小川洋子のレビュー一覧
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ネタバレ小川洋子さんのエッセイ。
読者の人によって思い出される祖母との記憶。
お金をもらってももらっていなくても、仕事をこなしている人への尊敬の気持ち。
本物のご褒美というのは、ふとしたときに出会うありがとうということ。
その人のことを詳しく知らなくても、一冊の本があれば十分だということをラジオの仕事で知ったこと。
いろいろ後悔してしまうこともあるけれど、姪っ子の愛おしさが全て帳消しにしてくれること。
思い描く理想の1日と、小説と犬と阪神に囲まれた生活。
控えめで謙虚で、愛に溢れている人。
素敵な人だなあ、と思う。作品ももちろん素敵だし、エッセイから伝わる小川洋子さんのお人柄も素敵。 -
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素敵で不思議な雰囲気の短編集。この人の文章は語られてる内容が何であれ本当にうっとりさせられる。正直に言うと何が伝えたかった事なのか?をちゃんと理解できてないケースも多くファンというのもおこがましい気がするが、あえて言うなら言葉で語られた言葉では説明しにくいイメージそのものが伝えたい事なのかな?とも思う。
子供の頃の自分中心の世界観の中で感じた、心地良く秘密めいた場所を思い起こさせる、私にとっての小川洋子さんはそんな素敵な読書体験を得られる稀有な作家であり、本作でもその魅力は存分に発揮されてると思う。
中でも「誘拐の女王」「若草クラブ」「十三人きょうだい」は特に良かった! -
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ネタバレ「君の耳は病気なんかじゃない。それは一つの世界なんだ。君の耳のためだけに用意された、風景や植物や楽器や食べ物や時間や記憶に彩られた、大切な世界なんだよ」
突発性難聴に苦しむ「わたし」を救ったのはYの優しくて甘い言葉。
自信なさげに恐る恐る喋る声を一つ残らず書き留めるYの繊細な指。
人は思いもよらない災難に遭遇して心細い思いをした時、自分の殻に閉じ籠ることが多い。
そして棘のない痛みの伴わない記憶を頼りに癒しを求める。
記憶の捻れがもたらした安らぎは「わたし」をゆっくりと浮上させる。
小川さん特有の甘美な幻想的な世界にゾクゾクした。
無駄な音のない静かな物語。
一度読んだだけでは理解できず、 -
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あとがきすら乱暴な文体の作品が増えてきた日本の文学界にあって、小川洋子は気持ちがいい。
作家の読む本というのは、それだけで気になるもの。
ある作家が書いた本をさらに魅力的に見せる魔法のようなものがある。もちろん逆もあるが。読む方は文が短いと読むのが楽という単純な調子になるが、書くほうが短くまとめるのは特に気に入った本については難しいものだ。
そんな難しさを見せず、しかし生きた日本語でありながらその世界に入れる文を書く小川洋子。
若い頃、同時代日本人の作品をほとんど読まなかったが、今は特に女性ならではの感情の豊かさに惹かれる。
蠅取り紙は、私も薬品や電気を使いたくないので今でも使ってい -
ネタバレ
面白かったです
一部ネタバレありです。
どこかに身を隠す様、ひっそりと存在していて、それでも誰かに必要とされる小さなアーケードを「私」の視点から描いた作品。
死を題材とした話が多いため暗い印象がありますが、どこか暖かく優しさを感じさせる不思議な世界観でした。
ラストシーンが特に印象深く「私」がどうなったのか考えさせられました。
自身の髪で「遺髪のレース」の制作を依頼したこと、図書館で、おそらく故意に電話番号を間違えたことなどから「私」は死に向かう準備をしていたのだと思います。
人さらいの時計が止まる描写では、「私」の時が止まったことを表しており、最後の二行で、それでも尚、生きている者の日常が -
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ネタバレあらすじ?
アンナちゃんのよそ行き用のブラウスの一番上のボタンのボタンちゃんと彼女を支えるボタンホールちゃん。ある日、ボタンちゃんが外れてしまい、部屋の床へ転がってしまいます。ボタンちゃんは、部屋のあちこちを探検しながら、アンナちゃんが小さい頃に使っていて忘れ去られてしまった思い出の品たちに会い、心を通わせていきます。ベットの下にいたところをアンナちゃんのお母さんに見つかったボタンちゃんは無事にボタンホールちゃんの元へ戻りました。時を経てアンナちゃんが大きくなり、ブラウスも着られなくなってしまうと、ブラウスも思い出の品に変わります。
感想
表紙ににっこりと可愛く笑ているボタンちゃんが描か -
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突然の恋人の自殺をキッカケに恋人の過去を辿り、改めてその思い出に浸る…それがいつもの小川洋子さんらしい優しく不思議な空気感の文章で綴られている。
弘之の世界観は予定調和的なのか?記憶の泉を作り自らの命を絶つ事で永遠に記憶として生きる、というのが究極の整理・分類なのか?逆に彼に触れた人が全て彼の世界に整理されていくのか?孔雀の番人を通じて行き来できる記憶と現実のどちらに私たちは生きているのか?
突然の死によって逆にその人の事を深く知るようになる事を通して、人と人がわかりあう事の難しさとだからこそ相手の事をあたまで理解するのではなく「匂いとして」受け入れる、そんな受け止め方もできるのかな?って思い -
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作家の小川洋子氏が科学のスペシャリスト7人にインタビューしたもの。
ふだん関わりのない事柄であるが、とても面白く読むことができた。
特に、宇宙に関する内容が印象深かった。
「木星、土星、天王星、海王星、この四つはガスでできているため、大地がありません」(p16)
だから、人間が降り立つことはできないのだそうだ。
ガスでできた星。
宇宙の神秘さを感じさせられた。
また、粘菌の生態も興味深かった。
動物と植物の中間の様な状態になって、増殖を繰り返す。
生物の動きには、すべて意味があることを改めて感じた。
人間の力の及ばない自然科学の世界には、ロマンと壮大な気持ちを覚えた。 -
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『匂いは過去に向いて漏れている』
小川洋子の作品を読んでいる時、私の身体は薄い膜に覆われて、現実の中に確かにいるはずなのに、ひんやりと凍りついた空気の中に閉じ込められてしまう。
寒くないのに、身体が冷え切ってしまったような感覚に陥って本を閉じては何度も腕を摩る。そしてその摩る自分の手のひらが、指先が思いのほか熱くてその生暖かさを気持ち悪いと感じてしまう。
匂いを感じている。夜の匂い。メレンゲ菓子の喉に残るような甘い香り。サボテンの花が咲いている。雨の音が一度遠ざかる。
小川洋子の作品を読むという事。それは普通の読書体験ではない。自分がどこにいるのか感じることができる。私がここにいるとい