小川洋子のレビュー一覧

  • 原稿零枚日記

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    日記の中で異界が次々に立ちのぼる。メタな物語。どこまでが本当なのか。梨木香歩の『家守綺譚』などのテイストに似ている。最後のMが生きていてくれるだけで、という部分。お母さんが声を向こうにやってしまう部分。そこが染みる。

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    2017年03月21日
  • いつも彼らはどこかに

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    しっとり不思議な感覚になる短編集。美術館にくる修理屋はちょっぴり苦手。なのにクセになる。何だかいけない気持ち。帯同馬に思いを馳せた。

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    2017年03月12日
  • 世にも美しい数学入門

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    啓蒙書としては大成功だ。偉大な数学者が生まれる条件も面白い。何かにひざまづく感覚、美的感覚、精神性を尊ぶことが大事というのが腑に落ちた。

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    2017年03月09日
  • 偶然の祝福

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    不気味だけど懐かしい。キリコさんの失敗のパンの届くところ、盗作、失踪者。静謐は十分だったが、つながり、掘り下げがイマイチだったか。
    現実と創作が混じり合ったエーデルワイスの感じは好き。

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    2017年02月06日
  • アンネ・フランクの記憶

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    ミープさんの佇まいに、私も心が震えた。

    また、規則正しさの怖さ。

    小川さんの文学にいかにアンネの叙述が影響を与えているか認識した。

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    2017年01月12日
  • 原稿零枚日記

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    タイトルから、エッセイなのかと最初思った。
    (違うこれは小説だ、ということを分かった上で読み始めた)

    作家の“私”はなかなか思うように執筆がはかどらない。小説の取材で、宇宙線研究所や盆栽フェスティバルなど、様々な地を訪れる“私”だったが、いつも知らず知らずのうちに不思議な世界へと迷い込んでしまう。
    苔料理を出す料亭、海に繋がる大浴場、神隠しのように人が消えてゆくアートの祭典。これは果たして現実なのか。幻と現の狭間で、作家は日々の出来事を綴り続ける。

    日記形式で書かれている不思議な短編集。
    遅々として原稿が進まない作家の日常は、お世辞にも立派とは言えない。派手さもなく心が浮き立つようなことも

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    2016年12月04日
  • アンネ・フランクの記憶

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    「アンネの日記」に続いて、小学生ぐらいの頃に読んだ。その後、大学生ぐらいになってから「博士の愛した数式」を読んで、同じ小川洋子さんが書いたものだと知った。そう思って読んでみるとまた違った感じがありそうなので、もう一度読みたい本。

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    2016年09月22日
  • カラーひよことコーヒー豆

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    小川洋子さんのエッセイ「カラーひよことコーヒー豆」、2009.12発行です。29編のエッセイが収録されてます。小川洋子さん、エッセイにも「キレ」があります!29番目のエッセイは「理想の一日」です。小川洋子さんの理想の一日は、小説を書き、犬と散歩し、タイガースを応援することだそうです。この3つさえあれば十分、他には大した望みはないとのこと。小説をウォーキングに、犬が猫に、タイガースがカープに・・・、私の一日に~(^-

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    2016年05月30日
  • いつも彼らはどこかに

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    ネタバレ

    2016年、31冊目です。

    動物と人間のふれあいみたいなことがモチーフかと思って読み始めました。
    それは、心地よく見事に裏切られました。まさに小川ワールドという感じです。
    ストーリーや文体そのものに、大きな感動や心を揺さぶるメッセージがあるわけではないのですが、自分の心の中にある様々な考えというか既存の感情の隙間に、じわっとしみ込んでくる感覚がします。
    これは、私の小川洋子作品に対して共通して抱くイメージです。
    この小説は、何かしらの生物が出て来る8つの短編が収められています。
    「帯同馬」/「ビーバーの小枝」/「ハモニカ兎」/「目隠しされた小鷺」/「愛犬ベネディクト」/「チーター準備中」/「

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    2016年11月19日
  • やさしい訴え

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    林の中にある別荘に夫の元から逃げてきた瑠璃子は、チェンバロ製作者の新田とその弟子である薫と知り合い、それぞれ心に傷を負った三人で、不思議な三角関係が形成されていく。
    濃い緑の匂いや、少し哀愁を帯びたチェンバロの音が感じ取れるような美しい文章の中に、時折混ざる嫉妬の表現がなんとも不安をかきたて、読んでいると癒されるのと同時に、胸がざわついた。
    読み終えた後、胸に突き刺さるよな強烈な印象ではないものの、ちょっと悲しくて切なくてほろ苦い……そんな余韻に包まれました。

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    2016年05月24日
  • 刺繍する少女

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    【美しい孤独と死と華と虫】

    小川洋子のある世界。

    1日置いて解説を読んだ。そこには、本当に本書を読んだとは思えない事ばかり書いてあった。この刺繍する少女を含め本書は「残酷物語」ではない。死、狂気、奇異、恐怖などという、表面上の表現では表せない言葉がここにはある。見るだけでは読むだけでは聞くだけでは言うだけではわからない。よく冷えた生クリームのような美しさが本書にはある。多くを語る必要の無い素晴らしい作品だと思ったが、あまりにも解説が稚拙だったため追記させて頂いた。

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    2016年05月16日
  • 原稿零枚日記

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    ただのエッセイ本かと思ったら心地好く騙された。夢と現の狭間の世界をこんな風に幻想的に描き出せたら。文章から薫ってくるユーモアと感傷のバランスが絶妙。

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    2016年04月14日
  • ボタンちゃん

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    平成28年度課題図書(小学校低学年)。小川洋子さんの文章は、え絵とぴったり合っています。思い出の詰まった物たちの満足な様子に読後感もよく、温かな気持ちになりました。

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    2016年04月03日
  • ホテル・アイリス

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    【かくも美しき密室の調べ】

    今私が一番読んでるのは誰かと言われば間違いなく小川洋子だ。彼女の言葉はいつも一定のリズムがあり、その音はどんなに醜くくても、澄んで美しい。

    世界にぐるぐるにされた時、ヒンヤリとしたあの密室で私も髪を切り落とされたい。

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    2016年03月23日
  • 心と響き合う読書案内

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    春夏秋冬と別れて編集されているが,そこがちょっと引っかかるところもあるけれど,取り上げられている作品と内容に頷いたり気付かせられたり,覚えていない本を思い出したり思い出せなかったり,読んでない本は読もうと思ったり,とても楽しい気持ちにさせてもらいました.

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    2016年03月16日
  • とにかく散歩いたしましょう

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    小川洋子さんと、気が合いそうな気がした本。
    一話につき一冊の、本にまつわるエッセイ。出てくる本が、好きな本ばかりで嬉しかった。

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    2017年04月27日
  • 原稿零枚日記

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    作家である「私」が創作活動の合間に起こる出来事や過去の回想を徒然なるままに綴る日記形式の物語。不思議なことが次々と起こる小川作品が凝縮したような作品。

    山の中の温泉旅館のさらに奥、ひっそりと佇む苔料理専門店やただ物語のあらすじを話すだけの公民館のあらすじ教室。参加者がひとりずつ消えてしまっても集合時間を優先する現代アート展ツアー。

    確かにおかしい何かが当然のように存在するので、むしろおかしいのはこちらなのではないかという錯覚さえ覚える。

    さらには文体が日記であるという点と病院、母親、市役所、取材など現実のような単語が出てくるので事実と勘違いしてしまい、まるで明晰夢をみているようだった。

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    2016年01月29日
  • 沈黙博物館

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    「博士の愛した数式」の小川洋子女史の小説。なんとも不思議な物語。人の形見を展示する沈黙博物館の作成依頼を受けた主人公。この博物館のある街がまた不思議。もしかして死者の街?

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    2016年01月06日
  • ボタンちゃん

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    ネタバレ

    小川洋子さん初の絵本。ボタンちゃんというニックネームの子の話かと思いきや、まさかボタンが主人公の話とは。女の子のブラウスから取れたボタンが、おむすびころりんよろしく部屋の中をあちこち転がっては、タンスの裏側やベッドの下で、今では使われなくなり忘れ去られたモノたちに出会っていく。ボタンちゃんってば、励ましの達人。優しいタッチの絵がいい。

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    2015年11月27日
  • 世にも美しい数学入門

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    高校の時に一度読んで、最近また読みたくなったので読んでみた。数学は大嫌いだったが、この本は楽しく読み進めていくことができた。目に見えないゼロを発見したインド人はすごいし、天才数学者の生まれる条件がまったく数学に関係無い事に驚いた。欧米人とアジア人では数学の受け入れ方が違うなど、自分の知らないことが沢山あっておもしろかった。ゲーデルが発見した「不完全性定理」、チューリングが証明した、真偽を判定できない命題であるかどうかを、チェックする方法はない という結果が一番びっくりした。論理を数学であらわすことができるんだなと感じた。目に見えない世界を数学であらわしていくんだから数学者はすごいと思った。

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    2015年11月07日