小川洋子のレビュー一覧

  • 余白の愛

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    耳の病をわずらった「わたし」は、病をきっかけに知り合った速記者Yに静かな想いを寄せるようになる。

    現実と幻想のあいだで揺れ動く主人公。

    静かで穏やかな世界が続く。

    特にバスのシーンが印象深い。

    著者ならではの耳や指の表現の豊かさに圧倒される。

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    2025年09月20日
  • サイレントシンガー

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    描かれている世界が最近の著書の中では一番のしっくりきました。あーあるかもーと思えた。なので物語に入り込めて楽しく読みました。

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    2025年09月10日
  • 妊娠カレンダー

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    ネタバレ

    妊娠カレンダーに関しては、生命の誕生って奇跡的で喜ばしい事なのに、誰も心から喜んでいないような気がして怖くなった。
    全体的に暗い印象をもつ物語で作者さんが何を思って作品を書いたのか読み取れない。だけど、作中の表現、文章が綺麗で透き通ってるなって思いながら読んだ。

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    2025年09月08日
  • サイレントシンガー

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    沈黙を是として、必要最低限の指言葉でコミュニュケーションをとる“アカシアの野辺”の人達の慎ましい暮らしは現代を生きる私たちにとっては不自由な感じがする反面、ネットやリアルで日夜レスバが繰り広げられ、言葉が無駄打ちされている状況からすれば、むしろ立ち返りの地点としてある種目指してもいい場所なのかもしれない。欠落ではなく、語られていない多くを内包する豊かな沈黙。それらを抱えたもの(者であり物)たちの為に歌う主人公のリリカの旋律。現実とお伽噺のあわいのような小川さんらしい舞台で繰り広げられる静謐な物語だった。

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    2025年09月05日
  • 人質の朗読会

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    小川洋子さん、お初でした!

    ワタシのこれまでの人生で、何気ないけど強烈な記憶として残っていることって、何かあっただろうか?と思いながら読み進める。
    おばあさんの話とビスケットの話が好きだった。

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    2025年09月04日
  • サイレントシンガー

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    リリカの日常と取り巻く人々の動きが
    淡々と、それでいて深く綴られている。

    直近の世の中は
    目で見て、短時間でわかりやすいことに重きが置かれているが、
    静かで深く、長い目で見ることを大切にしたいと思えるような。
    機微を感じて生きていたい、思えるような。
    そんなお話。

    時々悪意のない、解像度の高い美しいグロが
    スパイスとなる。小川さんだなあ、と感じます。

    良い時間ではあったが、
    もしあなたにとっての小川さん第1作となるのであれば、ハードルは高いかも。
    ちょっとした刺激でふっと飛んでいきそうなお話です。私は子の横では読めませんでした。

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    2025年09月03日
  • 掌に眠る舞台

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    8本の短編それぞれがとても不思議な話で、文体もどこか詩のような流れなのにどれも読み終わったあとに良い意味で気味が悪い(笑)
    短編集のなかによく舞台の話が組み込まれているのは意図的なのか、著者が好きなのか…(まぁ、本のタイトルを考えるにそうなるよね)とにかく読後にその先を少し考えてしまう作品でした。

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    2025年09月03日
  • ミーナの行進

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     家庭の事情で主人公の朋子が芦屋にある親戚の家に預けられ、そこに住まういとこのミーナや伯父さん伯母さん家事手伝いの米田さんやローザおばあさん、ペットのポチ子との生活を描いた作品。
     朋子は芦屋にある洋館の大きさや暮らしの違いに戸惑いつつも、楽しく暮らしいていく。ページを読み進めるたびに1970年代の良い雰囲気が伝わってくる。また、登場人物たちが織りなす日常生活の中にある、現代においては小さな出来事や幸せを一緒に噛み締めることができる良い作品。

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    2025年08月31日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    友人の好きな本だと聞いて一読

    静かで優しくて寂しくて綺麗な作品だった。
    チェスを知っていたらもっと楽しめそうだなと思った。

    小説もそこまで読んだことがなく活字への体力がない状態で読んだので、小川ワールドに浸かりきれなかった。少し難しかった。

    またいつか読み直したい。

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    2025年08月31日
  • 薬指の標本

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    なんだろう、、、官能的な文章っていうのかな?
    直接的な表現ではないけどエロスを感じました。
    ただ、読書初心者だからか理解が出来ないというか、想像力がないのか。
    個人的には後半の話の方が好みでした。

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    2025年08月27日
  • サイレントシンガー

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    沈黙を守る社会集団の中で、対外的なことや物産販売として外部から働きに来ていた主人公とその祖母。静かな中で互いの心を通わせて時が流れていく、著者らしい世界観のお話。読んでいてこちらまでもが静かに・・静かに・・なっていく感じ。

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    2025年08月27日
  • ミーナの行進

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    クリスマスの準備をローザおばあさんが完璧に行う描写が好きだった。裕福な暮らしをしている人たち特有の空気感や余裕が素敵だった。静謐な雰囲気なお話だった。

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    2025年08月17日
  • 妊娠カレンダー

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    なんと感想を表現したら…と読み終わった後に考えたが
    あとがきに書いてある「生命」がキーな話なのかなと思いました。

    今でこそ子育ての大変さを訴える媒体が増えているので珍しいことではないが発行された1994年には「妊娠」という現象、
    変わってゆく身体に対しての不快感でもない様な…なんとも言えない気持ちを表現ている。
    当時からすると価値観に反した非常に斬新な作品なんだろうなと思いました。

    人は生きてゆくと、身体は変わるし、歪に老いて行く。変わってほしくない今と、変わってほしくない過去に囚われた短編集なのかなと思いました。

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    2025年08月12日
  • 人質の朗読会

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    小川洋子さんの本を何冊か読んだことがあるから、拒絶感なく読めましたが、初だったら、困惑してました。
    出だしで、人質の死を知った後にその人たちが捕えられている間に読んだ朗読会と聞いたら、今の心情を話すのかと思いますが、全く違いました。
    それぞれの話が繋がっているわけでも、そこにオチや、伏線があるわけでもなく、ただその人の心に残っているエピソードだけでした。
    でも読み終わると人が最後に話したい話って、こういう何でもなくわざわざ人に話すまでもないものかもしれないなぁと思いました。

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    2025年08月11日
  • 琥珀のまたたき

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    彼らの6年8ヶ月を語るには短く、物語としては長すぎる、永遠に終わらないかと錯覚するような作品だった。
    小川さんの作品の多くにいえるように、この作品もまた不変であるはずのものがほんの少しだけ綻び、その小指の先ほどの綻びが、気づいた時にはもう止めることが出来ないスピードで大きな穴になっていくようなお話だった。
    閉じ込められていたからこその美しさ。
    誰が悪かったのか、誰が救われたのか。
    何も残っていない掌を眺めている気持ちだ。

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    2025年08月10日
  • 不時着する流星たち

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    作品紹介・あらすじ

    たくらみに満ちた豊穣な世界文学の誕生!

    盲目の祖父は、家中を歩いて考えつく限りの点と点を結び、その間の距離を測っては僕に記録させた。足音と歩数のつぶやきが一つに溶け合い、音楽のようになって耳に届いてくる。それはどこか果てしもない遠くから響いてくるかのようなひたむきな響きがあった――グレン・グールドにインスパイアされた短篇をはじめ、パトリシア・ハイスミス、エリザベス・テイラー、ローベルト・ヴァルザー等、かつて確かにこの世にあった人や事に端を発し、その記憶、手触り、痕跡を珠玉の物語に結晶化させた全十篇。硬質でフェティッシュな筆致で現実と虚構のあわいを描き、静かな人生に突然訪

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    2025年08月05日
  • そこに工場があるかぎり

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    普段は全く興味も関心もない仕事のことなのに専門職の人の話を聞くと感心するとともに、もっともっと知りたくなってくる。そんな欲求を満たしてくれる一冊。
    自分が普段行っている作業も著者にインタビューされ、活字となったら、こんなに魅力的になるのだろうか?そのあたりのこともとても気になる。

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    2025年08月03日
  • 妊娠カレンダー

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    小川洋子さんの作品は何冊も読んできたが芥川賞受賞作は読んでいなかったなと手に取った。表題作を含む3編を収録。いろいろな形で身体的な何かと不思議な感覚を描く作家さんだなと思っていて、「ドミトリイ」は特にその後の作品につながる片鱗を感じる初期作品という感じで良かった。表題作で扱われる「妊娠」もまさに身体の変性にまつわる不思議で不気味な体験そのものという感じなので、なるほどこれが小川洋子の芥川賞受賞作か、と納得の作品だった。

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    2025年07月31日
  • 耳に棲むもの

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    小川洋子さんらしい、不思議な幻想的な世界観。絵は山村浩二さん。タイトル文字写真だとわからないけどキラキラですてき。

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    2025年07月31日
  • ブラフマンの埋葬

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    犬を飼っていた時の事を思い出しました。
    描写が一つ一つ柔らかくて、とてもリアルだと感じました。
    ペットとの大事な思い出を思い出したい時、寂しい冷ややかな日等ほっこりしたい時に読みたい本

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    2025年07月27日