小川洋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
舞台にまつわる短編集。いつもながらの静けさの中に漂う不思議な空気感が「あぁ、小川洋子さんを読んでいる…」と感じさせられる。
ラ・シルフィードに魅せられる少女を世話する縫い係、昔女優だった叔母、失敗係と交通事故の女性、不思議なコンパニオン、馬車の本屋に罪悪感を持ち続ける男性、ヤモリ。どの主人公も過去の何らかの思い、と舞台が結びつき展開されていく物語はどれも秘密めいた空気を纏っており、それに呼応するように自分自身の過去の出来事を呼び起こし自分の中の秘密感が増幅される。これが自分にとっての小川洋子さんの雰囲気かな。
表紙のイラストはヒグチユウコさん。とても内容にあった雰囲気で素敵。表紙のイラスト -
Posted by ブクログ
舞台をテーマにした短編集。
短編自体が繋がってるのかな?と思ったところもあったけど、やはり繋がってはおらず独立してる話のようだった。
表紙の装画に心惹かれて手に取る人も多いのではないでしょうか?装画はヒグチユウコさんです。
猫の絵のイメージ強いヒグチユウコさんですが、この少女の横顔も美しいですね〜!
クラシックバレエ、ミュージカル、ストレートプレイ、クラシック音楽、温泉街にある廃墟と化した演芸場…。
舞台はたくさんある。
実在する演目、固有名詞が登場するものの、内容に踏み込んではいないから、舞台のことや内容を知らない人でも楽しめると思います。
どの話も、小川洋子さんのお話だな〜!って感じ。 -
Posted by ブクログ
幼い子どものいない世界。
主人公は年齢不詳だが、きっとものすごく若くはないのだろう…今は廃墟のように古びた幼稚園に住んでいる。
すべてが幼い子どものために作られた、部屋も食事も園庭もプールも講堂も、小さな作りのこの建物に。
きっと何十年も前からこの街から子どもたちは消えてしまったのだろう。
どうしてこの街の全ての子どもたちが死んでしまったのかはわからない。
ただ死んでしまった子どもたちへ、街全体が哀悼からくる切なさと、亡き子どもたちへの想いを抱き続けることへの静謐な幸福感…それらが感じられる、舞台は確かに日本と感じられるのに不思議な…安らかな感覚になれる世界。
亡き子どもたちの遺骨と遺髪でで