小川洋子のレビュー一覧
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亡くなった人の形見を展示する博物館をつくることを依頼された、博物館技師の物語。形見を見れば、持ち主の人生が語れる老婆と、その養女、そして庭師と一緒に進める博物館づくり。なぜか形見は盗み集めるという作業で、後半事件性も帯びてしまうが、全体として村上春樹の作品で感じるような、不思議な別世界観がある。
作中に出てくる「アンネの日記」や、沈黙の伝道師、少女の頬にある星形の傷など、物語のベースにはホロコーストがあるのではと思わせる要素も多いが、そう限定せずに読んでも、現生とは次元の違う場所を描いているのではという考えは拭えず、物語の最後までその謎を追う面白さもあった。 -
Posted by ブクログ
私は数学が大の苦手科目でしたが、高校生の時にある数学教師との出会いをきっかけに数学への捉え方が変わりました。その恩師の口癖は「どうしてそうなるのかも理解せず、公式覚えて問題解いて、それって虚しくないか?」「わからない問いにぶつかったらとにかく実験してみればいい」でした。数学が得意科目になることは遂にありませんでしたが、少なくともこの言葉たちはその後の私の人生の指針になっています。
この対談の中でも「数学は実験科学のようなもの」と、どんな天才による大発見も地道な実験を重ねて生まれていることが示唆されていて、「腕組みしててもなにもわからない。まず実験してみる。そして観察する」というスタンスはこれ -
Posted by ブクログ
「博士の愛した数式」を読んで以来、小川洋子の小説やエッセイに夢中になった時期もがあったのですが初期の作品も読んでみようと初めて買った文庫本でしたが積読になってました。
この人にかかると、毛穴から汗が吹き出して止まらなくなるような表現力が呪縛のようにねっとり絡んできて息苦しさを覚えて少し距離を置いてみたくなったんですよね。
この人に睨まれると動くことさえできずに直立不動になってしまうほど緊張します。よそ見してる隙に逃げ出したくなるのですが、またこっちを向いたら制止してヘビに睨まれたカエルとゆうかダルマさんが転んだ状態ですよぉ。
【完璧な病室】
弟の病状を説明する主治医の均整のとれた肉体にうっと