小川洋子のレビュー一覧

  • 夜明けの縁をさ迷う人々

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    ストーリーというよりも描写の残し方が全般的に秀逸。
    ストーリーは「教授宅の留守番」と「銀山の狩猟小屋」が面白く、前者はテンポの良いコントから小説らしいオチにもっていく形がよかった。後者はいまだにサンバカツギがなんなのか謎で想像力を掻き立てられた。

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    2021年03月31日
  • 刺繍する少女

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    1番図鑑がインパクトあった。
    読み終わるとゾクゾクする。
    普通の話をしていたのに、一瞬で狂気に繋がる。
    口裂け女的な妖怪チックな、いきなり非現実に陥る感じに似てる気がした。

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    2021年03月29日
  • 刺繍する少女

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    「キリンの解剖」という話のわたしと守衛さんのやりとりが心地よかった。
    工業地帯?をランニングするわたしの姿とそれを見守る守衛さんの画を思い浮かべながら読んだ。

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    2021年03月28日
  • やさしい訴え

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    ネタバレ

    文体の美しさは相変わらず。
    小説として素晴らしいので、その意味で星4つ。
    内容の好き嫌いなら、星1つ。

    新田という男は、卑怯だ。
    愛してる女がいるのに、違う女を抱く。
    女の訴えを沈黙でやり過ごし、拒絶すらしない。
    卑怯。
    結局女を傷つける。
    女は、どこにも居場所を得られない。

    雨がじとじと降る中で、チェンバロンなんか聴きながら読んだから、気分が鬱々としてきて、途中でポップな音楽に変える。

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    2021年03月13日
  • 余白の愛

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    詩的な物語。
    事前知識なく読みました。
    ちょうど一年前、私も同じ状況となり一時的に聞こえなくなりました。恐怖は相当ありました。一般的にはどうなのでしょう。私は1週間が勝負でしたけれど。
    その状況を思い出しつつ、読みました。
    確かに受け止めるしかないのです。
    冷静にストーリーは進んでいきます。静かです。

    +++

    レビューを読んでくださった方へ

    プールに入っているみたい、もわもわする、と突然感じて半日治らなかったら。
    様子を見ている場合ではありません。1時間でも早く診察を受けましょう。
    治らなくなります。タイムリミットは48時間です。(突然発症するので、いつから始まったかはっきりと把握できる

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    2021年02月18日
  • 凍りついた香り

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    謎解きと書かれてますが、ミステリー小説ではありません。
    答えは用意されてないので、読むならそのつもりで。

    突然もたらされた調香師:弘之の死。
    記念日のプレゼントは「記憶の泉」と名付けられた香水。
    フロッピーに残された言葉の断片から
    彼の軌跡を辿る旅をする決意をするのだが・・・

    「猫を抱いて像と泳ぐ」を連想しました。
    本作では、香りの表現に強く惹きつけられました。
    色んな記憶を掘り起こしてくれるから、
    小川作品は大好きです。

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    2021年02月07日
  • 凍りついた香り

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    救われないって読み終わって1番に感じた。大切なものをなくしてぽっかり空いた隙間を日常生活の中で、時折感じながら今後生きていくって思ったら、凄くリアルでズシンと来て、ため息が出てしまった。

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    2021年01月30日
  • まぶた

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    2021年 4冊目

    まぶたを巡る短編集

    1 飛行機で眠るのは難しい
    「飛行機は時間の迷路」
    飛行機で居合わせた老婆の死。嘘にまみれた手紙であっても彼女は幸福であった。手紙のなかに、二人だけの真実があったから。
    30ページ程度の付き合いだったが、私も彼女の最期に思いを馳せた。

    2 中国野菜の育て方
    光る野菜なんてあったら、すぐ手放すでしょう。夫婦はもうそれが食べられるかどうかなんてどうでもよく、捨てることができなくなった。
    はぐくむ、という字に違和感をもった。夫婦が中国野菜に「飼育」されているような感じ。

    3まぶた
    いつからか、少女はNの家から出なかったのだろうか。歪んだ関係がいいですね

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    2021年01月15日
  • 余白の愛

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    「どうしてもそこに、取り返しのつかない空白が残されている気がして仕方ないんです」

    耳をとおして見る静かな世界。

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    2020年12月31日
  • 余白の愛

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    雪に閉ざされたバースデーパーティーの帰り道はこの物語を象徴しているような静けさと温かさがあって素敵でした。時間を空けてもう一度も読みたいです。

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    2020年12月19日
  • 小箱

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    そこはかとなく落ち着かない世界。
    うっすらと不気味で残酷な空気が混入している静かな世界。
    装丁がとてもしっくりきて、美しい一冊。

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    2020年12月12日
  • 偶然の祝福

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    小川洋子の世界。
    短編連作。

    裏表紙から。
    失った物への愛と祈りが、哀しみを貫き、偶然の幸せを連れてきた。

    なるほど、なのでタイトルが「偶然の祝福」なのか。

    読み終わって、詳細をしっかり覚えているかというと、すごくあやふやな記憶しか残っていなかった。
    だけど哀しみの中に、息子と犬のアポロが寄り添っている。
    じんわりと幸せを感じる一冊。
    とくに「キリコさんの失敗」と「涙腺水晶結石症」が良かった。

    それにしても解説の川上弘美さんが一番好きな小川作品が「ホテルアイリス」というのがびっくり。
    英訳されている洋書もつい買ってしまったけれど、ちょっとついて行けない世界。
    もっと読み込んで小川洋子の

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    2020年11月29日
  • 不時着する流星たち

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    たしか、フジファブリックの山内総一郎くんがおすすめしていた本だったから読んでみた。
    素敵な歌詞を書く人が好きな言葉が気になって、いつも自分から選んで読むジャンルではなかったけど…
    読んでいて不思議な気持ちになる感じで、言葉遣いが繊細で綺麗という印象の本だった。

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    2020年10月13日
  • 凍りついた香り

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    死んだ彼の過去を追う女のお話
    彼の過去について何も知らなかった
    彼の家族から知らされたことなどから
    海外へまで足をのばし・・・
    今さら知ったからどうなるものでもないのだけど
    それでも彼のことを知りたい
    そして知らされる事実
    とくにびっくり展開でもないですが
    読んでいてこちらも彼の過去が気になっていきました

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    2020年09月23日
  • 世にも美しい数学入門

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    学校教育で数学に馴染まなかったけれど、最近興味を持つ機会があったので、読みやすそうなものから。数学…見えないものを見るような不思議な世界。

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    2020年08月29日
  • まぶた

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    「えっ ここで終わるの?」と思ってしまった話がいくつかあった。雑踏の中である人物の後を頑張って追っていたら途中で見失ってしまって、追いかけるのに必死だったもんだからふと周りを見たら自分が今どこにいるのか分からなくなっていて、急に孤独を感じて戸惑う、みたいな。勝手についていって勝手に置いてけぼりになったくせに、「こんなところにひとりで置いていくなよ」と思ってる、みたいな。
    『博士の愛した数式』のイメージでこの本を読むとちょっと難しいかもしれない。
    「あれ?これ前の話にもあったような?」と思う箇所がいくつかあった。(野菜売り、身を小さくしていれば、ナチス、などなど)坂木司の『短劇』みたいだなと

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    2020年08月23日
  • やさしい訴え

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    勧められて初めて小川さんの本を読んでみた。
    感情の機微が伝わり、ゆっくり読めるような感じだった。
    違うのも読んでみたいと思えた。

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    2020年08月02日
  • 原稿零枚日記

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    「最果てアーケード」「ことり」「いつも彼らはどこかに」「夜明けの縁をさ迷う人々」など独特の世界を醸し出す小川洋子さん、「原稿零枚日記」、2010.8発行。飛び飛びの、時に続いた26日分の日記をもとにした小説。入院中の母親を介護し、生活保護を受けている女性小説家の話。「健康スパランド」で、8歳の時死んだ娘にそっくりで許されるならあなたの顔に触らせていただきたいとお願いされる日記。公民館の「あらすじ教室」の講師で、タイトルを聞いてパッとあらすじを語る日記。押しの強い生活改善課の人と盆栽祭りに行った話。印象大。

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    2020年07月13日
  • 不時着する流星たち

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    不時着とは
    「不時着陸」の略。航空機が、故障や燃料欠乏等のため、初めに予定しなかった場所に降りること。

    生きていくということは結構やっかいなことなので、いちいちすべてを真面目にやっていたら、とてもじゃないけど頭がおかしくなってしまう。だからわたしたちは無意識のうちに、さして重要でない約束や、どうでもいいような想い出や、自分にとって必要ではなくなった人々などを、箒のようなもので集めて隅っこに追いやることで折り合いをつけるのかもしれない。
    でも、そういうことが出来ない人がこの世にはいる。どうでもいいと思われることをそう思わずに、ちゃんと向き合う人。そういう人たちの10個の物語だ。

    小川洋子さ

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    2020年07月06日
  • 小箱

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    ネタバレ

    奇妙な世界観で、不気味さを感じながら読み進めていったが、ふと東北の震災の跡なのか?とイメージしてみたら全てが腑に落ちた。愛する人を失った者達が、何かに縋り、そこに居る人と手を取り合い、静かに生きている。そう、静かに幕を閉じる事を願っているようにも思えた。こちら九州での地震を経験しながらも、ここまでの境地には辿りつけない…東北の震災は、遭遇してしまった人達をまだ置き去りにしているんだなぁ…。小川さんの文章の美しさをそのまま纏った装丁にうっとり。

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    2020年06月17日