小川洋子のレビュー一覧

  • 博士の愛した数式

    購入済み

    優しい気持ちになれる本

    胸にジーンとあたたかいものが込み上げる、そんな素敵な本でした。
    また読み返したいなと思います。

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    2022年08月11日
  • 洋子さんの本棚

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    2人の洋子さんが、少女時代から各年代ごとの愛読書を持ち寄って語りつくす。これが殆ど未読の本ばかりなんだ。読んだことのある本なら、そこで語られることに反応できるけど、知らない本はそうもいかない。もちろん「今度読んでみますか」ってこともあるけど、読書案内のための対談ではないのでそれも苦しいところ。

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    2022年08月09日
  • 犬のしっぽを撫でながら

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    読むといつもふふっとなる。
    悲しくなると何故涙がでるのかという話で小川洋子さんってすごく精神的に純粋だなぁということと
    子供の頃の感覚を失わないまま大人になった人なのかなと思った。読んでいるととても落ち着く。

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    2022年08月04日
  • 口笛の上手な白雪姫

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    人間個人の、存在としての痛々しさに苦しくなりながら読む。

    身の回りの出来事や、自分の意識や認知の段階ではやり過ごしていることを豊かに発酵させて、あるいはジャムを作るように煮詰めて書かれているようだ。

    痛い。ほんとは生きててずっと痛い。傷が痛む

    ただ、それを注視していてもどうにもならないし、日々やらなくちゃらいけないことは積もっていくので傷に向き合っている時間はない。

    ところが小川洋子の本を開くと、放置してきた傷がいかに深いか、どれほど化膿が悪化しているか、あるいは多少は癒えているか、などを思い起こさせる。

    具体的な被害、加害の話ではないのに。

    私はこんなに傷ついていたんだなあ、難し

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    2022年08月02日
  • 凍りついた香り

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    たまにはこの様な物語もいいではないか。

    ある日突然恋人を失い、その生きていた証を訪ねていく物語。
    生前の彼のことを、実は何も知らなかった自分に少なからずショックを受けながらも、彼の弟と共に軌跡を追い彼の実家で過ごす。そして異国の地へ向かい、そこで出会うガイドと共に。

    彼が存在していた記憶を思い出し、考え、それにどっぷり浸かりながら、いない事実を受け入れていく様がよく書かれていて、ページをめくる手がとまらなかった。

    少しは楽になれただろうか?時間が解決とは良い言葉だが、どっぷり浸って溺れながら、でもゆっくり浮かんで生きていくのも悪くないと思った。
    無性に好きな人に会いたくなった。

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    2022年07月17日
  • ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)

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    ゴリラについて作家と霊長類学者が語り合う。言葉を持たない霊長類を研究するには、彼らの活動を言語化しなければならない。その過程でいろいろな発見がなされるわけであるが、作家の想像力と学者の観察力が出合い、ゴリラを介在して二人が見出したものを言語化していくのを読むのは有益であり、楽しい。

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    2022年07月09日
  • やさしい訴え

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    ニ短調。「やさしい訴え」は18世紀フランスの宮廷作曲家ジャン=フィイリップ・ラモーの作品。僕には判りませんがラモーにしてはしっとりとした小品だそうだ。洋子さんの創作する物語は既にここにある。誰もが平穏の中にいる。洋子さんの長編4作目はピアノを弾けない指、殺された婚約者、暴力を奮う夫。それに私が今回の登場人物。快い旋律は気分を高揚させる。それはまるで愛の営みの様に。

    洋子さん節を勝手に哀妖艶愛小説って命名してますが、今回は妖と艶の部分は感じません。純愛と独占欲。結婚と愛情について問題を投げ掛けられました。今まで気付きませんでしたが発問性に惹かれているのかも。

    結婚したい人と愛する人の違い。結

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    2022年07月07日
  • 口笛の上手な白雪姫

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    ネタバレ

    自分の世界で丁寧に繊細に生きる人々の8話の短編集
    短編はあまり好みではないと思っていたけど、
    十分に惹き込まれ充たされた

    中でも印象に残ったのは、
    仮名の作家
    途中から、主人公はまるでストーカーじゃないかと気づきドキドキさせられ
    空想と現実が見事に折り混ぜられまるで映画を観てるような気持ちになった
    狂気の中にも、儚く美しい描写シーンがありきらきらと光ってる
    タイトルにもなっている、口笛の上手な白雪姫のお話もとても好き
    小母さんと赤ん坊が愛おしい

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    2022年06月27日
  • 刺繍する少女

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    不思議な世界感。
    ただそこに置かれている静物にも意志を感じ、時には狂気さえ見えます。
    そんなところもひたすら優しい文章の中で共感してしまいます。
    誰にも自分の気持ちは理解できない、ひとりの世界に漂います。

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    2022年06月26日
  • 心と響き合う読書案内

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    ラジオ番組メロディアスライブラリーで紹介された本をまとめられた最初の本。
    読んだことのあるものあり、ないものあり。

    出来れば手元に置いて読書の参考にしたいかな。

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    2022年05月12日
  • 口笛の上手な白雪姫

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    小川洋子さんの著作でこのタイトルとなると、期待しかない。
    浮世離れしていて、透明感があって、切なくて胸が苦しくなるようなお話もあって…読んでいる間現実を忘れるという意味で、小川さんの本は時々強烈に読みたくなる。

    8篇の短篇集。それぞれ短いからさらっと読めるのだけど、その中にワールドが出来上がっているのがいつもながら流石と思う。
    表題作はラストに収録されているのだけど、個人的には前半の5篇がとくに印象的だった。

    すべてに共通して、失ったもの、という言葉が頭に浮かびながら読んだ。失ったものを静かに見つめたり、少し執着したり、ひそやかに悲しんだりする。そういう人びとの姿が描かれているように感じた

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    2022年05月04日
  • 余白の愛

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     私の母が歳を取り、難聴になったので、補聴器を試してみたけど、音が聞こえすぎて辛いと言っていました。この話の主人公も色んな聞こえなくてもいい音が、ずっと聞こえているそうで、大変そうでした。
     後半は、モヤモヤした感じがスッキリするのかと思い、いっきに読んだのですが、やはり小川洋子さんの作品らしい終わり方でした。

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    2022年05月03日
  • 科学の扉をノックする

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    科学の入門書にどうぞ 博士の愛した数式で有名な小川洋子さんが科学者たちにインタビューしたエッセイです。難しい科学用語も小川洋子さんの手にかかれば不思議と分かりやくすなります。しかし、小川洋子さんは阪神タイガースファンなんですね!好きな球団の方にインタビューできるなんてうらやましい。子供におすすめしたい一冊です。

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    2025年12月21日
  • 小箱

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    ネタバレ

    連休初日、どこにも出かける用事もなく、また気分でもなく、ひとり部屋で小川洋子を読める幸せ。
    静かに、どこまでも静かな気持ちになっていく。ひたすらに心地よい文章。

    幼稚園ではないが、以前訪れた自由学園明日館を思い浮かべながら読んだ。

    「安寧のための筆記室」とはなんと魅力的な言葉か。書きものをして心を休ませるための場所。どこかに本当にあったらいいのに。せめてその小説が本当にあったらいいのに。と思った。

    美容師さん、虫歯屋さん、従姉妹、クリニーング屋さん、バリトンさん。誰もがとても愛しく魅力的。

    擦り切れるほど観ているおおきなかぶのビデオテープ。「プログラム8番」と園長先生が映し出される場面

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    2022年04月29日
  • 小箱

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    もし、こんな世界があったら、怖いと言うか寂しいというか、切ないというか?でも、将来ありうるかもしれない?もし、そんな未来が来たら、すごく怖い。

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    2022年04月24日
  • ボタンちゃん

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    小川洋子さん初の絵本は、小説で時折見られる、妖しくも甘美な毒は無く、お子さんと親御さんに送る、やさしい物語でした。

    ただ、それでも、日の当たらなくなったものたちへの温かい眼差しには、絵本でも、やはり小川さんは小川さんだなと感じられました。

    それは、幼い頃のお子さんの成長を助けたが、やがてお役御免となり、記憶の片隅に取り残された物たちへの眼差しを、ボタンちゃんの素敵な励ましを通して、私たちに見せてくれます。

    確かに、実際に使われていた間は、幼いお子さんにはまだ自意識が目覚めていないから、やむを得ない部分もあるのだが(思い出せないだけで実際嬉しかったんだろうな)、大きくなってから実は、こんな

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    2022年04月24日
  • 凍りついた香り

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    なぜ、夫は死んでしまったか?謎を解くために旅をするけど謎は簡単にはとけなくて・・・。主人公と一緒にチェコを旅している気分になりました。(チェコに行ったことはないのだけど。)

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    2022年04月08日
  • アンネ・フランクの記憶

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    ミープさんやアンネのお友達だった方の言葉に重みを感じる。この本とアンネの日記を読むと平和を願う気持ちが強くなる。

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    2022年04月07日
  • ホテル・アイリス

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    主人公が10代ということもあり、またそれ以外にも感情移入はできなかったのですが、主人公の伯母ぐらいの気分で読んでいました。恋は盲目ってことですかね。最後は私、ほっとしました。

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    2022年03月30日
  • やさしい訴え

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    ネタバレ

    「音が溶けて蒸発していく」

    いくつもの三角関係
    嫉妬からの破壊活動、クラッシャー行動。感情的な行動のあとにいくら修復を望んでもどうしても気まずさが消えず。
    新田氏には最高の離婚の綾野剛の役を思い出した。
    淡々とそして意外にもドロドロしていくが、最後は静かに終わる。
    林の中で暮らしを続ける描写がすばらしかった。

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    2022年03月18日