小川洋子のレビュー一覧

  • 不時着する流星たち

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    ネタバレ

    「カタツムリの結婚式」がいくら小川洋子といえども、どんなとこに目を付けるんだと、空港に行くたび授乳室と礼拝室が目に入るようになりました。今まで特に気にした事もなかったのに、確かにあの2つ並んだ通路は人通りが少なくひっそりとしていてまさに小川洋子の世界だ

    おばあちゃん子だった為お年寄りが出てくる話に弱い私は「測量」もとても良かった。だんだんと狭まっていく過程がせつない

    「肉詰めピーマンとマットレス」は好きな人が多そう。お母さんの肉詰めピーマン食べたくなった。

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    2024年12月15日
  • やさしい訴え

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    ネタバレ

    「僕は君を、本当にかくまうことができただろうか」

    かくまう、という言葉に、一時性を感じるのは私だけだろうか。
    求める永遠の形が違う男女は、あまりにも切ない。
    遥か昔からそこにあるであろう池が抱く悠久と、木々を揺さぶる激しい嵐の刹那が、林の中の営みで共存していた。

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    2024年12月15日
  • 最果てアーケード

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    登場人物たちは誰も泣き喚いたり大げさな感情表現をしないのにこんなにも喪失感を感じさせる小川洋子さんの芸術。アーケードには懐かしいような雰囲気が漂いながら、現実から一歩外れて置き去りにされてしまった世界のようでもある。最終話で女の子の過去が描かれるところが良い。
    読んでいるとひっそりと静かで心地良い自分だけの時間が流れます。

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    2025年03月27日
  • からだの美

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    小川洋子さんの世界観がとても好き。
    優しさもあり、すごく遠くから客観的に見てるものや事は羨ましく思えてしまう。
    私という人間も、どんなふうに見えるのかな…そんな贅沢な考え事をいつもしてしまいます。

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    2024年12月11日
  • ボタンちゃん

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    知り合いにおすすめされて手に取った本。色んなものに囲まれて、アンナちゃんは大きくなっていくんだなぁ。お母さんが優しくて丁寧な人でよかった!子どもたち、この本を読んだ後はぬいぐるみにちょっと優しくなってて微笑ましかった笑

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    2024年12月02日
  • アンネ・フランクの記憶

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    私は大分前からアウシュビッツにはとても興味がある。アンネの日記を知ったのは小学生の頃だったけど、ちゃんとは読んでなかった。
    偶々手に取ったこの一冊。もう、余計な事は今は言えない。まずはアンネの日記をちゃんと読む。初版と完全版と、どちらも。

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    2024年11月27日
  • 余白の愛

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    小川洋子さんの描くミステリアスな男性は本当に魅力的。
    せつないけれど失っていくようで取り戻していく物語。
    絵画で言うと印象派って感じがする。

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    2024年11月18日
  • ブラフマンの埋葬

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    穏やかな文章で、自然に囲まれた美しくも切ない情景をずっと頭に思い描きながら読みました。
    静かで境遇がわからない部分もあるけれど、それぞれの人生というものがあるんだなと感じた。
    ブラフマンの愛くるしさにほっこりとした。

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    2024年11月13日
  • 世にも美しい数学入門

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    私は数学が大の苦手科目でしたが、高校生の時にある数学教師との出会いをきっかけに数学への捉え方が変わりました。その恩師の口癖は「どうしてそうなるのかも理解せず、公式覚えて問題解いて、それって虚しくないか?」「わからない問いにぶつかったらとにかく実験してみればいい」でした。数学が得意科目になることは遂にありませんでしたが、少なくともこの言葉たちはその後の私の人生の指針になっています。

    この対談の中でも「数学は実験科学のようなもの」と、どんな天才による大発見も地道な実験を重ねて生まれていることが示唆されていて、「腕組みしててもなにもわからない。まず実験してみる。そして観察する」というスタンスはこれからも大切にしたいと思いました。

    また、数学における中世ヨーロッパの遅れは、宗教や哲学の流れを踏まえると当たり前のように感じますし、ゼロを発見したインド人の包容力も既知のことでしたが、本書で紹介されていた日本人の数学における活躍の目覚ましさは恥ずかしながらあまり知らず、とても驚くとともに誇りに感じました。目の前に様々な問題はありますが、美しさへの感性が研ぎ澄まされるような国に生まれ育ったことは幸せなことですね。

    さて、「不完全性定理」が発見されてしまった今、数学や哲学の未来はどうなっていくのでしょうか。また千年後は今とは違う真理の地平が開けているのでしょう。でも、どのような未来を辿ったとしても、この対談を読んだ今、その世界は神様の悪戯としか思えない美しさに溢れてるんだろうと思えます。

    今この瞬間もこの世に隠された美しき真実があると信じ、未解決問題に人生を賭けて向き合う数学者の皆さんに、心からエールをおくりたくなる一冊です。

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    2024年11月11日
  • 凍りついた香り

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    自分が生きていた破片を
    ひとつずつ拾ってくれる人がいる

    遺された私たちはふとした香りで
    悲しさを思い出すけれど
    それもまた日常になる

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    2024年11月11日
  • 約束された移動

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    タイトルの通り「移動」をテーマにした短編集。
    小川洋子さんの著書はまさに純文学で、言葉選びが、構成の一つ一つが芸術品のように美しくて大好きです。
    本という空間に閉じ込められるような、開かれているのに閉塞感のある歪な透明感がどの作品にも存在していて、読んでいる間は時間がゆっくり流れているような気さえします。

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    2024年10月25日
  • 完璧な病室

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    「博士の愛した数式」を読んで以来、小川洋子の小説やエッセイに夢中になった時期もがあったのですが初期の作品も読んでみようと初めて買った文庫本でしたが積読になってました。
    この人にかかると、毛穴から汗が吹き出して止まらなくなるような表現力が呪縛のようにねっとり絡んできて息苦しさを覚えて少し距離を置いてみたくなったんですよね。
    この人に睨まれると動くことさえできずに直立不動になってしまうほど緊張します。よそ見してる隙に逃げ出したくなるのですが、またこっちを向いたら制止してヘビに睨まれたカエルとゆうかダルマさんが転んだ状態ですよぉ。

    【完璧な病室】
    弟の病状を説明する主治医の均整のとれた肉体にうっとりする表現なんか、水に滴る筋肉を想像するとか小川さん以外が言ったら、ただのエログロ変態だと思ってしまうのですけど。ベットに鞄を置いたらぴんと張られたシーツが風紋のようになったとか、胸がざくろが割れたように痛かったとか卑猥に感じると思えば、摘出したチョコレート嚢胞がビーフシチューと同じ色してたとか、しばらく食欲なくしそうな視覚表現だけど、これに嗅覚まで加えたら吐くかもしれない。ホルマリン漬けの胎児を眺めて悦に浸ってそうな不安げな安心感にドキリとします。

    【揚羽蝶が壊れる時】
    この作品は臭すぎでした。アンモニア臭だとか生ゴミの匂いがプンプン臭覚を刺激するんです。
    認知症の祖母を施設に預け終わった後の罪悪感だとか、もうこの人の表現にかかったら度の強い眼鏡掛けて足元がグニャグニャ揺れてピントが定まらず頭痛がして吐き気を催すような感じでした。散りばめられた言葉の中に、ノイズとかロッキングチャアにモーターバイクにバレリーナ、これ絶対に佐野元春の歌詞に出てくる単語意識してますよね。元春はさりげなく悪ぶって気障だけど害はないのに対して、小川さんは妖艶さが加わって退いてしまいそうになるんです。帯に「こうして小川洋子は出現した」って書いてあったけど、私だったら「妖狐が出たぁああ!」ってビックリマークもあと3つぐらい付けたくなる。「ライオンゴロシ」って棘をもつ植物の生態にゾクゾクしました。
    初期の洋子さんは艶かしくグロテスクで好奇心旺盛なマッドサイエティストって感じでした。

    残りの2つも不穏で不安定な不思議な感覚。
    読んでいるだけなのに五感が刺激され心拍が乱れるは、急にトラウマが襲ってきたりで臨死体験に近い感覚を味わうことができました。
    4つの短編に出てくる『わたし』が同一人物に見えてしまう。年やら名前は違っているけど何度も転生してるようでゾワーって感じが悩ましい。
    これだけ振り回されたら、安らかに眠りたいって思ってしまうww

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    2024年10月24日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    言葉の端々にお二人の優しいメッセージが伝わってくる。人生で何かを成し遂げるよりも自分の物語をつくるほうが幸せなのかもしれない。短い本だったが、安堵と幸福感を感じられるような素敵なお二人の掛け合いが心地良かった。

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    2024年10月11日
  • 約束された移動

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    小川さんらしい、童話のような雰囲気をまといつつもほの暗く、ひっそりとした短編集。静謐という言葉がこれほど似合う作家さんもいないだろうと思う。世の中の片隅で生きている人たちが心にひっそり持っている、美しい宝箱をこっそりと見せてもらっているようなお話だった。今作はあんまりグロテスクではなかったので、好みの感じだ。どの短編でも本を読む人がいて、それが良かったと思う。
    ダイアナ妃の服をまねて自作し、自ら着る老婆バーバラが出てくる「ダイアナとバーバラ」、鳥好きの声の小さな作家「巨人」と通訳の交流を描く「巨人の接待」が好き。

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    2024年10月02日
  • 琥珀のまたたき

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    この母親を毒と見倣すかどうか、これはなかなか難しい。我が子を失う事の辛さは、それを経験した人でなければ分からないし。でもやはり世間の目は冷ややかで。

    そんな中でも子供の発想力というのはやっぱり凄い。あんな閉塞的な場所でもあらゆる遊びを考え、実行する。オリンピックごっこ、楽しそう。

    とは言え、子供らしく、無邪気に、自由に遊ぶ。そんな環境に身を置けなかった彼等がどうしても不憫でならない。

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    2024年09月24日
  • 凍りついた香り

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    涼子の恋人、香水の調香師弘之が自殺した。なぜ?彼の全く知らなかった一面が次々と明らかになっていく。涼子は弘之の面影を求めて迷宮の街プラハへ。
    弘之の過去と涼子の今が重なり、弘之が残した『匂いのイメージの言葉』と出会う。
    弘之の死の原因は解らない、ただ生きにくい人だったことはわかる。
    涼子は弘之の過去を訪ねることで、救われたのだろうか。

    臭覚で感じる香りを言葉で表現する。それを読者が香りとして感じるには、言葉が示す香りをイメージできなければならない。言葉から臭覚を呼び起こそうとし、知ってる何かに当てはめようとする。
    言葉で五感を刺激し、言葉で静寂を感じる小川洋子さんの世界、好きだなぁ。

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    2024年09月18日
  • 心と響き合う読書案内

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    ラジオ番組だったものを文庫化されたもの
    もう番組が終わってしまっているのが残念… 紹介されている中では特に古典を読んでみたくなった。

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    2024年08月30日
  • からだの美

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    身体の細部についての随筆16篇。
    いつもながら観察力と表現力に驚く。
    スポーツ選手や動物などの説明だけではなく自身のエピソードも折り込まれており気軽に楽しく読める。
    バレリーナの足の指、赤ちゃんの手の指、なぜそうなったのか。
    考え出すと眠れない。

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    2024年08月26日
  • 完璧な病室

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    小川洋子さんは死にまつわる静かな話が多い。その文章は心を落ち着かせてくれるけれど同時に暗さも感じる。デビュー作からそれらは一貫していることが分かった

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    2024年08月17日
  • 偶然の祝福

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    ネタバレ

    相変わらず独特の世界観で面白い。
    特に盗作、エーデルワイスが好みだった。

    前者は、背泳ぎ選手の弟が左腕から徐々に死に近づいていく〜という話の盗作。
    その話を語った女性はその弟の見舞いのために病院に向かっているのだといいながら、到着すると精神科に入っていく。
    後者は、たくさんのポケットに主人公の著書を入れてストーカーしてくる謎の男の話であるが、このキャラクターが好き。

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    2024年08月12日