小川洋子のレビュー一覧

  • 小箱

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    ネタバレ

    子を亡くす悲しみとは。結婚式と歌をもって解き放たれるのか。

    悲しみを抱き、生き延びるのはどこまでも待ち、よい耳を持たなければならない。

    最後のバリトンさんの歌の場面は圧巻だった。

    小川洋子さんの長編の中でも本作は一番沈痛かも知れない。

    ここの子どもたちはみな不慮の死なのか。集団で虐殺された影も感じる。

    そこで言葉を残したバリトンさんの恋人の手紙はまるでアンネの日記のようだ。

    コーネルの小箱も物語世界について、これ以上の喩えはないのではないか。

    <メモ>
    ・なぜ産院は爆破され、元・産院となるのか。
    ・死を忘れたことの象徴が博物館の廃館。
    ・博物館ケースの再利用は、生の展示物化。

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    2025年08月27日
  • 約束された移動

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    誰のどんな役割もすべて等しく神聖である気がした。ときどき常識から逸れることがあっても、大きな問題ではないような気もしてくる。すばらしくうつくしい、上品な雰囲気。うっとり。

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    2025年08月25日
  • 遠慮深いうたた寝

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    本を読まない人が増えて、本屋がどんどんつぶれ、何分以内に読める!というのが売り文句になってしまった今の時代だけど、やっぱり本を好きでいいんだ、本の力を信じていいんだと思わせてくれる心強い一冊。

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    2025年08月25日
  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか

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    自分の置かれた状況がどうにもならない時に、文章や言葉にすることで、思わぬ気付きや救われることがあるのだと思いました。
    アンネの感性の豊かさに敬服です。

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    2025年08月24日
  • 口笛の上手な白雪姫

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    「かわいそうなもの」と「仮名の作家」が狂おしいほど好き。
    混沌とした静かな世界のなかで、ほんのりとした切なさがとても好きです。ほの暗い雰囲気で普通はないようなことが起こっていても、どこかに妙な現実味があって…
    何度でも読み返したい

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    2025年08月23日
  • ミーナの行進

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    小さい頃、友達の別荘で数日間過ごしたことを思い出した。
    あの頃に経験したすべての物事は、今となっても色褪せず大切な記憶。
    普段何気なく過ごしてる日常も、将来見返したときに、かけがえのない宝物にきっとなると思うので、日々を大切に過ごそうと思いました。

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    2025年08月20日
  • ブラフマンの埋葬

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    ファンタジーとリアルの合間 すごい薄い本で短いストーリーなのだけど、犬の描写が犬らしく可愛げで、犬っていいな、癒される存在だな、と思った。主人公の青年はなんか不思議な仕事をしている不思議な存在って感じ。ファンタジー感もあるし、現実感もあるけど、ふわっとしたストーリーだった。

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    2026年03月14日
  • 夜明けの縁をさ迷う人々

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    サクッと読める幻想小説。テーマを述べるとすれば個人的には「喪失」なのかなと思います。仄暗い世界で生きている人々に耳を傾ける登場人物。
    だけれどもその喪失から得た感情はとてもリアルな内容だと思いました

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    2025年08月14日
  • 薬指の標本

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    ネタバレ

    そんな昔の本だとは知らずに購入して読破。
    でもやはり世界観はレトロが好きだなあ。

    表題【薬指の標本】、全然そんなこと言ってないのに、なんかグロかった。
    そして何故か男性の声が脳内つだけんで再生される笑

    いやでも本当になんだったの?
    オカルト好きとしては文字つだけん(仮名)は妖怪だったのかとオモウンダ?
    人間か妖怪化した怪人Aの亜種みたいな。
    もしくは若い女しか食わない鬼? 血〇術?

    タイプライターだっけ?読んだの実はちょっと前で細かいところ忘れちゃったんだけど、あのシーンなんだったの?
    一緒に探してよ。

    決定的に何かが起こるとかではなく、じわじわ攻めてくるというか、侵食してくるというか

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    2025年08月10日
  • ブラフマンの埋葬

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    読後感はいい。
    静かな文章を楽しませてもらった。
    ブラフマン、かわいい、愛らしかった。
    この独特の世界観に魅入らされた。

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    2025年08月10日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    読みながら、第六感(?)みたいな、普段とは別の、心の深いところにある感覚がゆっくり目を覚ますような感じがしました。「黙っていられるかどうか」という章が特に印象に残っています。誰かにに寄り添うこと、心を通い合わせることは、シンプルでいて、でもとても繊細で、分かりにくい、「あわい」ということ。簡単ではない。それを本当に分かっているお二人だと思いました。

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    2025年08月09日
  • 貴婦人Aの蘇生 新装版

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    ネタバレ

    小川洋子さんの作品に出てくる「私」を中心に話が進められるが、個人的に一番主人公っぽいのは「オハラではないか?」と思った
    小川洋子作品で出てくる人物としてとても珍しい人物像だなと思いました。この人の視点で物語を読むと全く違う話ができあがりそうと思いながら読んでいました。

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    2025年08月05日
  • ホテル・アイリス

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    流れるような文体と100年後には童話になっているのではとすら思う小川洋子先生しか知らなかった私は、心を射止められてしまった。

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    2025年08月03日
  • ミーナの行進

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    ネタバレ

    久々に小川洋子読んだので面白かった〜!
    文学に触れてる感じがして本読むのが楽しい。
    何でもかんでも綺麗に書くから、伯父さんの行動すらも負の感情感じずに読み終わってびっくり。
    本書きたくなる

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    2025年07月31日
  • 妊娠カレンダー

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    一年ぶりくらいに小川洋子の本を読んだけれど、ほんとうに美しい文章を書く…。文章が澄み渡りすぎて、きれいすぎて、なんかちょっと官能的な、怖いような。うまく言えないけど、なんせうっとりしてしまう。透きとおった悪夢って表現がほんとうにぴったりな一冊だった。夢が現実かわからない、ほのぐらい境目をたゆたうような感覚。はあ。良い。ため息出るわ。表題作がいちばんわかりやすくてすきだったけど、三篇ともよかった。溢れ出る小川洋子感。特に理由もなく、小川洋子作品を読んでいなかったけれど、ひさしぶりに読んだらまじでよかった。これからいっぱい読も。

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    2025年07月31日
  • 耳に棲むもの

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    音と死をめぐる幻想的な物語。
    補聴器売りの男が出会った物たちが彼の耳の中に棲んでいたのかもしれない。
    静かに進む不思議な世界に引き込まれたが、難解でもあった

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    2025年07月30日
  • そこに工場があるかぎり

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    工場経験がありますが、こんな素敵な表現で日々の業務を表現される方がいるんだと驚きました。見方を変えれば確かにと思いました

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    2025年07月27日
  • ホテル・アイリス

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    作者の描く、清々しく儚い美しさや、不安定で冷たい恐ろしさみたいなものは、いつもと変わらずに表現されていて、そこにマゾヒズムというスパイスが追加される事で、こんなに陰湿で卑猥になるんだ。と感動した。

    サディズムとマゾヒズムの関係性には、ある程度の理解があるつもりなんだけど、それは言語化するのは到底困難で(偏見ももちろんある)、目を逸らしているところが多々あるし、勘違いしてただのプレイの一つだと思い込んでいる人間が殆どの中で、ただのエロとしてでは無く、エモとして表現しているところは、この人の文体と表現力だから出来る事なんだろな、と思った。

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    2025年07月05日
  • いつも彼らはどこかに

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    動物に関する8編

    ビーバーの話が好きだった。
    小川洋子さんの物語はいい意味で少し世間ズレしているというか、浮世離れしている感じがする。

    サスペンスものやリアリティとかの実際的な出来事に対して深掘りしていくというよりは、小川さんの世界に引き込まれていって、現実的ではなくてもこういう世界、見方もあるんだよと感じる。

    いろんな物語の中で、世間一般の言い方をすると落ちこぼれ、低所得者、フリーター、ホームレス、と一括りにされる人たちに目を向けてひそやかで穏やかな世界を見せてくれることもある。
    この人独自の書き方を無視できない。

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    2025年07月04日
  • そこに工場があるかぎり

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    ネタバレ

    小川洋子と工場という組み合わせは、あまりにギャップがあるだろう。
    小川洋子の作品は、静けさのイメージが強くて、まるで水中に深く潜っていくような、徐々に周りの音が聞こえなくなって、少し不可思議で、あやういバランスを保つ世界にどっぷり浸かるような読書、と思っていた。
    対して工場はというと、少し騒々しくて、大規模にきっちりと整えられた、不可思議とは縁のない、すべて合理性に則った場所、という気がしてしまう。

    その両者がこんなにすっきりとマッチするものなのか、というよりも、自分の認識が浅かったというか。

    取り上げられている工場は、大規模なところもあるけれども、どちらかというとかなり小規模にやっている

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    2025年06月29日