劇場」に纏わる8篇の連作短編集。
歴史ある「帝国劇場」の舞台を愛する案内係、幕内係、楽屋係、熱心な観客の人々たちの人生が綴られている。
表には現れることのない舞台の裏側で働く人々にスポットを当て、何故に「帝国劇場」が多くの人々の心を掴んでいたのか、小川洋子さんらしい静謐な文章で綴られている。
どのお話も小川さんの創作だと思って読み終えたのだが、果たしてそうなのか、少々の疑問が生じた。
ちょっと調べたところ、小川洋子さんは帝国劇場に関わった多くの人々から対談をされていた。
その詳細は省くが、長い歴史上には様々な個人的物語が含まれているようだ -
Posted by ブクログ
知人からおすすめされたエッセイ集。
色んな題材でエッセイが書かれていて
一般にイメージするような日常の中での気になった話や面白い話だけじゃ無くて
中には読書感想やホラー、幻想といった小説的なものまである。
この一冊で幅広いエッセイの形に触れる事ができる。
あとがきにも書かれているが
「結局は文学のない世界では生きられない」
というのが全体的なテーマとの事で
読み終わって
意識的にしろ無意識的にしろ
日々の生活の中って否応なく文学的要素って転がってるんだよな
と再認識させてくれた。
文芸作品を読むのってなんの意味があるのって考える人もいると思うけど
今まで感じ取れなかった視点に気づけるという -
Posted by ブクログ
小川洋子さん&帝国劇場という、好きのダブルパンチだったので迷わず購入。家に持ち帰ってよくよく本を見て魂消た。装丁すごく良い!!
上製本の仮フランス装、たぶんあじろ綴じなんだけど天アンカットで花布が無いからなのか、上から見たときに糊が見えなくて、紙の一枚一枚が際立っている。扉の紙質と見返しの赤もすごく綺麗!
デザインだけで買って良かったと思った。
物語は、劇場という場での一期一会が様々な立場から描かれていて、じっくり味わいたくなる短編がそろっている。
神聖な場でありながら泥臭い努力によって日々幕が上がっていた帝国劇場。新しい建物になっても伝統が受け継がれていくといいなと思う。 -
Posted by ブクログ
表題作『薬指の標本』
童謡「赤い靴」を流しながら読みたいお話。あとなんか、唐突に「ぼのぼの」の「しまっちゃうおじさん」を思い出しました。どちらも、「子供の頃なんとなく怖かった記憶」ですかね。
以下は「密やかな結晶」との比較も含みます。
『密やかな結晶』の後に読んだのだけど、雰囲気が似ていて、特にその作中作と構造が似ている。
発表としては『薬指の標本』表題作の初出:1992年7月
『密やかな結晶』単行本:1994年1月
『薬指の標本』単行本:1994年10月
とのことであり、『薬指の標本』からさらに純度を増したのが『密やかな結晶』であるように見える。
『薬指の標本』は短いが、小川洋子の作品 -
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小鳥を通じて兄と、人と、繋がりながら生きた「小鳥の小夫さん」の不思議な人生の話。
小川さんらしい、不思議なお話でとても好きでした。
「小鳥の小夫さん」は、きっと本の中に暮らす彼の周囲の人々から見たら、平凡で、無口で、ちょっと変わっていて、やや話しかけづらい男性だと思います。
しかし、そんな人の人生の中に、一冊の本になるような物語がある。
そんな感じの本です。
私が特に好きなシーンは、目白の鳴き声大会での、小夫さんの一世一代の大胆行動です。
その前に出てくる鈴虫の老人の話も伏線になっているような感じで、小夫さんらしい行動だなあと。
鳥は飼わないと言ったお兄さんや、鳴き声大会の小夫さんの