小川洋子のレビュー一覧
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ネタバレ〈備忘録・ネタバレあり〉
小学生の頃にアンネフランク物語を読んだことがあったが、アンネの日記は未読。
アンネの日記がこれほど引き込まれる理由や、日記がアンネにとってどのような存在であったかの考察が書かれており、興味深かった。そして書く、という行為の尊さも改めて感じた。
▼引用
日記は本来、自分以外の読者を必要としません。しかしアンネは自分自身の感情をノートにただぶつけるのではなく、苦しい事柄でも楽しい出来事でも、そこからあえて距離をとって言葉を紡ぎ出し、読者たるキティーに手渡すという構図をとりました。客観的な視点を確立したことで、この日記は文学にまで昇華したのです。 そして、キティーの存在 -
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帝国劇場を愛する方にオススメしたい1冊です。
巻末の1文をお借りしました!
ですが、劇場、歌劇がお好きな人に響く「愛」を感じれるストーリーです。
短編なので、演目を含めて観客、係り員、役者、縁の下の力持ち、それぞれの関係性が楽しめます。
上演された演目も誰もが耳したことがあるタイトルで、観劇された方は場面も思い出される事、間違いないでしょう
読む度に、劇場の重厚な造りの外観、ロビーの絨毯に階段の手摺…
あの日に感じた場面が思い出され、感慨深い気持ちになります。
是非、休館があけたら、足を運びたい場所です。その時は、駅から少し迷ってしまいそうですけど(笑
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善意という名の支配。
薄気味悪い、不気味な、気持ち悪さが残る小説でした。
不穏な空気感に、途中、挫折しそうになりましたが、終盤にかけて小川洋子さんらしい展開があり、最後まで読めてよかったです。
主人公の「小説家の女性」と、その小説家が執筆する作中小説の「声を失ったタイピスト」が、リンクしましたね。
愛情、束縛、監禁、依存、支配がテーマでしょうか。
その後、R氏は、どこへ向かったのでしょう。
『夜と霧』を彷彿させてしまいます。
私も日々、いろいろなことを失いながら老いています。
消滅は、異常なことでしょうか。
そのうち、カレンダーを失う未来もあり得ると思うのです。
左足も失うし、声も失 -
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小父さんが切ない。
自分の目が、
庭に差し込む光になるのか、井戸を覗き込む人間の目になるか、
読み終えて悩まされました。
鳥籠を抱え亡くなった小父さんの生涯を見る物語。
鳥の言葉を理解し鳥の言葉しか話さない兄と、
二人で暮らし続ける小父さんもまた
鳥の言葉を理解し、鳥の言葉で話し始める。
この手の物語を読むと、大抵いたたまれない気持ちになる。
人を羨やむことが、
自分を落ちこぼれと認識させる。
そんな自己嫌悪に入るぐらいなら、
手に入るものを有難いと感謝する。
そういうもんかなと思いつつも
自分は、そんな上手いこと変わらないというか
なんというか。
大抵、不貞腐れながら、なんとか生きてる -
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ネタバレ「あの子」の「死」から子どもたちを守り生きていくため、逃げるために壁の内側に閉じ込め、「生」の息付く童話の世界かのように仕立てたはずなのに、家の中と庭には「死」の香りが満ちていた。子どもたちは父親の作った図鑑という時の止まった本の中にのみ存在し、庭には様々なものを「埋葬」する。オパールの王冠と死体、茸、ママのツルハシ、ジョーからの手紙…ただの儀式であったはずだが、気付けば過去のものや見たくないものを葬り去るためのものとなった。
オパールは行方知れず、瑪瑙は里子へ行き生き別れ。ママは死の香りから逃れられず、あるいはこちらの世界に戻れず。琥珀は左眼の中に当時と「あの子」を閉じ込めて愛している。
美 -
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小川洋子の書く文章がやっぱり好きだ、の再認識
涼子がルーキーに初めて会った時に感じた、彼がいる世界といない世界の落差をもし前から伝えていれば彼は生きてくれたんじゃないだろうか
正解不正確を求め続けられてきた彼が、そんなもの関係なく存在してくれていることを伝えられていたら
涼子の視点なのだから多少なりとも彼女に都合の良い脚色があるのだろうと考えても彼はしっかり彼女を愛していたと思うし、だからこそ身体だけでなく言葉もかけて欲しかったのだと考える
終盤で涼子があの頃のルーキーと会話を交わす場面がとても心苦しい
涼子がいつかまたあの香水瓶の蓋を開けられる日が来て欲しいと願ってしまう -
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遠い異国の地にて反政府ゲリラにより人質となった人々が、捕らえられている間に退屈な時間を潰すため、それぞれの過去にあった印象的な話を語り合う。犯人の動きを探るために仕掛けていた盗聴器に、その録音テープが残されており、数年後ラジオにて放送されることとなった。
その八人の人質と、実際に盗聴を行っていた特殊部隊の兵士による9編のお話。
異国の地で捕らえられ、いつ日本に帰れるか分からない環境の彼らが語るお話なので、さぞや悲しいものかと思いきや、日常にどこかしらでありそうなエピソードが語られる。
子どものころに怪我をしたおじさんに会った話、若いころに住んでいた大家さんとの交流、公民館の談話室の話、謎のぬい -
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日本に亡命したロシア人の女性が、突然に先立った夫の遺した膨大な剥製のコレクションと広大な洋館での暮らしを、姪となる「私」が語り継ぐ物語だ。
「私」の伯父とロシア婦人ユーリの二人は、伯父が51歳、ユーリが69歳の時に結婚した。
相思相愛だった二人だが、伯父は突然亡くなってしまう。
一人残されたユーリ伯母さんは、膨大な数の剥製に囲まれながら、その一つ一つに「A」の刺繍をして暮らす日々だった。
何故に「A」なのか、「私」を含めて誰もその理由を知らない。
「私」の父も突然亡くなり、大学生だった私は伯母と同居して身の回りの世話をする代わりに、伯父の遺産から学費を出してもらうことにした。
暮らしている洋