小川洋子のレビュー一覧

  • 人質の朗読会

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    こんなにも生と死、いつも通りの生活の有り難みを感じられる小説はあまり読んだことはありません。

    極限のなか感謝、後悔、恐怖、様々な感情を押し殺して朗読会を行います。

    8人の人質は偶然その場に居合わせただけで、皆それぞれの生活があり、家族や友人がいる。年齢や性別も違っているお話がとても身近に感じられます。9人目の、通訳の政府軍兵士が語った「彼らは祈りにも似た行為であった」の一文には涙が出そうになりました。
    悲しいけど、素敵な短編小説です。

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    2026年02月01日
  • ブラフマンの埋葬

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    どんどん残りのページが減っていく。
    ほとんど無くなるページに焦らされる。
    紙の本で読む良さを味わった気がする。

    結末は、そうなりますか。
    小川洋子さんの静かな物語。

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    2026年01月31日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    「物語」は今年少し強めに関心を持ってみようかなと考えているテーマの一つ。まずは導入ということでこちらの本から。何の気なしに手に取りましたが河合隼雄さんの最後の対談本で、しかも途中で終わってしまっていたものだったのですね。『ブラフマンの埋葬』を題材にした会話はぜひ読んでみたかったので残念ですね。
    物語というものが持つポジティブなパワーについては既に学んでいたり実感している部分もあるのでそういう意味では心理師としての河合さんのいう物語の効用についてはまぁそうだよね、という感じで、むしろ小川さんの物語ることに対しての使命感のような感覚や創作についての感覚が面白かった。今後探っていきたいのはむしろ物語の力が持つ負の効能や影響面について。それがあったとして物語の効能を使わないということはそもそものホモサピエンスとしての認知の構造としても無理だと思うが、考えどころや工夫のしどころについて色々な観点から考えてみたい。

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    2026年01月28日
  • 続 遠慮深いうたた寝

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    前作に引き続き、小川洋子さんのエッセイは
    なんだか心地良くて不思議な楽しさがある。

    月、おじいさん、通りすがりの人、
    子供のゴリラ、少年、
    フィギュアスケートの高橋大輔も出てくる。

    本の紹介は実際手に取ったことがない本が多くて、なかなか難しそう。。
    でもいくつかメモはしました。

    真冬の眠れない夜にホットミルクを飲みながら
    読むのがピッタリ。静かで穏やかで染み入る言葉たちに囲まれて私もうたた寝。
    なんとも幸せな読書時間でした。

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    2026年01月29日
  • 貴婦人Aの蘇生 新装版

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    ネタバレ

    もしかしたら伯母はアナスタシアの使用人で、革命によって理不尽に命を奪われた彼女を悼むために自らがアナスタシアと名乗り、剥製のように永遠を生きようとしたのではないか、、途中まではそのような想像を巡らせながら読んでいた。しかし、作者の静謐な文章や生々しさをも美しさへと変容させる描写に、伯母が誰であろうと〝今ここで慎ましやかに幸せを感じて暮らしている〟その事実だけで充分だと感じさせられた。

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    2026年01月22日
  • サイレントシンガー

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    沈黙を愛する人たちとともに育ったリリカは、やがて歌で多くの人や動物たちとのつながりを増やしていく。けれどその歌声は持ち主を問われない、聞く人や生き物たちの内側に積もっていく、かたちのないもの。むしろかたちがないからこそ、説得力を持ち、心に残りつづける。

    そんな歌をうたえる彼女はとても清らかだけれども、まるで音にあふれた現世とそれを受け入れられないものたちとの橋渡し役かのようでもあり、ずっと寂しい存在のようにも感じました。奉仕するような愛に満ちた彼女そのものが、作者の描く世界を体現する美しさのみで構成されていて、ひとのかたちとしての集大成かのようにも思えました。

    絡みあったふたつがひとつになった骨、ポーズを決めたままの人形、回転するテーブルで疎通する意志、語られない物語の断片たち。いろんな要素の、少しずつのさびしさと硬質さ、そして毅然とした汚されない美しさそれぞれが、静かに沁みていく物語でした。

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    2026年01月18日
  • 沈黙博物館

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    ネタバレ

    「今日は何日だ?三月三十日か。野ウサギの受死日じゃないか。いかん、私としたことがうっかりしておった。野ウサギの関節付きもも肉を食べねばならん日じゃった。日も暮れてきた。私はもう行く」p16

    という序盤の台詞に、なんだその意味の分からない日は!?なんだこの婆さんは!?と笑った。

    それはもう窃盗じゃないか、というやり方をしてでも収集してきた形見の数々。誰かが死ぬ事に登録番号をつけて増えていく。

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    2026年01月14日
  • ミーナの行進

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    大きな事件が起こるわけでもなくただひとりの生活を物語にした小説。
    ゆっくりとした時間のなかでの追体験は読んでいて心地よい作品でした。

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    2026年01月14日
  • からだの美

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    ハードル選手がハードルを飛び越える瞬間に見せる足裏、石川佳純さんのボールを見つめる視線、羽生善治さんが駒を指す中指、等。
    筆者により、思いがけない身体の美しさが浮かび上がる随筆です。

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    2026年01月13日
  • 海

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    するすると読めるけれど、小川洋子独特のひんやりとした感触、奇妙で意地らしく温かい視線、現実から少しだけずれた、しかし不思議と安らぐ読後感。それと、この短編集は少し気軽でユーモラスな話も入っていて愛らしい。
    やっぱり小川洋子は良いなと満たされた気持ちになりました。

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    2026年01月12日
  • 琥珀のまたたき

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    魔犬に襲われると死んでしまうから、決して外には出ないように。
    そう母親に教えられ、箱庭の中だけで生きてきた三人の子どもたちの物語。

    オパール、琥珀、瑪瑙、そしてあの子。
    兄弟愛がなければ、発狂してもおかしくないような環境下で、皆が身体を寄せ合って、ひとつになって静かに生きていた。母親の歪さに気が付いたとしても、ここから出て行くとして、どこでどのように生きていけばいいのかその術を誰からも教えてもらえない子どもたちの無力さが、彼らをこの家に縛り付けていた。琥珀と瑪瑙は外の世界をあまりにも知らなかったから、家に居続けることが当たり前だっただろうが、オパールはきっとそうではなかった。だから、誰かが手を差し伸べてくれるのを自分も知らないうちに待っていたのだろう。

    彼らの家での独特な遊び方が、とても好きだった。オリンピックごっこ。私もやってみたくなる。

    最初から、この暮らしにいつか終わりが訪れることはわかっていた。しかしそれがこんな結末になるなんて。カレンダーに星印をつけた母親の心情を、完全には理解していなくとも、あのXデーに全員が散り散りになったことを思えば、その時点で子どもたちは何か異変を感じ取っていたのではないだろうか。誰も、それを目撃しなくて本当に良かった。

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    2026年01月09日
  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか

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    『アンネの日記』は歴史の授業で習ったりと存在は知っていましたが内容までは全く知りませんでした。最初の入り口として分かりやすそうな本書を手に取りました。
    10代とは思えない、大人も舌を巻く文章力や表現力、何より人生の価値観がありありと溢れている内容だと言うことがわかりました。
    好きな言葉は本書のp105に出てくる、
    「じっさい自分でも不思議なのは、わたしがいまだに、理想のすべてを捨て去ってはいないという事実です。(中略)いまでも信じているからです―たとえいやなことばかりでも、人間の本性はやっぱり善なのだということを。」
    というアンネの言葉です。差別的な扱いを受け、学校にも通いたくても通えない、隠れ家生活を余儀なくされる、そんな原因を作ったのはまごうことなきナチスドイツ軍なのに、同じ人間なのに、そんな相手にも性善説を信じて希望を見出だしているのが、アンネのすごい所だと思います。

    そんな『アンネの日記』の魅力を私に教えてくれたのは100de名著を記した小川洋子さんです。まとめ方や伝え方がとても分かりやすかったです。
    いつか、完全版を読んでみようと思います。

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    2026年01月12日
  • 薬指の標本

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    独特な世界観で、とても引き込まれた。
    現実なのか夢なのか。
    ありそうでありえない絶妙なバランスで描かれた作品だと思いました。

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    2026年01月05日
  • ミーナの行進

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    主人公の朋子が、ある事情によって、芦屋の富豪でもある、伯父・伯母のお屋敷に、1年間同居することになった。お屋敷には、朋子より1歳年下の体の弱いミーナと、伯父の母親(おばあさま)、家事を手伝う米田さんと小林さんが住んでいた。ミーナには、スイスの寄宿学校に留学をしている兄がいて、彼も朋子がお屋敷にいる間に帰省をしてくる。そして、お屋敷にはコビトカバのポチ子が住んでいて、体の弱いミーナを乗せて、小学校までの道のりを送り迎えしていた。
    物語は、そのような家族と偶然に1年間住むことになった朋子の視線で、その間のあれやこれやを描写したものだ。
    正直、芦屋での1年間の描写は、少し退屈なものだった。が、ミーナと朋子が成長した後の2人の手紙のやり取りが、物語の最後に登場する。中身はネタバレにもなるので、ここでは触れないけれども、この手紙のおかげで、舞台となった芦屋での1年間が、2人にとって、とても大事なものだったということが、しみじみと感じられるようになっているし、この1年間は、朋子とミーナの成長物語として、あらためて読み直せることに気がついた。
    最後の手紙のやり取りが、とても効いている。

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    2026年01月02日
  • とにかく散歩いたしましょう

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    いつから読んでいるんだろう。

    小川洋子さんの本はまだ読んだことないけど、エッセイから手を出してみた。
    一つ一つが短くて読みやすい。
    そしてこの人の本への愛がよくわかる。
    どんな思い出に関してもあの本のあの部分と似てるなぁとかあの本の主人公はこんな気持ちだったのかなとか、これまでの読書量が感想に出てきている。
    こんな素敵な表現ができるならもっと自分も本を読もう、そんなモチベを貰えたエッセイだった。

    時々切なさを感じる場面があり、「とにかく散歩をいたしましょう」につながる終わりがとても良かった。

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    2025年12月30日
  • 世にも美しい数学入門

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    中学生、高校生などがこれを読んだらかなり勉強熱心になるのでは、と思う。
    そんな時代に読みたかった本。
    数学の疑問について調べたくなる癖が着くと思う。
    対談形式なので読みやすい。

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    2025年12月20日
  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか

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    『押し潰されそうに耐え難い、大きな岩石のような苦しみが、言葉というかたちをとることで頭の上から足元へと移動し、重荷から、その人自身の土台へと変わる。悲しみや苦しみはけっして消えないけれども、置き場所を変えることはできる』

    言語化することの意味やその効力の強さを学ぶことが多い1冊だった。

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    2025年12月20日
  • そこに工場があるかぎり

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    ふと気づくと、金属に穴があきはじめている。そもそもの目的がこれなのだから、驚く必要もないのに、なぜかとても不思議な現象を目にしている気分になる。一点の窪みが少しずつ、慌てず慎重に、奥へ奥へと潜り込んでゆく。電極と金属は一定の距離を保ち、決して触れ合わない。電極の回転も、穴の形成も、想像よりずっとゆっくりしたスピードで行われる。金属はまるでそれが自らの意思であるかのように、穴を受け入れている。この密やかな営みを、火花が祝福している。(第1章 株式会社エストロラボ〈細穴屋〉より)

    凡ゆる仕事には、たとえ文化勲章受賞者ではなくとも、匠の技が隠れている。と、私は思う。
    例えば、封筒詰めの単純作業であっても、横幅に合わせてセロテープを切るために、カンとしか言いようのない切り方をする達人たちがいる。しかも、多くの作業員はその域に達している。長すぎたら不恰好、短すぎたら用を足さないどころか、失礼に当たる。測ってもないのに常に横幅ぴったりにセロテープを切ることができるのは何故なのか。

    芥川賞作家の工場見学記である。
    普通の工場作業員の矜持や匠の技を見事に描いてきた作家に、例えば直木賞作家の高村薫がいる。「マークスの山」や「照柿」など、空気を吸うように作業をする傍ら、愚かな罪を犯してしまう男たち描いていた。それら、ノンフィクションのような硬質の文体に対して、小川洋子さんの文体は、幽玄の世界に呼び込むような軟質の文章だ。たとえノンフィクション作品になっても、彼女の文章は小説なのである。

    「細穴の奥は深い」
    女性のみの工場。細穴を作ることのみに特化した工場。

    「お菓子と秘密。その魅惑的な世界」
    洋子さんが子供の頃魅惑された岡山駅前のお菓子工場は「梶谷のシガーフライ」工場かなと思ってかなり調べたが、どうも違うようだ。何のお菓子作っていたんだろ。洋子さんが見学したのは神戸のグリコ。「グリコのおまけ」ではないらしい。正式な呼び名は「グリコのおもちゃ」。
    ‥‥私は「おまけ」と聞く度に、幼少時自宅の建て前で、まき残った「グリコのおまけ」を全部開いて、生涯一度のみ、母から涙ながらに叱られたことを思い出す。

    「丘の上でボートを作る」
    今は縄文時代丸木舟のようにくり抜くんじゃなくて、スポーツ工学を駆使して手作りされているらしい。琵琶湖近くにあるけど、完成品は琵琶湖に浮かべない。

    「手の体温を伝える」
    洋子さんと同じで、町で見かける度に幸せになれる「車輪付きの大きな箱」。1、2歳の子どもたちが数人乗せられて、みんなお揃いの帽子を被って、思い思いの表情で運ばれてゆく箱。あれは向島の五十畑工業が発明したらしい。〈サンポカー〉というらしい。

    「瞬間の想像力」
    山口硝子製作所。5000年前、アラビアの商人が焚き火をしている時、積み荷のソーダをかまどに使ったところ、溶けて砂が混じり、ガラスらしいものが出来た。それ以降、人類はガラス容器を作ってきた。そして此処では複雑極まる理化学用のガラス器具を作ってきた。

    「身を削り奉仕する」
    北星鉛筆株式会社。洋子さんには今でもペンだこならぬ鉛筆タコがあるらしい。現代の我々に、それを持っている人は少なくなっているだろう。PCタコ指先にタコがある人っているのだろうか?鉛筆の芯の黒鉛に鉛は入っていない。炭素の塊である。鉛色なので、そう名づけられたらしい。書き味と強度には油が必要で、これが手が汚れる原因。木も一回茹でて中の細胞を壊して削り易くさせている。精度は伝統工芸レベル。外国鉛筆が粗製なのは、日本の下町工場のレベルが違うかららしい。

    2016年の取材開始から21年に単行本、25年に文庫本になるまで9年の月日が経っている。10年そこらでは色褪せない世界が、そこにあった。

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    2025年12月17日
  • まぶた

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    小川洋子さんならではの素敵な言葉選びと不穏な雰囲気が漂う短編集。。
    バックストロークは強烈。まぶたは流浪の月みたいだと思った(まぶたが先です)。2001年にこの物語が存在したんだと思うと不思議な感覚。

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    2025年12月14日
  • 続 遠慮深いうたた寝

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    静謐な朗読を聞いているような作品だった。
    時に熱く語られているのにどこまでも客観的で、静かで穏やか。冬の午後にぴったりだった。
    時折差し込まれる夢か現か分からないお話にエッセイと創作の境目がなくなる感覚が小川洋子作品、という感じがして心地良かった。
    まさに「優れた文学に出会うとそれがエッセイか小説か分からなく」なった。

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    2025年12月12日