小川洋子のレビュー一覧
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小川洋子さんは岡山市朝日高校出身、内田百閒の居た古京町の隣の森下町で生まれたらしい。夕方5時、県庁のドボルザークの「家路」放送で家に帰るのは、あの街だけの特権だった。さらには、やがてしばらくは倉敷市に住んでいる(「玉島に10年住んでいた」というのは異議がある。倉敷市鶴の浦は玉島ではない)。平松洋子さんは、なんと倉敷市中島の出身、私より2歳上だから、何処かですれ違っていたかもしれない。渡辺和子学長がいた頃のノートルダム精心高校の出身。
この本は、2人の洋子さんが、少女、大人の女性、その他人生の中で読んできた愛読書を持ち寄り、お互い読んで、お互い感想を出し合うというもの。本の世界は、ワールドワイ -
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ネタバレ星座を作っている星、これは変わらない星と言うので恒なる星恒星と名付けられたわけです。ちょこまか動く回っているのが惑う星惑星です 孤立した小さな存在ではなく、無限の宇宙とつながっているのだと言う、不思議な安堵感を覚える 宇宙を探索することは、自分自身とは何もであるかを探索することに等しくなる 鉱物学者には、ルーペとハンマーを持って山へ行き、石を叩く義務があると先生はおっしゃる。大地に出向いて石を叩く、これが鉱物学者の最初の仕事だと先生はおっしゃる 薬の代わりにお笑いビデオを出すような病院が出てくるかもしれません。だから私は、笑は副作用のない薬だ、と言っているんです 要するに大きな仕事は
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孤独な女性小説家の過去、日常を描く連作小説。
間違いなく日常が描かれているが、そこにあるのは、ミステリアス、生々しい神秘性、非現実感、虚構。
最初はエッセイ?と勘違いしそうになりました。ご自身の経験も多かれ少なかれ盛り込まれてるとは思いますが。
小川洋子さんは静謐な文章を書かれる方、と紹介されることが多いが、その通り喧騒とは正反対のところにいる。
流れている時間がすべらかで秒針の音ひとつしないのだ。
主人公の人生は穏やかなものではなく、しかし落ち着き払っている。
終わり方はストンときたし好みだが、その後主人公にとってやさしい時間はやってくるのだろうか、という読後感が残った。
暗い話が好きな私 -
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怪談がかった話が大半の短編集。表題作なんかは」純文学なんだけど。
あいかわらず、特にこれというでもない言葉を取り上げてそこからどんどん想像して、大体の場合怖い方に持っていく小川洋子流の言葉の昇華方法が素晴らしい。
本作の場合、言葉というよりも、キリンや寄生虫というような生物が多いのだけれども。ぼろ屋の王女様なんてのは、小川洋子らしいなーというファンタジーでもある。
角川から発売されており、表紙もかわいらしくされているのは、内容も割と軽いタッチが多いのを表しているのではないかと思う。
芥川賞などと気負いせず読めるので、若い人にも勧めやすい1冊だ。 -
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雑誌「Domani」に連載していたエッセイ集で、大人の女性や働く女性に対するお話も多い。
小川さんの人柄が好きになり、その作品に触れたくなった一冊。
小川さんは、道行く様々な人の背後にある暮らしや仕事、人生を想像し、尊敬と愛情の目で世の中を眺めている。小川さんの手にかかれば、どんな人生もどんなに慎ましい暮らしも、掛け替えのない物語に溢れた素晴らしい人生に思える。
小川さんの小説の源泉はこういう愛情溢れる心なんだなと思って尊敬するばかり。
毎日新聞からのエッセイ「とにかく散歩いたしましょう」を読んだ時にも感じたけれど、話中で紹介される本が、今回も自分の好きな本ばかりで嬉しくなる。枕草子や -
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小川洋子の小説は、博士が愛した数式しか読んだことがなかったけど、この人のほん。面白い。
ほんの少しの非日常をこんなうふうに淡々とミステリアスに、そして、ささやかな幸福に、ほんの少しのラブストーリーに、不思議なホラーに、少しづつ姿を変えて読ませてくれる、身近によくある話のようで、なかなかないんだけど、なんか自分でも経験したような気になるような日常風景の中に取り込まれる世界。
ふとした瞬間に、今の自分と本の中の主人公が簡単に入れ替われるほど普通の日常の出来事が、どんどん読ませてくれます。
ゾクっとしたり、え!?そうくる!?って思ったりオチも完璧なのに、なぜかとても日常的。
そんな不思議な -
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タイトルから、エッセイなのかと最初思った。
(違うこれは小説だ、ということを分かった上で読み始めた)
作家の“私”はなかなか思うように執筆がはかどらない。小説の取材で、宇宙線研究所や盆栽フェスティバルなど、様々な地を訪れる“私”だったが、いつも知らず知らずのうちに不思議な世界へと迷い込んでしまう。
苔料理を出す料亭、海に繋がる大浴場、神隠しのように人が消えてゆくアートの祭典。これは果たして現実なのか。幻と現の狭間で、作家は日々の出来事を綴り続ける。
日記形式で書かれている不思議な短編集。
遅々として原稿が進まない作家の日常は、お世辞にも立派とは言えない。派手さもなく心が浮き立つようなことも