小川洋子のレビュー一覧

  • 海

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    風に吹かれるように心地良くうつらうつらと読んでいたら「バタフライ和文タイプ事務所」が始まり目が覚めました。

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    2025年11月25日
  • 妊娠カレンダー

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    ネタバレ

    話に出てくる人たちの行動が人間らしくなくて、ずっと不穏な空気が流れてるけど、すごく心に残る。
    とくに妹が、妊娠した姉のためにグレープフルーツのジャムを煮るシーンが印象的。
    とても従順にみえて、農薬が使われているかもしれないグレープフルーツを淡々と調理する妹の姿に寒気がしてくる。わたしには悪意とともに行為に及んでいるように見えて、それは自分の姿ともすこし重なるような気がした。

    色んなことがはっきり書かれていないからこそ、いろいろな読み方ができそう。
    わたしは面白かった。

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    2025年11月22日
  • 海

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    少し不思議な話が詰まった短編集で、小川洋子さんならではの美しい文体によって、切なさを感じたり、ほっこりしたりととても良い読後感を味わえました。

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    2025年11月21日
  • ミーナの行進

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    物語の舞台である芦屋市内は学生時代、そして今も、と馴染みのある街なので、頭のなかで街並みを映像化しながら楽しんだ。


    思春期の、あの時期に過ごした1年間は主人公の朋子にとっても、ミーナにとっても濃密な時間だったんだろう。

    少しざわざわすることもあるのだけれど、読み終わる頃、すこーんとした気持ちになりタイトルの『ミーナの行進』が読み始めとは違う響きを帯びてくるのだった。

    Bのパン、クレープシュゼット、食べてみたくなった!

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    2025年11月21日
  • 薬指の標本

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    ネタバレ

    終始湿度のある文章で、爽やかさは一切なかった。「好き」「愛してる」の言葉がなくても、ひんやりとした狂気に溢れたお互いの感情が伝われば良いというのも愛の形なのかなと。弟子丸氏の魅力が私には全く伝わらなかったけれど、二人が幸せならそれで…という感想。二つの作品どちらもすっきりとした終わり方ではなかったので、その続きはどうなったんだろう?って気になった。

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    2025年11月21日
  • 続 遠慮深いうたた寝

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    日常の一コマや学生時代の思い出話、短編小説を読んでいる感覚の文章だったり、小川さんの愛する本の考察や感想だったり、と大変素敵な構成で深く染み入る言葉の数々でした。

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    2025年11月19日
  • 続 遠慮深いうたた寝

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    小川洋子さんのエッセイ。お母さんのガクアジサイ、お父さんの猿のシンバルのおもちゃ、お祖父さんと庭で見る月。せつないけど幸福でもある思い出。

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    2025年11月15日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    静かに力強く前に進んでいく物語
    名前の明かされない登場人物たちはみんな魅力的で、少し不穏さを纏わせている。
    遠い国の話のようでいて、すぐ近くにあるようなお話。

    幸福ではないかもしれない。でもきっと不幸でもない。その言葉が似合う小説です。

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    2025年11月14日
  • サイレントシンガー

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    静かで美しい本だった。
    内気な人の会改め、アカシアの野辺で暮らす、指言葉を使う静かな
    人たち。そこで育ったリリカの一生。
    そこはかとなく暗く怖い面もあり、料金係の人との恋?のような出会いもあり、リリカと共に一生を体験したかのような本。
    静かな世界が美しく、まぶたの裏に羊たちが浮かんできた。
    優しい、とはまたちがう、静かだけど美しい本だった。

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    2025年11月13日
  • 人質の朗読会

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    地球の裏側のどこか知らない国、
    8人の日本人の乗ったマイクロバスがバスごとゲリラにより拉致される。
    世間には、一通りのゲリラの実態なども報道されるが、100日を超える膠着状態になり、世間からは少しづつ忘れ去られていく。
    その危機の真っ只中の彼らは、生きて帰れるのか死ぬしかない中で、一人一人の朗読会が始まる。
    短編小説みたいだ。
    一人一人の物語を静かに、淡々とみんな聞いている。その話は子供の頃のことや若い時のこと、人が聞いても感動も何もないお話。
    何なんだろうな。
    何かしら、薄暗闇の中で静かに瞑想のような感じすら受ける。
    心が透明になりそうだ。

    私は「冬眠中のヤマネ」が好きだ。

    いったいこん

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    2025年11月13日
  • ブラフマンの埋葬

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    ネタバレ

    不思議な手触りの小説。
    まずブラフマンが人間ではないこと。でもどんな種類の生き物かは明かされない。
    「僕」が何歳ぐらいなのか、どんな過去があってどうしてそこで働いているのか、そもそもどこの国のいつ頃の話なのか、すべてがはっきり語られない。
    この手掛かりの少なさにも関わらず、ブラフマンの生き生きとして描写に冒頭から引き込まれる。

    何と言ってもほとんど犬っぽいブラフマンの仕草の描写が可愛い。タイトルどおり「ブラフマン」は「埋葬」されてしまうという予測ができていたが、あまりの愛らしさに、ブラフマンが無事に元気なまま終わるように願いながら読んだ、

    時々現れる、「僕」のブラフマンに関する観察日記のよ

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    2025年11月13日
  • 続 遠慮深いうたた寝

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    2025.21

    遠慮深いうたた寝をコロナ禍に
    家の屋上で寝っ転がって読んでから
    小川洋子さんの文章が好きなことに気付き
    あの頃救われた気持ちになったので
    特別な本だったのだけど、
    "続"が出て嬉しい。

    あの時本屋でつるんとした装丁に惹かれたけど
    "続"も陶器のようなデザインでかわいい。
    小川洋子さんの文章は心が穏やかになる。
    これからも遠慮深いうたた寝が続いてほしい。


    ***


    P23 精いっぱい仕事を頑張る、というその頃合いが分からない。私は今、ぎりぎりまで自分を追い込んでいるか?もうこれ以上は無理だ、というところまで這い上がろうとしているか

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    2025年11月08日
  • 続 遠慮深いうたた寝

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    有田焼のような装丁がとってもかわいい

    「一番の不思議」
    男の子とおばあちゃんの会話、なんて尊いんでしょう!

    「矛盾に満ちた人生」
    コリをほぐしてもらいたいのは当然なのだが、先生の期待を裏切りたくない、と言う気持ちの方が大きい
    ーこれわかる!

    「本の世界は、誰も見捨てない」
    後半の再読の楽しみについての記述は共感しかない!そうそう!ホントそれ!
    「人生の豊かさを示す秤」
    これも再読について。
    小川洋子の表現は崇高にて美しい

    「おじいさんと通りすがりの者」
    まるで一本の小説

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    2025年11月07日
  • 密やかな結晶 新装版

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    新幹線のおともに。ワールドがすごい。
    みんなで失えば、忘れれば、痛くない?
    抗うことはとても大変。
    これは売れない。時間をおいて再読したい。

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    2025年11月03日
  • サイレントシンガー

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    小川洋子の個性爆発の素敵な作品。ちょっとホラーな気配も感じる。でもこの世界は不思議と気持ちが落ち着く。

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    2025年11月02日
  • 遠慮深いうたた寝

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    私たちと同じような日常の中でも
    小川洋子さんは誰も気づかないようなことに
    気づいたり、たくさん思考をしていて。
    それらを丁寧に紡いでいくと
    こんなにも煌めく言葉になるの、すごいな。
    彼女の小説がとても美しく繊細であり、
    また少し不気味なところもあるのは
    こんな風に日々を過ごされて、生み出されたからなのかと頷ける作品だった。
    自分の感性や言葉をもっと磨きたいと思ったし
    日常をどのように感じ取るかは自分次第だとも
    思えた。

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    2025年11月01日
  • 夜明けの縁をさ迷う人々

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    小川洋子さんの作品の全てを読みたい。
    けして社会の真ん中に居ないであろう、少し変わった人々にスポットを当てる静かな世界観とその描写が心にストレートに刺さります。

    この短編集では、ちょっと怖いと感じる話が多めでした。
    「パラソルチョコレート」が特に好きでした。

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    2025年10月31日
  • 続 遠慮深いうたた寝

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    小川洋子さんのエッセイ。
    日常の出来事や創作、読書について書かれた作品です。特に好きなエピソードは、『細雪』を読み、ある登場人物の行為がうまく思い描けず、愛犬のラブを使って試してみる小川さんがとてもチャーミング。
    『秘密の任務』で、夏の甲子園で歴史に残る名勝負、早稲田実業対駒大苫小牧の決勝を観戦しながら感じた小さな恐怖も面白かったです。
    内容も素晴らしいですが、装丁が美しすぎる!
    赤い帯がまた良いです。
    また小川さんの作品を読みたくなりました。

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    2025年10月30日
  • 掌に眠る舞台

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    ネタバレ

    舞台をモチーフとした短編集です。小川洋子さんだなあと思いながらの読書でした。研ぎ澄まされた文章に、不思議な世界が広がっていました。装画はヒグチユウコさん。この雰囲気と色合い、好きな感じです。そして何かが潜んでいるような感じもしました。背表紙もおしゃれです。

    以下は、読者の私が気に入った短編の感想です。

    【指紋のついた羽】
    ひとことで言えば〈無言の世界の美しさ〉。

    バレエのラ・シルフィードに魅せられた少女。逆さまに置いた工具箱の上で上演される無言の世界。その世界になぜか美しさを感じ、幼い頃から少女を知っている縫い子さんの優しさが心地よかったです。二つの光と二人の後ろ姿の描写で締めくくった最

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    2025年10月28日
  • 夜明けの縁をさ迷う人々

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    9話の不思議な世界の短編集だ。
    特に印象深かったのは⋯

    ⚫︎「 曲芸と野球 」
    「私」が少年野球を楽しんでいた小学校4年生の時、常に3塁側のファールゾーンで女性の曲芸師が椅子を4脚積み重ねての稽古をしていた。
    しかしチームメイトには、その曲芸師の姿は視界に入っていないようだった。
    大人になった「私」は、年に数回のペースで草野球を楽しむのだが、今でも三塁側のファールゾーンから曲芸師が「私」を見つめている。

    ⚫︎「 イービーの叶わぬ望み 」
    老舗の中華料理店のエレベーター内で、誰かに産み落とされていたイービー。
    お店に勤めていた心優しいチュン婆さんがイービーの育ての親になる。
    成長とともにイー

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    2025年10月26日