【感想・ネタバレ】琥珀のまたたき のレビュー

ユーザーレビュー

ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年03月21日

小さな声しか持たぬ者。世界の片隅の、更にまた片隅で生きる者へのまなざしを絶やさないのが小川洋子作品の魅力だ。
”実母による監禁”と言ってしまえばそうなのだが、この事件の当事者である三人姉弟の、その中でも最後まで壁の内側の世界に残った一人が主人公となり、彼の視点から見た閉じられた世界での生活を、衝撃的...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年01月22日

絶望をこんなに美しく描ける作家を私は知らない。美しい絶望の世界を写し取っていく琥珀が愛しいと思う。
オパールの絶望も、瑪瑙の外界への興味に理解してなお変わらずに生きていこうとする琥珀はどんなに孤独だったことだろうか。

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Posted by ブクログ 2020年01月09日

残酷なのに正しい気がして、そして美しい。
小川洋子さんの描く物語には、そういう印象を抱くことが多い。
この小説も実はとても残酷なストーリーなのに、童話を読むような感覚で読み進めていた。
オパール、琥珀、瑪瑙と、元々とは違う名前を途中でつけられた3人のきょうだいは、世間から隔絶された別荘に閉じ込められ...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年11月20日

母一人子3人の奇妙で切ないフィクション。オパール、琥珀、瑪瑙など子供のネーミングの良さ、子供の世界の楽しさ儚さ、現実の哀しさ、これらが織り交ざって絶妙な物語となっている。読んだ後にこの世界観の余韻に浸っていたくなる。

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Posted by ブクログ 2019年07月21日

閉じられた世界で、常識的に考えれば彼らは自由を奪われ不幸なきょうだいなのかもしれない。けれど三人はみんなその世界をいつくしみ、大切に生きている。幻想的で美しい物語でした。

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Posted by ブクログ 2019年06月26日


何かがあった時、知らせるのは私じゃない誰か。
知らない人。関係のない人。

この生活は本当。
まわりの心は嘘。
ぜんぶ知らないから。
勝手に思っていることだから。

だから喋る。自分のことを。
聞いてほしい。自分の感情を。
共有したい。自分じゃない誰かと。

それは静かに。不気味に。
だけど清廉に...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年06月25日

外側から見れば歪な状況の中、
3人の姉弟の互いを強く想い合う様がとても健気で、
健気さを感じれば感じるほど
状況の異常さやその先の悲しみの予感に胸が痛くなる。

他のレビューでも触れられているように、
単純に考えれば監禁・虐待でしかなく、
ひっそりと身を寄せ合う親子の姿に
どう手をさしのべることがで...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年06月16日

現実的ではない不思議な世界の話を読んでいるようでした。ロバの名前がボイラーっていうのがかわいいです。

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Posted by ブクログ 2019年06月02日

文庫で再読しました。
読んでいると、周りの音まで小さくなっていくようなひっそりとした世界でした。
琥珀の左目は琥珀のようになっているのだろうか…
図鑑を読むママに琥珀がかける言葉が好きです。
「何て言うか、親しい気持ちになれると思うんだ」。読書はやっぱり一人の時間だなって思います。
彼らの生活に綻び...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年03月24日

外界から隔絶された内側で生きることの幸福を思う。ささやかな幸せを噛みしめるように、お互いを慈しみながら生きる。それが世間から見れば異常なありようであったとしても。そうやって母親が作り上げた城の、そのいびつさが隠しようもないほどにふくらみ、崩れていくさまさえもどこか美しいのだった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年02月25日

母親のいびつな愛情のもと監禁された子どもたち。この残酷な物語をこんなにもひそやかに切なく美しく描くことができるのは小川さんを置いて他にはいない。オパールは「ママが殺して庭に埋めた」と琥珀は言った。美しい物語の中の毒が打ち捨てられた図鑑を触った時のようなザラつきを持ってジワジワと効いてきている。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年02月08日

"気が触れた""おかしくなった"とひと言で言ってしまうのは簡単なこと。それでも小川洋子は母親の傍目から見れば異常な行動を断罪することなく、彼らの恐ろしく穏やかな監禁生活をひそやかに丁寧に描いている。深い絶望に襲われた母親と、それに寄り添った子供たちの物語。

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Posted by ブクログ 2019年01月27日

隔離された世界で家族が作り上げた現実は、他者には邪魔ができないほど強固なものであると同時にすぐに壊れてしまう脆い幻想。非現実の中で生きる家族の脆さ、閉ざされた世界で生きる子どもたちが純粋な心で生み出したいくつもの遊びと作業、疑う気持ちに蓋をしながらもその中で確かに存在する瞬間的な幸福の描かれ方がとて...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年01月04日

通勤時間の行き帰りに電車でちょこちょこ読むのではなく、休日に一日掛けてしっかりと向かい合いどっぷりとその世界に浸りたい、そんな風に思える作品。

美しい文章に御伽噺的な世界、文章一つ一つが想像力を引き立て紗のかかった美しい映像となって頭の中に広がっていく。おかげでページ数の割には読むのに凄く時間が...続きを読む

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年04月19日

母が作った王国の中で暮らす兄弟の物語。外から見ると母親による監禁というファンタジーとはかけ離れた状況だが、隔離され内側へ内側へ深まっていく世界における琥珀や瑪瑙、オパールによる空想は、非現実が現実と重複したように思えるくらいに美しい。その描写にどっぷり浸かるとともに、愛ってなんだ、と考えさせられる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年12月31日

 自分の末娘を舐め殺した犬を蹴り殺し、他の子どもたちを長年監禁するという、あらすじだけ書くとありがちなヤバイ話。
 子の死を受け入れられない母は心を壊し、子どもを別荘に閉じ込めてしまうのだが、幼い子どもたちはその無知により別荘に順化することができた。
 でも、長女は小学校高学年ということもあり、母の...続きを読む

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