小川洋子のレビュー一覧

  • 博士の愛した数式

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    博士の不器用さや純粋さが愛らしく、接していくうちに自然と惹かれていく感覚があった。
    数学を通して築かれる関係性が静かに温かく、その意味をより深く理解するためにも知識を得てから再読したくなる作品だった。

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    2026年04月01日
  • 劇場という名の星座

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    ネタバレ

    今まで、帝国劇場についてほとんど知らなかった。この本の中には、様々な立場から見る帝国劇場の姿がある。そこには、多種多様な、一つひとつが生きている作品が、数えきれないほどたくさんの人によって作り上げられ、支えられ、愛されてきた歴史があった。そこにしかない暗闇を味わいたい。人生で一度でも、そこの一席に座ってみたいと思った。

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    2026年03月09日
  • 海

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    好きな話は、「バタフライ和文タイプ事務所」、「風薫るウィーンの旅」 他の短編も好き。架空の職業があったり、思い出に馳せる気持ちとか、分かりやすく書いていて気持ちのいい文章。

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    2026年03月06日
  • 海

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    聞いたことない楽器、風変わりな職業、異世界感漂う町。独特の発想から広がる小さな世界。囁かな交流をひっそりと見守る穏やかな時間だった。

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    2026年03月03日
  • 薬指の標本

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    ネタバレ

    短編集2作品の詰め合わせである。まず最初はタイトルにもなっている「薬指の標本」標本を作る店で働く20代の女性の視点で紡がれる幻想的な物語だ。現実にはない世界観だと読んでいるだけで夢か現かに迷い込んだような感覚と詳細な描写はないのに色っぽい話だと感じ取った。途中で今まで働いていた女性たちはこつ然と消えることが多かった、アパートに住む老婆の発言だと特徴的な靴の音を鳴らし地下室の標本室に降りて行ったと書かれた時は主人公は標本を作る店主と肉体関係にあったしいずれ足と一体化し足から外れなくなる靴を貰っていて本人もどんどん靴を脱ぐ気がなくなっていくから主人公は何かを標本にして消えるだろうなと思った。結果タ

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    2026年03月03日
  • 薬指の標本

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    表題作がとにかく素晴らしかった。
    静謐で澄んだ空気が伝わってくる文章、非現実的な描写はないのにどこか浮世離れした世界観。
    標本室で起きたこれまでのことも、これからのことも、ほとんど何も明かされない余白でいっぱいの短編で、でもだからこそ、読み終わった後の余韻がとても心地よかった。
    心地よくて、少し不穏で、美しかった。

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    2026年02月28日
  • 遠慮深いうたた寝

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    1つ1つはごく短いエッセイだけど1冊を通すとかなり読み応えがあった。些細な日常の切り取り方、そこからの世界観の広げ方が独特ですごい。なんの変哲もない事柄が突然、小川洋子ワールドに置き換わって感動する。小説の裏話も面白かった。

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    2026年02月28日
  • 耳に棲むもの

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    著者が原作とシナリオを担当した同じ題名のVR映画が作られ、後にこの短編集が書かれたとのこと。どの短編も幻想的で夢を見ているかのようで、これまでに読んだ著者のどの小説よりも、心に落ちるまでに時間がかかりました。とても静かで孤独な中に、生々しくグロテスクな死が描かれることで、生きていることの喜びが満ちてくるのを感じました。VR映画、観てみたいです。

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    2026年02月27日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    初めて読む類の本だった。
    小さいけど不自由だけど、大きな海を悠々と泳ぐみたいな、不思議な世界観を感じながら、チェスの海をリトルアリョーヒンと一緒に旅している気分になれた!チェスやったことないけどやってみたいな

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    2026年02月27日
  • 妊娠カレンダー

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    ネタバレ

    幸福な人たちを見て、この人たちの幸福が、このまま一生続いてくれたらいいと、純粋に願ってあげられることは、度々ある。けれども、その幸福な人間が、自分の嫌いな人間だったら、早く不幸になってくれないかと内心思うこともある。その源泉にあるのは、その嫌いな相手に対する妬みかもしれないし、自分が幸せになれない劣等感かもしれない。ただ、「妊娠カレンダー」に描かれている「わたし」の姉に対する心情というのは、そういった普通に想像できる範囲の気持ちとは、一線を画している。にもかかわらず、妊娠した姉に作るグレープフルーツのジャムが、農薬に汚染されているかもしれないと想像するその心理は、どこかで自分も抱いたことがある

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    2026年02月25日
  • 密やかな結晶 新装版

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    消失が当たり前に起こる世界の中で、記憶を失くさない人と、唯一奪えなかったものの話。
    秘密警察たちが奪えなかったものは、きっと「愛情」なのだと思った。

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    2026年02月22日
  • 博士の愛した数式

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    温かい、ちょっとだけ数学が好きになりそうな本
    博士はasdっぽさを感じるけど、自分の好きなことに一生懸命で知識もあって、惹かれるしかっこいいも思う
    家政婦さんもルートも大人ですごい
    日常にたくさん素敵なことがあるのに忘れちゃうの悲しい
    最後のカードのとこ泣きそうだった

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    2026年04月02日
  • 薬指の標本

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    この本を読むのは数回目で、久しぶりに読むと主人公と殆ど同い年で驚いた。今の私は、薬指を標本にして欲しい相手には出会ったことが無い

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    2026年02月20日
  • ことり

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    放っておくと雑踏にかき消されてしまいそうなぐらい小さな声に耳を傾ける物語。厳しい世界を描いた静かで優しい文章だった。

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    2026年02月18日
  • ブラフマンの埋葬

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    愛しい可愛らしい存在と
    絵のように美しい景色
    折り目正しい日常とゆったり流れる時間の心地よさ
    とちょっとの違和感

    当然訪れる結末にも覚悟はしていたけれど



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    2026年02月18日
  • 海

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    短編でも、密度が変わらない。長編を読んでしまったかのような濃密さがある。
    『ひよこトラック』は特にお気に入り。

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    2026年02月14日
  • 妊娠カレンダー

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    ほっこりしない、ほのぼのしない、じんわりしない、ほろりとしない、ぽかぽかしないこんな感じの文章が、私の陰に寄った感情にピッタリとくる。

    無機質なのに美しい文章。
    現実からほんの少しずれた世界。
    感動を求めない静寂。
    無理に明るい場所へ引っ張り出されない安心感。

    この世界観に浸り過ぎると、抜け出せなくなる怖さもあるね。

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    2026年02月14日
  • やさしい訴え

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    ネタバレ

    瑠璃子の嫉妬が生み出した物語。

    新田は薫を大事で愛していて、薫も新田を大事で愛しているとしても。
    2人に恋愛的な描写はなく、それは、精神的な繋がりや師弟愛のようなものと私は感じたけれど、瑠璃子の目を通すとものすごくドロドロとした嫉妬の感情が乗っかってくる。

    仕事なのに、犬を脅しに使って、新田に薫と一緒に行かないでって怖い。
    瑠璃子、マジ怖いよ。
    あんな行動されたら、冷める。
    それまでは、新田も「瑠璃子ってステキ」だったと思うよ。
    なのにねー。
    残念だ。

    夫と揉め事が絶えなかったというのは、はじめは夫の不倫が原因だと思っていたけれど、度重なる揉め事が不倫に至らせた可能性あるね。暴力ふるって

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    2026年02月13日
  • 耳に棲むもの

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    タイトル通り、「耳に棲むもの」、静寂の中にある音を聴く人々の物語であった。「骨壷のカルテット」「耳たぶに触れる」「今日は小鳥の日」「踊りましょうよ」は補聴器のセールスマンを軸に描かれているが、最後の「選鉱場とラッパ」にだけセールスマンが登場しない(ながらにも関わりがあることが直前の「踊りましょうよ」の中で記されている)のが少し不思議である。
    いずれも小川洋子作品らしく、静謐の中に意思や言葉を持たない生き物·体の一部、あるいは無生物たちの声を感じられる。

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    2026年02月12日
  • サイレントシンガー

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    読みながらタイトルの意味を考えていた
    〈サイレント〉とは
    言葉を必要としない「アカシアの野辺」の人たち
    自分が歌っていることを知られていないリリカ

    結末に驚愕
    こんな終わり方なんて!

    料金係さんのリリカへの気持ちは本物だった?
    「アカシアの野辺」の興味があってのような気もする

    リリカの歌
    聞いてみたいな

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    2026年02月10日