小川洋子のレビュー一覧

  • 世にも美しい数学入門

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    博士の愛した数式も面白かったけど、同作者と実際の数学者との対談もなかなかだった。高校時代、数学にさんざん泣かされた身としては、ここで書かれたように、実験的感覚で学問と向き合うことが出来ればどんなに良かったことか、って思うことしきり。でも『小学生時代から先生より数学が出来て』みたいな発言を見て、やっぱり才能による部分が大きいんだな、って諦観みたいな気分も覚えたり。自分的には、美しい公式を見て、『うわ~、すっげー』って思うくらいがちょうど良い感じです。

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    2014年04月15日
  • 博士の本棚

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    タイトル通り、小川さんが心打たれた本、思い出に残る本について書いたエッセイ集。
    たまに犬や家族、仕事の話など。

    それぞれの本や出来事に対する考察も興味深いけれど、一番心に響くのは書くこと、表現することについての苦しみと喜びについてである。
    そして物書きとして小川さんが励まされる思想というものはどれも深い。
    元の文章も良いのだろうけれど、それを咀嚼し自分の養分としているところが、小川洋子の世界観を保ったまま上質な文章を書き続けられる秘訣なのかと感じた。

    書くことに限らず、あらゆる活動は最終的に死に至る人間の運命と照らし合わせるとあまりに空虚で無力感を覚えさせるものだ。
    だけどいつか自分の痕跡

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    2014年03月13日
  • ホテル・アイリス

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    ネタバレ

    すごーく官能的な話。老人のいいなりになる女の子。AVや成年誌の見本みたいな設定。それだけにエロスの本質でもあるし、登場人物の性欲がむきだしにされてても、小川洋子のやさしい文体のせいでまったく下品ではない。
    どうしてここまでエロチックな話が書けるのだろう、とかんがえると、小川洋子の作品にまつわる一つのフェチを思いつく。あの、「被・支配欲」とでも言うようなフェチズムです。強い存在の下に置かれその存在にひれ伏すことで得られる満足。
    しかしこれは自傷感のある、なんとなく悲しい性癖だと思う。小川洋子自体がそうじゃなくても、彼女の作品のヒロインたちはみんなどこか可哀想。ホテル・アイリスのマリはその痛々しい

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    2014年03月06日
  • 原稿零枚日記

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    小川さんの世界観はやはり好きです。
    静謐な感じがクセになります。原稿が書けないという状況。書こうとするけど違う方にいってしまい結局書けない。
    なんかふわふわしたような気持ちでした。
    いつもは登場人物の名前を出さないのに、最後にヨーコという名前がきたのは驚きました。

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    2014年03月02日
  • 刺繍する少女

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    どれもが冷たい美しさを持っている。現実を丹念に見つめていたら、幻想世界に迷い込んでしまったような。図鑑が一番好き。

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    2014年02月11日
  • 偶然の祝福

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    一人の若い女性小説家を主人公にした連作短編。
    左手を挙げたまま降ろせなくなった水泳選手とか小川さんらしい不思議な状況が出てくるものの、主人公が小説家ということで、なんとなく自叙伝的な物語のような気がしながら読んだのですが、どうも違うようです。
    独特の雰囲気があります。
    現実と虚構の境目のあいまいさとか、全体を流れる暗い喪失感だとか、いかにも「物語」なのです。ただ、それを通して小川さんが語ろうとしている何かが掴めないのですが、もともと掴む必要もないのかもしれません。

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    2016年05月29日
  • 世にも美しい数学入門

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    わかりやすくて楽しく読めた。
    江夏の28ー完全数
    ゴールドバッハの問題
    「6以上の偶数はすべて二つの素数の和で表せる」

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    2014年02月01日
  • ホテル・アイリス

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    小川洋子の作品は割と共通して、どこか陰鬱で気だるげで色気が漂っていて、そして家族像が少なからず全うじゃない。
    この話には、様々なコンプレックスや劣等感等が入り交じっていて、それを癒す為に衰えた老いた体の老人にいたぶられる。
    読んでいて痛々しいのだけど、きれいな文章と儚い空気に飲み込まれる。

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    2014年01月27日
  • 科学の扉をノックする

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    完全文系人間にとって、未知の世界。入門書といえど書いてある内容は難しく、わからなかった。しかし小川さんによる感想、解説が興味深く、登場する学者さん達に敬意を払わずにいられなかった。好奇心をもつこと、想像力をもつこと、命について考えること。あらゆる学問の原点は同じなんだと。文系・理系で二分化せずに、知的好奇心を培っていきたいと思わせてくれるような1冊。

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    2014年01月09日
  • とにかく散歩いたしましょう

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    静かで、淡々としているのに、読んでいて口角が上がっているのがわかる。ちょっとおどおどした感じ、腰の低い感じ、視線が身近なところを眺めているのかと思いきや、ふっと遥か遠くに移ったりする感じ。小説につながっていて、物語の生まれる下地を見せてもらうような、温かい気持ちになる。

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    2014年01月02日
  • 言葉の誕生を科学する

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    楽しい!小川洋子のように、言葉遣いに意識的で異分野異文化に好奇心をもつ作者だからこその「科学者に聞く言葉の起源」。
    共著者の岡谷氏は、鳥(ジュウシマツ)やハダカデバネズミを使って研究している。オスメスの求愛や集団内の社会的なコミュニケーション手段としての言語が出発点。
    本書の指摘で特に面白くヘェ〜と唸ったのは2点。
    一つは、言葉が時間を生み出したということ。もう一つは、コミュニケーションが持つ"つながること"そのものの魅力。
    私はそれを、「言葉の持つ再生機能が『今、ここ』ではない時間と空間を可能にした、その装置の名は『物語』と読んだ。そしてそれが死という時間の流れが止まって

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    2013年12月25日
  • 沈黙博物館

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    形見の博物館。

    一つ一つの形見のお話しが読みたくなる。

    この博物館に保護されれば
    自分が生きた証は残されていくのかと思うと
    自分の形見も仲間に入れてほしい気がしました。

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    2013年12月17日
  • 言葉の誕生を科学する

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    面白かった。言葉の起源は「歌」ではないか?まさか小鳥と人間に共通点があるとは思わなかった。
    文系の私でも分かりやすく書かれていてお二人の対談に引き込まれる。
    赤ちゃんや雛の泣き声について、現代のコミュニケーションについてなど、興味深い話がいっぱいだった。

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    2013年11月14日
  • 刺繍する少女

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    なんと美しい残酷物語。
    特に「図鑑」は金井美恵子の「愛の生活」を彷彿させる。
    小川洋子は、残酷な事、グロテスクな事を美しく丁寧な描写で書くのが本当に得意ですな。
    今回も小川洋子ワールドに浸らせて頂きました。
    トランジット、図鑑が特に好き。

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    2013年10月22日
  • 原稿零枚日記

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    現実なのか空想の世界なのか、その境目がわからないままに、ちょっと怖い世界へと入っていく感じ…
    小川洋子さんらしい一編だな~って思います。
    苔料理って、ホントにあるのかしら??

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    2013年09月26日
  • 原稿零枚日記

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    苔、食べてみたい。
    小川洋子の、主人公が物書きの設定の小説は、主人公が小川洋子自身じゃないかと錯覚する。

    不思議な感覚。

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    2013年09月05日
  • 原稿零枚日記

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    とてもユニークな作品だ。現実か、夢か、はたまた妄想か。苔料理とか、運動会あらしとか、あらすじ係とか、聞きなれない言葉が出てくる。ありそうで、ありえない、あったら面白そうだなと、感心する。著者の小川洋子さん、顔はテレビの週刊ブックレビューで見たことある。どこにでもいるおばさんというと失礼かもしれない。でも、自分の身の回りにもいるよな、こんな人。同姓同名の知り合いがいることから、何となく興味を持って読み始めた。いつの間にか、新作が出ると、買ってしまう。文体は美しく洗練されていて、ついつい読み込んでしまう。この作品も、確か週刊ブックレビューで紹介していた。ウィットに富んで、本当に楽しい作品だ。

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    2013年09月04日
  • 原稿零枚日記

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    数年前の年の暮れ、運転中にFM放送で小川洋子さんのブックレビューを聞いていたことがある。川上弘美さんのエッセイで炬燵の中で原稿を書き始めるのだが、1枚も書けないという記述に「とても共感します」と話されていた。
    そんな雰囲気を予想していたのだが、安閑、のんびりした話では全くなかった。主人公の作家は小川さんとは違う作家だろうな。小川さんの処に市役所から生活改善指導の職員(?)が来るわけないもの。

    奔放で不気味な幻想を読んでいると、聞いちゃいけない話を聞かされたような共犯意識とでも云うのだろうか、冷や冷やする感触を味わう。さほど厚くない本がなかなか読み進まない。
    子供や赤ん坊、乳房や母乳に対する執

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    2013年09月04日
  • 博士の本棚

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    小川洋子さんも村上春樹の愛読者だったのか。
    改めて、「中国行きのスロウ・ボート」を
    読んでみよう。

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    2013年07月18日
  • ホテル・アイリス

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    小川洋子先生の官能小説。
    すごくいい。

    表紙の絵、ホテル・アイリスというタイトル名、主人公の名前・・・すべてがこの世界にぴったり合っていて、とても気持ちいい。

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    2013年07月09日