小川洋子のレビュー一覧
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ネタバレ小川さんの日常を綴ったエッセイ
とても控えめなお人柄が伺えます
書下ろしの「ジュウシマツの芸術」がお気に入り
鳥には興味がなかった小川さんがジュウシマツの生態に感銘を受ける件がいい
小川さんの「芸術」に対する考え方が伺える
ジュウシマツは求愛のために歌の練習をし本番に挑む
練習と本番では遺伝子の発現パターンが異なるらしい
さらに、究極の歌をうたうオスが出現する、そのオスは
メスには求愛せず、自分の歌に聞きほれ満足する
「求愛という目的が消え去り、ただうたうためだけの歌、つまり芸術がここに誕生する。(中略)孤独を愛し、より繊細な美を追い求め、いつしかそれを芸術にまで高めることのできる彼ら。誰に自慢するでもなく、ひっそりとその美に酔いしれる彼らに対し、尊敬の念さえ湧いてくる。」 -
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ネタバレ2015年の41冊目です。
主人公である”作家”の私の奇妙な日常を、日記風に書き綴っています。小川洋子作品に欠かせないな「奇妙な職業」を持つ人を始めとし、「奇妙な料理」、「奇妙なツアー」が出てきます。日常の中に描かれている非日常的かる不思議な世界が、現実から読み手の意識を引き離していきます。引き離された意識が自分なのか?置き去りにした無意識が自分なのか?奇妙な世界から、「あなたは何者?」と問われている気持ちになる。
苔料理店、ツアー参加者が次々に迷子になりながらも時間通りに進んでいく現代アートの祭典見学ツアー、物語の”あらすじ”をまとめるあらすじ係という職業、楽譜めくり係、、、。この奇妙な世界に入り込むと、自分の日常の平凡さが、実は、本当の姿ではないのでは?と思ってしまいます。 -
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基本的に人間は信じていない私ではあるが、それでも人生のどこかで誰かに助けられた場面があったことは認めざるを得ない。いかに人間嫌いな私でも、たった一人で生きてきたわけではない。普通の人は助けてくれる人というのは家族であったり恋人や友達であったりするのかもしれない。だが極端に知り合いの少ない私は、いざというとき力になってくれたのは、赤の他人であることが多かった。通りすがりの優しいおばちゃんや、名前も告げずに去っていったサラリーマン。よくぞあの時あのタイミングで、と奇跡を信じたくなるほどありがたい助けもあった。
たぶん、世の中はそいういうふうにできているのだ。不幸と幸福のバランスがとれるように、なんらかの物理的作用が働くに違いない。
だから、用事が終わった後煙のように消えてしまってもちっとも不思議ではない。たとえそれが恋人であっても。役目を終えて舞台から降りただけなのだから。 -
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「博士の愛した数式」の小川洋子さんと、数学者の藤原正彦さんの対談集
この本のすごいところは、入門として得られる知識について、地理的背景のほか、特に有名な人物や各種の定理・予想などの幅の広さにもあると思います。
有名なフェルマー予想(サイモンシンのフェルマーの最終定理が詳しい)の他に、ゴールドバッハの予想(6以上の偶数はすべて2つの素数の和で表せる)という問題にも触れられていて、そこから、ゲーデルの不完全性定理(正しいとも正しくないとも判定できない命題が存在するということを証明)を提示し、 コンピュータの父であるチューリングによる、ある命題が真偽を判定できない命題であるかどうかをあらかじめチェックする統一的な方法がが無いということを証明という流れ等は、これだけで本になりそうなことをすっきりと紹介してくれています。
この本を手に取った理由としては、「美しい数学」という言葉について、どういうことなのか?というシンプルな疑問から。本文では、最初に醜い例が示されており、「美しい」数式といわれるものの例が少しずつ順を追って示してくれています。
醜い定理の例
各桁の3乗を足すと本に戻るような1より大きな数は、何桁であろうと、153, 370, 371,407以外に無い。
153 = 1*1*1 + 5*5*5 + 3*3*3
もうひとつの醜い例として、藤原先生の見つけた定理。
1729 を各桁を全部足して、その数値に逆転したものをかけると同じ数値になるというもの。これが全部で3つしかないという。
1+7+2+9 = 19
19*91 = 1729
美しい定理としては、奇数の和が上げられていて、 1= 1*1, 1+3=4 = 2*2, 1+3+5 = 9 = 3*3,,,, 1+3+...+(2n-1) = n*n
これをみると、「美しい」といわれるものは、シンプルな表記にまとめられるというのもあるのかもしれないなと。そして、「美しいものほど、なぜか有用性が高い」という言葉もあったので、数を表すための、式の普遍性や汎用性、シンプルな表記、そして有用性が高いということが「美しい」という言葉の使われかたなのかなという認識を持った。 -
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アンネ・フランクを辿る旅に出ることは、すなわち、過去の戦争と向き合うこと。
小説家を志すきっかけとなったのがアンネ・フランクの日記だったという小川洋子さんが、アンネゆかりの地を訪ね歩いたときのエッセイだが、とても重い旅だったのではないだろうか。
私の場合、ゴールデンウィークにアンネ・フランクの家を訪れたことから、もう一度アンネについて知りたいと思い、アンネの日記を再読し、小川洋子さんのこのエッセイを読み、そして映画「シンドラーのリスト」を観た。その結果、アウシュビッツには行っていないものの、あまりの悲惨さ残酷さに直面し、かなりの疲労感を感じてしまった。
小川洋子さんも、旅立つ前にある程度予想はついておられたとは思うが、それよりも自分の原点となるアンネに会うために出かけられたのは、とても真面目な方だな、と思った。
アンネもすごく喜んでいるのではないだろうか。 -
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「博士の愛した数式」などの作品で有名な作家、小川洋子氏が、それぞれ分野の違う7人の科学者たちを訪ねるという内容。
文系の人が書いた自然科学の本ということで、科学本としては読みやすい部類に入る。
ただ専門用語や若干複雑な説明も書いてあるため、理数系はからっきしだめという人には、ちょっと辛い部分があるかも。
ただこの本の魅力は、単に科学に対する見識を深められるというところにあるのではない。
そうではなく、小川洋子氏の科学への純粋な興味と、作家ならではの独創的な解釈。
そういった単なる知識ではないところにこそ、この本の面白さがあると思う。
だからこの本を読むときは科学の知識を理解する、理解しようとする必要はまったくない。
身構えずに純粋、もっと言えば無心な気持ちになって読むのが良い。
ところで、素人目線で科学を見るとどうなるか。
そこには未知の世界に対する純粋な驚きがあるわけだけれども、その感情を文章としてわかりやすく表現できる著者の穏やかでいながら鋭い洞察のこもった筆致にも、とても感銘を受けた。 -
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小川洋子さんは少女時代に「純粋な文学として」アンネの日記と出会い、自らも物を書く喜びに目覚め、そのことが作家になるきっかけにとなった。
そのことをアンネの日記の翻訳者で本書の解説を務めている深町氏はアンネ〜との最も幸福な出会い方だと述べています。
アンネの親友だったジャクリーンさん、擁護者だったミープさんと会うくだりは特に印象的です。
ちょっとどうかと思う質問もありますが……。
一作家のエッセイとして色々な感想が素直に書かれていて、読みやすかったです。
ホロコーストの善悪をどうこういう本ではありませんが、あらためてナチによるユダヤ人迫害や収容所での扱いは人間の尊厳を根こそぎ奪うものだったと実感しました。 -
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カラーひよことコーヒー豆の感想で信頼する読友のはこちゃんさんが小川さんを腐したことを実は根にもっていたのだが(笑)… ひょんなことから続けてエッセイを読むことになってその腐す理由がわかるような気がしてきた。
居丈高な態度は大嫌いなのだが謙遜、それもひとつの分野で地位を確立している人においての過度の謙遜はやはり鼻に付くものなのだ。
例えばお土産で「つまらない物ですが…」と言うよりも「美味しかったんで是非とも食べていただきたくて…」と言われたほうが自分のことを思ってくれてる度は格段に高く嬉しさも倍増する、そういう事でないか?
でもね、巨大化する心配事などを読むとやっぱり小川さんはいい人なのよ…あ、もちろんはこちゃんさんもね(^^;;