小川洋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
心の中のものを一つずつ失くしていく話
その島では鳥、バラの花、写真⋯
消滅が少しずつ進む
とめることはできず、島の人たちは受け入れていく
消滅すると記憶からも消え、心の空洞が増えていく
秘密警察が記憶狩りをし、記憶を持ち続ける人を連行していく
記憶を持ち続けるR氏をかくまう
小説を書くわたし
やがて小説も消え、体も心も消滅していく
物が消え、記憶さえもなくせば、いずれそれに順応していってしまう
やがて実体のある体の消滅にまで危機が及んでるのに疑問もなく受け入れてしまうのが怖い
希望という記憶を持つであろうR氏、
希望がなんなのかさえわからないわたし、
ふたりの道が二手に分かれることにな -
Posted by ブクログ
ネタバレあらゆる種類の芸術家が集う〈創作者の家〉。その管理人である〈僕〉と、肉球と水かきを持つ謎の小動物〈ブラフマン〉との、ひと夏の邂逅そして別れを描く。南仏を思わせる架空の村を舞台に、物語は〈僕〉の抑制のきいた一人称で、水彩画で描かれた大人の絵日記のように淡々と静かに進んでゆく。
正体不明ながらも愛くるしいブラフマンと、〈僕〉の心の交流が物語の主成分となっている。しかし、これを心温まるハートフルストーリーと呼ぶのは少し違うように思われる。物語の始めから終わりまで繰り返し現れるのは、取り繕いようのない死の気配だからだ。古代墓地、石棺、埋葬人、碑文彫刻師、身寄りなく死んだ老人の所有していた家族写真、そ -
Posted by ブクログ
ネタバレ子を亡くす悲しみとは。結婚式と歌をもって解き放たれるのか。
悲しみを抱き、生き延びるのはどこまでも待ち、よい耳を持たなければならない。
最後のバリトンさんの歌の場面は圧巻だった。
小川洋子さんの長編の中でも本作は一番沈痛かも知れない。
ここの子どもたちはみな不慮の死なのか。集団で虐殺された影も感じる。
そこで言葉を残したバリトンさんの恋人の手紙はまるでアンネの日記のようだ。
コーネルの小箱も物語世界について、これ以上の喩えはないのではないか。
<メモ>
・なぜ産院は爆破され、元・産院となるのか。
・死を忘れたことの象徴が博物館の廃館。
・博物館ケースの再利用は、生の展示物化。
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