小川洋子のレビュー一覧

  • 遠慮深いうたた寝

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    陶器に絵付けしたような表紙が合っている。

    日々の生活で心が乱れそうになっていたけれど、
    この本があって、落ち着けた。

    エッセイだけど、小説家の思考に触れられる、小説の源泉みたいなものも感じた。
    日常や、自分の感情をもっと、丁寧に扱おうと思えた作品。

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    2026年03月15日
  • 凍りついた香り

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    恋人の突然の死をきっかけに、彼が遺した香りの記憶を手がかりに過去をたどっていく物語。調香師だった彼の人生を追うほど、愛していたはずの相手の知らない面が静かに浮かび上がる。香りという目に見えない感覚を軸に、人の記憶や孤独が丁寧に描かれているのが印象的で、他者を完全には理解できない距離の切なさが胸に残った。

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    2026年03月14日
  • 続 遠慮深いうたた寝

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    小川洋子さんの目で見た世界、感じた事はありふれた出来事すら特別な物語みたいで心が躍る。そして私もこんなふうに言葉にできたら、毎日生まれたてで新鮮で、ハッピーだなと思わずにはいられない。

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    2026年03月12日
  • サイレントシンガー

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    現実の世界があまりにもうるさく汚いので、このような静かで美しい世界に入り込める時間は本当に幸せだった。静かに心落ち着けたい時には、また読みたいと思った。
    少し矛盾するが、山の有料道路が私の中で芦有道路にしか思えず、そうなると"アカシアの野辺"もあのあたりにあることになり、私には全く静かな別世界ではなくなるので困った。
    料金係さんとの恋も素敵だったのに、転勤の話からグッと現実感が増してきて辛かった。

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    2026年03月12日
  • 世にも美しい数学入門

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    もともと数学好きだしなんかかっこいいから読んでみた。
    知識乏しくても調べながらなんとか読めた。
    対話形式だから読みやすいし説明も分かりやすい。
    今の時代、効率とか合理的とかも大事だけど、人は感動して生きててよかったって思えるらしい。そのための文学であり数学であり芸術であるとのこと。
    たしかに美しいなと思った。

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    2026年03月12日
  • 妊娠カレンダー

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    ネタバレ

    3編とも静かだけど少し不穏な物語で好みだった。
    「妊娠カレンダー」
    グレープフルーツの皮に農薬が付着していることを意識しながら妊娠中の姉ためにグレープフルーツのジャムをせっせと作る妹。神経質な姉に対する嫌悪感な気もするけど、ただ農薬が付着しているんだろうという事実だけを見つめている感じがした。
    「ドミトリイ」
    まさか先生が黒幕⁉︎と思っけど違った。浮世離れした寮が魅力的。手足が不自由な先生の動きの描写が細かくてすごかった。
    「夕暮れの給食室と雨のプール」
    電報っていいなぁと思った。「誰でも一度は、集団の中に自分をうまく溶け込ませるための、ある種の通過儀礼を経験すると思うけど、僕はたまたまそれに

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    2026年03月12日
  • 海

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    好きな話は、「バタフライ和文タイプ事務所」、「風薫るウィーンの旅」 他の短編も好き。架空の職業があったり、思い出に馳せる気持ちとか、分かりやすく書いていて気持ちのいい文章。

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    2026年03月06日
  • 海

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    聞いたことない楽器、風変わりな職業、異世界感漂う町。独特の発想から広がる小さな世界。囁かな交流をひっそりと見守る穏やかな時間だった。

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    2026年03月03日
  • 薬指の標本

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    ネタバレ

    短編集2作品の詰め合わせである。まず最初はタイトルにもなっている「薬指の標本」標本を作る店で働く20代の女性の視点で紡がれる幻想的な物語だ。現実にはない世界観だと読んでいるだけで夢か現かに迷い込んだような感覚と詳細な描写はないのに色っぽい話だと感じ取った。途中で今まで働いていた女性たちはこつ然と消えることが多かった、アパートに住む老婆の発言だと特徴的な靴の音を鳴らし地下室の標本室に降りて行ったと書かれた時は主人公は標本を作る店主と肉体関係にあったしいずれ足と一体化し足から外れなくなる靴を貰っていて本人もどんどん靴を脱ぐ気がなくなっていくから主人公は何かを標本にして消えるだろうなと思った。結果タ

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    2026年03月03日
  • 薬指の標本

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    表題作がとにかく素晴らしかった。
    静謐で澄んだ空気が伝わってくる文章、非現実的な描写はないのにどこか浮世離れした世界観。
    標本室で起きたこれまでのことも、これからのことも、ほとんど何も明かされない余白でいっぱいの短編で、でもだからこそ、読み終わった後の余韻がとても心地よかった。
    心地よくて、少し不穏で、美しかった。

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    2026年02月28日
  • 遠慮深いうたた寝

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    1つ1つはごく短いエッセイだけど1冊を通すとかなり読み応えがあった。些細な日常の切り取り方、そこからの世界観の広げ方が独特ですごい。なんの変哲もない事柄が突然、小川洋子ワールドに置き換わって感動する。小説の裏話も面白かった。

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    2026年02月28日
  • 耳に棲むもの

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    著者が原作とシナリオを担当した同じ題名のVR映画が作られ、後にこの短編集が書かれたとのこと。どの短編も幻想的で夢を見ているかのようで、これまでに読んだ著者のどの小説よりも、心に落ちるまでに時間がかかりました。とても静かで孤独な中に、生々しくグロテスクな死が描かれることで、生きていることの喜びが満ちてくるのを感じました。VR映画、観てみたいです。

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    2026年02月27日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    初めて読む類の本だった。
    小さいけど不自由だけど、大きな海を悠々と泳ぐみたいな、不思議な世界観を感じながら、チェスの海をリトルアリョーヒンと一緒に旅している気分になれた!チェスやったことないけどやってみたいな

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    2026年02月27日
  • 妊娠カレンダー

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    ネタバレ

    幸福な人たちを見て、この人たちの幸福が、このまま一生続いてくれたらいいと、純粋に願ってあげられることは、度々ある。けれども、その幸福な人間が、自分の嫌いな人間だったら、早く不幸になってくれないかと内心思うこともある。その源泉にあるのは、その嫌いな相手に対する妬みかもしれないし、自分が幸せになれない劣等感かもしれない。ただ、「妊娠カレンダー」に描かれている「わたし」の姉に対する心情というのは、そういった普通に想像できる範囲の気持ちとは、一線を画している。にもかかわらず、妊娠した姉に作るグレープフルーツのジャムが、農薬に汚染されているかもしれないと想像するその心理は、どこかで自分も抱いたことがある

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    2026年02月25日
  • 密やかな結晶 新装版

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    消失が当たり前に起こる世界の中で、記憶を失くさない人と、唯一奪えなかったものの話。
    秘密警察たちが奪えなかったものは、きっと「愛情」なのだと思った。

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    2026年02月22日
  • 薬指の標本

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    この本を読むのは数回目で、久しぶりに読むと主人公と殆ど同い年で驚いた。今の私は、薬指を標本にして欲しい相手には出会ったことが無い

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    2026年02月20日
  • ことり

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    放っておくと雑踏にかき消されてしまいそうなぐらい小さな声に耳を傾ける物語。厳しい世界を描いた静かで優しい文章だった。

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    2026年02月18日
  • ブラフマンの埋葬

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    愛しい可愛らしい存在と
    絵のように美しい景色
    折り目正しい日常とゆったり流れる時間の心地よさ
    とちょっとの違和感

    当然訪れる結末にも覚悟はしていたけれど



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    2026年02月18日
  • 海

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    短編でも、密度が変わらない。長編を読んでしまったかのような濃密さがある。
    『ひよこトラック』は特にお気に入り。

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    2026年02月14日
  • 妊娠カレンダー

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    ほっこりしない、ほのぼのしない、じんわりしない、ほろりとしない、ぽかぽかしないこんな感じの文章が、私の陰に寄った感情にピッタリとくる。

    無機質なのに美しい文章。
    現実からほんの少しずれた世界。
    感動を求めない静寂。
    無理に明るい場所へ引っ張り出されない安心感。

    この世界観に浸り過ぎると、抜け出せなくなる怖さもあるね。

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    2026年02月14日