小川洋子のレビュー一覧
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学生時代、「レ・ミゼラブル」を何かの拍子に観劇したとき、衝撃を受け、そこからしばらくミュージカルをよく観に行くようになった。
「ミス・サイゴン」「モーツァルト!」「RENT」…。東宝、帝劇にお世話になったなあ。
そんなことを思い出させる小川洋子の帝国劇場へのラブレターは、うっすらとそれぞれの短編がさながら星座のように繋がっている。
出色は“1枚の未来を手にする”“劇場は待っている”。
いつか子供がもう少し大きくなったらレミゼに連れていって一緒に歌いたいもんだ。
改築が終わるのは2030年か、4年後だとまだ早いかな。
“列に入れよ〜我らの味方に〜♪” -
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ネタバレ〈備忘録・ネタバレあり〉
小学生の頃にアンネフランク物語を読んだことがあったが、アンネの日記は未読。
アンネの日記がこれほど引き込まれる理由や、日記がアンネにとってどのような存在であったかの考察が書かれており、興味深かった。そして書く、という行為の尊さも改めて感じた。
▼引用
日記は本来、自分以外の読者を必要としません。しかしアンネは自分自身の感情をノートにただぶつけるのではなく、苦しい事柄でも楽しい出来事でも、そこからあえて距離をとって言葉を紡ぎ出し、読者たるキティーに手渡すという構図をとりました。客観的な視点を確立したことで、この日記は文学にまで昇華したのです。 そして、キティーの存在 -
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善意という名の支配。
薄気味悪い、不気味な、気持ち悪さが残る小説でした。
不穏な空気感に、途中、挫折しそうになりましたが、終盤にかけて小川洋子さんらしい展開があり、最後まで読めてよかったです。
主人公の「小説家の女性」と、その小説家が執筆する作中小説の「声を失ったタイピスト」が、リンクしましたね。
愛情、束縛、監禁、依存、支配がテーマでしょうか。
その後、R氏は、どこへ向かったのでしょう。
『夜と霧』を彷彿させてしまいます。
私も日々、いろいろなことを失いながら老いています。
消滅は、異常なことでしょうか。
そのうち、カレンダーを失う未来もあり得ると思うのです。
左足も失うし、声も失 -
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小父さんが切ない。
自分の目が、
庭に差し込む光になるのか、井戸を覗き込む人間の目になるか、
読み終えて悩まされました。
鳥籠を抱え亡くなった小父さんの生涯を見る物語。
鳥の言葉を理解し鳥の言葉しか話さない兄と、
二人で暮らし続ける小父さんもまた
鳥の言葉を理解し、鳥の言葉で話し始める。
この手の物語を読むと、大抵いたたまれない気持ちになる。
人を羨やむことが、
自分を落ちこぼれと認識させる。
そんな自己嫌悪に入るぐらいなら、
手に入るものを有難いと感謝する。
そういうもんかなと思いつつも
自分は、そんな上手いこと変わらないというか
なんというか。
大抵、不貞腐れながら、なんとか生きてる