小川洋子のレビュー一覧

  • 耳に棲むもの

    Posted by ブクログ

    今回はちょっと残酷な場面が幾つかあって、ザワザワしたが読み始めるとあっと言う間に小川洋子さんの世界に入っていけてやはり好き。

    0
    2025年05月06日
  • 耳に棲むもの

    Posted by ブクログ

    骨壺の中の骨。
    その骨は、生前、補聴器のセールスマンでした。
    骨壺から始めて、彼の物語を遡っていきます。

    耳の奥で誰かが音楽を奏でています。補聴器で塞げば、耳に棲むものがこぼれ落ちる心配はありません。
    そんな小さな世界の奥へ奥へと導かれながら、人としての原点へと帰っていくような感覚になりました。

    歳を重ねるにつれ「死」と「死に至るまでの苦痛」への恐怖が少しずつ増しているような気がしています。それでも、このような小説に触れることで、生死についての漠然とした不安がギュッと縮小されて手の中に収まり、穏やかな気持ちにもなるのです。
    孤独を描くことで孤独を癒し、心に寄り添ってくれるような作品でした。

    0
    2025年05月05日
  • 約束された移動

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    小川洋子の短編小説を初めて読んだ。

    小川洋子作品に流れる静けさや文字の美しさは、文字や小説という体系を超え、感じたことのない感覚にさせてもらえる。

    ここで好きだった作品は、「寄生」と「巨人の接待」。
    この2作品に感じたのは、一見不快感を抱く言葉やものが見方を変えただけで、大切で重要なものに見えてくるという点だ。

    寄生する、亡くなる、枯れるという言葉は、あまりいい思いはなかったが、小説の中で違った角度で照らされており、大切に感じることができた。
    小説家って凄い。

    0
    2025年05月01日
  • 遠慮深いうたた寝

    Posted by ブクログ

     まとまった小川洋子さんのエッセイを読むのは初めてでした。素晴らしい小説世界の創作秘話や素顔がうかがい知れ、小川さんの日常にそっと触れられた感があって興味深かったです。

     小川さんの描く世界観が腑に落ちたり、語りかけられ考え思わず納得したりと、気にも留めない自分の日常を、新たな視点で見直すきっかけにもなりました。各編の内容がいかに深いことか! 「言葉を捨て去る」「答えのない問い」の前段などは、惚れ惚れします。

     2012年から続く「神戸新聞」の連載、他に約10年間のエッセイから厳選された作品の数々…。日々の出来事、思い出、創作、野球やミュージカルなど、物語の裏側が描かれます。
     ミュージカ

    0
    2025年04月29日
  • 耳に棲むもの

    Posted by ブクログ

    補聴器といえば、聞こえづらい外の音を伝えてくれるものだ。
    だが、小川洋子さんの魔法がかけられると、耳の奥で鳴っている、かすかな音楽を聴き取るための道具に思えてくる。
    そして、泣きたくなるような悲しみや苦しみに満ちた秘密が、思わずこぼれ落ちてしまわないように、そっと封印するための御守りのようにも感じられないだろうか。

    補聴器の移動販売員だったお父さんは言う。

     ”閉じ込められ、誰からも見捨てられ、忘れ去られたものを救い出すのと、閉じこもっていたいものに、それが求める小さな空洞を与えてやるのは、私にとって同じことです。”

    お父さんの骨壺の中から、かつて耳に棲んでいたものたちが四つの欠片として

    0
    2025年04月27日
  • 夜明けの縁をさ迷う人々

    Posted by ブクログ

    初小川洋子さん。奇妙でユーモラスな人たちのお話がどれも面白かった。夢の中の世界みたい。短編集は時間かかるものが多いけどこの作品は数時間で一気読みした。

    「曲芸と野球」
    スポーツの話は中々入り込めないから心配したけど、僕と曲芸師の不思議な絆が面白くて引き込まれた。最後の方でなんだか怪しくなってきて。最後は幻覚なのか…?

    「教授宅の留守番」
    まず舞台設定が面白い。部屋の中にどんどんお祝いの花が届いて埋もれてその中でお腹いっぱい食べ物を食べまくる。

    「イービーのかなわぬ望み」
    このお話とても好き。人間椅子を思い出す雰囲気。イービーが上手に半分にした小さなデザートを食べさせてくれる。私の淡い恋心

    0
    2025年04月17日
  • 口笛の上手な白雪姫

    Posted by ブクログ

    他者の視線を気にせず、思うままに振る舞うのは簡単じゃない。何かに強いこだわりを持っているならなおさら。私はそう思うのだけれど、ここで描かれる人物たちは、偏執的な自分を良しとし、ありのままの姿で何をも恐れず突き進みます。そのエネルギーは、いったいどこから湧いてくるのでしょう…
    8つの短編、どれも面白かったですが、表題作が一番心に残りました。舞台となっている銭湯の壁画の森に、私も迷いこみたいです。そして小母さんのように、幼い命に対して、私に何かできることはあるのかしら…と考えてしまいます。何かできる人でありたい。

    0
    2025年04月12日
  • 遠慮深いうたた寝

    Posted by ブクログ

    やっぱりこの人の言葉や文章は好きだ
    めっちゃ阪神ファン(笑)
    偏愛している文学、小説を書くこと…
    色々な考えや出来事を垣間見れて楽しい

    0
    2025年04月07日
  • ミーナの行進

    Posted by ブクログ

    小学生の女の子二人が主人公という可愛さの中に、大人の事情がチラチラ顔を出して読めば読むほど気になるお話。この時代に生きていたわけではないけれど、なんだか懐かしいなと思わせる設定。大人の事情も、いけないことなのに何故か嫌味なく書かれていて、筆者の文章力や人物設定に感心する。

    0
    2025年04月06日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

    Posted by ブクログ

    タイトルに惹かれて購入したけど、お二人の対談でこんなに心温まるとは、、人生に正解を求められる世の中だけどそんなことないと改めて。生きるのがしんどい時や、「こう生きなきゃ」と縛られる人に読んでほしい。答えは書かれてないから、自分に問いかけながら読み進めていくのが◎肩の力を抜くヒントになります。他者との関わりの中で人生(物語)は変わるし、人生=物語って言葉が大好きです。

    0
    2025年04月02日
  • 遠慮深いうたた寝

    Posted by ブクログ

    エッセイ集。

    私には見えないもの聞こえないものを、小川洋子さんが見て聞いて書いてくださるのだな。

    ……なぜだかそう思って安心した。

    0
    2025年03月23日
  • 遠慮深いうたた寝

    Posted by ブクログ

    もう誰にも必要とされないものが、なぜこんなにも美しいのか不思議だった。(本文より)

    石を積み上げるようにコツコツと書く作業をするという著者は、いつものように誰にも思いつかないような表現力で、世界の神秘に目を輝かせる少女の眼差しで世界をみせてくれている。

    0
    2025年03月18日
  • 琥珀のまたたき

    Posted by ブクログ

    小川洋子さんの世界観、想像力、感性はとても素敵だと思います
    独特の世界の中に生きる人々の、世の中に影響されていない価値観や心の豊かさに触れることによって気持ちが楽になるというか、自由になるというか
    騒がしい世の中ではなかなか気づけないことに触れられる気がします

    0
    2025年03月18日
  • 沈黙博物館

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    雪がしんしんと降り積もると世界が沈黙したみたいに感じるよなあと思った。
    「小川洋子氏の作品は音がないのだ」なんていう評価を読んだことがあるけれど、この作品では沈黙が静けさが静寂が何度もこんこんと表現されていて、ざわついて苦しい私の現実から目を背けるのにぴったりだった。「音がない」という評価については、そんなことないよと思う。小川洋子作品の特徴である"静謐さ"を「音がない」と表現するのはちょっと省略しすぎだと思う。
    兄さんに手紙が届かないという部分で、「ああ、この人は生きているお兄さんとは違う沈黙の、死の世界に行ってしまったんだ」と気づいた。小川洋子さんの本では、「届かない手

    0
    2025年03月08日
  • 耳に棲むもの

    Posted by ブクログ

    なんという言葉のチョイス
    小川洋子は魔法使いだ

    補聴器販売員をしていた父
    彼の人生を遡るような短編集

    0
    2025年03月04日
  • 耳に棲むもの

    Posted by ブクログ

    VRアニメ作品の内容と絡めた内容となっており、1章を先に読んでみたもののそこまでピンとこず、ネット検索してPVとあらすじを読むと腑に落ちた。
    他の方のレビューでも、VR作品を見た後に内容を補完するような短編集であるらしく、PVだけでも読む前に見るのと見ないのとでは、世界観への入り方が変わりそうだ。
    小説単体でも著者らしい独特の雰囲気は味わえる。しかし、映像を見た後の方が確実に面白いだろう。

    0
    2025年03月01日
  • 耳に棲むもの

    Posted by ブクログ

    VR作品と本書の両方を楽しむと彼の人生の全体像が見えてすっきりします。
    VRの公式のあらすじだけでもぜひ読んで欲しい。

    小川洋子らしさ全開の洗練された短編集だったと
    思う。忘れられたもの、閉じ込められたものに
    手を差し伸べたやさしい小説だった。
    自分にとって大事なものをここ最近は書き続けていると本人もどこかで言っていたのがよく分かる。
    「琥珀のまたたき」「密やかな結晶」あたりと似た何かを感じたが、それ以上に主人公が小川洋子そのものである気がして、読んでいて満たされていくのを感じた。

    編によっては好みが分かれるのは理解できる。
    「今日は小鳥の日」は、共感はできない世界の1エピソードという受け

    0
    2025年02月03日
  • 凍りついた香り

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    結論とか答えみたいなものはこの物語の中に明確に描かれておらず、すでに亡くなった人の足跡を辿る道のりは奇妙さと焦燥感があるのだけど、不思議と満足感を味わえる。

    自分から傷つきに行ったり泥を被ることで、受ける傷の深さを想定の範囲内で済ませようとする人の繊細さ、優しさ、弱さ、強さを考えてしまう。

    0
    2025年01月31日
  • 口笛の上手な白雪姫

    Posted by ブクログ

    久しぶりに読んだ小川洋子さんの著書。
    8つの短編。

    それぞれの物語の主人公たちは、ひっそりと偏った内面の世界を持ち、他と分かち合うことは決してない。その孤独は不幸というよりも、本人にしか見えない調和を守るためにある。

    0
    2025年01月29日
  • 完璧な病室

    Posted by ブクログ

    学生の頃に冷めない紅茶を読んだのが小川洋子さんの読み初め。具体的に何が、ということがうまくつかめないながらも心に残って好きな小説でした。今回30年ぶりの再読でまた同じ感想を抱き、小説の素晴らしさとともに、相変わらず言葉にできない自分を感じました。

    0
    2025年01月29日