小川洋子のレビュー一覧
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ネタバレ短編集2作品の詰め合わせである。まず最初はタイトルにもなっている「薬指の標本」標本を作る店で働く20代の女性の視点で紡がれる幻想的な物語だ。現実にはない世界観だと読んでいるだけで夢か現かに迷い込んだような感覚と詳細な描写はないのに色っぽい話だと感じ取った。途中で今まで働いていた女性たちはこつ然と消えることが多かった、アパートに住む老婆の発言だと特徴的な靴の音を鳴らし地下室の標本室に降りて行ったと書かれた時は主人公は標本を作る店主と肉体関係にあったしいずれ足と一体化し足から外れなくなる靴を貰っていて本人もどんどん靴を脱ぐ気がなくなっていくから主人公は何かを標本にして消えるだろうなと思った。結果タ
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ネタバレ幸福な人たちを見て、この人たちの幸福が、このまま一生続いてくれたらいいと、純粋に願ってあげられることは、度々ある。けれども、その幸福な人間が、自分の嫌いな人間だったら、早く不幸になってくれないかと内心思うこともある。その源泉にあるのは、その嫌いな相手に対する妬みかもしれないし、自分が幸せになれない劣等感かもしれない。ただ、「妊娠カレンダー」に描かれている「わたし」の姉に対する心情というのは、そういった普通に想像できる範囲の気持ちとは、一線を画している。にもかかわらず、妊娠した姉に作るグレープフルーツのジャムが、農薬に汚染されているかもしれないと想像するその心理は、どこかで自分も抱いたことがある
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Posted by ブクログ
ネタバレ瑠璃子の嫉妬が生み出した物語。
新田は薫を大事で愛していて、薫も新田を大事で愛しているとしても。
2人に恋愛的な描写はなく、それは、精神的な繋がりや師弟愛のようなものと私は感じたけれど、瑠璃子の目を通すとものすごくドロドロとした嫉妬の感情が乗っかってくる。
仕事なのに、犬を脅しに使って、新田に薫と一緒に行かないでって怖い。
瑠璃子、マジ怖いよ。
あんな行動されたら、冷める。
それまでは、新田も「瑠璃子ってステキ」だったと思うよ。
なのにねー。
残念だ。
夫と揉め事が絶えなかったというのは、はじめは夫の不倫が原因だと思っていたけれど、度重なる揉め事が不倫に至らせた可能性あるね。暴力ふるって