【感想・ネタバレ】カラーひよことコーヒー豆のレビュー

あらすじ

ささやかな日常から真理を見いだす作家の目

『博士の愛した数式』『ミーナの行進』などで知られる小川洋子さんのエッセイ集。

インドとドイツの区別がつかなかった子供の頃。「君、明治生まれ?」とボーイフレンドに揶揄された学生時代。
身近なエピソードからはじまり、単行本にしてたった5ページ弱で人生の真理にまでたどり着く展開は、作家ならではの発想の豊かさゆえ。
そんなエッセイの醍醐味を堪能させてくれる29の掌編が詰まった、宝石箱のような一冊です。

収録作品の多くは、ファッション誌「Domani」に連載されたもの。
小説を書くとき、登場人物の職業を最も重要視するという著者が働く女性に向けるまなざしは、温かな励ましに満ちています。
日々忙しく働く中で、つい“ドラマ”を求めてしまい、平凡な日常を退屈なものと思いがちですが、繰り返されるその日常こそがかけがえのない幸せなのだと気づかされます。

仕事、プライベートで、ついがんばってしまう女性たち。
そんな彼女たちに「今日は元気を出さなくてもいいかなと感じたときに読んでもらえたら」と小川洋子さん。
ふとたちどまり、肩の力を抜いて、自分自身を見直す--そんなきっかけをくれるエッセイ集です。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

エッセイとは知らずに手に取った。
とても、とても素敵だった。小説もすごく好きだけど、小川洋子さんのあたたかな人柄がにじみ出た本当に素敵な1冊でした。
なんだか知らずに抱えていたやるせなさとかかなしみとか、いろんな思いをふっと軽くしてくれるような、そんな本だった。素直に心の奥まで染み込んだ。今の私に絶対に必要だった気がする。出会えてよかったなぁとしみじみ。

0
2021年10月12日

Posted by ブクログ

犬好きでタイガースの熱狂的なファン、どこにでもいそうなどちらかといえば垢抜けないおばさん。
レジに並ぶときはもたもたして後ろの人に舌打ちされないように万全と小銭の準備をし友達と食事した後に喋りすぎたのでは?と不安になる。
なるべく世間の端っこで生きるよう努力しながらおこがましい気持ちで小説を書いている。
でもね小川さん、神様はあなたの小説の才能に特別な計らいをされているのですよ、多くの人が感動するカレンの歌声のようにあなたの本を読むことは私たちにとって至福の喜びなのです。
いつか阪急電車でお会いしたらお礼を言おうと密かに思ったりしています

0
2014年10月04日

Posted by ブクログ

毎日の中でスルリと零れてしまいそうなひとコマを
大切に丁寧に書かれたエッセイたち。

不平不満をこぼさず、たくさんのことを
じっと我慢して超えてこられたお料理の先生の
謙虚な笑顔と誠実な人柄のお話。

大好きな須賀敦子さん、堀江敏幸さん、
柴田元幸さんの話もうれしく、
「枕草子」に対する想いに、そうそう!と
うれしくなったり。

人を結びつける本の話もとても素敵だった。
同じ本を読んでいるだけで、とても話が弾んだり
言葉にできない深い繋がりを感じたりする。
読書ツールでの出会いも然り。
たかが1冊、されど。

人との縁、結びつき、大切にすること、
丁寧に続けていくこと、楽しむこと。
たくさんの優しさに心が柔らかくなる読後でした。

0
2014年06月09日

Posted by ブクログ

小川さんはとても気になる作家さんだった。なのに、まだ小説はひとつも読んでいない。とりあえずお近づきになりたくて、これを読んでみた。
Domaniという女性誌の連載なので、職業について書かれているものが多く、働く女性にさわやかなエールを送っている。清少納言は千年前の職業婦人だが・・・枕草子をそう読み解きますか!?この一文で、小川洋子さんが大好きになった。

0
2014年07月20日

Posted by ブクログ

作家・小川洋子さんのエッセイ。
著者の人々に注ぐ暖かなまなざしが感じられ、優しい気持ちになれる本です。

中心から少し視線をずらした時、世界の見方が変わることがある。

心に沁みました。

0
2013年06月06日

Posted by ブクログ

もう見慣れた雨粒。

水面に落ちて、波紋が広がろうとも
特に気にする事もなく、さっと目を逸らしてしまう。

小川さんは
目を逸らさない人だな、と思った。
ニコニコと面白そうに
いつまでも波紋を見続ける事が出来る人。

雨粒達は、ちょっと嬉しくなって
本のなかから、思い出のなかから、言葉のなかから、日常のなかから、
(彼女に褒めてもらおうとして?)
次々飛び出してきては、ポンポン白いページの中へとダイヴして行く。

不規則ではあるが、その跳ね上がるような言葉の調べがなんとも心地よいエッセイ。

0
2013年02月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編のエッセイになるのかな。
あたしの好きな文調で 読みやすかった。

小川さんって 「博士の愛した数式」の作家さんだったんだな。
知らずに読んでいた。。
必要とする誰かのところへたどり着いてほしいとの願い。
あたし 読んで よかったな。


タクシーの無線や ハロー注意報とか ちょっと視点がおもしろい。
あとは縁日のカラーひよこ。
知らなかった!
(小川さんは カラーひよこがもう縁日で売られていなくて、知らない人が多いことに衝撃を受けていたけど。知らないことを知った あたしも衝撃的)

他の作家が書いた本のタイトルも ちょこちょこ出てきて
知っている本も 知らない本も。
こういう風に 次に読んで見たい本に出会えるのは ありがたいな。

靴の話で
戦後 旧満州から引き上げてくる時に 脱落した人は靴をなくした人。
靴がないまま必死で歩き続けたら 足の裏の肉 奥深くまで石が埋まっていた人など壮絶な話。
最後に自分の命を守ってくれる砦となるかもしれない靴。
きっちり自分に合った靴さえあれば、じぶんはどこまでも歩いていける。自分のためだけの、 足にぴったりな一足。

いい靴はいい道に導いてくれるって聞いたことあるけど
最近 合わない靴を無理にはいて ストレスがあるから
やっぱり あの靴は考えようかななんて 思ってしまう。



以下、引用。

思い出からやってくる人。
苦しかったりつまずいたりした時、思い出の中からやってきて、心をさすってくれるような。

本物のご褒美
宝石や香水は何個でも欲しくなるが、本物のご褒美は生涯にたった一個あれば十分。
何度繰り返し思い起こしても、そのたび新たな喜びに浸れる。


出会うべき誰かと誰かが出会う。
人と人が出会うに相応しい手順がちゃんと踏まれている。


どんな才能も、自ら売り込んでいる間は本物ではない。
神様の計らいは常に、本人に気づかれないようにこっそり施される。
それを施された人間より、その人間が発するものを受け取る側の方が、ずっと大きな恩恵をこうむる。

世界の周縁に身を置く人。
中心から少し視線をずらした時、世界の見方が変わることがある。
声高に叫ぶ人の声だけでなく、じっと黙っている人の声に耳を傾けていると、思いがけず深遠な真理に触れることができる。

0
2012年11月03日

Posted by ブクログ

雑誌掲載分に書き下ろし5作のエッセイ集です。

作者の小説は沢山読みました。作者の描く美しく繊細なもの、端っこのこと・・なるほど、こういう考えがベースになっているんだなと思いました。

作者との共通項が多く(阪神ファン、居住地、年代など)、関心事の話題(ジュウシマツ、靴、料理など)も多かったです。ちなみにカラーひよこも分かります。
自分と縁のあることが多い話題に惹きこまれました。

作者がエッセイの中で「ハッ」と気づくことに自分もハッとしたり。
あと1篇が適度な長さで読みやすかったです。雑誌連載の賜物でしょうか。

「働く人の姿」「大人の女性とは」「黙々と労働する人」「本物のご褒美」「結晶のような個性」「ジュウシマツの芸術」「靴は人生の同伴者」「届かなかった手紙」そして最後に「理想の一日」で、なんだ、今の自分の暮らしもまんざら捨てたもんじゃないなと思う心地よい読後感。堪能しました。

0
2012年09月14日

Posted by ブクログ

雑誌『Domani』に連載されたエッセイを集めてできた本。小川洋子さんの日常からの様々な所感が主に若い女性に向けて肩肘張らずに綴られている。2009年発行、当時の出来事に思いを馳せるのも面白い。民主党政権誕生、2006年はトリノオリンピックで荒川静香が金メダル。エッセイにも名前が出てくる高橋大輔が2022年現在、まだ現役続行してるとはこのとき誰が想像していただろうか。

0
2022年09月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小川洋子さんのエッセイ。

読者の人によって思い出される祖母との記憶。
お金をもらってももらっていなくても、仕事をこなしている人への尊敬の気持ち。

本物のご褒美というのは、ふとしたときに出会うありがとうということ。

その人のことを詳しく知らなくても、一冊の本があれば十分だということをラジオの仕事で知ったこと。

いろいろ後悔してしまうこともあるけれど、姪っ子の愛おしさが全て帳消しにしてくれること。

思い描く理想の1日と、小説と犬と阪神に囲まれた生活。

控えめで謙虚で、愛に溢れている人。
素敵な人だなあ、と思う。作品ももちろん素敵だし、エッセイから伝わる小川洋子さんのお人柄も素敵。

0
2019年11月05日

Posted by ブクログ

著者が小さな事で(本人にとってはおおごと)落ち込んだ時の対処法の一つに姪っ子への電話があるそうだが、私にとってはこういうエッセイを読んで誰しもため息が出ることがあるんだと知ることが救いになる。

0
2019年04月14日

Posted by ブクログ

雑誌「Domani」に連載していたエッセイ集で、大人の女性や働く女性に対するお話も多い。

小川さんの人柄が好きになり、その作品に触れたくなった一冊。

小川さんは、道行く様々な人の背後にある暮らしや仕事、人生を想像し、尊敬と愛情の目で世の中を眺めている。小川さんの手にかかれば、どんな人生もどんなに慎ましい暮らしも、掛け替えのない物語に溢れた素晴らしい人生に思える。

小川さんの小説の源泉はこういう愛情溢れる心なんだなと思って尊敬するばかり。

毎日新聞からのエッセイ「とにかく散歩いたしましょう」を読んだ時にも感じたけれど、話中で紹介される本が、今回も自分の好きな本ばかりで嬉しくなる。枕草子や錦繍や思い出トランプや…名作ばかりだから一致して当たり前かも知れないけれど、またしても小川さんと気が合うような気がした。しかもタイガースファンだし。


書き留めておきたい一節は「ただごとではない人生」という話から。
”若い時は大いばりで生きていればいい。少しずつ、(人生が)ただごとでないのが分かってくる。何の前触れもなく、静かに試練はその人の背中に舞い降りてくる。仕事で取り返しのつかない失敗もするだろう。大事な人を失うこともあるだろう。でも慌てる必要などない。必ず救いの道は用意されていて、それを探すことこそが、生きることなのだから。”

0
2017年05月05日

Posted by ブクログ

小川洋子さんのエッセイ「カラーひよことコーヒー豆」、2009.12発行です。29編のエッセイが収録されてます。小川洋子さん、エッセイにも「キレ」があります!29番目のエッセイは「理想の一日」です。小川洋子さんの理想の一日は、小説を書き、犬と散歩し、タイガースを応援することだそうです。この3つさえあれば十分、他には大した望みはないとのこと。小説をウォーキングに、犬が猫に、タイガースがカープに・・・、私の一日に~(^-

0
2016年05月30日

Posted by ブクログ

エッセイ集。2006.10~2008.9『Domani』掲載。

美しい日本語と、的確な言葉で綴られる日常。
読んでいると、陽だまりで休んでいるような穏やかな気持ちなれる。

0
2015年11月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小川さんの日常を綴ったエッセイ
とても控えめなお人柄が伺えます

書下ろしの「ジュウシマツの芸術」がお気に入り
鳥には興味がなかった小川さんがジュウシマツの生態に感銘を受ける件がいい
小川さんの「芸術」に対する考え方が伺える

ジュウシマツは求愛のために歌の練習をし本番に挑む
練習と本番では遺伝子の発現パターンが異なるらしい

さらに、究極の歌をうたうオスが出現する、そのオスは
メスには求愛せず、自分の歌に聞きほれ満足する

「求愛という目的が消え去り、ただうたうためだけの歌、つまり芸術がここに誕生する。(中略)孤独を愛し、より繊細な美を追い求め、いつしかそれを芸術にまで高めることのできる彼ら。誰に自慢するでもなく、ひっそりとその美に酔いしれる彼らに対し、尊敬の念さえ湧いてくる。」

0
2015年10月25日

Posted by ブクログ

女性誌『Domani』の連載に書き下ろしを加えたエッセイ集。


ビタミンカラーをバックに並ぶ『カラーひよこ』。先日ネットでカラーひよこにまつわる記事を読んでいたので、これが目にとまりました。
そっちは置いておいて、非常におこがましいですが、わかるなぁという話がたびたびあり。子どもの頃見た大人の女性には程遠い自分とか、落ち込みやすいところとか・・・。
そんな私と小川先生の違いは、人との出会いをとても大切にしているところかと思いました。相手に敬意を持って接し、時にとても暖かい瞳で見つめている。私には小川先生は素敵な大人の女性だと思えます。

0
2013年06月21日

Posted by ブクログ

作者の慎ましやかな人々、物事への視点が非常に面白かったです。
何も知らずに手にとって『博士の愛した数式』の作者の方なのだと途中で気がつきました。
堅苦しくなく、とても楽しめました。

0
2013年06月10日

Posted by ブクログ

小川洋子さんのエッセイ集。
女性誌「Domani」に連載されていたものと、書き下ろしを含めたもの。

彼女の「人となり」がわかる・・・かな。
彼女のエッセイを読むと必ず出で来る「アウシュビッツ強制収容所」やもしくは。「アンネ・フランク」への思い。

個人的に好きなのは・・・
「神様の計らい」
「誰だって昔は」
「小さな命に救われながら」
「千年の時が与えてくれる安堵」。

ああ、作家さんも作家さんでいろんなことに悩み喜び、日常生活を送っているんだなぁ、と。

「世界の周縁に身を置く人」。
なるほどなぁ。
”はじっこ”にひっそりと身を置く。

彼女の小説を読む上での鍵になるというか。
彼女の性格がわかるというか。

とにかく、やっぱり肩の力が抜ける、そして、清少納言『枕草子』、宮本輝『錦繍』を再読したいな、と思った一冊でした。

0
2013年04月22日

Posted by ブクログ

癒されます。
幸福なお化粧、小川さんならではの感覚だと思った。
電車の中で化粧してる人を見て、これから誰に会いに行くのか、そんなに熱心に化粧してるんだから大切な人に会いに行くんだろうな、幸福な時間が過ごせますように…なんて、私は思ったことないもの。
本当に小川さん目線になれば不快なことが軽減されるだろうな。

カラーひよこ、知らない人は若いんだよね。
私知ってるー。もう虐待でやめになったのかな?

0
2013年01月24日

Posted by ブクログ

『Domani』の連載に数本の書下ろしを加えたエッセイ集。
表題作にもなっている『カラーひよことコーヒー豆』はどうやら連載中に読んだらしいと、この本を読んで気付きました。何時・どこで読んだかも覚えてないのですが、とにかくこのエピソードだけは頭の中に残っていました。それだけ自分のなかで驚いたのだと思う。
全体に流れる柔和な空気は小川さんの他の作品に通じるものがあって、全ての作品には筆者の人となりが表れるのだなぁ・・・と改めて感じた一冊。
作家さんのエッセイを読むと毎回思ってしまうのだけれども、こんなにも多感で疲れてしまうことはないのでしょうか。
読むとほっこりする。そんな本でした。

0
2012年11月21日

Posted by ブクログ

小川さんは「猫を抱いて象と泳ぐ」でその小説世界を堪能させてもらったけれど、エッセイはまた違った印象でこちらもとても良かった。

『Domani』に連載されていたものだからか、働く人や女性に対する応援のようなものが多かったように思う。
そしてなんだか泣けてきたりもしたのだ。

自分が年を重ねるにしたがって人をいとおしく思う気持ちが強くなっていく気がする。
人がそれぞれの生きている場で自分の務めをはたし毎日を暮らしている、そのことを思うと胸がいっぱいになる。

様々な場面でのそうした人達をみつめ優しくそっと応援してくれる小川さんの言葉が心に沁みる。
心が柔らかになっていく気がする。

0
2012年09月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

働く女性のためのエッセイ。
何も言わないけれどそっと側で見守っていてくれているような、そんな温かい目線の本です。

慎ましやかで、我慢強く、いつどんな時も感謝の心を忘れない、愛情深い明治生まれの女性だったおばあさんのお話。「思い出からやってくる人」

基本的に何に対しても自信の持てない性格であるという小川さんが落ち込んでしまった時のとっておきの救済策
「小さな命に救われながら」

友人との待ち合わせの時に、見知らぬ(失敬な!)女性に‘こんなにも大変なものを背負っておられるのに…’と言われた
「ただごとじゃない人生」

他にもたくさんあるけど、この3つが好きでした。


何の前触れもなく、静かに試練はその人の背中に舞い降りてくる。でも慌てる必要などない。必ず救いの道は用意されていて、それを探すことこそが、生きることなのだから。

0
2013年01月28日

Posted by ブクログ

未読だった小川さんのエッセイ。とてもよかった。

小川さんの書かれるものを読むといつも、ああこの人は少女なのだなあと思う。「少女」という言葉にはひどく手垢が付いていて、できれば他の言い方をしたいのだが、なんと言ったらいいのだろう。

日頃は一人前の大人として、何気ないふうにやっかいなこともこなしているけれど、そのこと自体にどうしようもない違和感がある。なんだか自分だけ「人生ごっこ」をしているような非現実感がつきまとう。それは自意識過剰以外の何物でもないとはわかっているが、いくつになっても「大人たちが作っている社会」というものをおそるおそる遠巻きにしているような気持ちが抜けない。

うーん、やっぱりうまく言えないが、私は作者のエッセイからこんな感じを受ける。そしてそこがとても好きだ。自分自身は小川さんのように繊細ではなくてガサツでおおざっぱだが、おろおろした子どものままの部分も間違いなくあったりする。そんなものはない方がいいと思ってしまいがちだけれど、小川さんの文章を読んでいると、その途方に暮れた子どもをそっと包んでもらっているような気がするのだ。

これはいわゆる「泣ける本」では全くないだろうが、私は何回も涙を流してしまった。大人になって良いことはたくさんあるが、何遍でも思いだしてそのたびに心を温めてくれる記憶が積み重なっていくこともその大きな一つだと、あらためて教えられた。誰かに大事にしてもらった記憶、誰かを慈しんだ記憶は消えることがない。それを忘れなければなんとかなるよね。

0
2012年07月31日

Posted by ブクログ

小川洋子のエッセイ初体験。

些細な日常、出会った人、考えたことが綴られている。
丁寧に人や物事を捉える人だなと、作品どおりの印象。これまで読んだ作品に流れていた小川さんの考え方、価値観を思い出して、一段深くなる。
人間の悪い部分がほとんど描かれておらず、その点で一気読みには向いていないかも。
たまに思い出してぱらりと読むのがちょうどいい安定剤になる気がする。
『働く人の姿』と『本物のご褒美』がすごくいい。

そして装丁がかわゆい。カラーひよこちゃん。

0
2012年04月15日

Posted by ブクログ

ダイジョウブ! あなたのことを見ていてくれる人がきっといます-。作家・小川洋子による、泣きたいほど優しい気持になれる、愛に充ちたエッセイ集。『Domani』連載に書下ろしを加えて書籍化。

優しい気持ちになれる本。
私もなかなか大人になれない…。

0
2018年06月14日

Posted by ブクログ

日常にそっと暖かみをくれる、そんなエッセイ。悪口も言ったりするようなことも書いてありましたが、悪ぶってもそんなの可愛いものです。著者のふんわりしたあったかいイメージは変わりません。微笑ましいだけではなく新しい視点を与えてくれるのは、やはり人生の先輩。思わずうなってしまうお話もあり、味わい深いエッセイでした。

0
2013年10月05日

Posted by ブクログ

初、小川洋子作品。
エッセイで小川洋子さんの世界が垣間見れたような感じ。
ほのぼのしていて、ところどころ「そうそう!」と共感することができる。
小川さんの小説が読みたくなった。

0
2012年11月16日

Posted by ブクログ

最近激しいエッセイが続いたので、最初物足りなさを感じたのに、読み進めるうちにうなずいたり・笑ったり・・・

作品と似通ったところも探すと楽しかった。

0
2012年10月21日

Posted by ブクログ

スッと心に染み入る29編のエッセイです。言われてみれば最近カラーひよこ見ませんね。どこかでまだ売られているのかしら?

0
2012年09月08日

Posted by ブクログ

エッセイは大抵好きなのだけど。。なんか話題があちこち飛んでいくのに、ついていけない感じ。根本の話題に一本筋が通っていてそれの周辺の話題のあれこれを綴っていく感じのエッセイが肌に合うのかなぁ。

0
2012年08月12日

「エッセイ・紀行」ランキング