小川洋子のレビュー一覧

  • ミーナの行進

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    ネタバレ

    読んでいて映像が頭に流れ込んでくるような、まるでそばで誰かに読んでもらっているような、そんな気持ちになった。
    ミーナと過ごす時間はとても楽しくて、ミーナは不自由ながらとても眩しかった。
    山火事の晩の出来事が不意打ちすぎて、あそこが結局いちばん印象的だったかもしれない。
    あとはマッチ箱に書いてある話はどれもとても面白かった。ミーナの描く物語は、小川洋子さんの本と同じ、不思議な優しさと温かさがある。

    そっと心が温かくなる感じに、改めてこの人の描く少し不思議な物語が好きだなぁと思った。

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    2026年06月17日
  • 続 遠慮深いうたた寝

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    たくさんの話が、握り寿司のフルコースのように箱詰めされている1冊。
    静かに面白い。
    決して多くない文字数で、きちんとまとめられ、整えられている。

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    2026年06月14日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    『喜嶋先生の静かな世界』と通ずる、心地良い読後感。口数少ない人物の内面を丁寧に描写する作者の能力。すごいなあ(小並感)。


    「君は言葉で説明できる、手にとって他の人に見せることができる目的のために、一度でもチェスを指したためしがあるのかね?〔…〕私はいつでも、チェスがしたいからチェスをする。それだけだ。」P197

    チェスのためにチェスをする。
    國分功一郎『手段からの解放』にも同じような話出てきてたのを思い出した。

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    2026年06月14日
  • 密やかな結晶 新装版

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    すごい本を読んでしまった…すごく引き込まれたし、ずっと不気味で、先がどうなるのかまったくわからなかった…アンネの日記を読まないといけないかも

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    2026年06月12日
  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか

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    ネタバレ

    〈備忘録・ネタバレあり〉
    小学生の頃にアンネフランク物語を読んだことがあったが、アンネの日記は未読。
    アンネの日記がこれほど引き込まれる理由や、日記がアンネにとってどのような存在であったかの考察が書かれており、興味深かった。そして書く、という行為の尊さも改めて感じた。

    ▼引用
    日記は本来、自分以外の読者を必要としません。しかしアンネは自分自身の感情をノートにただぶつけるのではなく、苦しい事柄でも楽しい出来事でも、そこからあえて距離をとって言葉を紡ぎ出し、読者たるキティーに手渡すという構図をとりました。客観的な視点を確立したことで、この日記は文学にまで昇華したのです。  そして、キティーの存在

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    2026年06月14日
  • 劇場という名の星座

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    帝国劇場を愛する方にオススメしたい1冊です。

    巻末の1文をお借りしました!
    ですが、劇場、歌劇がお好きな人に響く「愛」を感じれるストーリーです。

    短編なので、演目を含めて観客、係り員、役者、縁の下の力持ち、それぞれの関係性が楽しめます。
    上演された演目も誰もが耳したことがあるタイトルで、観劇された方は場面も思い出される事、間違いないでしょう


    読む度に、劇場の重厚な造りの外観、ロビーの絨毯に階段の手摺…
    あの日に感じた場面が思い出され、感慨深い気持ちになります。

    是非、休館があけたら、足を運びたい場所です。その時は、駅から少し迷ってしまいそうですけど(笑

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    2026年06月07日
  • 妊娠カレンダー

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    純文学の王道みたいな作品。
    特に2つ目と3つ目の話はそう思った。

    個人的には中でも2つ目のドミトリイがおもしろい。状況としてはかなり不気味な話になりそうなのに、表現によって優しい柔らかな心地に捻じ曲げられてる感じ。

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    2026年06月06日
  • サイレントシンガー

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    面白かった。独特の雰囲気がすごい。
    あんなにも世界が煌めいて見えたのに、それが終わってしまう瞬間があるというのをひたひたと描いているというか、物悲しいけど綺麗な終わり方だったな。『家路』聴くと泣いてしまいそう。

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    2026年06月05日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    ネタバレ

    静かに動く世界の中で
    日々に翻弄されるように
    ただ流されるかのごとく
    それでも強く
    芯を持って進んでいく

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    2026年06月05日
  • 密やかな結晶 新装版

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    善意という名の支配。

    薄気味悪い、不気味な、気持ち悪さが残る小説でした。
    不穏な空気感に、途中、挫折しそうになりましたが、終盤にかけて小川洋子さんらしい展開があり、最後まで読めてよかったです。

    主人公の「小説家の女性」と、その小説家が執筆する作中小説の「声を失ったタイピスト」が、リンクしましたね。

    愛情、束縛、監禁、依存、支配がテーマでしょうか。

    その後、R氏は、どこへ向かったのでしょう。
    『夜と霧』を彷彿させてしまいます。

    私も日々、いろいろなことを失いながら老いています。
    消滅は、異常なことでしょうか。
    そのうち、カレンダーを失う未来もあり得ると思うのです。
    左足も失うし、声も失

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    2026年06月03日
  • ことり

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    小父さんが切ない。
    自分の目が、
    庭に差し込む光になるのか、井戸を覗き込む人間の目になるか、
    読み終えて悩まされました。

    鳥籠を抱え亡くなった小父さんの生涯を見る物語。
    鳥の言葉を理解し鳥の言葉しか話さない兄と、
    二人で暮らし続ける小父さんもまた
    鳥の言葉を理解し、鳥の言葉で話し始める。

    この手の物語を読むと、大抵いたたまれない気持ちになる。
    人を羨やむことが、
    自分を落ちこぼれと認識させる。
    そんな自己嫌悪に入るぐらいなら、
    手に入るものを有難いと感謝する。

    そういうもんかなと思いつつも
    自分は、そんな上手いこと変わらないというか
    なんというか。
    大抵、不貞腐れながら、なんとか生きてる

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    2026年06月03日
  • いつも彼らはどこかに

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    ネタバレ

    通勤中に読んでいるから、短編集であっても途中にはなる。そして、再開する時に、これはどういうことだったっけ?って読み直すのだが、不思議なことに、すぐにその世界にどっぷり浸かってしまう。だから、断食蝸牛は気持ち悪いし、竜の子幼稚園は愛おしかったり…

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    2026年06月02日
  • 劇場という名の星座

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    帝劇小説との事で読む前からワクワク
    モーツァルト!のお話で主演が過去にハプスブルク家のルドルフをやった!?あっ、でもモーツァルトの最後の公演って設定だし大我君なわけないのに!妄想が(꧞ 'ᢦ' )(きっと井上芳雄さんなんですよね)

    帝劇は私達にとっても特別な場所で舞台の素晴らしさを教えてくれたのはここでした
    この素敵な場所を題材に小説を書いてくれた事に感謝しかないです

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    2026年06月01日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    ネタバレ

    ・皆、互いを補い合いながら、自分に与えられた使命を果す。偶然が勝たせてくれるんじゃない、与えられた力がありのままに発揮された時に、勝てるんだ。

    ・最強の手が最善とは限らない。

    ・しかしリトル・アリョーヒン自身は、何も特別なことを為したわけではなかった。彼はただS氏とチェスをしただけだった。

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    2026年06月01日
  • 琥珀のまたたき

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    ネタバレ

    「あの子」の「死」から子どもたちを守り生きていくため、逃げるために壁の内側に閉じ込め、「生」の息付く童話の世界かのように仕立てたはずなのに、家の中と庭には「死」の香りが満ちていた。子どもたちは父親の作った図鑑という時の止まった本の中にのみ存在し、庭には様々なものを「埋葬」する。オパールの王冠と死体、茸、ママのツルハシ、ジョーからの手紙…ただの儀式であったはずだが、気付けば過去のものや見たくないものを葬り去るためのものとなった。
    オパールは行方知れず、瑪瑙は里子へ行き生き別れ。ママは死の香りから逃れられず、あるいはこちらの世界に戻れず。琥珀は左眼の中に当時と「あの子」を閉じ込めて愛している。

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    2026年05月30日
  • 劇場という名の星座

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    一度だけ訪れたことのある帝劇。
    迫力ある劇場だという印象が忘れられない。

    その帝劇を舞台にした小説。
    最初の「ホタルさんへの手紙」に感動。
    派手さがないのに、胸に沁みる。
    さすが小川洋子。

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    2026年05月30日
  • 凍りついた香り

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    小川洋子の書く文章がやっぱり好きだ、の再認識

    涼子がルーキーに初めて会った時に感じた、彼がいる世界といない世界の落差をもし前から伝えていれば彼は生きてくれたんじゃないだろうか
    正解不正確を求め続けられてきた彼が、そんなもの関係なく存在してくれていることを伝えられていたら
    涼子の視点なのだから多少なりとも彼女に都合の良い脚色があるのだろうと考えても彼はしっかり彼女を愛していたと思うし、だからこそ身体だけでなく言葉もかけて欲しかったのだと考える
    終盤で涼子があの頃のルーキーと会話を交わす場面がとても心苦しい

    涼子がいつかまたあの香水瓶の蓋を開けられる日が来て欲しいと願ってしまう

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    2026年05月28日
  • 人質の朗読会

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    遠い異国の地にて反政府ゲリラにより人質となった人々が、捕らえられている間に退屈な時間を潰すため、それぞれの過去にあった印象的な話を語り合う。犯人の動きを探るために仕掛けていた盗聴器に、その録音テープが残されており、数年後ラジオにて放送されることとなった。
    その八人の人質と、実際に盗聴を行っていた特殊部隊の兵士による9編のお話。
    異国の地で捕らえられ、いつ日本に帰れるか分からない環境の彼らが語るお話なので、さぞや悲しいものかと思いきや、日常にどこかしらでありそうなエピソードが語られる。
    子どものころに怪我をしたおじさんに会った話、若いころに住んでいた大家さんとの交流、公民館の談話室の話、謎のぬい

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    2026年05月25日
  • 貴婦人Aの蘇生 新装版

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    日本に亡命したロシア人の女性が、突然に先立った夫の遺した膨大な剥製のコレクションと広大な洋館での暮らしを、姪となる「私」が語り継ぐ物語だ。

    「私」の伯父とロシア婦人ユーリの二人は、伯父が51歳、ユーリが69歳の時に結婚した。
    相思相愛だった二人だが、伯父は突然亡くなってしまう。
    一人残されたユーリ伯母さんは、膨大な数の剥製に囲まれながら、その一つ一つに「A」の刺繍をして暮らす日々だった。
    何故に「A」なのか、「私」を含めて誰もその理由を知らない。
    「私」の父も突然亡くなり、大学生だった私は伯母と同居して身の回りの世話をする代わりに、伯父の遺産から学費を出してもらうことにした。
    暮らしている洋

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    2026年05月25日
  • そこに工場があるかぎり

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    自分が当たり前に使っているモノがどう作られているかって知っているようで全然知らないので、
    この本を読んでまた知識を増やせた気がする

    また、町工場で働く方々のお話から
    なぜ働くのかということも再認識できる1冊だった

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    2026年05月24日